ゲーミングPC“ROG”の新製品には車の要素が!?
2019年6月14日、ASUS JAPANのゲーミングPCブランド“ROG”の新製品発表会が発表された。
発表会は“BE UNSTOPPABLE~ROGブランドの新次元へ”と銘打たれており、日本語訳すると「もう止まらない」。
壇上にはASUS JAPANシステムビジネス事業部マーケティング部部長のシンシア・テン氏が登壇し、ROGブランドの歴史を振り返りつつ、止まることなく進化とユーザーへのコミットを続けてきたROGならではの新製品を発表した。
今回の発表会でも、ROGは(おそらく)誰も予想していなかったコンセプトを打ち出してきた。BMWのグループ会社であるDesignworksとのパートナーシップを提携。自動車のプロダクトデザインを取り入れた世界に1台のコンセプトモデル“ROG Face Off”を制作し、そのデザインと機能性を一般販売の新PCに落とし込んだのだ。
ROG Strix G G531シリーズ
コンセプトモデルの遺伝子を継承し、形にした新ゲーミングノートPCこそが、“ROG Strix G531”シリーズだ。
G531にはユーザーのニーズに合わせて選べる7機種の多彩なラインナップ(ASUS Store限定モデル2点も加えると9機種)が用意。
全機種で注目すべきはそのデザインと機能だ。デザイン面でROG Face Offの遺伝子を受け継いでいるのはもちろん、機能面についてもASUSの持つ高い技術が凝縮されている。
同シリーズのASUS Store限定モデルとなる“ROG Strix SCAR III G531GV”と“ROG Strix Hero III G531GV”には、まるで車のキーのように本体へと差し込む“Keystone”を用いたシステムが盛り込まれている。
Kerstoneは一見するとUSBメモリなどのようだが、その機能は鍵そのもの。差し込むことでそのキーに設定したプロファイルが起動する。さらには、このキーを刺したときのみ閲覧できるシークレットストレージを起動する鍵にもなっている。
車を運転するとき、キーを挿すと自身はドライバーに、車は静物から移動手段(もしくはドライバーと一心同体)に切り替わる。同じように、この2モデルではKeystoneを使ってゲームを遊ぶときの気分を高揚させる。おもしろい演出だ。
現在はマシン1台につき、ひとつのキーのみが用意されている。しかし今後の反響次第では、いくつものキーで複数のプロファイルを使い分けられる、などといった展開にも期待できそうだ。
G531は多彩なラインナップが用意されたスタンダードモデルでありながら、ROG Face Offが持った車のパワーやイメージを引き継いでいる。
ROGが掲げる“ゲームでの勝利を目指す”というテーマを超越し、仕事や普段使いなど、ゲーム以外の用途でも幅広くユーザーに受け入れられるモデルとなっている。
【スペック】
ROG Strix SCAR III G531GV
ROG Strix Hero III G531GV
発売予定日:
[ROG Strix SCAR III G531GV]2019年7月中旬
[ROG Strix Hero III G531GV]2019年8月中旬(ASUS Store限定販売)
価格:24万9800円[税別]
液晶:15.6型フルHD 144Hz
CPU:i7-9750H
メモリ:16GB
GPU:RTX 2060
ストレージ:SSD 512GB + HDD 1TB
ROG Strix G G531GW
発売予定日:2019年6月21日(金)
価格:29万9800円[税別]
液晶:15.6型フルHD 120Hz
CPU:i7-9750H
メモリ:16GB
GPU:RTX 2070
ストレージ:SSD 512GB + HDD 1TB
ROG Strix G G531GV
発売予定日:2019年6月21日(金)
価格:24万3800円[税別]
液晶:15.6型フルHD 120Hz
CPU:i7-9750H
メモリ:16GB
GPU:RTX 2060
ストレージ:SSD 1TB
ROG Strix G G531GU
発売予定日:2019年6月21日(金)
価格:21万9800円[税別](ASUS Store限定モデルは17万9800円[税別])
液晶:15.6型フルHD 120Hz
CPU:i7-9750H
メモリ:16GB
GPU:GTX 1660 Ti
ストレージ:SSD 1TB(ASUS Store限定モデルはSSD 512GB)
ROG Strix G G531GT
発売予定日:2019年7月中旬(office付属版は2019年6月21日)
価格:18万2800円[税別](office付属版は17万3800円[税別])
液晶:15.6型フルHD 120Hz(office付属版は60Hz)
CPU:i7-9750H(office付属版はi5-9300H)
メモリ:16GB(office付属版は8GB)
GPU:GTX 1650
ストレージ:SSD 512GB
ROG Strix G G531GD
発売予定日:2019年6月21日(金)
価格:13万9800円[税別]
液晶:15.6型フルHD 60Hz
CPU:i5-9300H
メモリ:8GB
GPU:GTX 1660 Ti
ストレージ:HDD 1TB
ROG Mothership GZ700GX
今回発表された新製品はG531だけではない。まるでデスクトップのように使用できるという超高性能ゲーミングノートPCの新製品が、このMothershipだ。
圧倒的な性能と4K対応の精細なディスプレイを備え、さらにマグネット着脱式の2.4GHz無線式キーボードを搭載。4つのフロントスピーカーによる迫力の音響と、ノートPCの枠を超えたハイレゾ音質も搭載している。
【スペック】
発売予定日:2019年秋予定
価格:92万5800円[税別]
液晶:17.3型UHD 60Hz
CPU:i9-9980HK
メモリ:64GB
GPU:RTX 2080
ストレージ:SSD 512GB×3(RAID 0)
ROG ZEPHYRUS S GX701GXR & ROG ZEPHYRUS S GX531GWR
17.3型液晶とGeForce RTX 2080を搭載したゲーミングノートPCとしては、世界最薄を実現したのがGX701GXR。同じように、GX531GWRは15.6型液晶とGeForce RTX 2070搭載モデルとして世界最薄だ。
スリムかつスタイリッシュながら、ROGのゲーミングPCの名に恥じない高性能を誇る。さらにG531と同じ最新冷却システム一式を搭載しているほか、薄型ながら軍用規格に準拠したテストに合格するほどの堅牢さも実現した。
【スペック】
ROG ZEPHYRUS S GX701GXR
発売予定日:2019年6月21日(金)
価格:44万9800円[税別]
液晶:17.3型フルHD 144Hz
CPU:i7-9750H
メモリ:32GB
GPU:RTX 2080 Max-Q
ストレージ:SSD 1TB
ROG ZEPHYRUS S GX531GWR
発売予定日:2019年6月21日(金)
価格:34万9800円[税別]
液晶:15.6型フルHD 144Hz
CPU:i7-9750H
メモリ:24GB
GPU:RTX 2070 Max-Q
ストレージ:SSD 1TB
プロチーム“DeToNator”も参加したトークショー
新製品の紹介に続き、ゲストを招いたトークショーが開催された。ROGがスポンサードするプロゲーミングチーム“DeToNator”から、代表の江尻勝氏とストリーマー(配信者)のYamatoN氏が登壇。
トークショーにはシンシア・テン氏も交えつつ、昨今のeスポーツシーンやゲーミングPCに関する話題で盛り上がった。江尻氏いわく「最近はデスクワークでもPCに負荷がかかるソフトを多く使う。だからハイスペックなゲーミングノートPCが便利という声も周囲で増えてきている」らしい。
ゲーミングPCと聞くと“ゲームしかできないのではないか”、“高そう”イメージする人も少なくない。ゲーミングPC=何でもできる高性能なPCという事実を、今後もさまざまな活動で広めていきたいとのことだった。
配信を通して長くゲームをプレイをするYamatoN氏からは、「PCに熱が溜まると肝心な場面で性能が下がる。ハイスペックで冷却性能がしっかりしていると、画面がカクつきを避けられてストレスもない」というお話が。
シンシア・テン氏によると、ASUSは昔から「尖っている」、「変わったものを出す」というイメージを持たれていたそうだ。誰もがゲームを楽しむ時代だからこそ、PCもまたカジュアルなものであると伝えたいという。
BMWとのデザインコラボもその施策の一環。これまでにないフィルターを通して、広い層にゲーミングPCの存在とよさを伝えていきたいと語った。
冒頭で、シンシア・テン氏は「もう止まらない」という発表会のコンセプトに言及しつつ「新次元へと向かう今回の発表製品もまた、始まりに過ぎません」と語っていた。
自動車デザインとの融合にチャレンジし、それを製品に活かす試みもまた、ROGにとってはひとつのスタートラインなのだろう。今後、我々の想像を超えるどんなゲーミングPCが生まれてくるのか。目が離せない!