DMM GAMESで提供されていたオンラインゲーム『政剣マニフェスティア』は、2020年7月10日13時にサービスを終了した。だが、およそ10時間後にPC(Steam)の買い切りゲームとして復活することが決定した。

 『政剣マニフェスティア』は、総理となって戦挙でヤトーを倒すことが目的のシミュレーションゲーム。選挙ではなく“戦挙”、敵は野党ではなく“ヤトー”。そして、プレイヤーを案内してくれるマスコットの名前は“ナイカク”。美少女キャラを指揮してヤトーと戦うのだが、社会の教科書などで見たことがあるような名前も多い。

 たとえば、

  • ヒラリイ・イトウ(ヒラ、イトウ……伊藤博文?)
  • アリシア・ヤマータ(アリ、ヤマ、タ……山縣有朋?)
  • カクタス・タナカ(カク、タナカ……田中角栄?)

 など。攻めた設定でありながら出オチのバカゲーではなく、ゲーム性やキャラクター性が好評を博し、4年以上にわたってファンから愛されてきた。

 どんどん新作オンラインゲームがリリースされ、1年ともたずにサービス終了するタイトルも少なくない昨今。4年というサービス期間は十分な実績だ。2016年にファミ通.comに掲載した開発秘話インタビューからは、地に足を着けて、かといって受け身にならずに攻めるときは攻めてきた姿勢が読み取れる。

 サービス終了が発表されたのは6月10日のこと。開発会社テクノードがTwitterでダウンロード版を遊びたいか否かのアンケートを実施したところ、「ダウンロード(買い切り)版でも遊びたい」や「どちらかというと遊びたい」という声が大多数を占めた(5502人中の92.7%)。単純計算で5000人以上が続投を望んでいることになる。

 そして、その1ヵ月後の7月10日。13時にサービスが終了なり、21時からSteam版の開発資金を調達するため、クラウドファンディングがスタートした。当面の目標額は1000万円。そこまで到達できればSteam版の開発が決定する。

 支援の募集期限は2020年9月10日。仮にアンケートに答えた5000人が1000円ずつ支援してくれたとして、残り半分はどうなるか。

 と、不安がよぎったのもつかの間、何と開始2時間で1000万円をクリアーしてしまった。サービス終了からわずか10時間。不死鳥だってもう少しもったいつけて復活すると思う。

 その後も支援の勢いは衰えず、2日目には最終目標の1500万円に到達。ボイス実装やキャラクター資料の製本化、内容の拡充検討など、オンラインゲームの頃よりパワーアップすることが決まったのだから驚きだ。バランスは買い切りゲーム用に調整され、今後の展開しだいでは追加コンテンツ実装の可能性もあるという。

※2020年7月13日23時15分 最終目標の1500万円に到達したのが“2日後”と記載していましたが、“2日目”に修正しました。

 『政剣マニフェスティア』は課金でキャラが一気に強くなるゲームではなく、考えて遊べる戦略性を売りにしたタイトルだ。テクノード代表 三輪光氏のコメントによると、ソーシャルゲームとして継続するよりも、買い切りゲームのほうがゲームバランスの過度なインフレを防ぎやすいという。それならプレイヤー側にもメリットがある。

 どんなに人気のオンラインゲームだって、サービスがずっと続くとは限らない。サービス終了時、プレイヤーからは「オフラインで遊べるゲームとして残してほしい」や「集めた絵やデータだけでも鑑賞できるアプリを作ってほしい」などの声がよく上がる。開発・運営側も期待に応えたいだろうが、そんなに簡単な話ではない。慈善事業ではないので、無償では難しいのである。

 『政剣マニフェスティア』のクラウドファンディング成功は、好きなゲームのサービス終了を嘆くファンにとって、ひと筋の光になったのではないかと思う。きちんと愛されたゲームなら、終了後に何らかの形で残り続けると実証できたのだから。

 『政剣マニフェスティア』はオンラインゲームにとって幸せな最期を迎え、新たな姿で再始動する。支援は9月10日まで受付中。興味がある人は、クラウドファンディングの詳細ページをチェックしよう。

“「政剣マニフェスティア」をSTEAMでリリースしたい”詳細ページ(CAMPFIRE)