ゲーミングスマホ最新機種が2019年11月22日に発売
2019年11月20日、ASUS JAPANはゲーミングスマートフォン『ROG Phone II』の新製品発表会を開催した。本製品は、2018年末にリリースして好評を博し、“ゲーミングスマートフォン”という新たな市場を切り開いた『ROG Phone』の後継機だ。
発表会ステージには、ASUS JAPANからマーケティング部 部長代理兼モバイルプロダクトマーケティング担当の塩野拓也氏と、システムビジネス事業部テクニカルプロダクトマネージャーの阿部直人氏が登壇。『ROG Phone II』の詳細を解説した。
今回紹介された『ROG Phone II』は、発表会当日の2019年11月20日から予約受付が開始スタート。日本国内での発売日は2019年11月22日となる。価格は容量が512GBのモデルが10万5500円[税別]、1TBのモデルが12万5500円[税別]。
さらに、拡張アクセサリーの新製品2点(後述)と本体とのセットも数量限定で発売。合計価格が1万4000円もお得になるという。
具体的にどれくらいすごいのかを解説!
具体的に、本製品は何がすごいのか。阿部氏が、“ROG Phone II”が誇る6つのポイントについて分かりやすく解説してくれた。
処理速度・パフォーマンス
そもそも、基本的なパフォーマンスが他機種とは一線を画しているという。現行の最先端モデルにおける主流CPUはSDM 855だが、それを上回る855+を搭載。CPUクロックは2.84GHzから2.96GHzに向上している。また、ストレージが先代モデルのUFS2.1から3.0になったことで、読み書き速度もアップした。
総合的な処理速度は他機種より4%程度増。数値だけ見ると平凡に思えるが、855+ CPUの真価はグラフィック処理能力にこそある。855搭載モデルと比べると、なんとGPU性能は15%も上回っているのだ。先代モデルから引き継いだ11adの無線LANの通信速度&安定性も合わさって、3D処理バリバリのアプリも快適にプレイ可能。さらに、12GBの大容量メモリによって、アプリのシャットダウンもまず起こらない。
これらの進化により、ベンチマークの数値では他機種を圧倒。アプリの起動までにかかる時間も短くなるなど、いいこと尽くめだ。
冷却機能
これだけ高性能のCPUを搭載していると、当然のように発熱量は多くなる。本機は前モデル同様に、ゲーミングPCブランド“ROG”が培った冷却システムのノウハウを活用。発熱と放熱の2段階で、もっとも排熱効率がいい構造を実現しているという。
さらに、本体同梱の外付け冷却ファンユニット“AeroActive Cooler II”をセットすれば、表面温度を約5℃も下げることができる。このユニットも先代モデルの同梱品から進化しており、冷却機能アップに加えて騒音も抑えられた。
これらの冷却機能を活用すれば、本体の発熱によって起こり得る性能低下のリスクが軽減。対戦ゲームなどを長時間プレイするうえで、非常に心強い仕様だ。
ディスプレイ
画面サイズは6.59インチ(アスペクト比は19.5:9)。片手に収まるスマートフォンとしては限界ギリギリの大画面だ。この画面サイズでも、本体は高さ約171mm、幅約78mmの大きさに収まっている。
ゲーミングシーンでいちばん重要な描画機能についても、一般的なスマホの域を超えている。一般的な最新スマホのリフレッシュレート(※)は60Hzだが、本製品はその2倍の120Hzだ。
※リフレッシュレート:1秒間の間に画面を描き変える回数。数値が大きいほど滑らか。
応答速度は1ms、タッチサンプリングレートが240Hzと、画面をタッチした際の反応速度も桁外れ。本体側でタッチに対する優先度を上げて全体のシステムも最適化したことで、他機種よりも反応が圧倒的にいいとのこと。
ディスプレイは色再現精度は“Delta E<1”という“ほぼ肉眼で認識している状態と変わらない”という基準を満たしている。HDR 10にも対応しており、表示可能な色数は10億色超え。一般的なスマホの約1677万色とはもはや比べ物にならない。
動画配信サイトなどのHDR 10動画にも対応しているので、最高画質で映画や海外ドラマなどを楽しむこともできるだろう。
バッテリー
高性能と高画質を支えるため、バッテリーは6000mAhの大容量。先代モデルの4000mAhでも現行の他機種よりも大容量なのに、その1.5倍を達成したわけだ。
なお、充電器側にもチャージ用ICチップを搭載し、発熱を本体と充電器に分散させるシステムを搭載。これは先代モデルから引き継いだシステムで、大容量バッテリーながら本体の発熱を抑えた高速充電が可能だ。充電しながらゲームをプレイしても熱さが気にならない。
ユーザビリティー
『ROG Phone II』は、プレイヤーに快適にゲームを楽しんでもらうため、ユーザビリティーにそうとうこだわっているという。
操作系で言えば、前モデルから強化された“AirTrigger II”。軽く指で触れるとボタンのように反応する超音波センサーで、画面内の特定の場所をアプリごとに設定し、その場所を“タップする”操作ができる仮想ボタン機能だ。
反応速度が63msから20msと約3倍になっただけでなく、スライド操作にも対応している。
本体の下と左の2ヵ所から充電可能という仕様も、前モデルから引き継いでいる。外付け冷却ファンを付けた状態でも充電できるので、スマホを横持ちしてゲームをプレイする際に、充電コードが邪魔にならないのが非常に便利だ。
ほかにも、ユーザビリティーを支える機能が随所で光る。
サウンド面ではDTS:X Ultraと5つのスピーカーによる臨場感に加え、デュアルフロントスピーカーが強化された。これによりスマホとは思えない迫力のサウンド出力が可能となり(ボリュームは前モデルの2.5倍)、映画鑑賞などにも役立つ。
また、デュアルサラウンドバイブレーションによって振動もリアルに。多様化しつつあるゲームの演出をより強化してくれる。
“ROG”のPCにも搭載されている管理アプリケーション“Armoury Crate”を活用すれば、利便性をさらに高められる。
アプリごとに個別で“AirTrigger II”を設定できるほか、画面の特定部分をタッチしても反応しないようにする“ブロックタッチエッジ”機能を搭載。
また、パフォーマンスの比重をゲームに割く“Xモード”を詳細にコントロール可能だ。専門的な設定が可能な“ハードチューニング”モードも用意されている。
さらに、各アプリごとの設定をプロファイル化し、ほかのプレイヤーとも共有可能。チームで遊ぶタイトルなどで重宝する機能だ。
ゲームアプリごとに“アプリ起動時はアラームや着信を非表示にする”などの設定が可能な“GAME Genie”も、前モデルから引き続き搭載。いいところで画面上にSkypeやLINEの通知が! などという困った事態ともおさらばだ。
さらに、本製品はGoogleの最新機能“Google ARCore”にも対応しており、Google検索の3D表示機能なども使用できる。高性能のカメラも含め、筆者は最新機種として足りない部分はほとんどないように感じた。
ゲームだけでなく、ふだん使いスマホとしても使い勝手のいい端末なのだ。
アクセサリー
『ROG Phone』は多様なアクセサリーが用意されていたのが特徴的だった。後継機でもそれは健在。新たな専用アクセサリーが用意されている。
外付け冷却ファン“AeroActive Cooler II”とともに、本体には保護ケース“Aero Case”が同梱。装着したままで“AeroActive Cooler II”を接続できる優れものだ。
前モデルの保護ケースはアクセサリー接続時にケースの一部を取り外す必要があったので、その手間がなくなったのはうれしい限り。
『ROG Phone II』専用の別売りアクセサリーとして、3つの新アイテムが本体と同時発売。以下、その詳細を紹介しよう。
・TwinView Dock II 価格:2万6800円[税別]
本体をドッキングさせることで『ROG Phone』を2画面のタッチパネルディスプレイデバイスに生まれ変わらせるアクセサリー。前モデルでも好評だったアイテムがさらに進化した。
本体と同じ規格とサイズのディスプレイと5000mAhの大容量バッテリーを組み合わせたもので、本体と合体させればバッテリー容量11000mAhのモンスター2画面マシンが誕生する。
本体とドックの各画面では、別々のアプリを同時に起動できる。ふたつのゲームを同時進行したり、片方で動画を上映しつつもう片方でSNSを眺めたりなど、便利に使えるのが最大の魅力だ。外付けバッテリーとして本体の充電も可能なうえに、冷却ファンも内蔵している。
・ROG Kunai Core Gamepad 価格:8,980円[税別]
携帯ゲーム機の操作性を『ROG Phone II』にもたらす、外付けゲームパッド。
バンパーでしっかりと固定するので安定感があり、その上から冷却ファンも取り付け可能。熱の心配も無用だ。さらに、キーを押すと画面のどこをタッチしたことになるか、細かにキーマッピングで設定できる。
このパッドは先ほど紹介したTwinView Dockと同時に使用可能。ふたつのアクセサリーを同時接続した雄姿を見ると、合体ロボに心躍らせていた少年の魂が甦る……かもしれない。
・ROG Phone II Lighting Armor Case 価格:4,980円[税別]
かっこよさでは負けていないのが、こちらの別売りの本体保護ケースだ。本体前面を堅固にカバー。本体の背面ライトに連動して、ケース上のロゴも発光する。また、このケースを装着することでオリジナル壁紙やアイコンパックなども使用可能となる。
上記の3アイテム以外にも、前モデルのアクセサリーとして発売された“ASUS WiGig(R) Display Dock”(価格:3万4800円[税別])と、“Mobile Desktop Dock”(価格:2万2800円[税別])、ならびに“ASUS Professional Dock”(価格:1万1980円[税別])は引き続き『ROG Phone II』でも使用可能だ。
いざタッチ&トライ! ゲーム以外でも、すべてにおいて使いやすい!
発表会後のタッチ&トライの時間に、筆者も『ROG Phone II』と周辺アクセサリーを触らせていただいた。
なお、筆者は前モデルに発売当初にほれ込み、いまなお愛用している。べた褒めになってしまったら申し訳ないなあと思いながら、筆者から伝えたいのは「使いやすすぎる!」という点である。
画面が大きく、さらに高精度になったことで、ゲームの視認性が上がっているのは一目瞭然。画面をタッチしたときのレスポンスも前モデルゆずり。ゲームを快適に遊ぶための機能類が、ブラウジング時の画面操作にもしっかり反映されるので、何をするにも快適なのだ。
ゲームのために犠牲にした部分は見当たらない。手に取って使ってみても、本当に“不足している部分”や“分かりづらい部分”といった、ストレス要素を感じなかった。
ゲームをサポートする機能類は、とくに設定せずとも最初からワンタッチで使えるものが大半。ヘルプも参照できるので、自分で細かく設定しやすい。
ここまでは、前モデルをタッチ&トライした際にも抱いた感想だ。これに加えて、プレイヤーの声を取り入れるゲーミングPCブランド“ROG”らしく、先代モデルのユーザーの声を反映したであろう改善点が多い。
たとえば、保護ケースをいちいち外さないと外付け冷却ファンやTwinView Dockには接続できなかった先代とは異なり、『ROG Phone II』ではケースをつけたまま接続が可能となっている。
合体というロマンに満ちた要素に、利便性までプラスされたわけだ。そもそも、パフォーマンスをゲームに集中させる“Xモード”という単語だけでもロマンがあふれ出ている。男子にとってたまらない逸品と言えるだろう。
大幅なスリム化を実現しているがTwinView Dockに対して、“AeroActive Cooler II”はあえて少し大型化することで冷却性能がアップ。本体とアクセサリーの両方で、設計を見直している部分が多い。
前モデルでも“ふだん使いとゲームの両立”がハイレベルでまとまっていたが、“II”はそのコンセプトを据え置いたまま、さらなる高みに達していた。
くり返しになるが、本機の価格は512GBモデルが10万5500円[税別]、1TBモデルが12万5500円[税別]だ。ハイエンドなスマホとしてはそれほど高くない価格帯である。
それなのに、ほかのハイエンドスマホを凌駕する性能と、アクセサリーによる拡張性を持つ『ROG Phone II』。これから機種変更する際には、ぜひ選択肢に入れてほしい一台だ。
本体スペック概要
製品名:ROG Phone II (ZS660KL)
価格:12万5500円[税別](1TBモデル)/10万5500円[税別](512GBモデル)
本体カラー:マットブラック(1TBモデル)/ブラックグレア(512GBモデル)
プロセッサー:Qualcomm(R) Snapdragon(TM) 855 Plus(オクタコアCPU)
グラフィックス機能:Adreno 640
メインメモリ:LPDDR4X 12GB
記憶装置:1TB UFS3.0(1TBモデル)/512GB UFS3.0(512GBモデル)
ディスプレイ:6.59型ワイド AMOLEDディスプレイ 2340×1080ドット(フルHD+)
アウトカメラ:4800万画素カメラ内蔵(メインカメラ)/1300万画素広角カメラ内蔵(2ndカメラ)
インカメラ:2400万画素カメラ内蔵
無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n/ac(周波数帯域:2.4GHz/5GHz)/IEEE802.11ad(周波数帯域:60GHz)
キャリアアグリゲーション:6CA(DL)/2CA(UL)対応(1TBモデル)/5CA(DL)/2CA(UL)対応(512GBモデル)
バッテリー容量:6000mAh
バッテリー駆動時間:Wi-Fi通信時 約21時間/モバイル通信時 約20時間
プラットフォーム:Android(TM) 9.0(ROG UI)
サイズ:高さ約170.9mm×幅約77.6mm×奥行き約9.4mm
質量:約240g