2019年8月23日より全国公開予定の映画『二ノ国』。公開を約1ヵ月前に控えた2019年7月25日。都内にてジャパンプレミアが行われた。ここでは山崎賢人、新田真剣佑、永野芽郁、宮野真守、津田健次郎、梶裕貴ら豪華ボイスキャストの他、製作総指揮および原案・脚本を務めた日野晃博氏、監督の百瀬義行氏も登壇したイベントの模様をお届けしよう。

 この『二ノ国』は、人気ゲームのアニメ映画化作品となっている。2010年に発売されたニンテンドーDS用ソフト『二ノ国 漆黒の魔導士』はスタジオジブリが劇中アニメの作画を手がけたことも話題となり、2011年にはPS3用ソフト『二ノ国 白き聖灰の女王』も発売された(さらに2018年には続編であるPS4およびPC用ソフト『二ノ国II レヴァナントキングダム』も発売)。

 今回の映画では、基本的な設定はゲーム版から引き継がれているものの、主人公たちの暮らしている世界が現代に変更され、キャラクターも一新された完全オリジナルストーリーとなっている。そのため、ゲームのファンはもちろんだが、全くゲームを知らない方も楽しめる内容になっているようだ。

 映画『二ノ国』の製作総指揮および原案・脚本を担当するのはレベルファイブの日野晃博氏。さらにスタジオジブリ出身であり、アニメーターや演出家として高い評価を持つ百瀬義行氏が監督を務めた。百瀬監督はゲーム版のアニメパートの監督でもあり、『二ノ国II レヴァナントキングダム』ではキャラクターデザインも担当している。

 さらに、音楽は多くのスタジオジブリ作品や日本映画へ楽曲を提供している久石譲氏が担当。ボイスキャストも、今回のジャパンプレミアに登壇した山崎賢人、新田真剣佑、永野芽郁、宮野真守、津田健次郎、梶裕貴の他、坂本真綾、山寺宏一、伊武雅刀、ムロツヨシらも揃うという豪華布陣となっている(キャスティングは日野晃博氏が担当したとのこと)。

 ジャパンプレミアの開始時間になると、歓声と共にキャスト陣が登場。多くの観客に見守られながらレッドカーペットを歩き、ステージに登壇した。

左から、ボイスキャストを務めた新田真剣佑、山崎賢人、永野芽郁。
左から津田健次郎、宮野真守。

ボイスキャストそれぞれの声の仕事への向き合い方とは?

 山崎賢人は声優のオファーを受け、脚本を読んだ時点でも鳥肌が立つほど感動していたのだそうだ。実際のアフレコ中には映画は完成していなかったそうなのだが、仕上がった作品を観た山崎賢人は“百瀬智之監督(とスタッフたち)が作り上げた絵の中に自分が存在していた”ことにも感動を覚えていたのだとか。

 その山崎賢人から声優の仕事にチャレンジすることを相談され、アドバイスもしていたという梶裕貴は、ゲーム版のプレイ経験もあったそうだ。そのためか、世界観や音楽に懐かしさを感じていたとのこと。今回の映画の完成度については「世界に入り込んだ気持ちになれる」、「脚本がとてもおもしろく、できあがったものを観てもとても素敵でした」と称賛のコメントを送った。

 新田真剣佑は「声優のお仕事をしてみると、ふだんは俳優として体全体を使って芝居をしていることを強く感じました。すごく難しかったです」とアフレコ中の心境を語った。

新田真剣佑が「太一」と宮野真守に呼びかけ、宮野真守が「ニコニコしている」「すごくかわいい」と新田真剣佑と褒めたりと、イチャイチャする場面も(新田真剣佑は実写映画『ちはやふる』に出演しており、宮野真守は映画で新田真剣佑が演じていたキャラの幼馴染である“太一”をアニメ版『ちはやふる』で演じている)。

 永野芽郁はアニメ声優は初挑戦ということで、「皆さんがどう受け止めていただけるのか」、「ひと言だけでこんなに大変なんだ」、「マイクの距離感は変わらなくても映画の中のキャラの距離感は変わっていくため(他ボイスキャストとの同時収録でないことが多かったこともあって)孤独感もありました」、「しかもひとり二役でしたから」などと、声の仕事への不安と難しさがあったこと語っていたが、それでも「楽しく作品が出来上がっていく雰囲気があってすごく幸せでした」ともコメント。永野芽郁は新田真剣佑とは3回目の共演となるが、山崎賢人とはこれまで2回しか会っていなかったのだという。

 そこで、“声優のプロ中のプロ”として映画『二ノ国』の見どころを聞かれた宮野真守は「任せてください」と強気の発言。「全部梶くんに持ってかれました」、「俳優の方と共演するのは声優としてもすごく重要です。僕はマッケン(新田真剣佑)のことがすごく大好きですし、すごく刺激を受けて、僕らもお芝居に望むことができたんです」と語っていた。

左から宮野真守、梶裕貴、日野晃博氏。

 山寺宏一や坂本真綾など豪華なボイスキャストがズラリと揃っていることに対しては、宮野真守は「すばらしいキャスティングです。大先輩ともいっしょなので、しっかりやっていかないといけないな」と気を引き締めたそうだ。梶裕貴が「キャラを通して大先輩といっしょに演じさせていただくのは本当に刺激的で楽しいです」と述べると、山崎賢人も「こんな贅沢なことがあるんだな」とコメント。津田健次郎も「僕らにとってもレアな体験だった」と語っていた。

 また、山崎賢人は「ふだんの梶くんと“ダンパ(劇中の猫のような愛らしい姿のキャラクター)”への切り替えにびっくりしました」ともコメント。梶裕貴は「人間のキャラとは見た目もだいぶ違うので、そこはスイッチを切り替えてお芝居したんです」と返す一幕も。ボイスキャスト全員が、声優という仕事について、改めて学ぶ機会がたくさんあったようだ。

日野晃博氏が久石譲氏に怒られてしまった理由とは?

 ここからは、製作総指揮および原案・脚本を担当する日野晃博氏と、監督の百瀬義之氏への質疑応答に突入。進行役よりさまざまな質問が投げかけられていった。

──今日のこのジャパンプレミアを迎えての心境はいかがでしょうか。

日野晃博氏 10年前にスタジオジブリさんと百瀬監督と一緒にゲームの『二ノ国』を作ったのですが、その頃から「いつか映画にしたい」と言っていたんです。そこから壁はたくさんあったので、今日は「やっとこの日が来た」という感じです。

百瀬義之監督 (楽しみにしてくれている方の)反応を見渡しますと、公開もされていないのにキャラクターを描いてくれて、しかもそのキャラの性格を与えてくれていたりしたのがうれしかったですね。僕はゲームのほうのキャラクターデザインもしているので世界観はわかっているのですが、今回の映画ではふつうの高校生や不良生徒やボスキャラなど、いろいろなものが出て来るんです。“幅が広い絵”を描けたのでおもしろかったですね。映画になって、皆さんのすばらしい演技によって存在感を足されたことも嬉しかったです。あとは、お客さんに楽しんでいただけたらと思います。

百瀬義之監督
日野晃博氏

──久石譲氏が音楽を担当されたことについてはいかがですか。

日野晃博氏 音楽って世界観を表現するのに大事な要素なんです。ゲーム版から久石譲さんにお願いしていたのですが、僕は毎回のように久石さんに「もうちょっと細かく考えないと」って怒られていたんです。というのも、ゲームクリエイター間での簡単なやり取りと同じように「“戦闘1"お願いします」とオーダーしたところ、久石さんからは「戦闘1と言われても曲をかけないんだよね」と返されたこともあったんです。とにかく久石さんとは長いクリエイティブなおつきあいがあって、今回の映画を作るにあたっても僕らの都合で製作期間がものすごく短い状況でお願いしてしまったのですが、結果的にものすごいクオリティで作っていただいて感動しました。

──主題歌を須田景凪さんが担当したことについてはいかがですか。

日野晃博氏 製作委員会に“絶対にこの人がいいですから”って推しに推したんです。現代とファンタジーの両方に合う曲調って難しいと思うのですが、須田さんには本当にぴったりの、完成度の高い曲を作っていただきました。

山崎賢人がなりたいのは鳥人間? 永野芽郁が自身の役に感情移入できた理由とは? 宮野真守が新田真剣佑を褒め称える!

 続けて、メインのボイスキャストの3人、山崎賢人、新田真剣佑、永野芽郁の3人に新たな質問も投げかけられた。

──ご自分の役どころに共感できたところや、好きなところを教えてください。

山崎賢人 僕もすごくいろいろなことを迷ったりして、なかなか決断できないところがあるんですが、自分の中で「ここをがんばろう」と決めたら、そこに向かってがんばるようにしています。僕が演じたユウは、悩みながらも“決めた時の強さ”があって、それが男としてかっこいいなと思いました。

新田真剣佑 ハルはまっすぐな男の子で、大事なものを守るために、自分さえも犠牲にしてでもがんばるところがカッコいいので大好きです。

永野芽郁 アーシャ姫は“こうあるべき姿”と“こうありたい姿”があって、その場によって変えるんです。その姿は、誰にでも共感できるんじゃないかなと思います。例えると、いまこの舞台にいる自分は“見られてもいい自分”だけど、家に帰ったら“見られたらヤバい”みたいな(笑)。そういうところが自分に似てて共感できましたね。二役は難しかったのですが、難しいなりに自分に似ているところを見つけて演じました。

ーー二ノ国に“もう1人の自分”がいるとしたら、どのキャラクターがいいですか。

山崎賢人 人間でなくてもいいですよね? じゃあ、僕は空を飛びたいですね。“鳥人間”になって飛びたいです(笑)。

新田真剣佑 ダンパになりたいです(ダンパの声を担当した梶裕貴はすかさず「本当ですか! うれしいです!」と本気の歓喜のコメント)。かわいいキャラなのでぜひ見てください。

進行役に互いの名前を呼び間違えられた山崎賢人と新田真剣佑のふたりが急接近し、声を揃えて「入れ替わってる?」と某有名アニメ映画のようなセリフを口走る一幕も。

永野芽郁 (ファンタジー世界の)二ノ国に出てくる“馬を引いている人”がいいです。馬を引いている姿が、鎧を着ているし、ちょっとカッコよくないですか?(笑)

宮野真守 二ノ国の新田真剣佑になりたいですね。(現代の)一ノ国の新田真剣佑はここにいますから(笑)。この子は本当にすごくて、彼の舞台を観に行ったとき、初対面なのに「太一」って言ってきたんですよ。この明るさは見習いたいです。

梶裕貴 僕は空を飛べる山崎賢人になりたいです(笑)。

津田健次郎 僕は空を飛べる二ノ国の日野さんがいいかな(笑)。

日野晃 光栄です(笑)。

梶裕貴が「未来の自分を知らないほうがいい理由」を熱弁!

 ここからは、“ボイスキャストに聞きたい究極の選択”を聞くことに。その選択肢は、「過去の自分に会う」か「未来の自分を知る」かだった。お題が発表されると、宮野真守からは「急にバラエティー(っぽくなった)……」というツッコミも。ボイスキャストの中で、梶裕貴だけが「過去の自分に会う」を選ぶことになった。

 ここで宮野真守は「過去の自分に会いたい理由を述べて僕たちを言い負かせてみてよ」と梶裕貴を挑発。それに対し、梶裕貴は「僕はこのことを人生の中で何回か考えたことがあるんですよ! 未来の自分を知るとして、もしも大成功した自分がいたことを知ると、いまの自分は努力するだろうか? 楽しんで生きられるだろうか? と。仮に大失敗していたとしたら、どんなにがんばってもボロボロの未来しかないんじゃないかと。その場合もがんばることができないんじゃないか? と。だから、未来のことは知らない方がいいんです」と熱弁した。

熱弁する梶裕貴

 この言葉に感化され、宮野真守と山崎賢人は「過去の自分に会う」を選ぶことに。日野晃博氏からは「こういうゲームだったの? 台本に書いてあったことと全部違うんだけど(笑)。でもおもしろいです」とコメント。今さらになって、新田真剣佑が「僕の衣装派手じゃない?」と聞く一幕も。

永野芽郁、津田健次郎、宮野真守の3人は「未来は変えられる!」と決めポーズ。
梶裕貴の熱弁に感化され「過去の自分に会う」を選んだ新田真剣佑と山崎賢人。

 ここまで大盛り上がりを見せていたプレミアイベントだが、終了の時間が近づいたということで、最後に山崎賢人と日野晃博氏から集まったファンに向けてメッセージが送られた。

山崎賢人 今日は、初めてお客様に映画『二ノ国』を観ていただける日ですので、本当に楽しんでもらいたいなという気持ちでいっぱいです。「二ノ国に行ったらどうなるか」という心のままに観ていただけたらと思います。

日野晃博氏 映画『二ノ国』は現代とファンタジーのふたつの世界を行ったり来たりする楽しい話なのですが、物語の辻褄を合わせるのに大変な思いをしました。その辻褄が合っていないところを収録の途中で直したりして、多くの方にご迷惑をおかけました。その甲斐もあってか、本当に良い作品になりました。必ず楽しんでいただけると思います。そして、キャストの皆さんの熱い演技を聞いているだけでも感動できると思います。皆さんも一ノ国と二ノ国、現代とファンタジーの世界を行ったり来たりして楽しんでください。

最後は山崎賢人からの「夏休みはー!?」の掛け声にファンが「二ノ国ー!」と応えて、プレミアイベントは締めくくられた。

 映画『二ノ国』は2019年8月23日より全国公開予定。なお、ニンテンドースイッチ用ソフト『二ノ国 白き聖灰の女王 for Nintendo Switch』、プレイステーション4、PC(Steam)用ソフト『二ノ国 白き聖灰の女王 REMASTERED』も2019年9月20日に発売決定している。『二ノ国』の世界観が気になる人は、こちらもチェックしてみよう。

映画『二ノ国』ストーリー
 冷静沈着で車椅子のユウ、バスケ部の人気者のハル、ハルの彼女コトナの3人は幼なじみ。ある日、突然襲われたコトナを助けようとしたユウとハルは、現実世界と並行する魔法世界「二ノ国」へ引き込まれる。
 そこは命がつながった“もう一人の自分”がいる世界。次第にユウはコトナにそっくりなアーシャ姫に惹かれていく。
 しかし、そこには「コトナの命を救うにはアーシャの命を奪わなければいけない」という残酷なルールがあった――。
 コトナを救いたいハル。アーシャを守りたいユウ。 “大切な人の命”をかけた究極の選択が迫る時、ユウとハルが下した決断とは--?

【キャスト/スタッフ】
山崎賢人 新田真剣佑 永野芽郁
宮野真守 坂本真綾 梶裕貴 津田健次郎
山寺宏一/伊武雅刀 ムロツヨシ
製作総指揮/原案・脚本:日野晃博
監督:百瀬義行
音楽:久石譲
主題歌:須田景凪「MOIL」(WARNER MUSIC JAPAN / unBORDE)
原作:レベルファイブ アニメーション制作:オー・エル・エム
製作:映画「二ノ国」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
<命>を選べ。 8月23日(金) 全国ロードショー

【2019年7月26日16時50分記事修正】
記事初出時、登壇者説明部分に一部誤りがあったため修正いたしました。読者の皆さまならびに関係者各位にご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。