ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、アクションアドベンチャー『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』です。
【こういう人におすすめ】
- 派手なアクションシーンが見たい
- 謎解きが好き
- 財宝を求めて冒険したい
※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整し、加筆修正したものです。
亀井ライダーのおすすめゲーム
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』
- プラットフォーム:PS4
- 発売日:2016年5月10日
- 発売元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
- 価格:2189円[税込]
- パッケージ版:あり
- ダウンロード版:あり
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『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』公式サイト
※価格は『PlayStation Hits』のものです
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』 プレイ動画
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』は、アクションアドベンチャーゲーム『アンチャーテッド』シリーズ最終作。シリーズの主人公であるネイサン・ドレイク(以下、 ネイト)の最後の冒険が描かれる。
舞台となるのは、前作『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』から3年後。
ネイトはトレジャーハンターを引退し、数々の冒険をともにしてきたエレナという女性と結婚して平和に暮らしていた。しかし、死んだと思われていた兄のサミュエル(以下、サム)が登場し、海賊王として知られる“ヘンリー・エイブリー”の秘宝を探す冒険へと旅立つことになる……というストーリー。
まず、本作は、シリーズで初めてのPS4用ソフトであり、グラフィックがとても美しい。景色はもちろん、登場人物の顔のしわや浮き出る血管といった細かい部分まで表現されている。
会話中のちょっとしたしぐさや目線の動きかたまでリアルなので、実写かと見間違うほどだ。
また、映像だけでなく、ストーリーも考えさせられる部分があっておもしろい。ネイトが兄のサムとともに冒険へとくり出すわけだが、妻であるエレナにはこの冒険のことは内緒。トレジャーハンターを引退していたのもあるが、危険なことはしないとエレナに約束していたからでもある。
さらに、財宝を狙っているのはネイトたちだけでなく、幾度となく立ちはだかる敵も登場する。いままでのシリーズでは、財宝を手に入れることがいちばんの目的だったが、本作では、ある目的を達成するためは財宝が必要、といった感じで、目的のひとつである印象を受けた。
プレイするうえでは、財宝を見つけることがおもな目的になるが、そういったストーリーに関しても目を向けると、より一層本作を楽しめるのではないかと思う。
ちなみに、シリーズ過去作品をプレイしていなくても本作は楽しめる。ただ、本作をプレイしてからでも、過去3作をプレイしてみてほしい。登場人物がどういう物語を経て、いまの関係になったのかがわかって、より『アンチャーテッド』シリーズを楽しめるはずだ。
ストーリーも魅力だが、やはり大迫力のアクションシーンもすばらしい。“Playする映画”というキャッチコピーにふさわしく、まさにアクション映画に出てくる登場人物を操作しているような感覚に陥る。
ムービーシーンもあいだに挟まれるものの、プレイ画面との切り換えがスムーズに行われるため、シームレスに物語が進行するのだ。
とにかく、ひとつの物語をプレイしているという感覚が大きいため、止めどきが見つからない。チャプターで分けられてはいるものの、先が気になってプレイし続けてしまう。
戦闘においても、 本作ではステルス要素が大幅に進化しており、銃を使用せずステルスだけで突破できる場面も。
見つかれば当然ながら戦闘になるが、敵の目をかいくぐりながら身を潜めると、再びステルス状態で進むことも可能となっている。
もちろん、最初から銃で敵を一掃してもいいし、高い場所から狙い撃ちをしてひとりずつ確実に倒すのもいい。何なら、ひとりも倒さずにその場面を切り抜けられる場面もある。自分なりの方法で、その場その場に合った攻略のしかたがあるのがおもしろい。
筆者は、一度も見つかることなく、ステルスでその場にいる敵を全員倒せたときの達成感が忘れられず、どんな状況でも、できるだけステルスで進むようになった。
とはいえ、銃やグレネードを使って一気に敵を倒すのも、それはそれで爽快感がある。その場に応じた方法、自分に合った方法で進められるのが楽しい。
また、謎解き要素があるのも魅力のひとつ。探しているのは、“海賊王”の秘宝であるため、簡単には見つからない。手掛かりを少しずつ集め、ときには大がかりな仕掛けを解きながら財宝へと近づいていくのだ。
仕掛けも、簡単すぎず、かといって頭を抱えるほど難しいわけでもなく、ちょうどいい塩梅。どれだけ考えても答えがわからないという場合でも、いっしょに行動しているキャラクターやネイト自身が何かに気づいて、ヒントを教えてくれるので安心だ。
物語の目的は海賊王の財宝を見つけることだが、収集要素である宝物も集められる。道の少し外れたところや、ストーリーを進めるだけなら行かなくても問題ない場所など、総じて見つけにくい場所にあるのだが、この宝物をすべて見つけられたら、それはもう立派なトレジャーハンターだろう。
すべて見つけるのは骨が折れるが、できれば最初は自分で探して、発見する楽しみを味わってほしい。探し回っているうちに、細部まで作り込まれたグラフィックの再確認もできるはずだ。
海賊王の財宝を探すというわくわく、ド派手なアクション、重厚なストーリーなど、さまざまな魅力が詰まった本作。気になった方はぜひプレイして、財宝を探す冒険を楽しんでほしい。