『マインクラフト』の世界の見えかたを大きく変えるリアルタイムレイトレーシング対応の『Minecraft with RTX』。昨年より見違えるような新しい世界の画像などが紹介されてファンの期待を高めてきたわけだが、ついにオープンベータが実施される。
オープンベータテスト版は2020年4月17日より公開予定! 『Minecraft with RTX』はもともとWindows 10版『マインクラフト』を所有している人には無料でアップデートされるのだが、それに先駆けて新しい『マイクラ』の世界を体験できるというわけだ。
この『Minecraft with RTX beta』で実現するリアルタイムレイトレーシングのグラフィックスや、DLSS2.0による処理向上など、注目ポイントを紹介しよう!
リアルタイム・レイトレーシングでこんなにも『マイクラ』の世界が変わる!
最大の見所は、何と言ってもDirectX Raytracing(以下、DXR)によるリアルタイムレイトレーシングのサポートだ。
レイトレースとは、文字通り“光線(レイ)を追跡(トレース)”して、現実的な物理法則に乗っ取ったリアルなライティング、シャドウ、エフェクトを実現するもの。リアルな光の表現がポップなグラフィックスの『マインクラフト』と融合することで、独特な味わいのある世界に進化する。
レイトレースのライティングは、私たちがふだんの生活のなかで目にしているのと同様の、物理的な法則に基づいた光を表現してくれるし、その光が自然な影を作り出してくれる。ライティングとシャドウが自然なことで、より没入感のあるゲームプレイが楽しめるわけだ。
『Minecraft with RTX beta』にあわせてNVIDIAが提供する6つのワールドのひとつ“Imagination Island RTX”より。画像の上はRTXオフ、下がオンにしたものだ。
オフだと、それぞれが独立して光っているだけだが、オンにすると左の青い光、右の赤い光、さらに下の水中からの緑の光に中央の城が照らされて、その境目やブレンドが自然に表現される。
NVIDIA提供の6つのワールドのひとつ“Crystal Palace RTX”より。RTXをオンにすると太陽の光が広範囲を照らしていて太陽の位置もわかる。また、水面の反射も美しく表現されるので、ビジュアルの印象がガラリと変わる。
窓から差し込む太陽の光も、このように自然で美しく表現される。また、室内で太陽光が反射して複雑な明るさを作り出しているところ、さらに室内に設置された灯りもまた別の光を発していて混ざり合っているところも注目ポイントだ。
物理ベースマテリアル、つまり素材の質感の表現も従来より豊かになった。金属的なもの、表面がざらざらとしたもの、色のついた光を発するものなどがあり、そこにレイトレースによる自然な光が当たることで、より素材の豊かな色味や質感が描写されていく。
この他にも『Minecraft with RTX beta』のスクリーンショットが公開されているので、以下に掲載しよう。いずれも、リアルタイム・レイトレーシングによるライティング、シャドウ、エフェクト、そして表現力が増した素材感の魅力が伝わるものになっている。
『Minecraft with RTX』ではAIによる超解像技術“DLSS 2.0”に対応して、画質とフレームレートを向上!
続いては処理負荷の話。『Minecraft with RTX』では、GeForce RTXシリーズで使用できるディープラーニングを活用したAI画像処理の最新版となる“DLSS 2.0”に対応している。
“DLSS 2.0”はざっくり説明すると、AIの力でグラフィックスをキレイに、そして負荷を軽くするという機能だ。グラフィックスのレンダリング解像度を高めてより鮮明にし、それでいてフレームレートも向上してくれる。
『Minecraft with RTX』では、ユーザーの出力解像度に基づいてレンダリング解像度が自動的に設定されるということで、1080pではDLSS 2.0は“画質”モードに、1440pでは“バランス”モードに。4Kでは“パフォーマンス”モードに設定されるとのこと。低解像度では画質向上に、高解像度ではフレームレート向上に割り振るというわけだ。
DLSS 2.0によるフレームレート向上は上記のように解像度次第で変わってくるが、1080pでは約30fpsほど、1440pでは約40fpsほど、4Kでも約33fpsの向上が見られるということで、効果は絶大だ。
NVIDIAから『Minecraft with RTX』に向けた新たな6つのワールドをMinecraft Marketplaceに公開予定
『Minecraft with RTX』での表現を手軽に体験できるよう、NVIDIAから6つのワールドが公開される。まずはここから試してみるのがオススメというわけだ。また、『Minecraft with RTX』に対応したワールドを作るためのツールも用意される。
『Minecraft with RTX』に触れられるのはもうすぐ!
このようにリアルタイム・レイトレーシングによってまったく新しい世界を見せてくれる『Minecraft with RTX』。4月17日よりオープンベータテスト版が公開される予定なので、ぜひチェックしていただきたい。
なお、必要スペックとしては、『Minecraft with RTX』でリアルタイム・レイトレーシングなど各種の特徴と言えるオプション項目をオンにするには、GeForce RTXシリーズのグラフィックボードが必須で、一部のレイトレーシング対応なGeForce GTXシリーズでは動作しない。
これは、GeForce RTXに搭載されている専用のレイトレーシングコア (RTコア) でのハードウェアアクセラレーションを使用しているためで、GTXシリーズでは『Minecraft with RTX』の機能をフルに動かすことはできないとのこと。この点にはご注意いただきたい。