2020年1月17日、東京都のLOFT9 Shibuyaにて、シリーズ30周年を目前に控える『メタルマックス』のトークイベント、“METAL MAX 2021 Road to 30th Anniversary ~賞金稼ぎの集い HAPPY NEW YEAR~”が開催された。

 本イベントには、昨年10月に行われたトークイベント“METAL MAX 2021 Road to 30th Anniversary ~賞金稼ぎの集い 2019 Autumn KICK OFF~”と同様に、『メタルマックス』シリーズの原作を担当する宮岡寛氏、『メタルマックス Xeno Reborn(ゼノリボーン)』のプロデューサーである河野順太郎氏、同作でディレクターを務める友野祐介氏、『メタルマックス』シリーズのサウンドコンポーザーの門倉聡氏、声優の石飛恵里花さんが登壇。

 さらに、前回のイベントに引き続き『メタルマックス』シリーズの大ファンであるプロレスラーの男色ディーノ氏がMCを務めた。

『メタルマックスゼノ リボーン』実機プレイ&ミニライブも! “METAL MAX 2021 Road to 30th Anniversary ~賞金稼ぎの集い HAPPY NEW YEAR~”リポート_01
左から河野氏、石飛さん、友野氏、宮岡氏、門倉氏、男色ディーノ氏。
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会場全体での乾杯でイベントスタート! 会場ではコラボフードやドリンクを楽しむことができた。

 本記事では、今回のイベントでお披露目された実機でのプレイの様子や、それに関する開発陣によるトーク、終盤に行われた門倉氏らによって行われたミニライブの様子を中心にお届けしていこう。

『メタルマックス Xeno(ゼノ) 』は“再誕”を果たせたのか?

 リマスターやリメイクではなく、再誕(リボーン)という表現が使われている『メタルマックスXeno Reborn』。情報は少しずつ解禁されてきたが、2018年に発売された『メタルマックス Xeno』から、実際のゲーム内容はどのように変わっているのか、いまだに謎も多い。

 イベントでは最初に、会場に集まったファンたちに向けて開発陣から映像を交えた解説が行われ、その変化の一端が明らかになった。

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 はじめに取り上げられたのが、冒険の舞台となる荒れ果てた東京“デストキオ”。ここでは、モンスターの生態に大きな変更が行われていることが判明! たとえば、モンスターの一種であるスナザメは、昼間は砂の中に体をうずめているが、夜になると体の大半を砂上に出して移動するようになるなど、昼夜で行動パターンが変化するようだ。

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日中のスナザメは背ビレ以外を砂中に隠した状態で移動するが、夜になると体の大半が砂の上に露出し、比較的無防備になるという。

 さらに、地形にも手が加えられている部分があるとのこと。『メタルマックス Xeno』を遊んだプレイヤーも、新たな気持ちで冒険を楽しめそうな印象を受けた。

 ここまでの発表を受けて、開発陣からの「“再誕”を果たせていると感じたか」という問いかけに会場のファンが挙手で回答。会場からはかなりの割合で手が挙がっていた。

アイアンベースやリメインズも生まれ変わる!

 モンスターやフィールドマップだけでなく、冒険の拠点となる“アイアンベース”や、探索型のダンジョン“リメインズ”も大幅に改修されている。アイアンベースについては、外観から内装までそのほとんどが作り直されており、夜には煙突から怪しく光る紫色の煙が立ち上るのだという。

 なお、『メタルマックス Xeno』でおなじみのジンゴロウ、ダヌンツィオ、ポMの3人は続投。主人公であるタリスたちの冒険を支えてくれる。

 さらに、リメインズも大幅に仕様が変更。『メタルマックス Xeno』から数は減ったものの、以前のような使いまわしのマップではないと友野氏から明言されたほか、屋内ダンジョンだからこそのおもしろさが盛り込まれているという説明も。

 また、クリアーすることで得られる見返りについても調整されているため、“遊ばなければいけないコンテンツ”ではなく“遊ぶ価値を感じられるコンテンツ”になっているようだ。

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リメインズ内にポリタンの姿が。「屋内でポリタンを爆発させたらどうなるのか……」という旨の説明が友野氏からあったので実際遊ぶときは注意すべきかもしれない。

実機プレイでバトルシステムやゲーム進行の詳細が判明!

 イベント後半では、“昂(たかぶ)るハンター魂”と銘打たれたコーナーに移行。 昂るをキーワードにさまざまな要素の紹介が行われ、マップの移動から戦闘までの流れを、友野氏が実際に実機でプレイする様子も公開された。

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 続けて、マップ上の道を封鎖している破壊可能なオブジェクトについての説明も。そういった横道を活用することでゲーム攻略が有利に進むこともあるようだ。友野氏によって実機プレイが披露された場面では、『メタルマックス Xeno』では強制戦闘となるボスの不条理駆動ザムザを、戦闘の前にビルの側面から撃ち落とす様子などが披露された。

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壁に張り付くザムザ。こちらに気付いていないため、先制攻撃ができる。

 その後、道中に倒れているヒロインのトニを友野氏がなかなか助けようとしなかったため、トニを演じる石飛さんからのツッコミが収まらず、会場は終始笑い声に包まれていた。 最終的には助ける選択肢を選んでいたが、“再生カプセル”がなくて救助を断念。けっきょく、トニは助からなかった……。

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 このように、仲間を助けずに進むなど、さまざまなことを自分で選択できるようになっているのは本作から追加された新たな特徴のひとつ。

 今回の実機プレイはそれを実演する形にはなっていたのだが、ヒロインを助けずに進行するのは会場のファンもさすがに予想外! 男色ディーノ氏からも「本当に助けないんだ!」と驚きの声をあがっていた。

 なお、本作ではサブキャラクターたちと仲を深め、添い遂げることもできると説明が友野氏からあったので、 『メタルマックス Xeno』とは異なり、トニが絶対的なヒロインというわけではないようだ。

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トニを助けなかったバチなのか、有利な状態から始まったザムザとのバトルだったが、あっさりとやられてしまった。

 実機プレイでは、遠距離からの“ロングレンジ攻撃”、バレずに近づいて行う“ショートレンジ攻撃”(不意打ち)など、バトルシステムの解説が行われたがその流れである特殊な状況での戦闘の様子も披露。

 その中で、無人戦車の群れと孤立したポリタンの姿を発見した友野氏がポリタンを攻撃したところ、奥に控えていた無人戦車たちが一斉に起動! 主人公たちに襲い掛かり、大ピンチに陥ってしまった。

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 このような、絶望的な戦闘やイベントこそ『メタルマックス』らしさではないかという話が友野氏からあった。これまでのシリーズでは、そういった状況をテキストで表現 していたが、現在のグラフィックならばそのまま映像として描くことができると、その意気込みを語っていた。

ミニライブでの新曲演奏に加え、音楽面での挑戦に関する話題も

 『メタルマックス Xeno Reborn』にはサウンド面でも新しい試みが行われており、その試みというのが、シームレスにフィールド曲からバトル曲へ変化するシステムであり音楽だという。

楽器ごとのフレーズがリアルタイムに組み合わさることで、状況や長さによって変化するBGMになっているそうだ。ミニライブ では、門倉さんに加えて、ツインキーボードユニットのELFIのおふたり(演奏はKayaさん、Mayさんは映像を担当)と、早乙女令扇さんも参加し、リメインズ内で使用されるフィールド曲からバトル曲へ移行する流れを実際に聞くことができた。

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左から Kayaさん、早乙女さん、門倉氏。
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 1曲ごとに分かれたものを個別に演奏するのではなく、シームレスに曲が変わっていく様子は、まるでひとつの曲のなかでAメロからBメロサビへ以降する流れのように、自然に楽しむことができた。

 その流れの中でも、シリーズの名戦闘曲『WANTED!』が演奏されたところではファンも熱心に聞き入っている様子だった。

 ライブ終了後は、今回のシームレスに音楽が変化していく仕組みについて、門倉氏が「試験的な色も強い」と言及。今回の評価次第で今後の続編での扱いも変わってくるかもしれないとのこと。

また、「バトルはもっともよく聞く曲だからこそ抑えた曲にしたい」という意図があるとの説明もあったので、実際にゲームをプレイしたときに、どのような感じかたになるのかも楽しみだ。

 最後に、店舗特典や、Limited Editionの特典などが紹介されたのち、登壇者からひと言ずつのコメントがありイベントは終了となった。

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Limited Editionの特典のひとつ、ポチが復活するまでの物語を描いた漫画『ごめんねポチ』。

 2021年に迎えることとなるシリーズ30周年の節目に向けてさまざまな取り組みが行われている『メタルマックス』。今後もトークイベントが開催予定で、試遊会の開催も想定しているとのこと。これからも『メタルマックス』から目が離せない。