トップアーティストが本気でゲーム大会に挑んだ!

 人気アニメの主題歌を多く担当し、2019年に結成15周年を迎える、実力派ロックバンドUNISON SQUARE GARDEN。そのドラムスを務める鈴木貴雄氏は、『スプラトゥーン2』が好きすぎるあまり、ファンからもそのヘビーな遊びっぷりをツッコまれるほど。そんな鈴木氏は、なんと『スプラトゥーン』の全国大会“第4回スプラトゥーン甲子園”にひとりの選手として出場していた……! 『スプラトゥーン』にハマったきっかけから甲子園出場の経緯まで、トップアーティストの口からつぎつぎと飛び出す、ガチプレイヤーならではの驚きのエピソード。そのハマりっぷりをとくと見よ!

UNISON SQUARE GARDEN 鈴木貴雄氏。

UNISON SQUARE GARDEN 鈴木貴雄(すずき たかお)

ライブでの圧巻のパフォーマンスに定評のあるドラムス。ゲームから離れていた時期はあったが、いまでは誰もが認める『スプラトゥーン2』フリークに。

「いつか『スプラトゥーン』の楽曲を叩きたいです」

起きたら即イカリング! イカ中心の生活

――本日はよろしくお願いします!

鈴木じつは、今日はROCK IN JAPAN FESやミュージックステーションに初めて出るときと同じような気持ちで来ているんです(笑)。久しぶりに緊張というか、懐かしい気持ちですね。大好きな雑誌で、大好きなゲームについて話せるというのは幸せな時間です。

――そ、それは光栄です! 早速ですが、まず鈴木さんが『スプラトゥーン』をプレイすることになったきっかけからお聞かせいただければ。

鈴木『スプラトゥーン2』発売から2ヵ月経ったころ、友人のものを遊ばせてもらったのがきっかけです。その人以上に自分がハマって、すぐにSwitch本体とソフトを買いに行きました。ソフトは、国内版と北米版でふたつずつ、合計で4個買ってますね。北米版は、スーパーチャクチがSplashdownになっていたりと、名前の違いがおもしろくて気に入っています。

――4つですか!? なぜふたつずつも?

鈴木ツアーのたびにドックごとSwitchを持って回り、ホテルで遊んでいたんですが、最初に買ったものをなくしてしまい、2個目を買うことになっちゃいました(苦笑)。ちなみに、ホテルによってはインターネット回線に制限があって、ゲームができないところがあるんですよね。だから、いろいろ調べて、ケータイの会社もテザリングでもプレイできるくらい速いところに変えて、家の回線も速いと言われるNuro光にしました。

――『スプラトゥーン』のための環境作りに余念がない!

鈴木イカ中心に生きてます。ドラムのスタジオ練習も、ガチマッチのスケジュールに合わせてますから。今日は19時からヤグラなら、17時から2時間スタジオ行こうみたいな感じです。

――完全に『スプラトゥーン』中心の生活ですね……。

鈴木もともとゲームが大好きだったんですが、家ではやりすぎて怒られたり、受験やバンド活動があったりと、少しずつ離れていったんです。その反動が来ましたね。大人になって、ひとり暮らしで自由な時間しかない状態なので、熱中しているときは夜中の1時から夕方の5時までぶっ続けで遊んだりしたこともあります。それだけの魅力があるゲームなんですよね。「あと1回!」が永遠に続きます。

――どんどんルールが変わるのもいいですよね。

鈴木また楽しくなっちゃいますよね。最初は、ナワバリで遊んでいるだけで楽しかったんですけどね。

――最近はガチマッチが多いんですか?

鈴木そうですね。ランクの離れた友だちとは、ナワバリやリーグマッチをすることが多いです。基本的には、朝起きてイカリングを開き、スケジュールを確認したら、ガチパワーを上げたいルールの時間をスケジュール帳に記入、空いた時間で仕事をするっていうサイクルで生きてます。

――起きて最初にイカリングはヤバイですね(笑)。いまのウデマエはどのくらいですか?

鈴木全ルールXですが、最高でも2450くらいなのでまだまだです。

――いやいやいや、十分高いですよ!

鈴木『スプラトゥーン2』から始めた中ではよくがんばってる、とは言われるんですが、『2』から始めて2700まで到達している人もいるので、負けていられません。立ち回りは、動画や配信を見て研究することが多いです。

――よくチェックしているプレイヤーさんはいますか?

鈴木たくさんいますね。僕はおもにカサ(編注:シェルターのこと)を使うマルチプレイヤーなので、たーぼーさん、べんざえーすさん、Ωぷぅさん、れきさん、まぎえーすさん、ダイナモンさん、かよたそさんの配信を見ることが多いです。マルチプレイヤーとして憧れているえとなさん、裏切りマンキーコングさんの配信もよくチェックしています。後は、うまいし単純に見ていて楽しいミリンケーキさんとか。むらりんさんの配信も好きだったんですが、Sengoku Gamingに行ってからは、配信しなくなっちゃったのが残念です。大好きだったので……。

――ストリーマーもめちゃくちゃ詳しい……! ブキはシェルターをよく使うとお聞きしていますが、何を使うことが多いですか?

鈴木パラシェルター2種、スパイガジェットベッチュー、キャンピングシェルター3種を使うことが多いですね。ガチエリアだと、ステージによってはエクスプロッシャーを、あとルールとステージに合わせてバレルスピナー、ハイドラント、リールガン、バケットスロッシャー、ジェットスイーパーを使うこともあります。北米版は、ウデマエはさほど上がっていないので、チャージャーを持って遊んだりしてます。チャージャーは強いけど難しいですよね。

パラシェルター。
キャンピングシェルター。

――ほかのブキとは立ち回りがかなり違いますよね。いちばん得意なルールはどれですか?

鈴木ガチアサリはいちばん頭を使う印象ですが、自己最高で2450まで到達したので向いてるのかも、と思っています。個人の力で強引に勝ちを狙うよりも、状況判断を重視した結果勝つことのほうが多いですね。

――ああ、それはすごい。臨機応変に対応するわけですね。

鈴木よく遊ぶメンバーが、ノヴァブラスターやスプラシューター、ダイナモローラーを使うことが多くて、シェルター使いとして全体を見ていることが多いからかもしれません。

――ずっとシェルターを使い続けているんですか?

鈴木そうですね。シェルター導入時のカサを開くスピードがすごく遅い時代からメインで使ってました。当時のパラシェルターはそこまで強くなかったんですけど、めっちゃ塗れたし、スプリンクラーやアメフラシもあって、サポートが得意だったんですよね。カサに雨というストーリー性というか、コンセプトがとてもしっくり来て。それまでブキをいろいろと変えていたんですが、シェルターひと筋になりました。たぶんロマンチックだなって思ったんでしょうね。それからは強化と弱体の歴史ですよね。いまも翻弄されています(笑)。

――最近はキャンピングシェルターカーモに注目が集まってますよね。

鈴木キャンピングシェルターカーモに対してどうするかってことで、いまはみんなたいへんですよね。対抗戦(編注:固定のメンバーによるチームどうしで試合をすること)では、絶対に考えなきゃいけないことですし。僕のチームはとくに苦手なんですよ。だれもウルトラハンコを持っていないし、ポイントセンサーもないので悩んでいます。

――対抗戦もされているんですか……! 対抗戦はよく参加されているんですか?

鈴木はい。対抗戦は、“エリオマロスト”(編注:ガチエリア、ステージはおまかせ、同一ステージの選択なし)でやってます。

――ガチだ……! ファンの方に気づかれたことはありますか?

鈴木たまにバレますね。でも、バレてもいいかなと。

ライブの前には“ハイカライブ”を観て精神統一

――『スプラトゥーン2』のどこに魅力を感じていらっしゃいますか?

鈴木知人には、水鉄砲を撃ったり、かくれんぼしたり、ジャングルジムに上ったり、っていう、子どもの大好きな要素がすべて詰まっているから、とよく言ってますね。『PUBG』や『CoD』(『コールオブデューティー』)のようなFPS系のゲームは、見るのは好きなんですけど、自分で遊ぶには少しグロテスクかなと思っていたんです。『スプラトゥーン』は、表現がマイルドで、子どもや女性にも勧めやすいっていうのも大きいのかな。殺し合いではない、シンプルに人と撃ち合える楽しさがありますよね。そこに、とってつけではない音楽やファッションの要素が加わっていて、隙が一切ないです。

――世界観にも惹きつけられると。

鈴木めちゃくちゃ惹かれますね。ファッションも大好きだから、ちゃんと現実にある一線でカッコいいものをギアとして反映しているのがわかるんですよ。ロッケンベルグのギアが好きで、僕自身ふだんからああいうブーツを履いているんです。現実にあるブーツのルールがちゃんと守られているし、いろいろなジャンルをカバーしているのもすごいですよね。

ロッケンベルグの紹介ビジュアル。

――ストリート系、カジュアル系、モッズ系など、多種多様ですね。

鈴木音楽もたくさんのジャンルが用意されていますし、それらのバランスが取れている、というのも驚きです。自分だったら、何かに偏った世界観になると思うんですよ。ステキなゲームって、特定の音楽やファッションに統一されがちなんですが、それがないっていうのもインクリングの自由で奔放な生活とリンクしますし、深いというか、実際の人間の世界みたいで混沌としてますよね。すごいとしか言いようがないです。

――ミュージシャンとして、音楽でも惹かれる部分はありますか?

鈴木たくさんありますね。ドラマーの視点で言うと、どの曲もフレーズのセンスがすごくいいんです。シンプルな曲でも、ちゃんといい隙間作ってるな、って勉強になりますね。もちろん、ものすごいテクニックを使っている曲は単純にうまいなって思いますし、叩きたいって思います。任天堂さんにもお伝えください!(笑)。難しいと思いますけど……。

――今度お伝えします(笑)。

鈴木ぜひお願いします! 実現したら、もう死んでもいいくらいです。僕はミュージシャンとしてやりたいことはほぼ全部達成していて、残っているのは死ぬまでバンドをやり続けるだけなんです。でも、それは持続するしかないじゃないですか。だから、追加のやりたいこととして、“スプラトゥーン5”くらいでいいので、いつか気が向いたら声をかけてほしいですね(笑)。

――5作目は遠そうな(笑)。作品内で好きなバンドはありますか?

鈴木SashiMoriですね。とくに『エントロピカル』が好きです。あと『1』のころのHightide Eraも好きです。叩いてみたいですね。といっても、シオカラーズやテンタクルズのライブなども実際に見ていて、いま演奏されている方々が本当にすばらしいので、ただのファンでいいっていう気持ちもあるんです。

Sashimori
Hightide Era

――もし新曲があれば……という感覚ですか。

鈴木そうですね。あ、でもライブもいつでもぜんぜんお待ちしてます!(笑)。ただ、すでにすばらしい演奏なので、入る余地はないなとも思ってます。ライブも、毎回よくなっていってますし、アレンジも最高で、泣けますよね。いつ見ても泣いちゃう。僕は、ライブ前に精神統一のために、曲を聴いたり映像を観たりするんですけど、最近はハイカライブばかり観ています。誇りを持ったたたずまいで堂々としたステージングをこなす、ヒメとイイダの姿を見て、自分もステージ上でこうあらなければいけないと気が引き締められます。後は、彼女たちの目の動きがいいなって思いますね。踊りつつも、つねにお客さんのほうを見ているところとか、勉強になるし、テンションが上がります。

――アーティストとしても尊敬の念があると。

鈴木テンタクルズは、本当に尊敬しています。あのふたり組は完璧ですよね。いまの音楽業界にもあんな完璧なふたりがいるだろうかっていうくらい。匹敵するのはゆずのおふたりくらいじゃないですかね? ヒメが表に出つつも、トラックメーカーのイイダがいて、ふたりとも実力は同じくらいあるっていう温度感。完成されてますよね。

――まさか、ゆずが引き合いに出されるとは(笑)。話は変わりますが鈴木さんは、amiiboやグッズなどもたくさん持っていらっしゃいますよね?

鈴木グッズを見たらつい買っちゃいますね。最近だと、ユニクロのジャッジくんTシャツを5枚買いました。

――5枚!?

鈴木自分用に2枚、友だちに配る用に3枚。あのクオリティーで990円って最高ですよね。

――そ、そうなんですけど、5枚はすごいですね。着用されているんですか?

鈴木家でよく着ています。あと、ドキュメンタリーを撮ってるときにもあえて着て痕跡を残しています(笑)。

――『スプラトゥーン』好きのアピールですね(笑)。

鈴木そうですね。タワーレコードの“スプラトゥーン展”でもTシャツをたくさん買ってチームメンバーにも配りました。グッズは、最近だと玄関に敷くマットを買いましたね。

――グッズには目がないようですね(笑)。

鈴木前作のときに発売されていたギアパワーデザインの缶バッチも探して入手しましたね。チョコエッグもありましたよね。4連続ジャッジくんが出たときには、ちょっと買うのをやめようかと思いました(笑)。