Ruminant’s Whimperによる2Dシューティングゲーム『Hellsinker.』が、Henteko DoujinのパブリッシングによりSteamで配信中。定価は980円で、7月26日まで10%引きの882円で販売されている。
本作は、2007年夏に頒布開始された同ゲームにチュートリアルや情報表示オプションを追加し、Steam実績などにも対応させたもの。
なおゲーム本体自体はPixivのサービスBoothを通じても販売されているが、SteamではDLCとしてオリジナルサントラも販売されている(ゲーム本編のロスレス音源データへのアップデートも同梱)。
この地獄を潜る者、一切の先入観を一回捨てよ
さてゲームとしては「8面+αのハードな面に3種類+αの自機で挑む縦スクロールの弾幕シューティング」……と言うこともできると思う。が、いろいろと練った作りになっているからこそ、前もってジャンル名や用語に引きずられたイメージを持って挑むといろいろと間違ってしまいかねない。
その独特な所にこそ本作の魅力の一端があったりもする。ゲーム同梱のマニュアル“概要と手引き”で自機や“的”(本作の敵)、そしてそれぞれの弾の解説から始まってるのは伊達じゃなく、ディープな文体が醸し出す空気感とともに「本作はこういうものだ」という定義を根本から語りかけてきているのだ。
というわけで、ダンテの叙事詩『神曲』によると地獄の門には「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」と書いてあるそうなのだが、『Hellsinker.』の門をくぐるには、まずは一切の先入観を捨てて、ひとつひとつプレイ要素をちゃんと把握していくことから始めることをオススメしたい。
いやほんと、なんとなくの理解でなんとなく動いて撃っても技量によってはチュートリアルを抜けるのすら厳しかったりするし、おもしろさを掴みづらかったりするのだが、「これってもしかしてこういうこと?」と試してみると、どうにもならなかった所があっさり抜けられたりする(こともある)。
例えば敵に接近することで攻撃を封じる手段(SEAL)があるのだが、別にコレ“超絶微細な操作で敵に張り付ける上級者向けテク”というわけではなく、効果的なシチュエーションで使えば、むしろ避けるのが下手でもうまく切り抜けるすべになってくれたりするのだ。
とまぁそんな感じに、自機周囲の一定範囲に入ってきた敵弾を遅くしたり消滅させたりする“サプレッションレディアス”や、3種類から選べる防御機構“ブートレグゴースト”など、各システムを正しく理解して使用することで、独自のプレイ感(プレイ観?)が徐々に見えてくるはずだ。
自機の種別ごとに異なるショットも、メイン・サブ・ディスチャージ(強攻撃)の3種別のなかに、さらに同時押しや条件によるバージョン違いなどが存在。テストモードでひとつずつ把握していけば、その機体の正しい性能を発揮する近道となるだろう(なんかめんどくさそうに聞こえるかもしれないが、アクションゲームや格闘ゲームではよくあることだ)。