2019年6月11日~13日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている世界最大のゲーム見本市“E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2019”。ユービーアイソフトのブースで『ウォッチドッグス レギオン』をさっそくプレイしてみた。

 本作の舞台はロンドン。ここは悪いこともよいことも含め将来社会がどうなっていくかを予測できる都市だ。いろいろなシナリオが考えられるが、悪い方へ進んだらどうなるかを想像した。ゲームの中のロンドンは深刻な社会危機に陥っており、先が見えなくなっていて人々は身動きが取れない。技術が進んでARやアルゴリズムが人間の仕事を奪い、それはブルーカラーだけでなくゲームデザイナー、パラリーガル、医療専門家などにも及んでいる。ポンドは不景気に喘ぎ、便利な暗号通貨が幅を利かせている。不安感、恐怖感が漂い、社会が信用できなくなり分断、またそれを利用する者もいる。権威主義体制が勢力を持ち、さらに社会の分断が進んでいるのだ。

 プレイヤーはこのような状況の中、レジスタンス“DedSec”そのものとなって登場する。人々を救えるのはひとりのヒーローでもグループでもなく、“ウォッチドッグス”の姿、なぜDedSecが戦っているのか、彼らがどのように協力し合うのかをプレイヤーが決断する内容だ。分断する社会に直面し、このゲームは統一と協力をテーマとしている。

 プレイが始まると、プレイヤーキャラクターが画面に映し出される。本作は特定の人物が主人公というわけではなく、さまざまな人物を仲間に勧誘し、任意で操作するキャラクターを切り換えていくのだ。とは言え、適当な人物に話しかけたらすぐに仲間になるというわけではない。LBボタンを押すことでオープンワールドに生きる人々のプロファイル、バックストーリー、ソーシャル・ネットワーク、スケジュールなどが見られるので、人々の生活やどうしたら助けられるか、助けてもらえるかを考えながら進行することになるのだ。

 まずはプレイヤーキャラクターである老人を操作し、ミッションに挑むことにした。本作では、多彩な武器を使っての戦いが得意な“エンフォーサー”、5秒間姿を隠せる“インフィルトレーター”、ハッキングが得意な“ハッカー”という3つのクラスを確認。この老人のクラスはハッカーで、そのハッキング能力を使って建物内の端末へのアクセスに挑む。このハッキングのしかたが秀逸で、建物入口付近の監視カメラをハッキング後、そのカメラからさらに別の監視カメラをハッキング……といった具合に、本体である老人は建物に入らないまま、建物の全体構造を把握していく。そしてハッカーのもうひとつの特徴は“スパイダーボット”という蜘蛛型ロボットを使えること。このロボットは遠隔操作で自在に動かせ、人間では通れないような狭い場所も進行できる。さらに、スパイダーボットは敵の顔に取り付いて暗殺することも可能なのだ。どのような手順でミッションを遂行するかは自由だが、それを考えるのが実におもしろい。

 ハッカーに続いてインフィルトレーターとエンフォーサーも体験したが、いずれもそれぞれの特長を活かして任務を遂行するのが楽しく感じられた。ちなみにプレイの中で、何人かのプレイヤーキャラクターが志半ばで死んでしまった。その場合はすぐに別のキャラクターに切り換えて任務を続行できるが、倒れたキャラクターは復帰しないので、いかに生還するかを考えることも重要となりそうだ。ちなみに、キャラクターが倒された際、命を奪った主を別のキャラクターで追跡し、かたきを討つこともできるのだとか。

 ロンドンが舞台とは書いたが、近未来的な要素もある。そのひとつがドローンシステムだ。AIが制御するエコシステムによって、都市ではさまざまなタイプのドローンが見られる。ユーティリティ・ドローンが荷物を配達し、ニュースを届ける。コンバットドローンには3つのタイプがあり、追跡ドローン(乗り物を止められる)、ライオット・ドローン(群衆コントロール)、カウンターテロ・ドローン(ミサイル、マシンガン搭載)といったものもある。
 また、戦いは銃器によるものがすべてではない。ときには武器を使わず、拳で戦うことで、相手をリクルートできるかもしれない。

 約1時間の試遊で感じたことは、ハッキング等の楽しさもさることながら、圧倒的な自由度の高さ。どのようにゲームを進めるのかは完全にプレイヤーに委ねられており、プレイヤーひとりひとりがまったく別の体験をするだろう。ストーリーについては、まだ片鱗しか体験していないが、テーマの異なるストーリーラインが全部で5つあり、これについてはE3 2019の後に詳細が発表されるそうなので、期待して待つことにしよう。