『ウィッチャー』シリーズで知られるCD PROJEKT REDが開発中のオープンワールドアクションRPG『サイバーパンク2077』。
2019年6月に開催された“E3 2019”にて、ゲーム中に登場するジョニー・シルヴァーハンド役としてハリウッド俳優のキアヌ・リーブス(以下、キアヌ)さんが出演することが明かされ、大きな話題を呼んだ。
2019年9月12日~15日の4日間、千葉県・幕張メッセにて開催される東京ゲームショウでは本作のブースが出展。開催前日の11日には、そのブースに、なんとキアヌさん本人が登場した。
ゲーム内に登場するYAIBA社のバイク・KUSANAGIの模型にまたがるキアヌさん。やはり画になる。
ファミ通.comは、幸運にもそんなキアヌさんにインタビューを行うことができたので、本記事ではその模様をお届けする。
KUSANAGIの模型が展示されているエリアの壁面には、キアヌさんが直筆でサインを残していった。
キアヌ・リーブス
『スピード』、『マトリックス』、『コンスタンティン』、『ジョン・ウィック』など、多数のヒット作に出演する俳優。『サイバーパンク2077』では、ジョニー・シルヴァーハンド役を演じる。
キャラクターが何を求め、どのように動いているのか考えて演じる
――キアヌさんは『サイバーパンク2077』についてどう思われていますか?
キアヌいまはまだ開発中ですが、これまでにゲームの内容を見てきて、また、ジョニー・シルヴァーハンドというキャラクターを演じてきて、すごく魅力の詰まった作品だと感じます。
そして何よりも、没入感の高さと、物語の中でいろいろな分岐点があり、プレイヤーの選択次第で物語を変えられるという点もすごいなと思っています。
――ゲームの中のジョニーはすでにご覧になりましたか?
キアヌはい、見ました。ジョニーについては、CD PROJEKT REDの開発スタッフからも、どのように3Dモデル化されているかということや、彼の内面、バックボーンの部分についてなど、いろいろと教えてもらっています。
――ジョニーは世界的に有名なバンドのメンバーという設定ですが、キアヌさんご自身もバンド活動をされていました。その活動をジョニーとしての演技にフィードバックされることはあるのでしょうか。
キアヌジョニーは僕よりも破天荒でロックな感じで、海賊のような雰囲気があります(笑)。そこにすごく魅力を感じていますし、シンパシーを持って演じることができています。
――バイク好きのキアヌさんから見て、ブースに展示されているYAIBA社のバイク、KUSANAGIはいかがでしたか?
キアヌまさに流線美という感じで、造形、スタイルがすごくかっこいいです。ただ未来的なだけでなく、現実的な要素も取り入れられているのがいいですね。自分も早く乗ってみたいと思いました。ジョニーとしてなら、ゲームの中で乗ることができるのかな?(笑)
――キアヌさんは『トイ・ストーリー4』にも出演されていましたが、声の演技で心がけていることは?
キアヌふだんの演技とそれほど変わりません。僕はいつも、自分が演じるキャラクターは何を求めて、どういった感情で動いているのか、ということを見極めたうえで演じているのですが、それは『サイバーパンク2077』の声の演技でも同じです。
収録では、CD PROJEKT REDから的確なディレクションをもらいながら、僕からもいろいろなアイデアを出して、いっしょにジョニーというキャラクターを作り上げています。
――本作が影響を受けている『AKIRA』や『攻殻機動隊』シリーズをご覧になったことはありますか?
キアヌ両作品とも20年前くらい前に一度見ています。また、『マトリックス』の撮影中に、監督のウォシャウスキー姉妹からもオススメされたんですよ。
ディストピアが舞台でサイバーパンクな世界観を持つ日本の作品は、『サイバーパンク2077』だけではなく、世界中の脚本家や、アニメーション監督など、多くのクリエイターに大きな影響を与えているので、偉大な作品だと思います。
――日本で『サイバーパンク2077』を楽しみにしているユーザーにメッセージをお願いします。
キアヌ僕も待ちきれないくらい発売を楽しみにしています。発売されたら、ぜひ皆さんにプレイしていただいて、楽しんでもらえるとうれしいです。
僕自身、CD PROJEKT REDとともに『サイバーパンク2077』に関わることができてすごく光栄です。
余談:じつは、インタビュアーは……?
こちらのインタビュー、じつは声優の野水伊織さんがインタビュアーを務めた。感想をうかがったところ、「映画のプレミア試写会などでキアヌさんのお姿を見たことはありましたが、こうやって間近でお会いするのは初めてです。至近距離でたくさん質問するのは、すごく緊張しました! 本当に光栄なお仕事でした!」とのこと。
ちなみに、筆者は後ろから見ているだけでも、手のひらが汗でビチョビチョになるくらい緊張した。ただ、キアヌさんご自身は気取らない感じで、“いい人”オーラが溢れ出ていた。それでも、さすがはハリウッドスター。ふつうの人とは比べものにならない存在感で、相対的に自分の存在を薄く感じた。いや~すごかった。
『サイバーパンク2077』ブースのスタッフたちとともに記念撮影。