2019年9月12日~15日(12日、13日はビジネスデイ)の期間、千葉・幕張メッセで開催中の東京ゲームショウ2019。
初日となる12日には、ソニー・インタラクティブエンタテインメントより2020年発売予定のプレイステーション4用ソフト『Predator: Hunting Grounds』の試遊を体験できた。
同日、本作の開発を担当するIllFonicのチーフエグゼクティブオフィサーを務めるチャールズ・ブランガードと、チーフクリエイティブオフィサーのジャレッド・ゲリッツェンが登壇してグループセッションが行われた。ゲームシステムや、本作の特徴など、気になっていたことがいろいろと聞けたので、その模様をお届けする。
グループセッションでは、『Predator: Hunting Grounds』の簡単な概要説明と、開発を手掛けるIllFonicの紹介のあと、質疑応答が行われた。
IllFonicは、いままで『フライデー・ザ・13th・ザ・ゲーム』や『クライシス3』などの開発に携わっており、「これまでの知識を活かして、新しい作品をお送りできるのがうれしいです」と、IllFonicのCEOを務めるチャールズは喜びを露わにした。
『Predator: Hunting Grounds』は、プレデター側ひとりとファイアチーム側4人に分かれて戦う非対称Co-opマルチ対戦ゲーム。“狩るか狩られるか”というテーマや、プレデターの機能などといったゲーム概要が紹介された。詳細は以下の試遊レポートにまとめてあるので、そちらをチェックしてほしい。
チャールズ・ブランガード
IllFonicのチーフエグゼクティブオフィサー
ジャレッド・ゲリッツェン
IllFonicのチーフクリエイティブオフィサー
非対称にしたのは、プレデターの強力さを演出するため
――まず、『プレデター』を題材に選んだ理由をお聞かせ願えますか。
チャールズ『フライデー・ザ・13th:ザ・ゲーム』というゲームの開発のあとに新作を考えていると、チームから「『プレデター』はどうだろう」というアイデアが出て、開発チームのみんなが映画『プレデター』の大ファンだったので「じゃあやろう」となりました。
――ファイアチームが1人称視点、プレデターは3人称視点と視点を分けた理由を教えてください。
チャールズプレデターは、木の上を登ったりあたりを見まわす必要があったため、3人称のほうが適しているかと。兵士のほうは、1人称にすることで背後が見えづらくなるなどリアルな戦場の感覚があり、より恐怖感を体験していただけるかなと思いました。
――非対称Co-opということですが、非対称にした理由は何でしょうか。
チャールズプレデターが大変強力なキャラクターですので、強さを演出するためにプレデター側はひとりにしました。対抗する勢力であるエリート兵士を4人にしたのは、ゲームバランス的にそれが一番よいという判断です。
――デモ版では、プレデター側で“プラズマキャノン”と“リスト・ブレイド”の2種類の武器を使用できましたが、今後使用できる武器は増えますか?
チャールズ予定はしています。原作の映画『プレデター』でも使っていたような武器を考えていますが、詳細はまた後日ということで。
――ファイアチーム側のメンバーは、外見を含めたカスタマイズは行えますか?
ジャレッドはい。デモではご紹介できなかったような武器も予定しておりますし、今後ご紹介できる予定です。
――ファイアチーム側は“プレデターを倒す”か“ヘリコプターで脱出”するかのふたつの勝利条件がありますが、現時点で仮に勝利するとして、どちらの割合が多くなると想定していますか。
チャールズいままで見ている限りでは、半分くらいです。"プレデターを倒す”、“ヘリで脱出する”のどちらも同じくらい見られます。
――プレデター側の“自爆”というシステムがおもしろいと思うのですが、自爆をしたらどちら側の勝利になるのでしょうか。
ジャレッド最終的にキルした人数に応じてポイントがもらえるので、勝敗、引き分けというよりは、最後に自爆して全滅させればそれだけもらえるポイントも多いということです。明確な勝ち負けを決めるよりは、いろいろな終わり方があったほうがいいのではということで、こういったシステムになっています。
――今回のデモでは対戦モードをプレイしましたが、ストーリーに特化したモードが入る予定はありますか?
ジャレッドいまは、マルチプレイ対戦専用を考えています。ですが、マルチプレイの中で世界観を紹介することは予定しています。
――今回プレイできたのはジャングルのようなマップでしたが、市街地のようなマップは出てこないのでしょうか。
ジャレッドほかも予定していますが、都市になると木が少なく高低差が生まれないので、面白さがなくなってしまうかと考えています。なので、いまは森のようなマップが多いです。
――デモプレイで時間制限がありましたが、これはどちらの勝利条件に影響するのでしょうか。
チャールズタイムアップになると、マッチ中のNPCのキル数やプレデターに与えたダメージ数などの細かい活躍がポイントとして換算されるシステムとなっています。ですので、タイムアップの場合は明確な勝ち負けはないです。
毎回違う特徴のあるマッチが楽しめる
――開発している中で一番力を入れている部分やこだわっている部分があれば教えてください。
チャールズゲームでジャレッドを倒すのが一番の楽しみです(笑) 会社のみんなはすごく負けず嫌いなので、白熱した試合展開をするのが楽しいです。
ジャレッドマルチ対戦ゲームは過去にもたくさん手掛けてきましたが、本作は毎回試合内容が大幅に変わります。長く開発をしているので社内でもたくさんプレイしていますが、同じマッチは二度とないです。毎回違う特徴があるのが楽しみです。
――実際にプレイしたときに、ファイアチームとプレデターの振り分けはどうなるのでしょうか。
チャールズ最初に、プレデターかファイアチームを決めることもできるし、”どちらでもよい“という選択で参加することもできます。ですが、例えばプレデターを選んだときに待ち時間が5分に及ぶというようなことがあれば、“どちらでもよい”を適切にあてはめられるように考えています。
――お互いを倒すことでゲームポイントを獲得していくとのことでしたが、集めたポイントに応じて獲得できるものがあったり、レベルが上がったりはしますか?
チャールズポイントを消費して、武器やスキン、アイテムなどがアンロックできるようになる予定です。
――プレデター側はトロフィー(※)を持って帰るように推奨されていましたが、トロフィーもポイントに関係しますか?
ジャレッド敵を倒すことでもポイントをもらえますが、トロフィーをとることでもっとポイントをもらえます。ファイアチーム4人を全員倒して、かつ4人全員のトロフィーをとればさらに高得点を狙えます。また、トロフィーをとってしまえばダウン状態から復活させられなくなる(増援を呼んでもらうことでしか復活できなくなる)という利点もあります。
※プレデターはファイアチームを倒すと、戦利品でもあるトロフィーを手に入れられる。
――ゲームの中の時代はどのくらいを想定されていますか?
ジャレッド1987年の映画『プレデター』をベースにしていますが、ゲーム中の時代設定は現代~10年後くらいを想定しています。映画『プレデター』以外にも、漫画や派生作品などからアイデアを持ってきていることもあります。
――今回、プレデターひとりVSファイアチーム4人の対戦でしたが、それ以外のモードはありますか?
チャールズモードではないですが……。最終的なNPCの数は調整中ですが、製品版では20~30人のNPCと戦うことになると思います。デモプレイ(遭遇したのは10人前後)よりもかなりの大人数になるかと。
――デモプレイでは、スキンは迷彩服でしっかりした格好でしたが、くだけた格好でプレイできるようになるなどの予定はありますか?
チャールズいま企画している段階ではミリタリーのようなものが多いのですが、まだわからないです。もしかしたらあるかもしれないです。
――最後に、『Predator: Hunting Grounds』を楽しみにしている日本のユーザーのみなさんへ、ひとことお願いします。
ジャレッドアメリカやドイツでデモプレイをお見せしたときと同様の盛り上がりをTGSでも見せていただいたので、日本のユーザーのみなさんも世界中と同じくらい興奮して、プレイしていただけると嬉しいです。