海外インディーパブリッシャーのYsbryd Gamesは、Steamで新作ホラーゲーム『恐怖の世界』(英題: World of Horror)のPC/Mac版アーリーアクセスを2020年2月20日深夜より開始する。今回プレビュー版をプレイする機会を得たので、その内容をあらためてご紹介しよう。

 なお現時点ではアーリーアクセス版は英語のみとなっており、日本語などそれ以外の言語の対応は、2020年末に予定している正式バージョンまでブラッシュアップしていく過程で実装予定とのこと。

ポーランドからの異形のラブレター

 さて、本誌でも何度か紹介しているが、本作は日本のホラー漫画家・伊藤潤二とH. P. ラヴクラフトの作品群に影響を受けたという一種のホラーアドベンチャーゲーム。

 1980年代の日本の海沿いの小さな町を舞台に、町で噂されるさまざまな奇妙な事件を調査し、その背後で復活しようとしている"古き神"(Old God)へと迫っていくことになる。

不条理系ホラーADV『恐怖の世界』(World of Horror)が今晩深夜にアーリーアクセス開始。日本語対応は今後実装予定_05
口裂け女や赤マントなど、日本の都市伝説を参照したエピソードも。

 ゲームは事件別に複数エピソードに分かれており、プレイする事件によって一部細かいシステムが異なるものの、基本的には調査したい場所を選び、そこで起こるランダムイベントに対処しながら進めていく。

 道中で起こるランダムイベントや戦闘時に、選択したアクションに対し各種ステータス値を参照した成否判定が行われるなど、テーブルトークRPG的なシステムを採用しているのが特徴だ。

 ちなみにアートスタイルは往年のMacintoshのアドベンチャーゲームをイメージした2色または3色グラフィックとなっているため、なんとも絶妙な怪しさ。

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戦闘はターンベースで、各コマンド(それぞれ実行時間付き)を持ち時間の範囲内で組み合わせて実行するという形式。やたら項目が多いので一度落ち着いてひと通り目を通すのがオススメ。

アーリーアクセス版では複数エピソードにまたがるメインモードがプレイ可能に

 本作は東京ゲームショウなどに出展されたほか、PC/Mac版の出展用デモも公開されているのでプレイした人もいるかもしれない。それらの旧デモとアーリーアクセス版の違いは、複数エピソードにまたがって展開されるメインモードがプレイ可能になったことと、それにともない収録エピソードが増加したことにある。

 メインモードを開始すると、まず"古き神"1体(柱)がランダムに選ばれ、また同じくランダムに5つの事件が提示される。どの事件から調査するかはプレイヤー次第だが、調査中の負傷などで体力(STA)か理性(REA)がゼロになるか、破滅度(DOOM)が100%になるとゲームオーバーでやり直しだ。

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さーてどこから調査するか……。ポイントとなる場所はシステム側が示してくれるのだが、時には敢えて自分の直感を信じて外れてみるのもいいだろう……。

 1本のエピソードは10分以下で終わるホラー短編のような作りになっており、ひとつのエピソードが終わると、レベルやステータス値、そして入手したアイテムなどは次のエピソードに持ち越し可能。しかし"古き神"の影響が進んだことにより、ランダムに町での行動にペナルティが増えていく。

 また"古き神"自体がそれぞれ固有の追加ルールを持っていたりもするし、先に書いたように調査中はさまざまなランダムイベントに遭遇するため、毎回違ったアプローチが求められるというのがポイント。要はローグライクゲームのように、ランダム要素を乗りこなしながら何度もプレイできる作りになっている。

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うーん、学校の屋上から見えてしまった"目"から隠れるべきか、逃げるべきか……。

 というわけでコンセプト同様に癖の強いシステムだったりもするが、慣れてくると奇妙な不条理系ホラーの世界にずぶずぶとハマっていく感じを得られるはず。日本語実装を待ちたい人は無料デモを試しつつ、Steamのウィッシュリストにでも入れて待ってみるといいのではないだろうか。