一般ユーザー対象では初となる体験会

 2019年8月31日、プレイステーション4用ソフト『新サクラ大戦』(2019年12月12日発売予定)の“世界最速体験会”が東京都台東区の浅草花やしきにて開催された。本記事では、同イベントにて出展された体験版のプレイリポート、および現地で行われたプロデューサー片野徹氏へのインタビューをお届けする。

『サクラ大戦』の世界でも、帝国華撃団の支部(李紅蘭が所属していた)があることでファンには知られている“花やしき”が体験会の会場に! さすがのチョイスにファンも大喜びだったようだ。
会場前には『新サクラ大戦』通常版パッケージビジュアルのポスターが。また、花やしきの敷地内の各地には『新サクラ大戦』のヒロインたちのポスターが飾られていた。

 体験会には、事前募集に応募したたくさんの参加希望者の中から、難関の抽選を突破した100名の一般ユーザーが参加。最長25分プレイできる体験版を楽しんでいた。なお、今回の体験版は2019年9月12日~15日に開催される東京ゲームショウ2019に出展されるものと同内容となっているので、ゲームショウで試遊を検討している人はぜひ本記事を参考にしてほしい。

試遊時間開始を前に、操作方法を確認したりBGMを堪能する場内の皆さん。期待している空気がそこかしこに漂っていた。

LIPSでの選択次第で思わぬ反応が……

 ではここからは、記者が体験した内容を詳しくリポートしていこう。体験版は2パートに分かれており、最初のアドベンチャーパートでは、セガゲームスによる公式生放送“サクラ大戦 帝劇宣伝部通信”の第1回で、主人公の神山誠十郎を演じる阿座上洋平さんがプレイしていたものと同じ内容で、ゲーム序盤の神山が天宮さくらに案内されて支配人室からクラリスのいる資料室へ向かうまでがプレイできる。

 “サクラ大戦 帝劇宣伝部通信”第1回の詳細は以下の記事も参照してほしい。

 なお、ここからの画像は、ご覧いただけばわかる通り、すべてモニターから直撮りした画像となる。実際にモニターで見る映像は、もっとクッキリ美しいものであったことはお伝えしておきたい。

 さてゲームを開始すると、まずは支配人室の外で盗み聞きをしようとしていたさくらと出会い、劇場内を案内してもらうことになる。初代『サクラ大戦』の真宮寺さくらもそうだったが、本作の天宮さくらもかなりわかりやすく好意的で、とにかくかわいい。

 さくらに連れられて向かったのは、大劇場。その舞台の上で、隊員のひとりである東雲初穂と出会う。さっそくあいさつしようとすると、おなじみの制限時間式の選択肢システム“LIPS”が登場。えっとなになに、どんな選択肢があるのかな?

 ……手が勝手に右の選択肢を選んでしまったのは言うまでもない。そしてそれに対する初穂の反応がまたニヤニヤ案件であった。

写真も微妙にブレてしまうほど、高速で動揺する初穂。

 この初々しさに「ムハー!」とお腹が満たされる紳士淑女の方も大勢いらっしゃることだろう。序盤からじつに美味しいシーンを提供してくれるものである。もちろん、この台詞を選ぶとさくらの好感度が下がるのだが。

 初穂とのイベント後はクラリスのいる資料室へと向かうのだが、それまで自由行動が解禁されて大劇場内の各エリアへと足を運べるようになる。大劇場内の各部屋には花組、風組のキャラクターが配置されており、彼女たちとの会話イベント(それぞれにLIPSも登場する)が楽しめる。なかには、製品版のストーリーでは本来この時点で登場していないはずの人物もいるのかもしれないが、体験版の限られた時間内で、いろいろなキャラクターとの会話が楽しめるのはうれしい限りだ。

△ボタンで“スマァトロン”を呼び出し1階および2階のマップを確認できる。この時点では会えないはずの望月あざみやアナスタシア・パルマなどの花組隊員や、竜胆カオルなどのサブキャラクターとも会話イベントが用意されているようだ。なお、売店はまだ利用できないが、大葉こまちには会える。

 アドベンチャーパートは、資料室に入ってクラリスとのイベントを終わらせるか、15分の制限時間が来るまで遊べるので、ゲームショウで試遊する人は、制限時間と相談しながらいろいろな部屋を回ってみるといいだろう。ボイスをスキップしなければだいたい2部屋+クラリスで15分くらいになる。

 今回は制限時間のことを気にしながら、あざみとカオルに会いに行ってみた。

 あざみとのイベントでは、いきなり彼女の襲撃を受けてしまう。絶体絶命の大ピンチで神山が選ぶべき正しい行動は……?

何とか説得を試みようとする神山。正しい答えはもちろん……

 総司令、神崎すみれの秘書を務め彼女の忠実なる信奉者であるカオルからは、すみれがいかにすばらしい人物であるかを滔々と語られる。あざみ同様、カオルとの会話でもLIPSが登場するが、選ぶべき答えは賢明な諸兄諸姉には愚問だろう。

ある意味、あざみよりも危険人物なカオル。ここで彼女を怒らせるとどうなるのだろうか!?

 ここで残り2~3分に。急いでクラリスに会いに資料室へ向かう。ここでの会話は公式生放送で配信された通りなので、生放送とは違う選択肢をチョイスしてみた。

読書に集中していて、神山にまったく気付かないクラリス。そんな彼女を振り向かせるため、神山が行うべき行動(悪行)とは?

 紳士たるもの、手は勝手に動くもの。神山にはちょっと悪いと思いつつ、コンマ3秒で「……て、手が勝手に!?」を選んだ記者だったが、予想通りと言うべきか事をなす前に神山がさくらに成敗されてあえなく終了。もちろん、そんなドタバタ劇が背後で展開されているにも関わらず、クラリスはまったく気付かない。

こっぴどく怒られる神山。隊長としての立場はもうない(笑)。

 なお、その後2回ほどLIPSが登場するのだが、最後に「さくらの方が可愛いよ。」を選ぶ、ととってもいい表情を見せてくれるのでお楽しみに!

“鉄”っぽさがたまらない爽快3Dアクション

 ここですみれからの緊急通信が入ってアドベンチャーパートの試遊は終了し、バトルパートの試遊へと移行する。

 バトルパートでは、10分間の制限時間内で、製品版での第4話にあたるバトルをプレイできる。舞台は洞窟内だが、広くそして奥行きもかなり深い、巨大なダンジョンだった。プレイヤーは、神山機とあざみ機を切り替えながら操作して、どんどん奥へと向かっていくことに。今回はあざみがパートナーだが、本編ではアドベンチャーパートでスポットを当てられているキャラクターなど、話の流れによって連れて行ける隊員が変化するようだ。

本来は第4話のバトルなので、中ボスなど若干手強くなっているものの、気力ゲージが溜まると発動可能になる必殺攻撃などを織り交ぜて戦えば何とか乗り切れるレベル。

 これまで出てきた情報からは、群がる敵をバッサバッサとなぎ倒す爽快アクション……というイメージが思い浮かぶのだが、実際に操作してみるといくつか『サクラ大戦』らしい要素が盛り込まれていることがわかった。

 基本的には、ダッシュで敵に接近し、弱攻撃と強攻撃を組み合わせたコンボでダメージを与えていく、簡単操作で爽快アクションを楽しむ仕組みであることには違いない。しかし、敵を斬ると金属どうしがぶつかり合う鈍い音や、ぶつかった瞬間に刃の動きがゆっくりになるなど、従来シリーズでもおなじみのエフェクトが確実に継承されているのだ。また、ダッシュやジャンプなどを行うたびに「プシューッ!」と蒸気の噴き出す音が聞こえてきて、そんなところにもスタッフの細かいこだわりが感じられた。また、道中では会話イベントも複数発生し、戦いを盛り上げてくれる。

しゃべりかたからも面倒臭さが伺える敵“朧”との戦いや、はぐれた隊員たちとの通信、あざみとのやり取りなど、戦闘中も会話は頻繁に発生する。

ソニック』シリーズに始まり、近年でも『龍が如く』シリーズなど、アクションゲームの傑作を長年に渡って世に送り出してきたセガゲームスの作品だけあって、しっかりと作られているなという印象。

 体験版では、ザコ敵を一掃すると奥へ進めるようになるギミックや、実体がないので攻撃してもダメージは与えられないが、ヘタに近づきすぎると痛い目に遭う敵、中ボスに大ボスとひと通りの要素が出てくるほか、爽快なアクション“壁走り”のチュートリアルも用意されていた。体験会の時間内では、じっくり進めば中ボスくらいまで、効率よく敵を倒していけば、10分で最奥の大ボスくらいまでは行けるはずだ。

壁走りのほか、必殺攻撃ももちろん実装されており、□ボタンを押すだけで簡単に発動できる。
反則級にデカい大蛇に追いかけられるところで制限時間に。果たしてこの後どうなるのか?

 体験プレイが終了すると、第1話の次回予告が流れる。あのおなじみのフレーズも……。

 今回、生放送の画面ではなく実際にモニター上で3Dモデルで描かれたキャラクターたちがゲーム内で動く姿を見たのだが、静止画で見るよりも数倍かわいい。プレイすれば多少印象が変わるかなとは思っていたが、予想以上だった。

 シナリオ面では、短いイベントしか見ていないものの、いずれも会話のテンポがよく、それぞれキャラクターも立っているので、序盤でもすんなり入っていけるのがいいところだなと感じた。また、バトルは若干カメラワークのぎこちなさは感じたものの、アクションならではの爽快感もあり、従来シリーズへのリスペクトも随所に見受けられるなど、現状かなり好印象。

 総合すると、本編発売に向け十分期待を抱かせるものになっていたと思う。いいところを抽出してひとまとめにした体験版ということを差し引いても、なかなかいいデキなのではないだろうか。少なくとも「いろいろ変えたからダメになった」とは感じさせないはず。メインスタッフ、表現方法、バトルシステムなど、従来から大きく変えたところがちゃんと魅力として成立している、そんなゲームになっていた。

 そして、従来から変わらない、音楽面のデキは引き続き……いや、それ以上によくなっている。シナリオや操作性をチェックするのでなかなか頭が回らないと思うが、BGMや絶妙な効果音もじつにすばらしい。東京ゲームショウで試遊予定の方もそうでない方も、今後の動向にご注目あれ。

片野プロデューサーへのQ&A

 試遊後、メディア向けに片野徹プロデューサーへの囲み取材が行われた。最後に、そこでのおもな質問とその回答を紹介しよう。

Q.東京ゲームショウで試遊できる体験版はどんな内容なのでしょうか?

A.今回の体験会と同じバージョンのものが出展されます。体験会ではアドベンチャーパートでまっすぐクラリスに会いに行ってしまった人が多かったようですが、クラリスに会うとそこでアドベンチャーパートの試遊が終わってしまうので、先にほかの部屋に行っていろんなキャラクターとの会話を楽しんでみてほしいですね。

Q.バトルが少し難しいと感じたのですが……

A.体験版のバトルパートは、本来第4話に出てくるバトルをアレンジしたものになっているので、アクションゲームに慣れていない方には少し難しく感じたかもしれません。一応、最初のザコ敵の群れなどは弱くしてあるので、まずはそこで操作に慣れていただいてから先に進むと戦いやすくなりますよ。

Q.ボスとの戦いのコツはありますか?

A.一応、力押しでも倒せるようにはしてあります。ただ、敵によってそれぞれ有効な攻撃手段を設定しています。それは操作するキャラクターだったり、攻撃方法だったりするのですが、いろいろ試してみると戦いやすくなると思います。

Q.もうゲームもほとんど完成していると思いますが、試遊後のアンケートなどはちゃんと反映されるのでしょうか?

A.開発もいよいよ佳境なので、実際のところあまりに大規模な要望だとちょっと難しいのですが、いただいたご意見はキチンとスタッフが目を通して、できるところの対応はしていくつもりです。

Q.今回の体験版でもパートボイスになっているところがありましたが、全体的にはどのくらいボイスが入るのでしょうか?

A.メインとなる進行部分や、各キャラクターとのイベントなど重要な部分はほぼフルボイスです。全体の収録量はものすごいことになっています。

本作の公式生放送番組『サクラ大戦 帝劇宣伝部通信』でもおなじみの片野徹(かたの・てつ)プロデューサー。サービス精神が旺盛すぎて、生放送でつい情報をしゃべりすぎてしまうという弱点がある。