『CONTROL(コントロール)』は、主人公のジェシーが超自然的な力を駆使して謎の組織と戦うというアクションアドベンチャー。ガンと超自然的な力を使ってのアクションが爽快な1作だ。本作の開発を手掛けるのは、『ALAN WAKE(アランウェイク)』などで知られるフィンランドの実力派デベロッパーRemedy Entertainment。国内ではマーベラスよりプレイステーション4版が今秋にリリースされることが決定している。

 海外では、いよいよ発売日の2019年8月27日まであとわずかということで、gamescom 2019の会期に合わせて、海外でのパブリッシャーである505 Gamesのブースまで押しかけてみた。取材に対応してくれたのは、E3 2019でもインタビューさせてもらった、ナラティブディレクターのブルック・マッグス氏。

『CONTROL(コントロール)』斬新なアクションの下に隠されたRemedyらしい語りの美学【gamescom 2019】_01

 秘密機関のトップだったジェシーが、彼女の所属する機関の異変を察知して、ヘッドクォーターである秘密機関の建物を探索していき謎を究明していくという本作。ゲームはこの“オールドハウス”で進行していくことになる。“オールドハウス”は超自然の力で内部が異空間とつながっており、とにかく広い。

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 マッグス氏がデモの冒頭で見せてくれたのが、ジェシーと職員との会話のシーン。マッグス氏によると、会話シーンでプレイヤーが選択して、いろいろな話を聞けるのは、Remedyのゲームでは初めてとのこと。「これは、ストーリーをプレイヤーにコントロールしてもらえるようにしたかったから」とのこと。どれだけ深くストーリーに入っていけるかは、プレイヤーが決めればいいという発想だ。つまり、そこまでストーリーを深く知りたくない人は、適当なところで会話を切り上げればいいし、より深く『CONTROL』の世界観を知りたい人は、NPCとの会話を最後まで進めればいいのだ。

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 このストーリーを掘り下げる手がかりは、ゲームの随所に盛り込まれている。建物の中に書類が置かれていることもあれば、ビデオが残されていることもある。まさにRemedyらしい仕掛けだ。『CONTROL』の世界をもっと知りたい人は書類やビデオを綿密にチェックしていけばいいし、とにかくアクションを楽しみたいという方は、必要最低限の情報を入手したらゲームを先に進めればいい。『CONTROL』というタイトルは、“ガンと超自然の力を駆使したアクション”と、その特徴が語られることがもっぱらだが、その表の顔の下には、“ストーリー”という巨大な土台が広がっているような気がする。マッグス氏は、ナラティブディレクターとしてさぞや腕の奮い甲斐があるだろうなあ……と思うが、一方で、「ローカライズたいへんそうだなあ……」とふと思ってみたりもする。

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 マッグス氏の口からは、ゲームプレイに対する興味深い指摘も、Remedyのこれまでのゲームでは、横の動きが多かったが、『CONTROL』では縦の動きを重視しているというのだ。横から縦へ。そのことを象徴するかのように、本作では、新しい世界に移行するときは上か下にあることが多いという。これは、舞台が“オールドハウス”という閉ざされた空間であることと、主人公が超自然的な力を駆使できるところから来た変更かと思われる。

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 本作のプレイ時間は15~20時間程度とのこと。これはひと通りゲームを進めるために必要な時間で、ストーリーを掘り下げたり、サイドクエストをすべてこなしたりしていると、当然のこともっと時間を要する。また、ゲームをある程度進めるとアンロックされる“チャレンジモード”もあるようだ。これは、決められたエリアを“決められた時間内に進める”、“ひとつの武器しか使えない”といった、制限つきでクリアーするモードのようで、「長く楽しめるようになっていますよ」とマッグス氏。

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 最後にマッグス氏は日本のゲームファンに向けて、「皆さんにプレイしてもらえることをとてもわくわくしています。いつもRemedyをサポートしてくれてありがとうございます。また、Remedyのゲームを初めてプレイするという方にとっては、本作は最高の1作になっています。ぜひこのゲームを楽しんでください!」とのことだ。

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