私、人生愚直に生きてきました。あまり器用な性分ではないゆえ、失敗しては少しずつコツを学び、また失敗してはやりかたを理解し……と、いわゆるトライ&エラーをくり返しては少しずつ前進していった人生だったように思います。あまり芸がないかもしれませんが、そんなコツコツ歩むのが私流の生きかたでした……。

 と、何を言いたいのかというと、今回gamescom 2019で試遊した『トライアルズ ライジング』は、まさにそんな、“失敗してはやりかたをコツコツと学んで着実に前進していく”というタイプの私には最適のタイトル。念のために紹介すると、本作の操作は、右トリガーとAボタンでスピードを出しつつ、左スティックで前後のバランスを取ってバイクを進めていくという、言ってみればシンプルなもの(試遊ではXbox One版を使用)。それを難しくしているのがトリッキーなコースで、前後にうまいことバランスを取らないと、即クラッシュなんてことになりかねない。頭から突っ込んでは「くそっ!」とうなりプレイをやり直し、ジャンプをしすぎては一回転して地面に落ちて失敗……と、とにかくトライ&エラーのくり返し。

『トライアルズ ライジング』最新DLC“クラッシュ&サンバーン”をいち早くプレイ。まさに“トライ&エラー”の恍惚ここにあり【gamescom 2019】_01

 が、ふつう失敗をくり返すとイライラするものだが、本作に関しては不思議とそれがない(さすがにたまにイライラしますが……)。それはなぜかというに、ひとつには一発ボタンを押すだけで、通過した直近のチェックポイントから即座にやり直せるという操作感のよさ(Xbox One版ではBボタン)。失敗してもすぐに再トライできるので、そのテンポがあまりに心地よいのだ。「これは魔法のボタンではなかろうか……」と、試遊中に戯れに思ったりもしたのだが、『トライアルズ ライジング』では、キーとなるボタンであることは間違いない。ちなみに、あまりにBボタンを条件反射で押していたので、成功していたのに間違えてBボタンを押してしまい、やり直し……といったことも2度や3度ではなかった。

 で、もうひとつが、失敗しても「もうちょっと工夫すれば、つぎはできそうだ」という絶妙のバランス。失敗をしてもコツを着実につかめているという実感があって、その気持ちが私をBボタン連打の道に突き動かすのだ。まあ、よくできたアクションゲームに共通していることなのかもしれませんが……。

『トライアルズ ライジング』最新DLC“クラッシュ&サンバーン”をいち早くプレイ。まさに“トライ&エラー”の恍惚ここにあり【gamescom 2019】_02

 ちなみに、申し遅れましたが、今回のgamescomで試遊したのは、2019年9月10日配信予定の『トライアルズ ライジング』の第2弾ダウンロードコンテンツ“クラッシュ&サンバーン”。詳細は以下の記事をご確認いただきたいのだが、南アメリカやアフリカ、オーストラリアなど、南半球を舞台とした新たな37コースを収録している。新たなバイクとして追加されるのが“タートル”と“アルパカ”。

 “アルパカ”は前輪駆動タイプで、従来のバイクとはひと味操作感が違う。ジャンプしたときに、前輪さえ何とか端っこに引っ掛けられれば、前に進めるようになっているのがポイントだ。本作をまた違った感覚で楽しめる。

『トライアルズ ライジング』最新DLC“クラッシュ&サンバーン”をいち早くプレイ。まさに“トライ&エラー”の恍惚ここにあり【gamescom 2019】_03

 なお、試遊では動画の撮影が可能だった。実際の動画を見返してみると、これがまた見事なばかりのトライ&エラーのくり返し。“アルパカ”もプレイさせていただいたのだが、あまりに時間がかかり、コースをクリアーできずに試遊の時間がタイムオーバーになる始末。残念ながらとてもお見せできたものではない。ちなみに試遊中はとても豊かな表情をしていたようで、現地の方に笑われてしまった。いっそそっちのほうが、まだ楽しんでいただけるかもしれない……とも思われたのだが……。

 え? “トライ&エラーなどと御託を並べたからには試行錯誤ぶりの見える動画を見てみたいですと? うーん……弱ったなあ。とはいえ、そこまでおっしゃるのならば……。人の失敗ぶりを見るのも楽しい『トライアルズ ライジング』ということで、少しでも本作の楽しさが伝わるよすがになればということで、恥を偲んでご覧いただきましょうか。