PLAYISMがPC(Steam)で配信しているアクションFPS『Bright Memory アーリーアクセス版』が2019年11月21日に大型アップデートを実施。ついに待望の日本語字幕、日本語音声が追加された。

 本作は2019年1月から配信されているタイトルで、個人デベロッパーであるFYQD-StudioのZeng Xiancheng氏がたったひとりで制作を手掛けていることでも話題を呼んだ作品。個人開発とは思えない凄まじいクオリティーと、一人称視点で繰り広げられるスピーディーかつスタイリッシュなコンボが多くのアクションゲームファンを唸らせた。

 今回は日本語が追加されたこともあり、改めて『Bright Memory アーリーアクセス版』のレビューをお届け。FPSやアクションゲーム好きはぜひチェックしてみてほしい。

日本語対応で遊びやすく進化

 ゲームの詳細を解説する前に、先日実施されたアップデートについて少しだけ語るのをご容赦いただきたい。前述の通り本作は、アップデートで日本語字幕と日本語音声に完全対応してくれた。これは正直かなりうれしい。日本語になったことでプレイの没入感は当然大きく上昇。ちょっとした謎解き要素もあるため、かなりスムーズに進行できるように進化している。ゲームを始める大きなキッカケになるのも間違いないだろう。

 本作の主人公は、超自然科学研究機構(SRO)に所属する女性隊員シア。彼女の声を声優の石川由依さんが担当している。ゲームの随所でシアの心中が語られたり、仲間との通信が行われたりするのだが、石川さん演じるシアはまさにイメージ通りのボイスといっても過言ではない。念のために書いておくと、石川由依さんはアニメ『進撃の巨人』ミカサ・アッカーマン役や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』ヴァイオレット・エヴァーガーデン役 、『アズールレーン』エンタープライズ役、ゲーム『NieR:Automata』2B役などでおなじみだ。また、ウェイク/敵兵士A役は田中文哉さん、カーター/敵兵士B役は利根健太朗さんがそれぞれ担当している。

 アプデ前は日本語の字幕すらなかったので、すでにプレイ済みのユーザーもこの機会に再体験してみるのもいいんじゃないだろうか。ストーリーの細かな部分もよくわかるようになり、より世界に入り込めるはずだ。

通常とは桁違いの気持ちよさ

 SROの調査により、死者を蘇らせる宝剣が発見。それを狙うテロ組織SAIが物質転送装置でSROの研究施設に潜入したものの、主人公シアが妨害を行ったことで装置が誤って起動。もろとも北極の辺境地にある1000年眠っていた浮遊大陸へと転送されてしまった……というのが、大まかなストーリーだ。

 ゲーム内容をざっくり説明すると、ガイドに従って浮遊大陸を進みながら敵と遭遇したらバトルに突入! といった流れになる。進むと言ってもルートがいくつもあるわけではなく、基本的には1本道。ただ、その道中で床が崩れるなどのハプニングが起きたり、謎解き要素を挟んだりもするので退屈することはない。隠されたトレジャーをコレクションする要素も存在するし、『ダークソウル』シリーズなどでおなじみの篝火みたいなものもあったりしてニヤリとする場面もあった。そして、敵が出現するとバトル開始なのだが、一人称視点のまま華麗に立ち回るのが『Bright Memory』のユニークなポイント。

 攻撃方法はアサルトライフル、ショットガン、ハンドガンといったFPSで定番の武器射撃に加え、光刃と呼ばれるブレードによる斬撃もある。光刃は衝撃波を放って遠距離の敵を斬り付けることも可能だ。さらにいくつものスキルを習得でき、電磁パルスで宙に浮かせた敵に電撃を纏った光刃斬を叩き込み、トドメに地裂斬をお見舞いするといった具合に連続技を決められるから非常に爽快感が高い。FPSでありながらも、スタイリッシュなアクションを交えながら戦えるのが何とも痛快なのだ。

 移動に関するアクションは通常の歩きとダッシュのほか、閃光と呼ばれる前方を除くあらゆる方向へ高速移動できる回避技と、ワイヤーを使って移動するグラップルがある。閃光はおもに敵の攻撃を回避したいときや距離を取りたいときに使用。クールタイムは1秒のため、ほぼ連続で使えて重宝する。グラップルは敵との距離を瞬時に詰めたいときや、フィールド探索時に高所や離れた場所への移動に使うのがおもな役割だろう。

 これらの銃撃や斬撃、スキルによる連続技と移動技を巧みに駆使し、手強い相手を葬ったときは名状しがたい恍惚感も味わえる。これはノーマルなFPSとはかなり異なる感覚と言える。また、銃撃と斬撃で連続してダメージを与え続けるとコンボとなり、評価とスコアが表示されるという『デビル メイ クライ』シリーズを彷彿とさせるような仕組みもあっておもしろい。ぜひ“SSS”などの高評価を目指してほしい。

 戦う相手はテロ組織のメンバーたち以外に、浮遊大陸に潜む異形のモンスターがいる。もしかするとモンスターではなく大陸の守護者的な存在なのかもしれないが……シアの敵になるのは間違いない。もちろん、巨大なボスも要所で出現。さまざまな攻撃を仕掛けてくるので華麗に撃退してやろう。なお、シアが連続して敵の攻撃を食らい続けると、徐々に画面が暗くなっていって最終的には死亡する。ダメージは時間経過とともに回復するので、このあたりはよくあるFPSのシステムと同様だ。たとえやられても、再スタートのポイントはけっこう細かく刻んでくれるので安心していい。

育成の楽しみもしっかりある

 敵を倒すとドロップする結晶から得られる経験値は、シアの能力アップに使うことができる。『Bright Memory アーリーアクセス版』では、ゲームスタート時点ですでに半数近くがアンロック済みになっているが、完成版ではイチから取得していく可能性もあるだろう。

 強化できるカテゴリーは能力、スキル、潜在力の3種類。貯めた経験値を消費してアンロックする仕組みで、走る速度や獲得経験値などの上昇といったパッシブスキルや新たなスキル技などを任意に選んで習得できる。現状、難易度設定はないため、難しく感じたらこれらを習得してシアを強化して挑むしかない。

 ちなみに戦闘中だろうがいつでもスキル強化画面に遷移可能。ただ、この画面ではポーズ機能が効かないので安全を確保してから行うのが無難だ。これとは別に時間が止まるポーズ機能はちゃんとある。

謎解きがいいアクセントに

 未知の遺跡を探索するようなシーンでは、パズルチックな謎解きも行っていく。『トゥームレイダー』や『アンチャーテッド』シリーズを思い浮かべてもらえば、どういったタイプの謎解きなのかイメージしやすいだろう。

 石造りの大掛かりな円形の仕掛けを動かし、正しい位置に止めると光が点灯。すべて灯すと道が開けるといったものや、高所にある仕掛けを起動するためにルートを確保していくものなど、ちょっとだけ頭を捻ってチャレンジしなければならない。シアがヒントらしきものをつぶやいたりしてくれるため、よく聞いていれば「なるほどね」とピンときたりもする。このあたりは日本語に対応してくれていて本当によかったと思えるポイントだ。

 『アーリーアクセス』版であまり体験できるわけではないが、いい具合に配置されているので気分を変えて楽しめるのがいい。

有意義な先行投資

 本作は『Bright Memory アーリーアクセス版』というタイトルからもわかるように、正式リリースはまだ先の話。現在はエピソード1部分しか体験することができない。かなりじっくり遊んでも、通しで1時間前後といったところ。やられることなく進めば、もっとずっと早く終わりを迎えてしまうのでそこだけは注意していただきたい。“コンティニュー+”を選べば周回プレイにも対応しており、習得したスキルはそのままにエピソード1を最初から遊ぶことも可能だ。

 通常価格は720円だが、大型アップデート実施を記念して33%オフのセール中で482円(2019年11月22日現在)。この機会に期待値の高い本作を購入しておくのは大いにアリだろう。正式版である『Bright Memory:Infinite』がリリースされた際には、すべてのエピソードを体験できるので心配はいらない。筆者はエピソード1を3回ほどクリアーしたが、操作に慣れていくほどアクションが楽しくなっていくのを感じた。ゲームファンにはぜひ、通常のFPSとはまた違った感覚の気持ちよさを体験してもらいたいと思う。

 ただ、どうやら本作は通常のアーリーアクセス開発とは異なるプロセスを辿っており、現在『Bright Memory アーリーアクセス版』からまるまる完全新規で作り直しているとのこと。開発の進捗は20%程度でこれから1年かけて残りの80%を完成させていくようだ。大型アプデ時に公開されたPVを見ると、最後にかなりブラッシュアップされたシアの姿を一瞬だけ確認できる。現バージョンでも十分グラフィックはキレイだが、より洗練されるなら大歓迎だ。追加でまだまだ待つことになってしまったのは残念でならないが、日本語版をやり込んで耐え凌ごうではないか。さらなる最新情報は、どうやら2019年12月16日に発表を予定しているらしいので気になる人はチェックしてみてほしい。