話題の『ドラクエタクト』を実際に遊んでみた!
『ドラゴンクエスト』(以下、『DQ』)シリーズ発のタクティカルRPGとして、iOS/Android向けにリリースが発表された、『ドラゴンクエストタクト』。
タイトルの発表から話題となっている本作だが、2020年2月27日から3月5日(予定)までクローズドβテストが実施されることが発表され、ユーザーの期待も高まっている。本作の概要に関しては下の記事でも説明したので、チェックしてくれた方も多いはず。
たくさんのファンが盛り上がっているこのタイミングで、今回は本作のクローズドβテスト版を先行で体験できることに! 「バトルはどうなの?」、「ガチャは必須?」など、気になる点はたくさんあると思うので、以下ではいくつかのトピックに分けて、実際にプレイした記者のインプレッションをお届けする。
戦略ゲーム初心者でもイケるバトルシステム
キモとなる本作のバトルシステムだが、非常にオーソドックスな作り。過去に一度でも同ジャンル、あるいは将棋などに触れたことのある人であれば、スムーズに遊べるはずだ。操作性に関しても、“自身の行動と、移動範囲内にいる攻撃対象にしたい敵をタップすれば、そこまでの移動は勝手にやってくれる”という、昨今のタクティカルバトルで採用されているストレスフリーなものになっている。
スマートフォンで遊ぶために最適化されていることもあり、オートバトルが採用されている点も注目だ。いまのところ、オートバトルで遊んだ場合は「その敵を攻撃するの!? まあいいけど……」みたいなことも起こる。だが、これはあえての仕様だろう。戦略的な思考が問われるタクティカルバトルでオートが最強というのは興ざめなので、これはこれでいいと思う。
また、ある程度までゲームを進めると、特定のモンスターを強くしただけでは勝ち進むのが難しい場面に遭遇する。各モンスターにはいくつかの弱点が存在するが、自分のパーティの弱点を突く攻撃を得意とする敵パーティと戦うことになった場合は、レベル差がある、あるいはランクの高いモンスターで挑んでも、苦戦を強いられることに。
逆に言えば、敵の弱点を突けるような特徴を持つパーティで挑めば、多少のレベル差があっても勝利できるということ。このあたりは、タクティカルバトルとして正しい姿になっていると感じた。
バトルに勝利すれば勝利報酬を獲得し、つぎのステージが解放される。またクリアー 時に特定の条件を満たすことで、“ミッションクリアー報酬”もゲットできる。ステージをつぎつぎにクリアーしていくことで物語を進められるという、ゲームの大きなサイクルは王道となっている部分なので、多くの説明は不要だろう。
念のために補足しておくと、戦闘に参加したモンスターは経験値を獲得する。ただし、それを経験値稼ぎの主軸にするのは少々きびしそうな印象だ。バトル勝利時などに入手できる“経験値の古文書”を併用してモンスターのレベルを上げていくことが、重要になりそうだ。
モンスターの種類を増やすのはスカウトがメインに!?
仲間のモンスターはストーリークエストを進めていけば増えていくが、もっとも効率よく増やす方法は、先行プレイの印象で言えば“スカウト(ガチャ)”をすることだと思われる。
モンスターはその戦闘力に応じて、ランクの高いほうから順にS、A、B、C、D、E、Fというランク付けがされている。スカウトではそのうち、Cランク以上のモンスターを確実に仲間にできるという仕組み。もちろんモンスターを仲間にする機会はスカウトだけに留まらず、ステージクリアー時や、特定のミッションクリアー時などにも仲間にできる。ただし、ステージクリアー時に仲間になるかどうかはランダムで、序盤に仲間にできるモンスターのランクは低めとなる。
また、ミッションクリアー時にモンスターを仲間にできる機会は少なめに設計されている様子。必然的にスカウトが仲間モンスターを増やす手っ取り早い方法になるというわけだ。
ランクが高いモンスターを仲間にしやすいことこそ、スカウトの最大の魅力。彼らのレベルを上げれば、それだけ強力なとくぎを習得してくれるため、活躍の機会が増えることは間違いない。ただし、先にも述べたように敵との相性も重要なので、高ランクのモンスター“だけ”を育てればラクに戦えるのかと言われれば、それは疑問。このあたりは、タクティカルバトルとモンスターのレアリティーのバランスがうまく取れていると感じた。
なお、本作では同じモンスターを複数体仲間にすることはできないので、スカウトですでに仲間にしていたモンスターを引いた場合は“覚醒ポイントを獲得”することになる。入手した覚醒ポイントの数に応じて、モンスターはさまざまなスキルを習得して強くなるので、ムダ引きはない。
低ランクのモンスターに光明を当てるマスターランク
ゲームを突き詰めれば、高ランクのモンスターで複数の覚醒スキルを獲得しているか否かが重要になるだろう。しかし、少なくとも序盤では「多種のモンスターを仲間にできたほうが、敵の弱点を突くパーティを構成しやすそう」という印象を持った。とくに低ランクのモンスターの使いどころは、バトルごとのピンポイント起用になるのではないかと推察される。
もちろん、バトル参加時にはそれなりにレベルを上げておかなければならないので、育成には多少時間がかかることになる。しかし、日々ログインしていれば、ログインボーナスやデイリークエストで着実な育成ができるので……「時間はかかるけれども何とかなる」といった気配だ。
戦術的に有効とは言え、「低ランクのモンスターをピンポイントで起用するために育てるの?」という疑問を持つ方もいると思う。低ランクのモンスターは容易にランクアップでき、レベルの上限も比較的サクサク上がるのだが、同じレベルの高ランクモンスターと比較すれば能力的にやや劣ってしまうのが実情だからだ。ところが、本作ではその問題をユニークな形で解消している。それが、マスターランクという仕組みだ。
マスターランクとは、仲間にしている同じ系統のモンスターのレベルを合計し、一定の数に到達すると、同系統のモンスターの能力が底上げされるという要素。例えばスライム系を例に説明すると、低ランクであるスライムやスライムベスのレベルをガンガン上げてマスターランクを高めれば、高ランクのキングスライムの能力もマスターランクの影響で高まるということ。これにより、あらゆるモンスターのレベルを上げることのメリットが生まれている。
さらにモンスターの能力アップの手段としてとくぎの強化やそうび品、ランクアップなど多彩な手段が用意されており、育成の奥深さはかなりのもの。タクティカル“RPG”を称するだけあるといった感じだ。
駆け足で先行プレイ時に気になったポイントを解説してきたが、戦略ゲーム的なバトル、あるいは育成が好きなタイプにはわりと刺さるゲームになっているというのが、総評となる。
また、戦略ゲーム的なバトルが苦手でも『ドラゴンクエスト』が好きであれば十分楽しめるだけの親切設計になっているので、シリーズファンにもぜひオススメしたい。クローズドβテストを経てさまざまな調整が加わる可能性はもちろんあるが、現時点でもすでにけっこう楽しいので、今後の動向にも注目だ。
気になった人はクローズドβテストに応募して、運よく参加できるようであれば、その手で新しい『DQ』の冒険を楽しんでほしい。
「クローズドβテスト」の参加者募集を開始しました!詳細は公式サイトからご確認ください。
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— ドラゴンクエストタクト公式 (@DQ_TACT)
2020-02-13 16:07:36