人類サン、コンニチワ!
2019年10月1日、東京都のLOFT9 Shibuyaにて、『メタルマックス』シリーズのトークイベント“METAL MAX 2021 Road to 30th Anniversary ~賞金稼ぎの集い 2019 Autumn KICK OFF~”が開催された。
本イベントでは、『メタルマックス』シリーズの原作を担当する宮岡寛氏、『メタルマックスゼノ』シリーズのプロデューサー・河野順太郎氏、『メタルマックスゼノ』の開発スタッフであり、『メタルマックスゼノ リボーン』(詳細は後述)のディレクター・友野祐介氏、『メタルマックス』シリーズのサウンドコンポーザー・門倉聡氏、『メタルマックスゼノ』のヒロイン・トニ役を務めた石飛恵里花さんと、そうそうたるメンバーが登壇し、新作にまつわるトークをくり広げた。
なお、司会は『メタルマックス』シリーズの大ファンであるプロレスラー・男色ディーノ氏が務めた。
本記事では、トーク内容から明らかになった3作品の新情報をメインに、イベントの模様をお届けしよう。
3作品同時発表!
“行くぜ! 2021年生誕30周年!!”と銘打たれたこのプロジェクトは、2019年で生誕28周年を迎えた『メタルマックス』シリーズが、30周年へ向けて1年ごとに新作を発売するというもの。
第1弾は、2018年に発売された『メタルマックスゼノ』(以下、『MMX』)のリメイク作である、『メタルマックスゼノ リボーン』(以下、『MMXR』)。
第2弾は、その続編となる『メタルマックスゼノ リボーン 2』(以下、『MMXR2』)。
そして第3弾が『コードゼロ(仮称)』となっている。
毎年1本新作をリリースするという開発ペースから、『メタルマックス』の新たな歴史を切り拓こうとする開発陣の覚悟が感じられる。
この開発ペースについては、開発陣も「死ぬんじゃないですか(笑)」(友野氏)、「すでにしっちゃかめっちゃかです(苦笑)」(宮岡氏)と、冗談交じりにその忙しさを語っていた。
『メタルマックスゼノ リボーン』
まずは『MMXR』の話題について。当初は『MMXR2』の企画を進めていたが、2作目を出すならばもう1度1作目から遊んでもらうべきでは? と考えたのが開発スタートの経緯。
宮岡氏は『MMX』で、これまでの『メタルマックス』シリーズのよさは残しつつも、さまざまな要素をイチから見直し、シリーズの新機軸となる作品を作り上げようとした。
しかし、『MMX』では「自分たちが、古いものに引っ張られてしまっていました」と宮岡氏は振り返る。それを取り払うべく、『MMXR』としてリメイクが決まったそうだ。
友野氏は『MMX』の開発後期から開発に参加。そのときからすでに宮岡氏へ、まだまだゲーム性の解体が足りないと進言していたとのこと。
初代『メタルマックス』からシリーズの大ファンだという友野氏の目には、『MMX』は新生『メタルマックス』にはなりきれていないように映ったようだ。
そんな友野氏がディレクターとして開発に参加する『MMXR』では、『MMX』をベースとしながらも、ポチの参戦や、グラフィックの向上など、さまざまな要素が追加されることが明らかにされた。
戦車(クルマ)においても、走り回れば戦車が砂で汚れたり、砂の地面に履帯の跡が残るなど、細かな部分の描写の追加から、クルマたちの挙動に至るまで、ほぼすべてが一新されるとのこと。
そのほかに、物理演算の導入により、クルマがブレーキをかければキュッと若干傾いて止まるといった描写も追加されるという。
『MMX』で特徴的だったシステム“射撃”はよりパワーアップするそうで、敵とのエンカウント前には、よりアクション性の高い射撃が楽しめる模様。
敵のスナザメは『MMX』よりさらに鮮明なグラフィックで巨大化されて登場するそうで、近くに行けばサメ肌になっていることも確認できるのだとか。また、『MMXR』ではフィールドが夜になることもあり、巨大アリは触覚が光るようだ。
ストーリー部分についても追加があるそうで、たとえば、“不条理駆動ザムザ”という敵に襲われているヒロインのトニを助けず、そのまま進行するなど、『MMX』のストーリーとは異なる選択も取れるようになっているのだとか。
友野氏は「タリス(主人公)はイイ奴ですよね。ですが、『メタルマックス』シリーズの主人公って、そんなイイ奴でいいんでしたっけ(笑)」と、追加の理由を語っていた。
なお、すでにプロジェクトの全容を把握している門倉氏は、詳しくは言えないとしながら、『MMX』と『MMXR』がまったく違う作品であるとコメント。
発売時期は今冬となっているが、河野氏的には“チョコレートでなんやかんやするころ”を想定しているとのこと。
『メタルマックスゼノ リボーン2』
そして『MMXR』の続編となるのが、『MMXR2』。ほとんどが制作進行中という具合で、大幅に変更される可能性があると前置きをしつつ、現時点での企画内容が少しだけ明かされた。
リメイクではないのに、タイトルに“リボーン”が入っているのは、『MMXR』の続編であるという分かりやすさを重視したそうだ。ただし、最終的にはもしかしたら“リボーン”の名は取り外されるかもしれないとのこと。
また、『MMXR2』は日本だけでなく世界のプレイヤーにも遊んでもらいたいという思いがあるそうで、ワールドワイド展開を予定しているそうだ。
物語は『MMXR』のラストから、タリスが西へ向かった地域(主人公のタリスは続投の予定)。舞台は京都を想定しているそうだが、まだまだ物語は制作中とのことで、変更されるかもしれないそうだ。なお、宮岡氏は京都全域を再現する企画を考えたが、コストや労力の問題できるわけがないと、友野氏は考えている様子。
加えて友野氏は、『MMX』のキャラクターは、戦車に乗っているにしてはキレイすぎると考えているそうで、『MMXR2』では汚れを入れてきたいと、キャラクター描写の方向性をアピール。『MMX』での激しい戦いを生き抜いたため、傷だらけになっているだろうし、数日間クルマの中で過ごせば汚れて当然という理由も語っていた。
なお、『MMXR』は前述の通り“トニを助けない”という選択もできるため、『MMXR2』では既存のキャラクターたちをどう登場させるのか模索中とのこと。友野氏からは、全員死んでいることにすればいちばん簡単、というジョークも飛び出した。なお、宮岡氏が書き進めているストーリーでは、トニはマリアに憧れ、マッチョなソルジャーになっているとのこと。
また、トークのさなかには、”キャラクターに着物を着せるか、それとも仲間になる犬種を増やすか”といった来場者たちへのアンケートも行われた。友野氏の表情から見るに、本気で開発の参考にしている様子だった。
『コードゼロ(仮称)』
ラストのトークは、本プロジェクト3作品目の『コードゼロ(仮称)』について。すべてが謎に包まれた作品だが、ほんの少しだけ情報が公開された。
キーワードは“初代『メタルマックス』より前に戻る”というもの。『メタルマックス』シリーズが、なぜこのような荒廃した世界になってしまったのか? を描きつつ、荒廃後の直近の時代を描くとのこと。最初のハンターが生まれた瞬間が語られるという。
なお、同作は『メタルマックスゼノ』シリーズでもないし、『メタルマックス』のナンバリングタイトルでもないそうだ。
『FF』、『DQ』と並ぶ『メタルマックス』へ
最後には、友野氏が「日本のRPGと言えば、『FF』、『DQ』、そして『メタルマックス』と言ってもらえるくらいの気合があります。本気で世界を狙っていきます。社運、そして自分の人生をも懸けて挑んでいきますので、皆さん応援よろしくお願いいたします」と決意表明をし、イベントは終了となった。
ちなみに、今後もトークイベントは年に数回は開催する予定とのこと。2019年12月には試遊会&トークショーも予定しているので、ゲームのみならずイベントの続報も楽しみに待とう。