2019年10月31日にアトラスより発売予定のプレイステーション4用ソフト『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(以下、『P5R』)。8月30日に開催された“『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』完成披露プレミア”では、発売に先駆けゲームの体験会が実施されていた。本稿では、かなりの好評価を得ていたというこの体験会で、明らかになった『P5R』の新要素の数々を紹介していく。
新キャラクターをチェック!
まずは、“謎の美少女、新たな協力者”という触れ込みで、本作の新キャラクターとして登場するふたりのキャラクター、芳澤かすみ(声:雨宮 天)と丸喜拓人(声:日野 聡)をチェック。
かすみは物語序盤から何度も登場するのだが、5月30日に行われる学校行事の“清掃活動”で、彼女とより親しくなれる機会が訪れる。
清掃活動が終わると、主人公に笑顔で近付いてくるかすみ。その朝、“脂ぎった中年男性”から助けてあげたお礼を言いに来がてら、いっしょに豚汁を食べませんかと……。美少女からの申し出、断る理由などこの宇宙どこを探してもない。「フヒ、フヒヒ……」と気持ち悪い笑い声が漏れるのを必死で抑えつつ、「食べよう」と返事をする。
じつは、かすみは新体操の特待生として秀尽学園に入学しており、かなりの運動能力の持ち主。その能力を見せられた主人公は、彼女の相談に乗る代わりに身体捌きのレクチャーを受けることになる。
かすみは、マジメで礼儀正しく、しかも正義感が強くて義理堅いという、優等生を絵に描いたような美少女という印象。既存キャラクターの生徒会長、新島真(声:佐藤利奈)も超優等生だが、真よりはだいぶ雰囲気は柔らかい。先輩を立ててくれる後輩キャラクターでもある。怪盗服姿も公開されており、プレイアブルキャラクターとして主人公たち“心の怪盗団”に加わるようだが、果たしてどんなエピソードを経て仲間になるのだろうか? 本編をプレイするのが待ち遠しい。
もうひとりの注目の新キャラクター、丸喜は4月にある事件の後、秀尽学園に非常勤のスクールカウンセラーとして赴任してくる。主人公は、彼に誘われてメンタルトレーニングを教わりながら研究を手伝うことになるのだが……。
聞き上手で、生徒からの人気も上々のようだが、主人公との会話ではヌケたところもたびたび見られる。こういうひょうひょうとしたキャラクターはアヤしい……となりがちだが、追加キャラクターである彼の役割はどうなっているのだろうか?
会話が終わると、丸喜とのコープが3にランクアップ。すると、新たなアビリティー“主人公ゾーン”を修得していた。これは“戦闘開始時に、主人公にチャージ&コンセントレイトの効果を得ることがある”というもの。また、RANK2では“デトックス・X”というアビリティーを修得する。新キャラクターだけあって、かなりおトクなアビリティーが用意されているようだ。
さらに、丸喜のコープイベントをこなすと彼との“メンタルトレーニング”で主人公のSP最大値が上昇する。SP不足は無印版でも多くのプレイヤーの悩みの種になっていたので、これもかなりうれしい特典だと言えそう。これだけメリットがあるなら、丸喜先生と仲よくしないわけにはいかない! 悪い生徒でゴメンナサイ(笑)。
さらにさらに! 『P5R』では、コープRANKがアップするとイベント後に主人公へコープの対象から連絡が入るように。そこでの返事次第で好感度が上がることもあるため、よりコープを育てやすくなったと言える。これもうれしい仕様変更だ。
メメントスも遊びやすく進化
体験会では、“大衆のパレス”こと“メメントス”のプレイをすぐに楽しめるセーブデータも用意されていた。メメントスは、ストーリー本編のダンジョン“パレス”とは異なり、いつでも突入できるフリーダンジョン。立ち入るたびに構造が変化するほか、天候状況によって内部のシャドウ(敵)の状態や拾えるアイテムなどに影響が出る、ユニークなシステムになっている。『P5R』では、その仕組みにさまざまな要素が追加された。まずは、メメントス内で出会う謎の少年“ジョゼ”。人間について勉強しており、そのためにメメントスに点在する“花”を集めているらしい。
そんな彼の役割だが、とりあえずはメメントス内の“ショップ”であるようだ。おもな機能は3つ。
花はアイテムなどと同様、通路のあちこちに落ちているので、片っ端から回収していけばかなりの数が集められる。とくに序盤はパレスで使うSP回復アイテムが不足しがちになるので、メメントスでリクエストを消化しつつ花を集めてSP回復アイテムと交換しておくと、非常に効率よくゲームを進められるようになるはず。一方、スタンプは、花とは異なりメメントスの各ダンジョンに決まった数が設置されている。階段の近くなどわかりやすい場所にあることも多く、こちらもくまなく探索していれば自然と集まるだろう。
もうひとつの追加要素“ハプニング”も確認できた。ふだんとはまったく異なる状況が発生するということだが、今回起こったのは真っ暗で何も見えなくなるというもの。アイテムなどはおろか、目の前の道さえほとんど見えなくなってしまい、しかもマップも表示されないので自分がどこにいるかわからない。記者はウロウロしているうちに時間がどんどん経過してしまうハメに。ひたすら壁伝いにしらみつぶしにルートを探していって何とか下階への部屋にたどり着いたものの、かなりスリリングだった。
新エリア“吉祥寺”やその他の新機能
今回のデータでは新エリア“吉祥寺”にも移動できた。アーケード街など、本物の街並みをうまくデフォルメしてまとめてあり、ほかのエリアにはないユニークな構造が楽しめる。ダーツやビリヤードが楽しめるバーやお寺、超人気店の肉屋、ジャズクラブに古着屋、アイテムを交換してくれる“アキンド”など、能力アップや装備の充実に役立つスポットや人物も揃っていて、新宿(占い)以上に足繁く通うことになるかも!?
もうひとつ、ベルベットルームに搭載された新要素“チャレンジバトル”もプレイできたが、こちらについては東京ゲームショウ2019の試遊版と同様の内容だったので、以下の記事を参考にしていただきたい。
そのほか目立つところでは、マップ移動時に行く場所に応じて「器用さが磨けそうだ」とか「誰かと過ごそうか」など、ヒントが出てくるようになる機能や、一発でその時間にやれること、会える人、磨ける能力を提案してくれる“日常アシストコマンド機能”がとにかく便利。いちいち各所を回って確認する必要がなくなるので、プレイ時間も大幅に短縮できるようになりそう。
新キャラクターのかすみ、丸喜については、ゲームが進んでその内面が明かされていくにつれて評価もまた変わりそうだが、出会いの時点ではいずれも“感じのいい”人物であり、本編が楽しみなキャラクターであると言えそう。また、メメントスを始め、随所で“遊びやすさ”を追求した機能改善が行われており、ゲームの遊びやすさも格段に上がっている。
たった数十分のプレイだけで、本作が焼き直しなどではなくまさに“新生”と呼ぶにふさわしい出来映えだということを存分にアピールしてくれた『P5R』。完全版たる本編にも期待度MAXで臨みたい。