2020年2月8日と9日の2日間、東京都港区の東京ミッドタウン ガーデンテラス4階にあるクラブ&レストランBillboard Live TOKYOにて、『ファイナルファンタジーVII』のジャズアレンジ曲を演奏する“Billboard Live presents SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY VII-”が開催された。

『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_01

 『FFVII』楽曲のジャズアレンジは、世界的トロンボーン奏者の中川英二郎氏とベーシスト川村竜氏が手掛け、今年1月22日に音楽CD『SQUARE ENIX JAZZ FINAL FANTASY VII』として発売。本公演はそれをベースとしたライブとなる。

 本稿では2020年2月8日の1st Stage(昼公演)の模様をリポート。

■出演者
中川英二郎(トロンボーン)
川村竜(ベース)
髭白健(ドラム)
宮本貴奈(ピアノ)※東京公演のみ
鈴木直人(ギター)
庵原良司(サックス・フルート)

※以下はライブの内容に触れるため、大阪公演に参加される方はネタバレにご注意ください。

 会場には“片翼の天使”をモチーフにしたパネルも。

『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_06

 ライブのオープニングはそれに相応しい『オープニング~爆破ミッション』。ピアノのイントロからしっとり始まったあとは、トロンボーン、サックス、そして太い音色が弾むベースが入ってくると一気にジャズっぽく。

 2曲目の『神羅カンパニー』ではフルートのハーモニーも加わるなど、演奏された曲は原曲と近いアレンジから雰囲気が大きく異なるものまで、さまざまなジャズアレンジでゲーム音楽とジャズの融合を体感。静かなバラード調の曲もメリハリが効いていて、ジャズ演奏の魅力を堪能できた。

『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_07
トロンボーン:中川英二郎
ベーシストの川村竜氏とともにジャズアレンジも担当。
『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_04
サックス・フルート:庵原良司

 原曲では壮大なスケール感を感じる『F.F.VIIメインテーマ』はテンポのいい、楽しくなるようなアレンジになっていたり、『エアリスのテーマ』では、冒頭のメロディーは原曲に忠実ながらも、途中からガラリと雰囲気が変わって驚かされたり。『メインテーマ(FINAL FANTASY SERIES)』では、最初はマーチっぽく始まり、続いてロック調、そしてジャズっぽくと、聴いていて楽しくなるアレンジ曲ばかりで、ジャズ初心者でも十分に楽しめる内容になっていた。『SQUARE ENIX JAZZ』シリーズは、『SQUARE ENIX JAZZ FINAL FANTASY VII』で3作目となり、『メインテーマ(FINAL FANTASY SERIES)』は1作目の『SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY-』に収録。

『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_05
ドラム:髭白 健

 テンポの速いロック調の『更に闘う者達』では、イントロのピアノソロが圧巻。アレンジし、ベースも担当する川村氏曰く、アレンジする際はキーボードを使ったため、さほど困難に思わなかったそうだが、実際にピアノで演奏するのは激ムズのスピード感だったとのこと。各奏者のソロパートでは観客からたびたび歓声も拍手が起こり、会場もかなりの盛り上がり。

『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_02
ピアノ:宮本貴奈

 MCでは、ゲーム好きで『FF』好きの川村氏が観客にティファ派かエアリス派かのアンケートを行い、拍手の大きさで『ティファのテーマ』か『エアリスのテーマ』のどちらを演奏するか決める、といったやり取りも(なお、川村氏自身はユフィ派と告白し、会場から笑いが)。けっきょく拍手の大きさは同じくらいで両曲演奏することに。

 また、サックス・フルートの庵原氏が「『FF』シリーズは、プレイステーションが買ってもらえなかったので『FFVII』以降やっていない」と発言すると、川村氏は「なんでここにいるんですか?」とツッコみながら、「そんなあなたにオススメなのが、4月10日に発売される『FFVII リメイク』!」と営業トークも展開して観客を笑わせたり、ライブは終始リラックスして自由に楽しめる雰囲気。

『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_03
ベース:川村竜
中川氏とともにジャズアレンジも担当

 ゲーム音楽のジャズアンレジというのは、なかなか珍しいジャンルではあるが、原曲をムーディーに、ファンキーに、大人っぽく、そして自由にリラックスして楽しめ、さらに原曲の新たな側面や可能性を感じさせてくれるものになっていた。気になる人はぜひ一度『SQUARE ENIX JAZZ FINAL FANTASY VII』を聴いてみてほしい。

『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_08
ギター:鈴木直人

 なお、“Billboard Live presents SQUARE ENIX JAZZ -FINAL FANTASY VII-”は、ビルボードライブ大阪でも2020年2月15日に開催予定。生の迫力はまた別格で、とくにジャズのライブ演奏は、一度として同じ演奏はないと言われるほど一期一会。ビルボードライブは美味しい料理とドリンクも楽しめるので、『FFVII リメイク』発売前のお祭り気分も味わえるこのライブに参加してみては?

『FF7』楽曲の新たな魅力にウットリするジャズアレンジライブ――Billboard Live TOKYOライブリポート_09

【セットリスト】
01. オープニング~爆破ミッション
02. 神羅カンパニー
03. F.F.VIIメインテーマ
04. 旅の途中で
05. 更に闘う者達
06. ティファのテーマ
07. エアリスのテーマ
08. 片翼の天使
09. メインテーマ(FINAL FANTASY SERIES)
10. ファンファーレ
※曲名はすべて原曲名になります。
※一部楽曲は2st Stageと異なります。

写真:MASANORI FUJIKAWA