人気と実力を兼ね備えたチームによる熱戦の連続

 バトルもドラマも先の読めない展開が続出している“第5回スプラトゥーン甲子園”。11月に開催された九州地区大会では、初参戦チームの優勝と、ブキ愛に満ちたチームの躍進が話題になり、ますますナワバリバトル熱が高まっているヒトも多いことだろう。そんな中、2019年12月21日・22日に、北海道地区大会(場所:北海道札幌市 アクセスサッポロ)が開催された。

 昨年の北海道地区大会は、同地区2連覇中だった“†ばぼにゃんず†”を“四神乱舞”が破ると、勢いそのままに優勝まで駆け抜け、新たな北の王者となった。今大会には、連覇の期待がかかる“四神乱舞”が参戦したほか、頂点を狙うスゴウデチーム多数出場。本記事では、接戦続きで誰もがアツくなった2日間の模様を、詳しくお届けしよう。

 なお、大会のルールや対戦ステージについては、第5回スプラトゥーン甲子園の特設サイトでチェックしてほしい。

第5回スプラトゥーン甲子園リポートまとめ

DAY1:激闘の連続と新たな名キャラ誕生に沸く甲子園! 最後には全イカ涙腺崩壊必至のドラマが!!

 北海道地区大会は、8ブロック各16チームでの予選トーナメントからスタート(合計128チームが出場)。トーナメントは3回戦までは並行して試合が行われ、4回戦はメインステージ上で戦うという流れで進行した。ステージに上がり、見事に4回戦を突破したチームはブロック代表となり、準々決勝へ臨めるのだ。

予選トーナメントの1回戦を勝ち抜いたチームには、ステージ上でインタビューを受けるチャンスが訪れる。選手たちはさまざまなアクションやコメントで、チームのことを思い思いにアピール。

 今大会は、イカ研究所の助手1号さんと助手3号さんが解説を担当した。このうち3号さんは、初めての解説担当となる。イカしたハート型のサングラスとサラサラのロングヘアーが目を引く3号さんは、いったいどんな人物なのかと注目が集まったが……奇抜な見た目とは裏腹に(?)、試合展開やステージの特徴の解説はとても丁寧(ちなみに、ステージの構造などの研究を担当しているとのこと)。加えて、どこかほっこりする視聴者目線のコメントと、心から試合を楽しんでいる様子で、観衆の好感度は急上昇。登場早々、多くの甲子園ファンから愛されるキャラクターとなるのだった。

写真の左が助手1号さん、右が助手3号さん。第5回開幕戦の近畿地区大会でチラッと紹介されて以来、“ひとり変わったヒトが”と注目を集めていたが、今大会でその人柄が明らかに。
注目チームの試合がつぎつぎと行われ、予選の時点で会場の熱気はグイグイ上昇。盛り上がりに一役買ったのが、北海道日本ハムファイターズのマスコット“フレップ・ザ・フォックス”だ。NPBブースをアピールしたほか、来場者と記念撮影をしたり、試合を応援したりと、会場の各所で活躍していた。

 予選トーナメントでは、連覇を狙う“四神乱舞”や、ウデ自慢が揃う“BBV tokyo”(NPB主催の大会“NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2”に“Cool&Cool”として参加した4人)、強豪チームの“Pixio Monster”の試合に注目が集まる。いずれも順調に勝ち進んで決勝ステージへと上がるが、“BBV tokyo”は4回戦で“North Octopus”に接戦の末に敗れて姿を消す。実力者でもほんのわずかな差で敗退してしまうことに、今大会のレベルの高さを感じさせた。そんな中、決勝トーナメントに進出したのは、以下の8チームだ。

北海道地区大会DAY1 ブロック代表チーム

Aブロック:HOKKAIDOOOON!!!!通
Bブロック:ダイマックスフェアリー!
Cブロック:たかはし家
Dブロック:North Octopus
Eブロック:Pixio Monster
Fブロック:今日、転びました
Gブロック:四神乱舞
Hブロック:メンたく民

HOKKAIDOOOON!!!!通
ダイマックスフェアリー!
たかはし家
North Octopus
Pixio Monster
今日、転びました
四神乱舞
メンたく民

 準決勝第1試合は、“HOKKAIDOOOON!!!!通”対“North Octopus”。1戦目のステージは、ムツゴ楼。チーム名が示すように、バトルもコメントもハイテンションの“HOKKAIDOOOON!!!!通”だが、ここからは堅実にと、様子をうかがいながら攻める。対する“North Octopus”は自陣を中心に塗り固めたことで、試合は静かな幕開けとなった。1分30秒が経過した頃に本格的にぶつかり合うと、一転して激しい展開へ。ナイスダマやジェットパックが飛び交う中、一進一退の状況となる。しばらく互角の戦いが続くが、終盤、パーマネント・パブロが相手のジェットパックを封じたほか、タンサンボムを効果的に投げ込むなど、個々の力で相手を上回った“North Octopus”が1本先取した。

 2戦目のステージは、チョウザメ造船。一度中央でぶつかった後、選手たちはバラけて、ステージの各所で戦いをはじめる。互いに相手の陣地へ潜り込んで塗りを残す場面もあったが、すかさずカバーし、大差はつかずに試合が進む。そんな中、注目を集めたのが、前線で長時間センプクを続けた“North Octopus”のパブロだ。選手自身「いつばれるかドキドキしていた」と言うこのプレイ。相手が近くを通り過ぎていく中でひたすら隠れ、誰もいなくなったところで敵陣を荒らすべく突撃し、会場を沸かせた。パブロの立ち回りを含め、それぞれがしっかりと役割を果たし、終盤に立て続けに相手を倒して数的有利を取った“North Octopus”が、2本目も勝利する。

準決勝第1試合、“HOKKAIDOOOON!!!!通”対“North Octopus”。

 準決勝第2試合は、“Pixio Monster”対“四神乱舞”。1戦目のステージは、ムツゴ楼。“Pixio Monster”は、直前の試合も同じステージで戦っており、好守にわたるキャンピングシェルターの活躍が注目を集めた。この試合でもその存在感は際立ち、絶妙な位置にパージしたカサとバブルランチャーで、鉄壁の防御を見せる。対する“四神乱舞”は、相手の好きなようにはさせまいとパーマネント・パブロが突撃し、きっちりとキャンピングシェルターを倒した。しかし、味方が倒されても“Pixio Monster”は大崩れせず、冷静に対処してすぐに塗り返していく。攻めどきと引き際を心得た立ち回りで、自分たちのペースを維持してPixio Monster”が1本先取した。

 2戦目のステージは、チョウザメ造船。序盤、“四神乱舞”はパーマネント・パブロを中心に前線に上がるが、“Pixio Monster”がこれを迎撃し、逆にキャンピングシェルターとダイナモローラーベッチューの連携で攻め上がっていく。“四神乱舞”は攻撃の要であるスクリュースロッシャーベッチューが反撃の機会をうかがうが、相手に抑え込まれて思うように動けない。1戦目同様に“Pixio Monster”のペースで、このまま連勝かと思われたが、終盤、わずかなチャンスにパーマネント・パブロが相手を撃破し、あきらめずに塗り広げる。終了時の塗り面積はまさに五分だったが……47.3%対48.4%という、1.1%の差で“四神乱舞”が勝利。簡単には終わらず、前回優勝チームの意地が感じられる試合となった。

 3戦目のステージは、アンチョビットゲームズ。ここまでの試合で相手の戦術を把握したからか、一段と激しい攻防の駆け引きが展開する。“Pixio Monster”は、前線に出てきた相手のパーマネント・パブロをダイナモローラーベッチューが叩き、“四神乱舞”は相手のキャンピングシェルターのわずかなスキをついてを倒すなど、まさに互角のぶつかり合いだ。相打ちになる場面も多く、どちらもつねに誰かひとりは倒れているような状況が続くが、ともに味方のカバーが的確で、大崩れすることはない。じりじりとした攻防が続くが、終盤、スクリュースロッシャーベッチューのタンサンボムと、それに呼応した味方の連携で“四神乱舞”がやや優位に立つ。塗り面積の差は小さく見えたが、最後の攻勢が活き、“四神乱舞”決勝進出を決めた。

準決勝第2試合、“Pixio Monster”対“四神乱舞”。

 決勝戦は、“North Octopus”と“四神乱舞”が激突。1戦目のステージは、ザトウマーケットだ。前回の優勝チームに対し“倒して新しい風を吹かせたい”と意気込む“North Octopus”は、序盤から速攻を仕掛けて有利な状況を作る。ともにパブロを編成しており、激しいフデの振り合いが起きたほか、“North Octopus”はバケットスロッシャーデコ、“四神乱舞”はスクリュースロッシャーネオが絶え間なく攻撃を続け、非常に目まぐるしい展開となる。最後まで互角の状況で試合が進むが、勝利したのは“North Octopus”。準決勝に続き、“四神乱舞”は窮地に立たされた。

 2戦目のステージは、アンチョビットゲームズ。“North Octopus”が積極的に攻め上がるのに対し、“四神乱舞”は自陣を丁寧に塗りつつ、自分たちのペースに持ち込む。パーマネント・パブロが中央から先へ進んで相手をかきまわすと、スクリュースロッシャーベッチューが攻撃の軸として活躍。さらにクーゲルシュライバーが高所から相手を押さえ込んだ。大きく塗り面積は広がらないものの、やや優勢という状況をキープし続けた“四神乱舞”が、接戦をものにして1本取り返す。

 3戦目のステージは、ムツゴ楼。開始早々、両チームともにジェットパックやナイスダマをくり出し、激しいスペシャルの撃ち合いが起きる。“North Octopus”は14式竹筒銃・甲で、“四神乱舞”はジェットスイーパーで高所を押さえる中、中央ではパブロ対決やスロッシャー対決が起きる。ここは互いに譲らず、誰かが倒されてもすかさず味方がカバーに入ることで、拮抗した展開が続いた。どちらに転ぶかわからない状況で、終盤に光ったのが“四神乱舞”のパーマネント・パブロだ。相手を倒しながらステージを駆け抜け、ぐっと塗り広げる。この最後の一押しが効き、“四神乱舞”が勝利。苦しい場面を何度も乗り越え、見事、北海道地区大会の連覇を成し遂げた!

決勝戦、“North Octopus”対“四神乱舞”。
“四神乱舞”のらすく選手は、優勝のうれしさと、ともに戦ったメンバーへの想いがあふれて思わず涙。“チームのためにパブロを練習してくれたリーダーを、なんとしても優勝させたかった”というコメントからは、仲間への信頼と、今大会に向けての努力がうかがえた。

北海道地区大会DAY1 優勝チーム“四神乱舞”インタビュー

Q:今大会はかなり苦しい戦いだったと思います。今の気持ちを聞かせてください。
A:とにかく最高の気分です。これまで人生の中でも最高に嬉しいですね。第4回も、もちろん強い相手が多かったのですが、今回はそれを上回る強豪が揃っていました。かなり厳しい戦いになるだろうなと思っていたので……優勝できて、本当によかったです。

Q:チームにL3リールガンがいないというのは、今の対戦環境では珍しいですよね。
A:まず、自分たちが好きなブキを使って挑もうというのは、最初から決めていたんです。その中で、L3リールガンとイカスフィアへの対策を考えました。その結果、対物攻撃力アップやヒト移動速度アップのギアパワーを入れて、相手にイカスフィアを使われた後の展開がよくなるような編成にしています。

Q:自分たちの持ちブキを活かしたうえで、対抗できるギアパワーを付けたんですね。
A:ブキ編成を大きく変えるのではなく、付加能力でなんとかしようと考えました。最初に決めたことをやり切ろうと想い、いろいろと模索した結果ですね。それと、第4回のときの編成では塗りが弱いというのが4人の共通認識でした。そこは僕(At選手)がホクサイからパブロに持ち替えることで改善し、塗りも意識した作戦を立てられるようになりました。

Q:パブロは、攻めてかき回すのではなく、守りを意識しているように見えました。
A:そうですね。僕が倒されると、どうしても塗りの弱いブキが残ってしまうので、倒されないように意識していました。インクアーマーをタイミングよくかけつつ、相手に狙われないようにしながら塗り広げていましたね。

Q:ぎゃんぐ選手のスプラシューターベッチューも、今大会では珍しいブキですよね。
A:僕は『スプラトゥーン』の頃からスプラシューターコラボをよく使っていました。対戦環境的に厳しい時期が続いたんですが、使い慣れたブキでいこうと決めたので、大会でも使いました。スプラシューターベッチューなら、マルチミサイルで援護もできて、キューバンボムでイカスフィアを壊す役割も担えますからね。

Q:らすく選手は、ふたつのスクリュースロッシャーを使っていましたね。
A:ステージによって使い分けていました。エクスプロッシャーカスタムも候補だったのですが、今大会では使うステージが出ませんでした。僕はスクリュースロッシャーのヒトと思われているかもしれませんが、ほかのブキも使えます(笑)。

Q:てぃ選手は、クーゲルシュライバーとエクスプロッシャーカスタム。
A:僕はもともといろいろなブキを使うタイプだったんですが、今回はチームとしてひとつのブキを極めていくスタンスだったので、ある程度絞って戦いました。

Q:なるほど。では、皆さんはL3リールガンは今後も……。
A:はい、これからも使いません!

Q:では最後に、全国決勝に向けて意気込みを聞かせてください。
A:去年は全国決勝では1回戦敗退と、悔しい結果に終わってしまいました。今年こそは必ず活躍して、みんなにL3リールガンを使わなくても勝てるということを示していければと思います。がんばります!

第5回スプラトゥーン甲子園 北海道地区大会DAY1 優勝チーム“四神乱舞”のメンバー。(左から)At選手、ぎゃんぐ選手、らすく選手、てぃ選手。