2019年8月3日~4日、岐阜県岐阜市にて、ゲームを中心としたエンターテインメントイベント“全国エンタメまつり”(以下、“ぜんため”)の第3回が開催された。本記事では、第3回“ぜんため”1日目に行われたステージの模様をピックアップしてお届けしよう。
電撃×ファミ通トークステージ
最初のステージは、電撃とファミ通による合同トークステージ。電撃ゲームメディアディレクターの西岡美道氏と、ファミ通.com編集長の世界三大三代川が司会進行を務め、ゲストのソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアリージョンオフィス プレジデントの盛田 厚氏とともにさまざまなトークをくり広げた。
トークテーマは2019年12月で25周年を迎えるプレイステーションについて。西岡氏と世界三大三代川があらかじめ用意してきたという質問に盛田氏が答えるという内容だった。
最初の質問は“思い出深いプレイステーションハードは?”というもの。盛田氏は初代プレイステーションの思い出を語りつつも、現在日本地域での展開を担当しているプレイステーション4にいちばん思い入れがあるとのこと。
また、ユーザーにシェアボタンが受け入れてもらえたことにも感謝の言葉を述べていた。
続いての“思い入れが深いプレイステーションタイトルは?”という質問には、盛田氏は「すべてのタイトルに思い入れがある」と語りながらも、その中でもとくに印象深いタイトルとして『Marvel's Spider-Man(スパイダーマン)』を挙げた。
発売前は日本のプレイヤーに受けてもらえるか不安もあったそうだが、その不安をかき消す想像以上のヒットに、驚きとうれしさを感じたのだそうだ。
つぎに、盛田氏は“いまだから言えるエピソード”として、プレイステーション4が出た直後に上司から「ジャパンアジアリージョンのプレジデントを担当してほしい」と言われたときのエピソードを披露。
当時、会議から懇親会へ移動している最中にそのことを伝えられたため、冗談として受け取っていた盛田氏。
後日電話でジャパンアジアリージョンプレジテント就任の話を再度持ち掛けられた際に、「冗談じゃなかったんですか?」と言って怒られてしまったことを振り返っていた。
“2019年、今後のプレイステーションについて”は、「これからまだまだたくさん、皆さんの好みに合うタイトルがきっと発売されます。ぜひそのおもしろさを、皆さんの周囲の人にも伝えていただきたいです」と、発売ラインアップをアピール。また、今年開催される東京ゲームショウでも、もちろんさまざまな発表を行うとのことだ。
応援大使ライブ&織田信姫ビデオレター
このステージでは、ぜんため応援大使である声優の小原莉子さんと、VTuberの織田信姫さんが登場。織田信姫さんは岐阜の魅力を語りながら、ぜんための醍醐味をアピール。小原莉子さんも写真を交えての岐阜のよさを力説しつつ、ギターを手に取りライブを披露した。
ぜんためサマーライブ
さまざまなアーティストがライブを披露するライブステージでは、1日目はエイベックスがプロデュースするVTuberアイドルグループ“まりなす(仮)”より鈴鳴すばるさん、声優&シンガーの水桐けいとさんが登場。歌唱によるパフォーマンスのほか、鈴鳴さんはじゃんけん大会を行ってファンと交流するなど、会場は大きく盛り上げた。
黒川塾
メディアコンテンツ研究家の黒川文雄氏が主催するエンタメ系トークイベント“黒川塾”が“ぜんため”に出張。
インディーゲームを開発中のアポロソフトの川瀬浩一氏、『メゾン・ド・魔王』や『グノーシア』などで知られるプチデポットの川勝 徹氏、『ぼくとネコ』などを開発するイグニッション・エムの升田貴文氏が登壇し、インディーゲームをテーマに語った。
3人がインディーゲームに対して持つ考えや、収益モデルに関する裏話など、興味深いトークをくり広げ、観客をステージの前に引き付けていた。
タイトー ZUNTATA ライブ
タイトーのサウンドチーム・ZUNTATAによるライブでは、石川勝久氏(ばび~氏)と森正樹氏(MASAKI氏)の生演奏で、会場は大きな歓声に包まれた。
曲目は、『ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン』のステージ曲アレンジ版『火天弄月』からスタート。続いて『ダライアス』より『CAPTAIN NEO』と『BOSS 7』のメドレー。
おつぎはZUNTATAの代表曲とも言える『ザ・ニンジャウォーリアーズ』の『DADDY MULK』。三味線パートをみごとに奏でるばび~氏には、原作さながらの大きな歓声が贈られた。
そして最後はZUNTATAライブといえば、『電車でGO!』ソング! 『LOVE特急こまち』と、『J.A.M.の電車で電車でGO!GO!GO!』の“ぜんため”版替え歌である『ぜんため ぜんため GO!GO!GO!』を披露。
その名の通り、“電車で”のフレーズが“ぜんため”になった岐阜応援ソングなのである! 観客たちも「ぜんため! ぜんため!」のコールで大きな盛り上がりをみせていた。
ゲーム芸人フジタショー
幕間では、“ぜんため”おなじみのゲーム芸人・フジタ氏によるゲームネタを披露。さらに今回は、メインステージにて行われたeスポーツ演目のMCも担当していた。
観客席もフジタ氏のファンが多く、アットホームな雰囲気に包まれていた。
日本一ソフトウェア × Yostarトークショー
“社長ふたりが出演! 岐阜の中心で、愛をさけぶ。”とサブタイトルが銘打たれたこのステージでは、日本一ソフトウェアの新川社長と、『アズールレーン』(以下、『アズレン』)を開発するYostarの代表取締役社長・李衡達氏が登壇。
さらに、『アズレン』でリッチモンド役を務める小原莉子さん、『アズレン』大好き声優の立花慎之介さん(岐阜県岐阜市出身)も登場した。
このステージが実現した経緯は、新川社長が2年前から『アズレン』にドハマりしており、『ディスガイア』シリーズなどとのコラボを模索していたのが始まり。1度コラボを提案しにYostarまで赴いたのだが、そこではフラれてしまったのだとか。
しかし、“ぜんため”を開催するにあたって再度コラボの提案をしに行ったところ、新川社長がやり込んだ『アズレン』のデータを見た李社長はそのやり込みぶりと熱意に負け、今回のステージに登壇することを決めたのだという。
一方で李社長は中学~高校生のころに『ディスガイア』シリーズにハマっていたそうで、とくに『魔界戦記ディスガイア2』は夏休みをまるごと使って遊んだそうだ。
とくにお気に入りのキャラクターはプリニーとアピールすると、新川社長が裏からプリニーぬいぐるみを差し出し、「ワイロです(笑)」とプレゼント!
新川社長は『アズレン』の好きなキャラクターを聞かれると「もう10艦くらいはケッコンしたんじゃないかな」と、どの子にするのかは決められない様子。
そのほかにも『アズレン』愛に満ちたトークをくり広げ、大勢の観客たちに惜しまれながらステージは終了となった。
クリエイタートークショー
初日最後のステージでは、Rejetの前田浩孝氏、日本一ソフトウェアの溝上侑氏、SNKの副田陽一郎氏という、デザイン業に関わるゲームクリエイター3人がトークをくり広げた。
トークテーマは副田氏がジョー・ヒガシなどをデザインした『餓狼伝説』からスタート。
その中で副田氏が、「デザインに必要だったということもあり、筋トレが趣味になっている」というエピソードを披露すると、女性向けゲームなどのデザインを担当することが多い前田氏も、「本当はこもってピザだけ食べて生きたい欲もあるのですが、(イメージがあるので)太れなくなりました」と悩みを打ち明けた。
続いては、3人がゲーム業界に入ったきっかけについて話題に。「ゲームが作りたかったから」という理由で日本一ソフトウェアに入社したという溝上氏とは対照的に、前田氏はたまたまイラストの仕事を受けたところ、それが知らぬ間にゲームのデザインコンペの最終選考にまで登り詰めており、そこからゲーム業界に入ったという。
副田氏は、イラスト系の専門学校の講師から、「SNKが格闘技をやっている人を捜しているよ」と聞き、SNKに面接に行ったのだとか。そこで合格し、レスリング経験者だったこともあってか、いきなり『餓狼伝説』チームに配属されたとのことだった。
最後は、今後やっていきたいことについて。溝上氏は「探偵になりたい」という話を披露。前田氏は、AIを活用したイラストメーカーを考えているそうだ。副田氏は90年代のSNK対戦格闘ゲームファンを喜ばせてから引退したいという思いを語り、「もし『餓狼伝説』シリーズや『龍虎の拳』シリーズの最新作が出るのであれば、ぜひ関わりたいです」と、自身の夢を明かしていた。
エンディング
1日目のステージはこれにて終了。2日目も大きな賑わいをみせていた“ぜんため”ステージ。これらの模様はニコニコ生放送のアーカイブ(1日目)、(2日目)で確認できるので、興味のある人はぜひ見てみてほしい。