2019年11月9日、10日の2日間、東京ビッグサイト 青海展示棟にて、モバイルゲームに特化した大規模オフラインイベント“MOBILE GAME EXPERIENCE 2019”が開催される。

 多数のゲームタイトルのブース出展や、ステージイベントが行われる本イベント。仕掛け人であるDeNAの杉山晃一氏とミクシィの比奈本真氏にインタビューを決行し、概要や誕生の経緯に迫った。

比奈本真(ひなもとしん(写真左))

株式会社ミクシィ ライブエクスペリエンス事業本部 ライブエンターテインメント事業部 部長。XFLAG全般のイベントプロデューサー。文中では比奈本。
イベント企画運営会社などを経て、2016年ミクシィに入社。イベントプロデューサーとして、年に一度開催している大規模イベント“XFLAGPARK”やeスポーツ大会“モンストグランプリ”を始め、多くのリアルイベントを手掛けている。

杉山晃一(すぎやまこういち(写真右))

株式会社ディー・エヌ・エー ゲーム・エンターテイメント事業本部 エレクトロニック・スポーツ総合管理部 部長。MOBILE GAME EXPERIENCE プロデューサー。文中では杉山。
前職では対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターV』のプロデューサーとしてタイトルを運用。その経験を活かし、eスポーツ含むゲーム・エンタメ領域の事業化を推進している。DeNAには2017年4月に入社。eスポーツ部門を設立し、“MOBILE GAME EXPERIENCE 2019 -powered by Xperia-”ほか、数々のイベントを立ち上げる。

ゲーム体験だけではない! 魅力あふれるアクティビティも

――まずは“MOBILE GAME EXPERIENCE 2019”(以下、MGX2019)のイベント概要を教えてください。

杉山タイトルの通り、イベントのテーマは「モバイルゲームのファンのためのフェス」です。開催日は11月9日、10日の2日間で、会場は東京ビッグサイトの青海展示棟を使わせていただき、国内外の人気ゲームタイトルにちなんだ催しものを用意しています。

――公式サイトにある“手のひらに、おさまりきらない体験を。”というキャッチコピーには、どのような意味が込められているのでしょうかか?

杉山モバイル端末は手のひらで扱うものですよね。日常生活を送る中で、どこかしらでスマートフォンを手に取る時間があると思います。そこでゲームやSNSを楽しむわけですけど、どれだけ多くの人とインターネットでつながっていても、触れている瞬間はひとりです。

 だけど、こういうオフラインイベントに行けば、自分と同じことをやっている人がたくさんいるんだという実感につながります。自分の手のひらだけじゃなくて、外にはこんな世界が広がっているよ、というメッセージを込めています。

――そういう想いが込められていたんですね。

杉山あとは、お客様に我々のような企業側の本気を感じていただくことが重要だと思っています。スマートフォンのアプリって、飽きちゃったり、周りに遊んでいる人がいないとほかのゲームに乗り換えたりするじゃないですか。イベントを介して、お客様のゲームに対する熱を応援したいんですよ。

――企業側が定期的にオフラインイベントを行っているとゲームの盛りあがりを感じられますよね。ちなみに、ビッグサイトの青海展示棟にはふたつのホールがありますけど、どちらも使用されるんですか?

杉山はい、両方ともですね。ひとつのホールはさまざまなアクティビティが入っている展示ブースの“エクスペリエンスエリア”、もうひとつはステージイベントを行う“ステージエリア”になっています。ステージエリアは入場にチケットが必要になりますが、エクスペリエンスエリアは入場無料ですので、誰でも気軽にお越しいただけます。

――エクスペリエンスエリアでは、具体的にどのような展示が行われるのでしょうか?

杉山ゲームの体験コーナーやグッズの物販、飲食スペースなど、さまざまな要素をごちゃまぜにして、お祭りのような感覚でアクティビティが楽しめるようになっています。

 また、各社様にフォトスポットのようなものを用意していただいています。たとえば、スクウェア・エニックスさんだと『星のドラゴンクエスト』の体験コーナーに加えて、LUIDA'S CAFEが出張オープンします。ほかにもサイゲームスさんの『シャドウバース』では、みかんさんという配信者の方が6時間耐久で公開配信を行って、その横でRAGEの予選枠を争う大会を開いていたり、ミクシィさんは『モンスターストライク』(以下、モンスト)のプロツアーに出場するプロチームが記録したゲーム内ステージの最速記録映像に挑戦するコーナーといった感じですね。

――ブースを見て回るだけでも楽しめそうですね。ただ、複数タイトルを扱うイベントだと、お目当てのゲームのブースに立ち寄ったらそのまま帰ってしまう人も少なくないと思います。そういった離脱を減らすための仕掛けは用意されていますか?

杉山ホール全体を楽しんでもらうための企画として、“MGX巨大ガチャ"というものを用意しています。各ブースでアクティビティーを体験するとスタンプがもらえて、スタンプを集めてエアーくじを引くとハズレなしの巨大ガチャが回せるチャンスがあるというものです。巨大ガチャにはXperia 1やカップヌードルセット、スニーカーやバスケのペア観戦券など、各社からのプレゼントがこれでもか! というほど入っています(笑)。スタンプはさまざまなブースでもらえるので、“リアルガチャ”が引きたい人は、たとえば『星のドラゴンクエスト』に並んで、そのつぎは『フォートナイト』を遊んで、“ビックカメラ”を見に行って……というように、いろいろなブースを回るきっかけになればいいなと。

――“MGX巨大ガチャ”ではどのような賞品がもらえるのですか?

杉山ここも各社様にご協力いただいて、さまざまな賞品を用意する予定です。ソニーモバイルコミュニケーションズ様よりXperia1を、日清食品様よりカップヌードルを箱単位で、そのほか人気ゲームタイトルのレアグッズなど、皆さんの目を引くようなものをたくさん用意させていただきました。

――おおー、太っ腹ですね。

杉山各社様には感謝しかありません。今回、集まったタイトルは、IPとして魅力のあるものばかりだと思っています。

 おそらくですけど、この中でひとつのタイトルしか触ったことがないという人は少ないんじゃないかなと。遊んだことがある、または聞いたことがあるタイトルで、「何かおもしろそうなことをやっているな」となれば、いくつもブースを回っていただけると思うんですよ。

――ゲームの試遊以外の催しものもありますか?

杉山『フォートナイト』ブースの隣で、安全性の高いお子様も遊べるトイガン(スポンジ弾を打ち出すおもちゃの銃)を使ったサバイバルゲーム企画コーナーも用意しています。20メートル四方ほどのスペースで、体を動かしてリアルFPSをやろうぜ、といったものです。サバゲー人気は高まっていますし、ホールの中央でサバゲーをやっていたら、楽しそうだから参加してみようかなという気になってくれると思うんですよ。

 ほかにもマッサージ屋があったり、ユニークな催しものを用意しているので、「いるだけで何となく楽しい」と思ってもらえるんじゃないかなと。

――「いるだけで何となく楽しい」という感覚は、大規模イベントとしてはすごく重要なことですよね。

杉山物販コーナーもあって、本イベント限定のグッズも販売されています。各社様のグッズもとても魅力的で、ただのゲームグッズだけではなく、普段着として使えるようなアパレルグッズも豊富に準備されています。

MGX2019限定グッズの一部。このほかにも、メーカーごとにさまざまなグッズが用意されている。

杉山それに加えて、飲食ができるフードコートなど、座れる場所もたくさん用意しています。ちょっと疲れたら休んでいただいて、一度行ったら数時間は滞在していただけるんじゃないかなと思います。

――もうひとつのホールで展開するステージエリアではどのようなことが行われるのでしょうか?

杉山モンスト』の“モンスト プロツアー 2019-2020”の開幕戦をはじめとして、『Identity V 第五人格』、『#コンパス【戦闘摂理解析システム】』、『伝説対決 -Arena of Valor-』、『Fortnite』など、ゲームタイトルのステージイベントを実施します。演者さんを呼んで、見て楽しむものが中心ですね。

 自分が音楽フェスに行ったときに感じたことなのですが、この時間はこのライブを見て、ご飯はここで食べて、物販でグッズを買ってというように、ひとつのイベントでさまざまな体験ができるのがフェスの魅力。MGX2019でも、アクティビティを楽しんだり、イベントを見たり、フードコートでご飯を食べたりと、参加者が自分で楽しみかたを選べる環境を用意したかったんです

 そういう意味で、音楽フェスのゲーム版という形を目指しているのが、今回のイベントの趣旨ですね。

MGXが目指すイベントの形

――MGXというイベントはどのようにして生まれたのでしょうか?

杉山いまは各社が単体でユーザー還元のイベントやeスポーツ大会を開催することが多いじゃないですか。それ自体、お客様にとってはうれしいことだと思いますが、単体でどうこうするよりも、各社がIPを持ち寄って文化祭的な感じでイベントを作れば、もっと効率的で、1社だけだとできないことができるんじゃないかなと思ったんです。それを比奈本さんと話したら賛同していただいて、フェスっぽいことをやりましょうという話になったのがきっかけでしたね。

 それと、現状は“eスポーツ”がすごく取り扱いが難しい言葉になっていると感じています。好きな人はeスポーツというワードに飛びつきますが、そうじゃない人は「じゃあいいや」と興味すら持ってもらえない状況が少なからずあると思っていて。eスポーツという枠はあってもいいと思いますが、今回はそこにこだわりすぎず、シンプルにお客様が楽しめるものにしたいんです。

――もともと杉山さんがきっかけでお話が動き出したんですね。

杉山そうですね。僕が比奈本さんにお声がけさせていただいたところから企画がスタートしました。モバイルと区切っているのも理由がいくつかあります。

 いちばんの理由は、いろいろなゲームデバイスがある中で、スマートフォンは最大のユーザー数を抱えたデバイスということ。この先、eスポーツもそうですし、ゲームそのものを語るにしても、モバイルをフィーチャーする必要があるでしょう。

 DeNAもミクシィさんもモバイルゲームを展開する会社です。自分たちの得意な領域でお客様が楽めるものをやりたいという思いもあって、“モバイルゲームのイベント”と銘打っています。

――杉山さんからお話を聞いて、比奈本さんはどういう印象を抱かれましたか?

比奈本率直におもしろいなと思いました。イベントはそれそのものがエンターテインメントですから、自分自身がおもしろいと思えるかどうかはすごく大事です。

 あと、お互いがeスポーツという枠に入るタイトルを運営していて、そのIPホルダーどうしがいっしょに開催する大会は案外ないよねという話になりまして。いま国内で複数のタイトルを扱っている大会は、基本的にIPホルダー主催ではないじゃないですか。

――闘会議やRAGEなどがありますが、たしかにそうですね。

比奈本多くの場合が、オーガナイザー主催という座組です。これだけ多くの大会が開催されながらも、だいたい同じ道にいく。eスポーツを盛り上げることをひとつの山に例えると、そういう登山道は広く知られているわけですね。僕らはその山に対して別のルートを見つけて、今後のさらなる発展のきっかけにしたいんです。

――ゲームメーカーが直接主催したとしても、ユーザーからするとそこに違いが感じられないと思います。実際はどのようなメリットがあるのでしょうか?

杉山今回は我々が中心となって実行委員会を作り、さまざまな企業様といっしょに動いています。すると、先ほども申し上げましたとおり、どこかで文化祭的なノリになるんですね。

――急に楽しそうな雰囲気が出てきましたが。

杉山お互いのIPをイベントとしてコラボさせることも実現可能かなと思っています。具体的には、先日、発表させていただいたキービジュアルやPRムービーですね。PRムービーは、DeNAとミクシィさんだけではなく、出展各社のビデオをひとつに編集させていただきました。

 キービジュアルは、ひとりのイラストレーターさんにそれぞれのゲームのキャラクターを描き下ろしてもらって、それから各社に監修をいただきながら、1枚のビジュアルに仕上げるという……。これはゲームやIPの業界では前代未聞だと思います。

キービジュアルは各種のグッズにも使われている。

MOBILE GAME EXPERIENCE 2019 -powered by Xperia- 開催! PRムービー

――描き下ろしイラストを全社に監修してもらってまとめあげるって、言うだけならひと言ですけど、きっとそうとう苦労されましたよね?(笑)

杉山監修する皆さんもたいへんだと思うのですが、多大なご協力をいただきました。成立したのは奇跡的。本当にありがたいことです。

 イベントでは既存の絵を組み合わせて1枚のメインビジュアルを作ることが多いと思ういますが、それだけだと強いコラボ感を出すのが難しい。やっぱりイベント用に描き下ろしたほうがいいだろうな、と。

 あとはやはり、ゲームを取り扱ったことがある人間が、「御社のIPを大事にするのでコラボさせてください」とお願いしたことが重要だと思います。そういう我々が手を組んだから、コラボ感や適度なごちゃまぜ感を実現できたのではないかと。

――『モンスト』プロツアーをステージエリアで実施されるとのことですが、こちらは両日とも行われるのですか?

比奈本両日ともやらせていただきます。

――『モンスト』のプロツアーは2018年から始まっていますよね。今回が2回目ということですか?

比奈本プロツアーは2018年10月に初回がスタートして、今年で2回目となります。去年は、2月に開催された闘会議でのプロライセンス発行があったことが大きなトピックでした。

 ただ、プロライセンス発行がゴールではなく、当然ながら、プロ選手たちに活躍の場を与えていく必要があります。それは、“モンストグランプリ”という大会が続いている中での課題解決にもつながる可能性がありました。誰でも参加できるがゆえに、決勝戦に進出するチームが毎回違うんですね。観客側からすると、誰を応援したらいいのかわからない。これがモンストグランプリの課題です。

――たしかに。出場選手が多すぎると混乱しそうですね。

比奈本大会常連のチームが少なかったんです。eスポーツの大会は、“参加して楽しい大会”と“見て楽しい大会”があると思っていて、いまのモンストグランプリの座組だと、見て楽しい大会を作るのは難しいと感じています。

 その問題を解決するための抜本的な変更として、参加チームや選手が固定の新しい座組で大会を作って、興行として地方を回る形にしようと。そうやって生まれたのが“プロツアー”です。2018年のプロツアーは『モンスト』だけの興行だったので、『モンスト』ファンしか来ないという状態でした。当たり前ですよね。

 ただ、今後のさらなる発展を望むためにも、『モンスト』ユーザーだけをターゲットにしていてもダメだなと思っています。ゲームそのものには興味があるけど、『モンスト』は遊んでいないという方々に、少しでも興味を持っていただく。そんな見て楽しい大会としてのプロツアーを展開していくのが、去年と今年の差分になってくると思います。

 そのような意図もあって、今回のイベントのような場に、積極的に弊社の大会を出させてもらいたい。それが出展したいちばんの理由でもあり、理事をやらせていただいている理由でもあります。

――『モンスト』は圧倒的にプレイヤーの多いタイトルで、いまは遊んでいないけど以前に触ったことがあるような人も多いと思います。『モンスト』であれば、ほかのゲームのファンにも興味を持ってもらえるというような自信があったということなのでしょうか?

比奈本正直、それはわからないですね。仰るとおり、『モンスト』を遊んだことがある、名前を聞いたことがあるという人は大勢いらっしゃると思います。

 ただし、『モンスト』の大会は、決してルールがわかりやすいものだと思っていません。引っ張って弾くという操作は簡単なんですけど、簡単であるがゆえに、プロ選手のすごさを言語化するのがすごく難しいんですね。

 ですから、いきなり「『モンスト』をまたプレイしてください」と押し出すのではなく、「いまの『モンスト』はこうなっているんだ」という部分でフックを増やして、また遊ぶきっかけを作ることが重要だと思っています。それを見せるだけでも、このようなイベントに出展させていただく価値はあるのかなと。

――複数のゲームを扱うイベントで大成功しているところはまだまだ少ないと思います。逆に言うと、『モンスト』クラスの人気でできなかったら、この先に道があるかわからなくて。ですので、別タイトルのファンも楽しんでもらうという道筋に対して『モンスト』が何を示すのか、個人的には楽しみです。

比奈本ありがたいことに『モンスト』は一定の人気をいただいていますが、我々がそれ(別タイトルのファンに楽しんでもらう方法)を証明したら正解なのかというと、それはまた違うかなと思います。別のタイトルで再現できるかどうかはまた別の話ですしね。

 2020年に東京オリンピックがあって、その中で日本のeスポーツがどのように発展していくか、生き延びていくか、考えていかなければならないと思っています。そのために、今回のイベントで知見を蓄えつつ、我々が出ていくと大会が盛り上がるというような構造を積み上げていきたい。ハードルは高いですけど、その領域にたどり着くことが、IPとして非常に価値があることだと思いますね。

杉山eスポーツという言葉の立ち位置が、eスポーツに関わっている人ごとに違うじゃないですか。僕と比奈本さんとで完全に意見が合致しているのは、eスポーツはエンタメのカテゴリのひとつと考えていること。

 eスポーツそのものをゴリ推しするんじゃなくて、“エンタメの中のいちコンテンツとしてeスポーツがある”でいいと思っています。先ほどの話の流れで音楽フェスに例えますけど、「興味がなかったバンドのライブを見たら思ったより楽しかった」みたいに自然に受け取ってもらうのが理想ですが、ゲームはそこまでカジュアルではないかなぁ、と。

 ゲームによって正解となる見せかたは異なります。すべてのゲームが見て楽しいコンテンツになるかというと、それは違う。フォーマットを作ってそこに合わせるのではなく、どういう形でコラボするべきなのか、飽きずにそこにいたくなる仕掛けとは何なのか、模索し続けるしかないでしょうね。

――ゲームはそれぞれでシステムもゲーム性も違うから、枠組みに収めようがないですもんね。

杉山複数の企業が協力してイベントを作り、いろいろなバラエティー感を出せるようになったら、もう一歩先にいけるんじゃないかな、と。東京ゲームショウや闘会議とはまた違う、MGXならではの形を作っていきたいですね。

 今回が第1回なので、明確にゴールが見えているわけではありません。よりよい形を模索していく中で、費用対効果も徐々に見えてくると思います。オフラインイベントは開催するのにすごくお金がかかります。宣伝に近い要素もある。どれくらい効果があるのか、なかなか見えてこないんです。

――宣伝に近いものでしょうけど、効果を数値化しにくいですよね。

杉山そうなんです。たとえば、お客さんのエンゲージメントを数値化できれば目安になって、会社側も納得しやすくなります。会社の協力を得られれば、より工夫を凝らしてイベントが作れるようになり、イベントをさらに継続的に盛り上げていけます。

――イベントを開催してユーザーに喜んでもらいたけど、宣伝効果が不明確だと会社側も動きにくい。会社の上層部の説得がいちばん難しいというのはよく聞く話です。

杉山日本は携帯電話でもそうですし、ガラパゴス化して成長するじゃないですか。日本流のRPGは“JRPG”と呼ばれたりしますし。それは悪いことではなくて、eスポーツも同様に、日本なりのアレンジが必要だと感じています。

 日本人の文化的にスッと受け入れられるオフラインイベントって何だろうと考えたとき、思い浮かんだのがお祭り。日本人はお祭りが好きじゃないですか。お客さんも、お店を出している側も、いっしょに楽しむのがお祭りです。

 比奈本さんも仰っていましたが、企画する側の人間が楽しいと思っていないと、お客様に楽しさが伝わらないですよ。主催する企業側がお祭り感覚で楽しみつつ、参加している方々にそれを伝えていけば、eスポーツがコンテンツのひとつとして浸透するんじゃないかなと思っています。

――世界で流行っているeスポーツシーンを真似したところで、狙ったような進化をするとは限らない。そういうことですか。

杉山人口の問題も大きいですよ。中国やアメリカに比べると、単純に日本人の人口は少ないので。文化的な違いもありますから、同じやりかたをしても難しいとは思います。

――主催する企業側も楽しまなければいけないという話がありましたけど、どういう部分を楽しんでいますか?

比奈本チームのメンバーともオフラインイベントの後に話したりするんですけど、やっぱりお客さんの顔を見られることがいちばんです。いいも悪いも、直に声を聞けるのが最高ですよね。

 本音ではいろいろなイベントを仕掛けたいと思っています。ユーザーのコミュニティを大事にしていきたいので、サポート案も考えてはいるのですが、何でもかんでも公式がやればいいというものではないとも思っています。

 そういうバランスで、僕らにしかできないイベントや提供できる体験価値を考えたときに、やはり一定規模の大きな仕掛けをやっていかなければいけないのかな、と。そこから商業的な匂いがしてしまうのは、もはや仕方のないことだと思っていますし、その商業っぽさが大事だとも思いますし。

 いまXFLAG関連の大型イベントはすべて有料にしています。体験に対してしっかりと対価をいただくことの理解を広めないと、継続して提供できなくなりますからね。

 正当な対価をいただき、継続的にイベントを提供できれば、お互いにハッピーになれる。そういう環境を広げていくことが理想です。

――継続するためにも有料化は大事ですよね。

比奈本昨今のeスポーツの大会でも、有料化の流れがあるのはすごくポジティブなことだなと思っています。リアルのスポーツの世界でも、お金の匂いが嫌がられることはあるみたいですね。eスポーツは、まだその手前の段階にいると思っています。ユーザー側とコミュニケーションを密にして、バランスを取りながら進めていけば、市場としても価値のあるものになっていくと思います。

――お金が発生すると、メーカー側も気持ちが引き締まるかと思います。

杉山そうなんです。お客様還元用のマーケティングになっちゃうと、つぎに開催できるかわからなくなってしまいます。やはり、継続するためには一定の収益化を考える必要があると思います。

――杉山さんは今回のイベントをどのように楽しまれていますか?

杉山先ほどキービジュアルのお話をしましたが、ひとりのイラストレーターさんにさまざまなゲームのキャラクターを描き下ろしてもらうというのが、なかなかできないことです。僕らはメーカー側なので、このたいへんさがわかりますけど、お客様からすると「へー、全部描き下ろしなんだ」で済む話です。

 でも、それでいいんです。お客様に、自然に1枚のビジュアルにまとまっているなと感じてもらえること自体が成功なので。かわいいイラストだなと、違和感なく思ってもらえれば。

 イラストをグッズ化して販売したりもするんですけど、けっこういい感じの商品になっていると思います。手前みそですみません(笑)。

――デザイン的にもすごく映えるグッズが多いように感じます。

杉山実際に手に取ってもらって、カッコいい、かわいいと思ってもらえたらうれしいですね。こうやったらお客さんが喜んでくれるかなと考えながら仕込んでいく。お客さんから見たら自然になっていて、それで喜んでくれたらうれしいなと妄想しつつ、楽しくグッズを作っています。

――自然に受け入れられるのがいちばんというのは、よくわかります。

杉山それがいまいちばん目指したいところですね。キービジュアルと言えば、公式サポーターとして電脳少女シロちゃんをアサインさせていただきました。じつはこの(右上の)スペースにシロちゃんの描き下ろしイラストがつい最近入ったんです。シロちゃん参画が決まったタイミングがギリギリで、なんとかイラストが間に合った形なんですけど、こちらもかなりいいデザインに仕上がってると思います。

完成版のキービジュアル。じつはインタビュー時には電脳少女シロちゃんのイラストは間に合っていなかった。

比奈本“XFLAG PARK”でも、キービジュアルを作るときに、“イベントの構成要素をどう含めるか”を話し合うのですが、これがパズルみたいなもので、なかなかたいへんなんです。いちばん大事なのは、お客様の懐に入ること。メーカーはユーザーの味方なんだよと、受け入れていただくことが第一だと思います。

杉山ゴチャゴチャしていると情報過多になっちゃいますもんね。

――そういえば、実行委員会やオフィシャルパートナーにゲーム会社以外の企業の名前もありますよね。これにはどのような意図が?

杉山ゲーム業界以外の方にも運営側に入っていただいて、ゲームが市民権を得るための座組を作ることが大事だと思っています。ゲーム業界だけでやるとゲーム業界の話題で終わってしまうところを、業界外の方たちともいっしょに運営することで、広くアピールできるかなと。

――あくまで興行ビジネスですから、広く見せることが重要なんですね。

杉山長く続けて、ゲームを扱った興行をしっかり成功させたいと思っています。しかも、それがお金の関係だけではなく、志に共感してくれた人たちどうしで。だからこそ、うまくいくことも、いかないことも、ポジティブに話せるんです。内側でいがみ合ったりしない。

 ここがうまくいっていないからどうしようとか、裏側を遠慮なく相談できる関係ですね。そういう関係でイベントを作っていけているので、仕事自体を楽しめています(笑)。

比奈本我々もモンストグランプリなどで、多くのスポンサーさんにご協力いただいていますが、みなさん僕らと同じ側に立って物事を考えてくださるんです。我々も当然、その企業さんの立場になって考えるんですけど、最終的に向き合うべきお客さんのことを忘れずに、同じ目線を持てている人たちが同じ方向を向いて仕事をできる、新しいネタを生み出そうという動きができるのはすごく大きいですよ。

――施策を打つ際、外側に向けてアピールする方法と内側の盛り上がりを喚起する方法があると思います。お話を聞いていると、ものすごく大きな内輪受けを作って、それを成長させるのが目標なのかなという印象を受けました。

杉山なるほど。たしかにそういうのも理想的なのかもしれませんね。多くの人に「MGXの主催者は僕らの味方なんだ」と思っていただけたらうれしいです。

――規模が大きくなると、「お客さんのほうを向いているのかな?」と疑問に思うことも増えがちです。最近はゲーマーや協賛各社に「あの輪に入ったらおもしろそう」と思われている場が成功しているように感じます。

杉山お客さんどうしがSNSでつながっているんだから、企業どうしもそういう形でつながっていかなきゃダメなんじゃないかなと思いますね。

――このイベントは、2回、3回と続けていくのでしょうか?

杉山はい、もちろんそのつもりで考えています。

――今後、MGXはどういう方向に成長していくのでしょうか?

杉山音楽フェスの“FUJI ROCK FESTIVAL”や“SUMMER SONIC”のようなイベントIPを作りたいという思いがあります。出展タイトルを全部は知らなくても、「MGXだったら行ってみたい」、「行ったら絶対に楽しい経験ができる」。そんなイベントにするのが目標です。

 イベントIPとして成功させるためには複数回にわたって開催する必要があります。それを実現するためには収益性を見出すことが大切。バランスを鑑みて、ネタや企画を投入していきます。

 第1回となるMGX2019は、魅力的な催しものをたくさん用意しています。その場にいるだけで楽しくなるような体験が待っていると思いますので、ぜひ足を運んでいただければ!

イベントのプレミアムシートを緊急プレゼント!

 “MOBILE GAME EXPERIENCE 2019”の開催を記念して、イベントのプレミアムシートを11月9日、10日各日3名様に緊急プレゼント! ステージエリアで開催される各種イベントを、ゴージャスなシートで観覧できちゃいます。応募は、ファミ通.comのTwitterアカウントをフォローして、該当のツイートをリツイートすれば応募完了! 当選者の方にはDMでお知らせします。
 9日と10日のどちらに当選するかはランダムとなります。当選された方のチケットの引き渡しは、当日イベント会場の窓口を予定しています。当日は身分証明書と、DMの画面を確認させていただきます。

応募締切

 2019年11月7日(木)23時59分リツイート分まで

当選発表

 2019年11月8日(金)に、ファミ通.com公式アカウント(@famitsu)から、当選者へDM(ダイレクトメッセージ)を使って通知します。

※DMを送るため、発表まではファミ通.com公式アカウント(@famitsu)のフォローを解除しないでください。
※当選者にお送りするDM内に、賞品発送先の登録フォームのURLを記載しますので、2019年11月8日23時59分までに必ずご登録ください。期限までに登録が確認できなかった場合は、当選権利が取り消されます。

注意事項

  • このキャンペーンにご応募いただくにはTwitterへの登録(無料)が必要です。
  • 応募に際し発生する通信料・通話料などは、お客様のご負担となります。
  • 会場までの交通費は自己負担となります。
  • 9日、10日のどちらのプレミアムシートが当選するのかはランダムになります。
  • チケットの受け渡しはイベント当日窓口を予定しております。当日は身分証明書をご用意ください。
  • フォローやリツイートの際、正常な画面が表示されない場合は、Twitterへ再度ログインしてお試しください。
  • Twitterアカウントを非公開にしている場合、リツイートを確認することができないため、応募対象外となります。
  • ダイレクトメールを受信拒否設定している場合、当選連絡をすることができないため、応募対象外となります。
  • 当選連絡のダイレクトメッセージ記載の配送先入力締切日までに入力がない場合、当選を無効とさせていただきますので、予めご了承ください。
  • ご当選後の賞品の変更や返品には応じかねます。
  • 当キャンペーンは、株式会社KADOKAWA Game Linkage(以下、弊社と言います)が主催しています。TwitterおよびTwitter社とは関係ありません。
  • Twitterおよび関連ツールの動作等の不測の障害により、当キャンペーンを予告なく変更・中止させていただく場合もがありますので、あらかじめご了承ください。
  • 当選賞品を譲渡(転売、オークション出品含む)しないことが応募・当選の条件です。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合があります。
  • ご応募に際しご提供いただいた個人情報は、弊社のプライバシーポリシーの定めるところにより取り扱わせていただきます。
  • ご応募に際しお客様に生じた損害等につきましては、弊社に故意・重過失のある場合を除き、弊社は一切賠償の責を負わないものとします。
  • ファミ通.com公式アカウント(@famitsu)では、ツイート・DMでの問い合わせには対応できません。ご不明な点につきましては、下記のサポート窓口までお問い合わせください。

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※お問い合わせの際には、必ずプレゼント企画名をご明記ください。
※サポートは日本国内に限らせていただきます。