全世界で5000万本以上のセールスを記録している2Kの人気シリーズ『ボーダーランズ』。その約7年ぶりとなるナンバリング最新作『ボーダーランズ3』のプレス向け体験会が都内にて行われた。本稿では、体験会で試遊可能だった最新バージョンのレビューをプレイ映像とともにお届け。 新キャラクターとして登場するFL4K(フラック)や、マルチプレイの雰囲気、そして開発者のインタビューも合わせてお伝えしていく。

FL4Kは初心者から上級者まで楽しめる奥深いキャラクターに

 体験の前には、開発を担当したGearbox Softwareのアンソニー・ニコルソン氏、スコット・ケスター氏が登壇し『ボーダーランズ3』のプレゼンテーションが行われた。ここでは本作の魅力を4つのポイントに分けて紹介し、シリーズを通じて舞台となっていた“惑星パンドラ”を飛び出し展開されるストーリーやプレイヤーが使用するヴォルト・ハンターや敵対することになるカリプソ・ツインズなど、ユニークなキャラクターの魅力やカスタマイズ要素など紹介。さらには、10億種類以上(!)という武器が登場することやオフライン2画面分割による協力プレイとオンライン4人協力プレイに対応していることなどが解説された。

 今回詳細が明かされた新たなヴォルト・ハンターのFL4Kについては、AIで動くロボットでありながら野生の感覚を持つキャラクターで、3体のカスタマイズ可能なペットとともに戦うのだということが説明された。

 また、2画面分割によるオフラインマルチプレイの話題では、「(今回は)本当に作るのが大変だった」と笑いを交えつつ苦労を振り返る場面もあった。「これまでのシリーズのすべてを超越した自信作」と話し、時間をかけて制作しただけあって大きな進化を遂げた作品となっているようだ。

 そしていよいよゲームの体験会へ。今回は新たに登場する惑星“エデン6”でのミッションをオンラインマルチプレイにて体験できた。もちろん、キャラクターはFL4Kを使用。仲間はバリアーを展開するスキルなどを持つゼインとともに戦うことに。

会場にはヴォルト・ハンターたちのパネルなどが展示されていた。

 体験のなかで筆者がとくに感じたのが、ヴォルト・ハンターが持つユニークなスキルを生かした戦いの楽しさ。今回の場合だと、ゼインがバリアーを展開したタイミングで、FL4Kもロイヤルビーストを強化して前線に送ることで、プレイヤーたちはバリアーのある安全圏から攻撃できる、といった感じ。もちろん、何も考えずトリガーハッピー状態でワイワイ遊ぶこともできるし、声を掛け合いながら遊べば連携を駆使した効率的な戦い方もできるため、遊ぶスタイルもかなり自由だ。

 また、今回から導入されたオンラインプレイのレベルシンク機能(プレイヤーのレベルに合わせて敵のステータスが変わったり、ドロップする武器がプレイヤーのレベルに合わせたものが出現するようになるシステム)によって、「出現したレアな武器を取り合って友だちとギスギスする」みたいなこともなくなりそう。まさに友だちと夜どうし遊ぶにはもってこいのゲームだろう。

 そして肝心のFL4Kだが、スキャッグ、ジャバー、スパイダーアントという3匹の仲間を従えているキャラクターということで、戦いかたとしてはロイヤルビーストに指示を出しながら自分も武器で応戦していくというスタイルだった。攻撃する敵をロイヤルビーストに指示することもできるが、何もしなくても敵を見つけたら勝手に攻撃してくれるので、比較的扱いやすいような印象を受けた。

 そのため、『ボーダーランズ』シリーズ初心者にもオススメで、敵のヘイトがロイヤルビーストに向いているあいだはプレイヤーは攻撃し放題になるし、ロイヤルビーストが攻撃する敵を追っていれば「何をしたらいいか分からない」という状況もなくなる。初心者といっしょにゲームを遊ぶときはFL4Kを使わせて「とりあえず動物について行って、いっしょに攻撃して」とだけ伝えていれば、まずは楽しめそうだ。

3体のペットのうち、一度に出していられるのは1体だけ。切り替えるときはポーズメニューから付け替えることができる。
引き連れた相棒と触れ合うことも可能。動物らしい仕草をするのでなかなか愛着が湧きそう。

 ほかにも、ペットは出すことで攻撃力上昇(スキャッグ)、移動速度上昇(ジャバー)、ライフがつねに回復(スパイダーアント)という効果がFL4Kに付与されるため、状況に合わせた使い分けも大切。慣れてくれば、より効率的に戦えるキャラクターとなりそうだ。

ポインターを出すことでペットに攻撃指示を出すこともできた。

 今回行ったマルチプレイの体験映像はこちらから見ることができる。新たにポインター機能が追加されたマルチプレイの雰囲気が伝われば幸いだ。

新システムから見えた制作者たちのファンへの想い

アンソニー・ニコルソン氏

(写真左)『ボーダーランズ3』シニアプロデューサー。2012年よりGearboxに勤め、過去作『ボーダーランズ2』『ボーダーランズ プリシークエル』ではQAアナリストを担当し、『バトルボーン』ではプロデューサを担当。大学時代はアメフトの選手として活躍し、ゲーム、シミュレーション、およびアニメーションデザインで学位を取得。

スコット・ケスター氏

(写真右)2007年Gearboxに入社、現在『ボーダーランズ3』のアートディレクターを担当。その以前には、『ボーダーランズ』『ボーダーランズ2』のコンセプトアートを手掛けたり、『バトルボーン』のアートディレクターを担当。テキサスのマッキニーに家族と住んでいる。

――『ボーダーランズ3』はおよそ7年ぶりのナンバリングタイトルとなりますが、なぜこれだけ時間が空いたのでしょうか。

スコットボーダーランズ2』をリリースしたあとは全力を出し切っていた状態だったので、すぐに続編に取り掛かってもあまりよい作品が作れるとは思いませんでした。ですので、つぎの作品を成熟させるための時間として、4年くらい考え、たくさん時間をかけてブラッシュアップしていきました。

アンソニー少しだけ要素を足して、すぐに続編を出すということはしたくなかったので、内容的な部分に時間を費やす必要がありました。

――おもにどのような部分に時間をかけましたか。

スコットいままでの作品は惑星パンドラという星が舞台になっていましたが、その惑星を飛び出して、もっと大きな環境へストーリーを発展させたいと考えていたので、ストーリー構築には時間をかけました。あとは技術的なところでUnreal Engine 3から4への移行という部分でも時間がかかりましたが、その甲斐あってビジュアル面も大きく進化しています。あとはコンテンツとして強いものを打ち出すために、チームメンバーから寄せられたアイデアの精査をくり返していたので、みんなの考えをもとにコンテンツを構築する作業も時間がかかりました。

スコット・ケスター氏。

――アート部分に関してはどのような部分に注力して取り組まれたのでしょうか。

スコット今回はアートディレクターとして関わっていますが、『2』まではキャラクターのコンセプトデザイナーを担当していたので、当然キャラクターの設定には注力しました。レンダリングなど技術的な部分も進化しているので、技術を最大限に活かして魅せる作品にしたいと思いました。

――主人公となる4人のヴォルト・ハンターに関して、意識された部分などはありましたか?

スコットそれぞれの個性が際立つように、見た目やゲームプレイのスタイルもユニークになるように意識しました。あとはキャラクターのディティール面です。対戦格闘ゲームでも、ある程度キャラクターを見たときに「このキャラクターはどんな戦いかたをするのか」というのが分かりますよね。それと同じで、キャラクターを見ただけでもある程度どういうキャラクターかというのが想像できて、プレイヤーが好みのキャラクターを直感的に感じられるようなデザインを目指しています。

――ヴォルト・ハンターの中で苦労したキャラクターはいましたか?

スコット時間がかかったのはFL4Kとゼインですね。FL4Kに関してはビジュアルイメージをチームみんなで一致させるのに時間がかかりました。クリーチャーみたいな案もあれば、小人みたいな案もあったり……。最終的にはロボットのようなデザインになりましたが、僕はロボット推しだったので提案したら、チームのみんなの反応はイマイチで……(笑)。

――ちなみに、FL4Kにはなぜ“4”が入っているのですか。

アンソニーああ(笑)。4の形がアルファベットのAに似ているのと、数字が入ることで人間ではなく、機械っぽさみたいなものが伝わればと思って“4”を入れています。

――長い開発期間の中で多くのファンの声が届いたと思いますが、そういう部分から制作にフィードバックした要素などはありましたか。

アンソニーいろいろとありすぎて思い出せないですが、インスピレーションという意味では『ボーダーランズ』の登場人物に扮した女性コスプレイヤーを見て、「女性のサイコを登場させたらいいな」というインスピレーションは受けました。

スコットあとはレベルシンク(オンラインのレベル調節機能)の部分です。私の個人的なケースで言うと、子どもがいてゲームができない時間帯があったり、人によって遊べる時間も異なりますよね。それで戻ってきたら僕だけ遅れをとっていたというのは悲しいじゃないですか。ですので、レベルを合わせる機能のおかげでひとりだけ遅れを取らずに済むんです。

――ところで、Gearbox Softwareさんは毎年ファンイベントを開催したりと、ファンを大切にしている印象を受けているのですが、その文化はどういったところからきているのですが。

アンソニー本当にファンからサポートされているという実感があります。『ボーダーランズ』のファンは「ここが好き」とちゃんと私たちに伝えてくるんです。そういう声は開発の原動力になっていますし、私たちからも返したいという思いでいます。

――『3』で追加されるオンラインプレイのレベルシンク(プレイヤーのレベル調節機能)の部分も、プレイヤーを大切にする気持ちから来たものなのでしょうか?

アンソニーもちろんファンを大切にしたいというのもそうですし、プレイヤーどうしが楽しみを共有できる時間が長く継続してほしいという思いがあったので、我々も自発的にそういう機能を追加しようと思いました。

アンソニー・ニコルソン氏。

――画面分割でのオフラインマルチプレイは制作に苦労されたそうですが、そういう楽しみの共有という意味で実装されているのでしょうか。

スコットファンがそういう遊び方をしているなら、僕たちもそれをサポートし続けたいという思いです。でも、今回の2画面分割マルチプレイは本当に大変でした(笑)。

アンソニー協力プレイで親と子どもでいっしょにプレイしたとか、このゲームをきっかけに結婚したとか、そういうファンレターをいただくので、どうしても入れたい要素なんです。

――家族でいっしょに『ボーダーランズ』を遊ぶというのも、いい感じですね。

アンソニー&スコット (笑)

――最後に日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。

アンソニーシリーズを通して、日本のファンは本当に協力的で感謝しています。そしてぜひ『ボーダーランズ3』を楽しんでください。

スコット実際にゲームを遊んで貰うと最高だと感じてもらえるものを作ったつもりです。それはファンの方々が求めてくれたから実現したので、「ありがとうございます」といいたいです。