ベセスダ・ソフトワークスが3月26日に発売予定のFPS『Doom Eternal』を人間に例えるならば、身長2メートル超の全裸にタトゥーもりもりのムキムキマッチョマンが、爆音デスメタルをBGMに障害走のハードルをすべて蹴倒してこっちに向かってきているかのようなものである。

 圧倒的にパワフルで悪魔的で、目を背けて逃げ出す人もいれば釘付けになる人もいる、すごすぎて笑っちゃうが笑い事じゃない、極端で究極でブッ飛んだシロモノ。そんな本作を海外で今月行われたプレスイベントで3時間ほど遊んできたのでご紹介しよう。

地球壊滅。地獄の軍団を蹴散らす最後の希望“ドゥームスレイヤー”

 さて本作は、FPSジャンルを築き上げた『Doom』シリーズの最新作。中でも、ハードな内容と過激な破壊描写でシリーズを見事に復活させた2016年版『Doom』の続編にあたる。

 『Doom Eternal』では、前作で火星に出現した地獄のデーモンたちがついに地球に襲来し、全土の約60%がすでに陥落。人類存亡の危機を救うため、主人公“ドゥームスレイヤー”が再び血みどろの戦地に降り立ち、天界を巻き込んだ壮絶な戦いを繰り広げる。

敵を倒して回復する超攻撃的スタイルの戦闘

 さて、本作の基本はシンプル。ドゥームスレイヤーが持つ各種の銃と“プラエトルスーツ”の能力を駆使して、とにかく凶悪なデーモンたちを屠(ほふ)って行けばいい。

 しかし、デーモンは十数体が一気に出てくることも珍しくなく、いくら強力な武装を持っているドゥームスレイヤーでも、集中砲火を浴びてはひとたまりもない。目の前の敵の特性(弱点を持つ敵も多い)と自分の状況をふまえて動き回る、自在な立ち回りが生存の秘訣だ。

恐ろしいデーモンたちだが、システムを理解すればこいつらが自分の回復のための“エサ”にも見えてくる。

 その鍵となっているのが、開発から“コンバットパズル”とも称される、ヘルス(体力)・アーマー・弾薬の3種類のリソースの回復システムだ。本作では戦闘中に必要なこれらのリソースすべてを敵を通じて回収できるのがポイントで、苦しい時こそ前に出て戦う、超攻撃的なスタイルを推奨するものとなっている。

 というのも、それぞれのリソースの回復アイテムはマップ中にも落ちているのだが、瀕死状態になってからヘルスを探したり、弾切れになってから弾薬を探すのでは攻撃が途切れてしまうし、それで手遅れになることもしばしば。回復システムをうまく使って攻撃の手を休めずに戦えば、回復はできるし敵の数は減るしでメリットが大きい。

 そしてこれは独特なテンポ感をも生み出している。敵を倒す→回復のために敵を倒す→敵を倒す、という暴力的ループが病みつきになる……と言うと正気を疑われるかもしれないが、実際気持ちいいんだから仕方がない。

過激な“グローリーキル”でヘルス回復

 本作でデーモンが瀕死になると、まず全身が青く光った後、オレンジ色に点滅し始める。この状態で近付いて対応するボタンを押せばトドメ攻撃の“グローリーキル”を発動でき、エグい演出の超バイオレンスなトドメを刺されたデーモンはヘルスアイテムを宝石のようにばら撒く。

 つまり、近付いて戦えばそれだけ被ダメージも増えるが、こっちの攻撃も当てやすくなるし、回復のチャンスもそれだけ多くなるということだ! なおグローリーキルを決めることでメーターが溜まっていき、強化版の近接攻撃“ブラッドパンチ”を出せるようになる。

“サイバーマンキュバス”などのマンキュバス系の敵は、両腕のロケットランチャーを部位破壊可能。弱点に応じた攻撃を叩き込み、グローリーキルに持ち込もう。

火炎放射器で焼いてアーマー回復

 『Doom』シリーズにおいて、アーマーは被ダメージを低減してくれるありがたいアイテム。アーマー値の回復は、肩のマウントに取り付けられるサブ武器の火炎放射器(時間回復制)で敵を焼くと行える。

 ちなみに、敵は燃えている状態ですでにアーマーをこぼし始めるが、そのまま倒せば一気にばら撒く。混戦の中では忘れがちだが、「グローリーキルでヘルス回復したばっかりなのにまたすぐ瀕死になる」という時は火炎放射器の存在を思い出そう。

一撃必殺のチェーンソー攻撃で弾薬回復

 “倒すために撃ち、回復のために撃つ”ということをやっていると、気付けば弾切れということにもなる。そんな時は手頃なデーモンをチェーンソー攻撃で「ギョリギョリゴリ」と一刀両断すれば、全種類の弾をばら撒いて散ってくれる。

 チェーンソー攻撃は強力な分、普段はマップ内にたまに落ちているガス缶を消費する(ザコ敵は1個、大型デーモンは3個)。しかし燃料切れの際は救済措置として一回だけ使えるようになっていて(時間回復制)、しかも弾切れ時にトリガーを引いていると自動的にチェーンソーに切り替わってくれるという親切設計。過激な戦闘の連続で脳がオーバーヒートしている時も安心だ。

豊富なカスタマイズで最強戦士を目指せ

 武器とスーツの能力には多彩なカスタマイズ手段が用意されており、戦闘や探索を通じて各種ポイントを獲得していくことで、かなり性能を変えていくことができる。

 武器ではサブ性能を変える“Mod”に加えて各Modの能力アップグレードまで別に用意されていて、例えば初期武器の“コンバットショットガン”は、爆破系の“スティッキーボム”と“フルオート”の2種類のModが登場。Modアップグレードでさらに能力特化を行える。

1つ目の“カコデーモン”はスティッキーボムを飲み込む習性を持っており、すぐにグローリーキルに持ち込める。

 また“ルーンシステム”やスーツのアップグレード、ヘルス・アーマー・弾薬の上限を上げる“センチネルクリスタル”などでは、いわゆる“Perk”的な特殊効果をそれぞれ得ることができる(センチネルクリスタルでは“ヘルス強化+アーマー強化”など強化の組み合わせに応じてPerkがおまけでついてくる)。

 これらの強化能力には“瀕死状態でスローになる”といったようなプレイに大きく影響してくるものも含まれているので、自分のスキルやプレイ傾向に合ったものを選びたいところ。新たなセットアップのテストは本拠地にあるアリーナ式コンテンツ“デーモンプリズン”で行える。

強敵“デーモンハンター”などを相手にする前に、各装備とPerkを十分強化しておきたい。

探索要素では3Dプラットフォームアクション成分が増加

 ドゥームスレイヤーは2段ジャンプ&2段エアーダッシュが可能で、戦闘時に高機動に動き回れるだけでなく、探索パートでそれらを活用した移動スキルを要求される場面も増えている。

 “回転する火の棒のトラップを避けて次の足場に飛び乗り、スイッチを撃ってゲートを開けたり、足場が沈む前に飛んで空中で再ジャンプアイテムを取ってさらに先に”といった塩梅で、見た目こそ禍々しいのだが、やっていることは思いっきり3Dプラットフォームアクション的だ。

背景には激戦をしのばせる光景が広がっていることも。巨大デーモンにトドメを刺したまま停止しているのは人類側のロボなのだろうか?(プレイした範囲では操作できなかったが、コイツの装備を作動させて道をこじ開けるシーンはあった)

 そしてそれらは強化カスタマイズとも紐付いていて、そうやって進んでいくことでマップ各所に隠されているシークレットに出くわすこともしばしば。

 武器やスーツの強化ポイントを直接得られる事もあるし、1UP(文字通り、死亡してもその場で復活できるアイテム)があったり、強敵が出てくる“シークレットエンカウンター”や秘密の鍵で本編から外れたバトルエリアに入場する“スレイヤーゲート”などのオプション的コンテンツにアクセスできることもある。もちろん撃破に成功すると何らかの強化ポイントが得られるという寸法だ。

 完全に一人称視点のゲームなのでプラットフォーム要素が苦手な人は大変かもしれないが、個人的には胸焼けするほどの血なまぐさい戦闘の合間に違ったノリが入ってくるのは悪くない感じ。

過剰が求められる所は過剰に、ゲームっぽい所はとことんゲームっぽく磨き上げられた堂々たる異形の作品

 というわけで、1UPアイテムなどの存在でなんとなく察した人もいると思うが、(シリーズファンが求める)過激な暴力描写だけはやたらと緻密な割に、ゲーム的ご都合主義で楽しくなる部分は平然とゲーム的ご都合主義に徹する、非常に極端なノリについてこれる人には最高な作品となっている。

 ところで、「面白そうだけど前作やってないし……」とか「シリーズ全くやったことがないので」という人は……気にする必要はない、と敢えて言おう。デーモン死すべし、それだけわかっていれば大丈夫だ。

 いやホント、記者も前作の流れを大体忘れていたけど問題なく楽しめたし、開発もプレゼンで「記録なんかを読み込めばいろいろバックストーリーを仕込んであるけど、ストーリーがわからなくても大丈夫」と言ってしまうほど。

 そもそも“超邪悪なデーモンを超最強なドゥームスレイヤーが倒しまくり、なんとハッキングでデーモンを乗っ取ったり、超巨大ロボの残骸を利用してまで突き進む”ってゲームなんだから、メインのゲームプレイを楽しんだら勝ちなのである。

デーモンは対戦モードで使えるほか、キャンペーンでもハッキングで乗っ取って戦うシーンが存在する。また『ダークソウル』系ゲームのような他プレイヤーのキャンペーンに乱入する侵入モードも実装予定だ(入られたくなければオフにできる)。

 『Doom Eternal』は2020年3月26日にプレイステーション4/Xbox One/PCで発売予定。そのほかNintendo Switch版や、海外で提供されているGoogleのクラウドゲーミングサービス“Stadia”版も予定されている。