次世代のクリエイティブな生きかたについて“三者対話”を通して考えるプラットフォーム“trialog(トライアログ)”。2020年2月19日(水)に“TRUNK BY SHOTO GALLERY”で、第9回のトークイベントとして、“trialog vol.9 クオリティとミッション”が開催された。
コジマプロダクションの小島秀夫監督らが登壇し、それぞれが考える“仕事への向き合いかた”について語り合った同イベントのライブ映像や、イベントレポートが“trialog”のWEBサイトや“trialog”YouTubeチャンネルにて公開中。
また、本日2020年3月10日、本イベントのダイジェスト動画が公開された。
以下、リリースを引用
「いい仕事」とは何か? trialog vol.9開催レポート ゲームクリエイター小島 秀夫氏、社会活動家マクティア マリコ氏らを迎え、仕事の「クオリティとミッション」を語るライブ動画配信は延べ170万回超の視聴回数!
trialog YouTubeチャンネルにて、本日よりダイジェスト動画が公開
blkswn publishers のコンテンツ・ディレクター若林 恵とソニーが仕掛ける、次世代のクリエイティブな生き方について“三者対話”を通して考えるプラットフォーム「trialog(トライアログ)」は、第9回のトークイベントとして、trialog vol.9「クオリティとミッション」を、2020年2月19日(水)、TRUNK BY SHOTO GALLERYにて開催しました。
今回のtrialogでは2つのトークセッションを実施しました。第1部は「QUALITY クオリティはどこまで追求するのか。」、第2部は「MISSION この仕事はいったい何のため?誰のため?」をテーマに設定。分野も立場も全く異なる登壇者が、それぞれが考える「仕事への向き合い方」について語り合いました。
第1部のゲストは、話題沸騰中の最新作『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』(PlayStation4用ゲームソフト)を世に送り出したゲームクリエイター・小島秀夫氏。
第2部には、一般社団法人 Social Innovation Japan の代表理事・共同創立者であるマクティア マリコ氏と、ソニーのエンジニアでありながらベンチャー企業で「ながら聴き」イヤホン「ambie sound earcuffs」を手掛ける三原良太を迎えました。
trialog共同企画者の水口哲也と、trialog代表の若林恵も加わり、それぞれの視点を交えながら、クオリティの観点から「自身が考える“いい仕事”」や、ミッションの観点から「仕事を通じて社会に果たしていきたいこと」などの対話を深めました。
トークセッションでは、ライブ視聴者や会場の参加者からTwitterで寄せられた質問に登壇者が答える場面もあり、登壇者と会場内外の参加者が一体となって、“ほんとうに欲しい未来”を考えるイベントとなりました。
これらのライブ映像やイベントレポートは、trialog WEB サイトや trialog YouTube チャンネルにて公開中です。
trialog vol.9「クオリティとミッション」開催レポート
第1部:「QUALITY クオリティはどこまで追求するのか。」──小島秀夫氏×水口哲也×若林恵
「全てを完璧にすることは無理。クオリティのラインは自分で決めるしかない」
「バジェット(予算)とスケジュールを見合わせてしかモノは作れない」と、クオリティの追求について話し始めた小島氏。自身を“完全主義者”だという小島氏は、「昨日の時点で最高と思ったモノも、一晩眠ると嫌なんです」と話す。
「自分も世の中も毎日変化する。それに合わせて何度も調整を行っていると終わりがない。それがなぜ完成するのかというと、スケジュールとバジェット(という制限)があるから。スケジュールがあるからこそ、そこまでにできることを全力でやる。全てを完璧にすることは無理だから、クオリティのラインは自分で決めるしかない」と語った。
水口も「僕らは『いくらでも時間があるよ』と言われたら、ずーっと作っているんですよ。完成させたくないっていう“病気”があって」と小島氏の意見に賛同した。
若林から「いい仕事ってなに?」と問われると、小島氏は「『人の記憶に残ること』ですかね。自分が死んだ後も人の記憶に残り、『あの人の一言で自分の生き方が変わった』みたいに、人に影響を与える存在でありたいですね」と答えた。
さらに、「生物は生まれて子孫を残し、繋いでいったら(すべきことを果たしたというふうに)評価されるけど、やっぱりそれだけじゃ嫌じゃないですか。『自分がこの時代に生きたからこそ、こんな文化が生まれた』みたいな、そういう人の役に立つことがやりたい」と語った。
第1部ダイジェスト動画
第2部: 「MISSION この仕事はいったい何のため?誰のため?」──マクティア マリコ氏×三原良太×若林恵
「自然が大好きだから、それが悪くなっている中で、自分なりの課題解決をしていきたい」
ペットボトルの消費量の多さに課題を感じたマクティア氏は、カフェや公園の水飲み場など、無料で給水できる場所を手軽に探せるアプリ「mymizu」を立ち上げた。
話題はSDGsになり、若林から「重大な問題だとみんなも感じているSDGsへの向き合い方」について質問されたマクティア氏は、「みんな『変わらないといけない』とは思っているけど、何をしていいか分からない。だけど、『そろそろ危ない』という現状のポジショニングを捉えることは大事。ヨーロッパでは経済システムの変革を政治レベルで話されている」と訴えた。
続けて若林から「世界規模のシステムを変える話と、自分の行動はどう結びつけたらいい?」と問われると、マクティア氏は「自分の選択肢を少しずつ変えていく。それをみんながすることで、(世界のシステムが最終的には)大きく変わっていくと思う」とアドバイスした。
三原も「今は、世の中の責任が個人にも分配されている。ペットボトルを作る側(企業)だけじゃなくて、買う側(個人)にも責任がある」と、自らの考えを話すと、マクティア氏も「買う側が“自然をよくするもの”だけを選んでいくと、そういう世界になるのでは?」と続けた。
さらに、「仕事の中で社会に果たせることって考える?」との問いに対し、三原は「作ったモノに対する社会的責任とモノを創ること自体のワクワク感は分けて向き合わないと、新しいモノが生まれなくなってしまうので、決してワクワクを損なわずに、いいバランスで世の中に届ける方法を考えている」と回答。
また、「いい仕事ってなに?」との問いに対し、マクティア氏は「人は問題解決をすることで幸せになると考えている。私は自然が大好きだから、それが悪くなっていっている中で、『自分なりの課題解決』をしていきたいと思っている」と答えた。
第2部ダイジェスト動画
Future Showcase by Sony──三原良太
Future Showcase by Sonyでは、ソニーのエンジニアでありながらジョイントベンチャー企業「ambie」を立ち上げた三原良太が、自身の手掛ける、“あえて耳を塞がない”新感覚イヤホン「ambie sound earcuffs」について話した。
イヤホンのスピーカーから耳元までの間に音導管を使うことで、耳を塞がずに音楽を聞くことができるという独自の構造を紹介。
また、開発ストーリーとして、近年ストリーミングサービスが流行し、ユーザーの感情に基づいてプレイリストが作られていることに気づいたことから、「没入して音楽を聴く時代」から「音楽を環境として楽しむ『ながら聴き」の時代」に可能性を感じ、「聴きながら、聞こえる。聴きながら、話せる。」をテーマに「ambie」を開発した、との話を、今後の構想も交えて紹介した。
今後もtrialogは、次世代を見据えたクリエイティブプラットフォームとして実験的な試みを重ねながら、定期的に展開していきます。これからの活動にご期待ください。
trialogとは
trialog(トライアログ)は、次世代に向けた“対話”のプラットフォームです。
trialogでは、世の中を分断する「二項対立」ではなく、異なる立場の三者が意見を交わす「三者対話」の空間をつくり、「ほんとうに欲しい未来はなにか?」について議論
を深めながら、次世代に向けた自由でクリエイティブな生き方と、その未来のあり方について考えるトークイベントを実施しています。
イベントの様子は、trialog公式Twitter アカウントでライブ配信を行うとともに、視聴者はネット上からリアルタイムにコメントを投稿することで対話の場に参加できます。イベント後は公式 WEB サイトでアーカイブ映像を公開します。
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