2019年11月1日に発売されたNintendo Switch用ソフト『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピックTM』。任天堂の『スーパーマリオ』シリーズ、セガの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズのキャラクターたちによって、夢の競演が楽しめるスポーツゲームの決定版だ。競技の題材は、タイトルが示す通り、スポーツの祭典であるオリンピック。本作では2020年に開催予定の東京2020オリンピックがモチーフであり、空手やサーフィンなど、今大会より追加された種目も遊べるようになっている。
今回は、前回の記事では触れられなかった“ドリーム競技”をピックアップ。その内容や魅力について解説していく。
3種類の本作オリジナル競技を楽しめる“ドリーム競技”が楽しい!
それではドリーム競技について解説……の前に、本作の概要について軽く触れておこう。『マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピックTM』は、オリンピックを題材にしたスポーツゲーム。基本的な作りは、これまでに発売されている『マリオ&ソニック』シリーズと変わらず、好きな競技とキャラクターを選択し、新記録、もしくは勝利を目指すことになる。プレイヤーひとりでのプレイはもちろん、ローカル通信やインターネットを介した対人対戦&協力プレイが楽しめるのが特徴であり、ポイントでもある。本作はパーティーゲームとしての側面もあるだけに、複数人での楽しさ、おもしろさはソロプレイ時の比ではない(ソロでストイックに記録に挑戦し続けるのも、それはそれで楽しいが)。
競技は東京2020オリンピック競技をモチーフにしている“東京2020年競技”、1964年開催の東京オリンピック競技をドット絵で再現した“東京1964年競技”のほか、“ドリーム競技”が存在する。ドリーム競技では、オリンピック競技をベースにした3種目の本作オリジナルの競技に挑戦できる。それぞれが独立した内容であり、こちらもひとりでも複数人でも楽しめる仕様。以下で、筆者の感想も交えながら競技の詳細、及びプレイ上でのちょっとしたコツについて解説していこう。
ドリームシューティング
4人で対戦を行うシューティングゲーム。それぞれが個人で戦う個人戦と、ふたりずつタッグを組んで戦うチーム戦が存在する。
どんぐりでマトを撃ってポイントを稼ぎ、制限時間内でもっとも多くのポイントを獲得した選手、またはチームが優勝となるシンプルなルール。専用のステージはからくり屋敷をモチーフにしており、ギミックの類が盛りだくさん。スイッチを撃って扉を開ける、あるいは隠されたマトを出現させるなど、ただ撃つだけで勝つことはできないようになっている。マップの形状やマトの位置をきちんと覚えないと、右往左往しているだけでタイムアップになってしまうことも(経験済み)。
一定時間ごとにチャンスタイムが訪れ、巨大な奴凧が出現。撃ちまくることでポイントを稼げる。出現時間に合わせて奴凧を撃ちやすい位置へいち早く移動するのも大切になる。ステージ内にはマルチショットと呼ばれる、広範囲に弾をばら撒けるアイテムが落ちているので、これを拾っておけば奴凧に大ダメージを与え、一気に大量のポイントを獲得できる。
コツとしては、やはりマップとマトの位置の把握が大切。マトは連続で撃つとコンボボーナスが入るので、位置をしっかり覚えておけば、効率よくポイントを稼げる。また、本競技では、マトやギミックだけでなく、相手プレイヤーも撃てるのがキモ。数発当てると相手プレイヤーを一定時間ダウンさせられる、いわゆる妨害ができる。もちろん、それに気を取られ過ぎているとポイントは稼げないので、ほどほどに狙うのがよさそう。奴凧が出現するタイミングに合わせて何人かをダウンさせておくと、ポイントが稼ぎやすいと感じた。
ドリームレーシング
8人の選手でコースを走り、順位を競うレースゲーム。カートやバイクなどの自動車ではなく、浮遊するエアーボードに乗って、スケートボードのテクニックを駆使しながらゴールを目指すのが特徴的。ちなみに、コースのモチーフは『ソニック』シリーズでおなじみのメトロポリス。
コース上にはバンクやジャンプ台に加え、グラインドやスライドが行えるレールが配置されており、テクニック(トリック)をくり出すことで加速が可能。トリックを決めるごとにスペシャルゲージが溜まり、MAXにすると各キャラクター固有のスペシャルトリックを発動でき、大きく加速する。また、コース上にはアイテムボックスもあり、触れるとさまざまなアイテムを入手できる。一定時間加速したり、ライバルへの攻撃、果てはライバルからの攻撃を無効化するなど、多様な効果を持つ。
レースゲームのセオリーにならい、コースを覚えることが最重要となる。ジャンプ台などでトリックを決めての加速は当然として、コース上にあるリングを集めて最高速度にさせることが大切。マメにトリックを決めていれば、容易にゲージは溜まるので、忘れずにスペシャルトリックを発動させたい。また、アイテムは回収できれば大きな戦力となるが、無理に取ろうとしてコースラインを大きく外れるように動くとタイムロスが激しいので、“取れれば”で問題ない。自分のように強欲だと損をするばかりなので注意。
ドリーム空手
空手をベースにした競技。4人の選手で陣取りをしながら戦う格闘ゲームで、自分以外が敵となる個人戦と、タッグを組んで相手チームと戦うチーム戦がある。
突きや蹴りといった攻撃で相手を吹き飛ばすと、地面のパネルを自分の領地にできる。これをくり返して、制限時間終了時にもっとも領地の多いプレイヤーが勝利となる。ステージのモチーフはキノコ王国。ピーチ城やオデッセイ号、クレイジーキャップなどを背景に楽しめるが、見とれているうちに蹴っ飛ばされないようにしよう。
攻撃などで溜まるスペシャルゲージがMAXになると、対戦相手が獲得したパネルを自分の領地に上書きできる、超・一撃必殺を使用できる。強力無比な切り札的存在だが、これは相手にとっても同じこと。使いどころを誤ると、逆に引っくり返されてそのまま敗北、なんてことにもなる。
どこで攻撃するか、引くかを、よく考えて行うことが重要。やたらめったらと攻撃を振り回していても、その隙を攻撃され、いいようにパネルを取られてしまう。Bボタンで行える回避を織り交ぜ、しっかりと相手の隙を見極めてから攻撃を放つこと。また、アイテムパネルを領地にすると、さまざまな効果を持ったアイテムが出現する。もちろん入手できれば便利だが、これを取りに行くか否かでも駆け引きが生まれる。不用意に取りに向かえば後ろから小突かれるし、逆もまたしかり。対戦中、相手の動きのクセなどを見抜けるかどうかもポイントになるだろう。性格をよく知る仲のいい相手なら、読み合いはより深く、おもしろいものになるはずだ。