2019年8月23日より全国公開が始まった映画『二ノ国』。公開目前となる2019年8月6日、都内にて本作に出演する声優ドリームチームによる、スペシャルイベントが開催されていた。

映画『二ノ国』声優ドリームチームスペシャルイベントの様子

 多くのファンを集めて行われたスペシャルイベントの模様は以下の記事を参照いただくとして、ここでは同イベントに登壇した声優陣、宮野真守さん、津田健次郎さん、梶裕貴さんに、本作の好きな場面や見どころ、原案・脚本を手掛けた日野晃博氏の印象などお話を聞く機会が得られたので、その内容を紹介していこう。

主要やキャラクターを演じた声優ドリームチームの3人が語る映画『二ノ国』の魅力とは

宮野真守さん(ヨキ役)
津田健次郎さん(ガバラス役)
梶裕貴さん(ダンパ役)

宮野真守さん

頭脳明晰でいかなる状況にも動じるとこのない強い心をもつ二ノ国のエスタバニア王国の魔法宰相、ヨキ役

津田健次郎さん

エスタバニア王国の征服を企む黒旗軍の最高指導者、ガバラス役

梶裕貴さん

二ノ国の妖精で、エスタバニア王国のアーシャ姫のお世話をしている従者、ダンパ役

―― まず始めに、この作品の第一印象を教えてください。

津田やはり、リアルな世界からファンタジーの世界に飛んでいくといった部分がすごくワクワクできていいですね。まさに王道ファンタジーですよね。そこに、シリアスな要素が含まれている部分もいいんです。

僕はゲームの『二ノ国』をプレイしたことがあったので、“一ノ国”や“二ノ国”というふたつの世界で、どうやって物語が紡がれていくのかという部分は最初からイメージできていたんですが…そのスケールを2時間の作品にまとめるというテクニックに驚きました。また、まだ自分の出演が決まる前の話になりますが、友人でもある山崎賢人君が、脚本を読んで「すごくおもしろかった」と話をしてくれていたんです。主演の方がそう言ってくれているのは、すごく心強く思えましたね。

――それでは、ご自身が演じられたキャラクターについて教えてください。

僕が演じたダンパは、アーシャ姫の付き人という役どころ。彼女が幼い頃から、お世話係・教育係としていっしょに過ごしてきたのだと思っています。そんな彼女が、今回物語の中で事件に巻き込まれてしまう。とても不安な気持ちになりつつもダンパ自身もどこか成長し、ハルやユウといった違った世界の人たちとの信頼関係を築いていくんです。それほどダンパにとってアーシャ姫は、愛しい存在なんですよ。

宮野僕のキャラクターについては……あまり深く語ることができないんですよ。詳しくは言えませんが、思いの強さが人一倍ある……といったところですかね。

津田僕もあまり言えないところがありますが、精神的な強さがすごくあるキャラクターだと思っています。

――もし、実際に“二ノ国”があって、そこに自分と同じ人間がいるとしたらどう思いますか?

宮野うざったいですね。

自分で思っているんですね(笑)。

津田自覚してる(笑)。

宮野俺みたいなのはひとりで十分でしょ(笑)。

――(笑)それでは、どんな人物であってほしいと思いますか?

宮野静かな人がいいですね。

“一ノ国”の、この宮野さんに賑やかな部分が全部きちゃってるんですね?(笑)。

宮野寡黙で格好いい、ヨキみたいな人がいいですね。

津田ヨキは余計なことはしゃべらないですからね。

宮野それじゃまるで僕が普段、余計なことばっかり喋っているみたいじゃないですか(笑)。

津田僕は楽に生きている人がいいですね。ガバラスみたいな偉い立場の人も理想です。

宮野なんかふたりとも、自分の演じたキャラクターを求めているのかもしれませんね。ということは……。

僕は……。

宮野ダンパみたいな顔してるもんね(笑)。

そうかもしれませんけど(笑)。さっきシリアスとファンタジーという話がありましたが、せっかくの“二ノ国”なので、ダンパみたいな不思議な生き物がいいですね。現実の世界では体験できないことが楽しめそうですから。

宮野声は古田新太さんだといいよね。

それは、ゲームの『二ノ国』のシズクですから! 妖精違いです!(笑)。

古田新太さんが演じていたのは、原作となったゲーム『二ノ国 漆黒の魔導士』などに登場するナミダの妖精、シズク(写真左側のキャラクター。画像はプレイステーション3版『二ノ国 白き聖灰の女王』より)。

――最初に完成した映像を見たとき、どのように感じましたか?

スタジオジブリ出身の百瀬監督や、久石譲さんが創られる音楽の世界に、声優として参加させていただけたことを非常に光栄に思います。この“二ノ国”という世界にキャラクターを通して生きさせてもらったことは、本当に嬉しかったですね。まさに声優冥利に尽きます。

津田ハルとユウが現実世界からファンタジー世界に突然行ってしまい、「ここはどこなんだ?」っていうシーンは王道ファンタジーとして、夢が溢れているなと思いました。こういった場面は絵と音がつくと、より生きてきますよね。

宮野とにかくアクションシーンがすごいなと思いました。エンターテインメント作品になっていますよね。クライマックスのシーンは見応えがありますよ。

――3人ともレベルファイブの作品には多く携わってこられていますが、ずばり、日野さんはどのような方ですか?

宮野すごく明確なビジョンを持っていて、役を作り上げるための材料をたくさんくれる人です。そのキャラクター像が日野さんの思い描くものになるまで、「この役はこうしたい」とか、「この役の目的はこうです」といったものをしっかりと提示してくれるんですよ。

ダンパに関しては、演じる前に日野さんや監督の中にあるキャラクター像をお聞きし、そこから自分が提示したものと、少しずつすり合わせの作業をしながら作り上げていきました。日野さんの生み出される作品って、どれもがいままでになかったようなものでありつつ、世代によっては懐かしく感じたりするものが多いと思うんです。そんな世界を、本人も楽しみながら創られている。まさにプロフェッショナルな方だと思いますね。

津田日野さんって、すごくシビアな現実を描くこともあれば、みんながビックリするような子どもみたいなファンタジーの心も溢れているんです。リアルとファンタジーが同居しているなんて、まるで“二ノ国”みたいな人ですよね。

チームの中心的存在……でありながらも、若干暴走気味(!?)でもある宮野さん。その暴走をうまくコントロールしてくれる梶さん。そんなふたりを見守りつつ、きちんとまとめあげてくれる津田さんと、三者三様のキャラクターながらも息はピッタリ。今回の取材でも、抜群のチームワークを見せてくれていた。

――それでは最後に、『二ノ国』の見どころや、ここはぜひ見て欲しい場面などを教えてください。

あらゆる角度から楽しませてくれる作品です。物語の展開もそうですし、キャラクターたちもそう。ビジュアルも音楽も、世代によって感じかたが違う作品だとも思います。小さいお子さんであれば“一ノ国”と“二ノ国”という、現実とは違う世界に夢を抱いてもらえるでしょうし、大人の方は「命を選べ」というシリアスなやり取りにグッとくるんじゃないでしょうか。

宮野やはり、クライマックスですね。まさかの展開が待っているので必見ですよ。『二ノ国』は日野さんのアグレッシブさが全面に現れている作品なんです。ふたつの世界を行き来する部分がすごく練り込まれていて、ファンタジーの世界と現実世界とのグラデーションがハッキリと見えるので、きっと楽しんでもらえると思います。

津田そうですね。リアルでもありながらファンタジックでもあり、重いテーマかと思えば、青春ドラマになっていたりと、いろいろな要素がいっぱい詰まっています。そんな要素のすべてを、日本が誇るスタッフ陣がエンターテインメント作品として仕上げていますので、ぜひ劇場に足を運んで体験してください。

 3人のインタビューを終えて、その場の雰囲気はもちろんのこと、今回行われたステージイベントの様子や、2019年7月25日に行われたジャパンプレミアでの舞台挨拶などを見ても終始、和やかな雰囲気で仲良く収録に挑まれた様子が伝わってくる。

 梶さんが演じるダンパは、“1分で分かる『二ノ国』紹介映像”でナレーターを務めているように分かりやすいキャラクターでもあるが、宮野さんの演じるヨキと、津田さんの演じるガバラスは、物語に深く関係するキャラクターゆえ、多くを語れないことがもどかしそうだったことも印象的であった。

 しかしながら、現実世界の“一ノ国”と、その世界と命のつながりを持つ“二ノ国”というふたつの世界を行き来する、王道ファンタジーとしてのおもしろさは3人が口を揃えて強調。この夏を締めくくるのに相応しいエンターテインメント作品であることがうかがえた。

 映画『二ノ国』は2019年8月23日より全国の劇場にて公開が始まる。表裏一体の不思議な世界の物語と、その世界で苦悩する登場人物たちの活躍を、ぜひ劇場で確かめてみてもらいたい。

3人は本当に仲が良さげで、撮影時間のあいだもちょっとでも気を抜くとすぐにじゃれ合う姿が見られるなど、取材の現場も最後まで和気あいあいとした雰囲気であったことを最後に付け加えておきたい。

『二ノ国』のドラマを盛り上げる注目の3キャラクター!

 宮野さんの演じるヨキは、頭脳明晰でいかなる状況にも動じるとこのない強い心をもつ二ノ国の魔法宰相。エスタバニア王国の長で、アーシャ姫の父でもあるフランダー王の頼れる右腕でもある。どこか陰のある表情が深く印象に残るキャラクターだが、王が全幅の信頼を寄せる人物だけに、彼の動向には要注目だ。

 津田さんが演じるガバラスは、エスタバニア王国の征服を企む黒旗軍の最高指導者。黒いコートを身にまとい、鉄の仮面で顔を隠すその姿は、正に悪役といったところ。仮面の奥からのぞく怪しい瞳には、全てを悟っているかのような自信が垣間見える。彼の存在がユウやハルたちの物語に強い影響を及ぼしていることに疑いはない。

 梶さんが演じる猫のような愛らしい姿が印象的なキャラクターダンパは、二ノ国の妖精でアーシャ姫のお世話をする従者。「僕の立場も考えてくださいよ~」と、活発なアーシャ姫に振り回されながらも、甲斐甲斐しく姫のお世話をする姿は微笑ましい。

映画『二ノ国』ストーリー
 冷静沈着で車椅子のユウ、バスケ部の人気者のハル、ハルの彼女コトナの3人は幼なじみ。ある日、突然襲われたコトナを助けようとしたユウとハルは、現実世界と並行する魔法世界「二ノ国」へ引き込まれる。
 そこは命がつながった“もう一人の自分”がいる世界。次第にユウはコトナにそっくりなアーシャ姫に惹かれていく。
 しかし、そこには「コトナの命を救うにはアーシャの命を奪わなければいけない」という残酷なルールがあった――。
 コトナを救いたいハル。アーシャを守りたいユウ。 “大切な人の命”をかけた究極の選択が迫る時、ユウとハルが下した決断とは--?

【キャスト/スタッフ】
山崎賢人 新田真剣佑 永野芽郁
宮野真守 坂本真綾 梶裕貴 津田健次郎
山寺宏一/伊武雅刀 ムロツヨシ
製作総指揮/原案・脚本:日野晃博
監督:百瀬義行
音楽:久石譲
主題歌:須田景凪「MOIL」(WARNER MUSIC JAPAN / unBORDE)
原作:レベルファイブ アニメーション制作:オー・エル・エム
製作:映画「二ノ国」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
<命>を選べ。 8月23日(金) 全国ロードショー

 なお、2019年7月25日には今回の声優陣3名に加え、制作総指揮および原案・脚本を担当した日野晃博氏、監督の百瀬義行氏、主演を務めた山崎賢人、新田真剣佑、永野芽郁らも登壇したジャパンプレミアが実施されている。こちらのイベントの模様は、以下の記事にて詳しく紹介しているので、合わせてチェックしてもらいたい。