『ウィッチャー』シリーズを手掛けた開発会社CD PROJEKT REDによる完全新作のオープンワールドRPG『サイバーパンク2077』。ついに発売日が2020年4月16日に決定し、さらにはキアヌ・リーブスが出演と、E3 2019の話題を一気にかっさらった。

『サイバーパンク2077』のもとになったTRPGの原作者マイク・ポンスミス氏に直撃! 『AKIRA』や『攻殻機動隊』にもインスパイアされた2077年のナイトシティ【E3 2019】_01
『サイバーパンク2077』のもとになったTRPGの原作者マイク・ポンスミス氏に直撃! 『AKIRA』や『攻殻機動隊』にもインスパイアされた2077年のナイトシティ【E3 2019】_02

 キアヌ・リーブス演じる“ジョニー・シルヴァーハンド”は、本作の原作であるテーブルトークRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』に登場する伝説的なロッカーボーイ。彼が2077年に現れたのは、なぜなのか……?

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 本作の舞台の50年前を描いている『サイバーパンク2.0.2.0.』の原作者であるマイク・ポンスミス氏にインタビューを実施。原作と日本のアニメに影響を受けたという『サイバーパンク2077』との関係を聞いた。

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マイク・ポンスミス

『サイバーパンク2.0.2.0.』原作者

――本作は、ご自身が原作を手掛けられたTRPG『サイバーパンク2.0.2.0.』をもとに制作されました。本作の印象はいかがですか?

マイク改めて最新のデモを見ましたが、私のイメージした『サイバーパンク2.0.2.0.』の世界が本当にそのままゲームの世界に落とし込まれています。私は以前、ビデオゲームの制作に携わっていたことがあるので、開発において可能なことと不可能なことをある程度想像していました。ですが、その想像をはるかに超える作品を作り上げていただいていると確信しています。

――CD PROJEKT REDのクリエイティブには満足なさっているということですね。

マイクもちろん、大満足です。CD PROJEKT REDは本作の開発に真摯に向き合ってくれていて、頻繁にコンタクトを取ってくれます。たとえば、作品に登場するものがどういう形をしているのか、何色なのかと、逐一私の意見を聞いてくれるのです。おかげで、まさに私の脳内にあるイメージがそのまま映像化されていると言っても過言ではありません。

――原作へのリスペクトが感じられます。とはいえ、膨大な要素をすべて確認するのはたいへんだったのではないですか?

マイクたしかに、キャラクターだけでもかなりの数がいますから、すべてを確認するのはたいへんです。そこで助けになってくれるのが、弊社のとあるスタッフです。そのスタッフは、なんと『サイバーパンク2.0.2.0.』に存在するキャラクターやアイテムなどすべての要素を暗記しているのです。とある出来事が、原作だと何ぺージの何行目のどこにあるかまで分かってしまうので、いつも頼りにしています(笑)。

 また、弊社のスタッフとCD PROJEKT REDのチームが協力して、キャラクターやアイテムなどすべての情報を網羅した“『サイバーパンク』百科事典”とも言うべきデータベースを作っています。作品の世界観に反しないように、厳正なチェック体制を共同で整えているのです。

――CD PROJEKT REDとのあいだで、かなり緻密なやり取りが行われているのですね。

マイクはい、もちろんです。私たちにとって幸運だったのは、CD PROJEKT REDに『サイバーパンク』のファンがたくさんいらっしゃることです。彼らが私に積極的にフィードバックを求めてくれるのは、これも大きな理由なのでしょう(笑)。

 またデモの最後の方には、ハッキングのシーンを始め、サイバー空間に関する演出があったと思います。じつはあのシーンをどう演出するかについては、10か月以上も前にCD PROJEKT REDのチームと協議を重ねたのです。これも私の思った通りに再現してくれていますし、CD PROJEKT REDとの関係性はとてもうまくいっていると言えます。

 じつは現在、『サイバーパンク2.0.2.0.』の正統な続編として、『Cyberpunk Red』というTRPGを私のチームで制作中なのですが、これと『サイバーパンク2077』はうまくリンクするようになっています。お互いの作品で起こる出来事がひとつに繋がるように、CD PROJEKT REDと強固な協力体制を引いて開発を進めています。

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――素晴らしい関係性が築き上げられているようですが、その関係性がとくに活かされたと思う要素はありますか?

マイク具体的な要素ではないのですが、私はこの関係性そのものが気に入っているのです。たとえば、CD PROJEKT REDの開発者に子どもが生まれたとき、そのニュースが私たちのところへ自然に届き、プレゼントを贈ったこともありました。パートナーシップというよりは、フレンドシップと言うべきなほどに密接な距離感を築けています。そんな彼らといっしょに仕事ができていること自体を評価したいと考えています。

――本作の開発において、日本のアニメや漫画から影響を受けているところがもしあれば教えてください。

マイク『サイバーパンク2.0.2.0.』を作った1980年代後半は、まだ日本でサイバーパンク作品がそれほど流行していなかったのでインスパイアを受けたものはありませんでしたが、今回『サイバーパンク2077』を開発するにあたって影響を受けたものはたくさんあります。

 作品内でも触れていますが、『AKIRA』はそのひとつで、大きな影響を受けています。また、『カウボーイビバップ』や『バブルガムクライシス』が大好きで、とくに『バブルガムクライシス』は正式ライセンスを受けてTRPGを制作したことがあります。

 ほかには、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』も参考にしました。政府に対して回してどう立ち向かうのかという点において、サイバーパンクにおける企業との関係性と近いところがあると思います。

――デモに登場したバイクから『AKIRA』を想起したのですが、やはりそうでしたか(笑)。

マイク影響は受けていると思います。形は似ていませんが、色を塗った瞬間に“らしく”なりました(笑)。

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作中には日本のメーカーが多数登場する。その中のひとつ“YAIBA”社が送り出すモンスターマシン“KUSANAGI”。

――ご自身のIPがAAAのゲームとして世界中で広く遊ばれることになります。あらためていまの心境をお聞かせください。

マイクもともとビデオゲームの開発に携わっていた経験があるからこそ、私ではここまでのものが作れなかっただろうと理解しています。CD PROJEKT REDの素晴らしい仕事に感謝したいです。

 映画やテレビドラマではなく、プレイヤーが自分でストーリーを選択して遊べる“ゲーム”というメディアで世に出せることがうれしく、とてもありがたいことだと思っています。

――日本のゲームファン、アニメ・漫画ファンからも注目が集まっています。最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

マイク私はサイバーパンクの世界観が大好きです。本作は日本の作品からも影響を受けていますし、普段からとても楽しませてもらっています。それと同じくらい、日本の皆さんにも本作を楽しんでいただけると嬉しいです。

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