エレクトロニック・アーツのバトルロイヤル型FPS『Apex Legends』の開発陣へのインタビューをお届け。

 エレクトロニック・アーツのバトルロイヤル形式FPS『Apex Legends』。同パブリッシャーの独自イベント“EA PLAY”会場で、エグゼクティブ・プロデューサーのドリュー・マッコイ氏とリード・プロダクトマネージャーのリー・ホーン氏に話を聞いた。

 同イベントでは、初日のステージイベントで新レジェンド“ワットソン”が発表。2019年7月2日より開始予定のシーズン2コンテンツ“バトルチャージ”では、彼女をはじめとするさまざまなコンテンツが実装予定となる。

ドリュー・マッコイ

『Apex Legends』のエグゼクティブ・プロデューサー。

リー・ホーン

『Apex Legends』のリード・プロダクトマネージャー。

――新キャラのワットソンですが、まずは彼女のコンセプトを教えてください。

リー 現時点のラインナップでディフェンシブなキャラクターはコースティックだけなので、そこを広げていこうというキャラクターになっているんだ。

 僕らとしては思考を重視するプレイヤー向けのキャラクターとして設計していて、数分先の展開を予測して「こっちから敵チームが来そうだな」と守りを固めておくようなスタイルを想定している。

 戦術アビリティ“周辺セキュリティ”は電撃フェンスを設置するというもので、敵プレイヤーがそこを通過するとショック状態になる。フェンスは12本まで立てることができ、結構広い範囲で守りを固められるだろう。

――有効時間などはあるんですか?

リー いや、13本を立てると1本目が消えるというだけだ。(「コースティックのNoxガストラップとおなじ仕組み?」)その通り。

リー パッシブアビリティ“天才のひらめき”は、アルティメット促進剤を使用すると一発で100%になってアルティメットアビリティが再使用可能になる。(編注:さらにアルティメットで出すパイロンのそばにいると戦術アビリティのチャージも早くなる)

 アルティメットアビリティ“インターセプターパイロン”は、ふたつのことをやる能力だ。まずは飛んでくる“軍需品”を落とす。グレネードや、ジブラルタルとバンガロールのアルティメットの爆撃などがこれにあたる。

 もうひとつの能力、これが結構強力なんだけども、範囲内でシールドを回復してくれる。だから周囲をフェンスで囲んで、中央のパイロンでシールドを回復する一種の防衛部屋のようなものを作れるわけだ。

――パイロンの有効範囲は?

ドリュー そんなに大きくはないね。タイトにやらなきゃいけない。

――銃弾は落とさないんですね?

リー 銃弾には影響しない。3種類のグレネードと2種類のアルティメットに対して反応する。

――フェンスの柱を攻撃するとどうなりますか? 例えばグレネードを投げつけたりなんかして。

リー ノード(柱)を壊すとそこに繋がっていた部分のフェンスが解除される。それと仲間のプレイヤーが通る時も一時解除されるから、仲間は心配しなくていい。

 実際ワットソンにとってはどこにノードを置くかがゲームプレイのカギになっていて、岩の陰に設置しておいて攻撃しづらい角度にするといったテクがある。

――ミラージュのデコイが通った場合はどうなるんでしょうか? 何事もなく走り抜けちゃったらフェイクなのがバレちゃうわけで。

リー 普通にダメージを受けてから消えるはずだ。

――レイスが“虚空へ”の使用中に通る場合は?

リー それは何事もなく通れるはずだね。

――どんなコンボが考えられますか? 例えばコースティックと組んで、部屋の外からワットソンがフェンスで閉じてコースティックがガスを撒いてきたら厄介そうですが。

リー 実際そのふたりはディフェンスが強くて面白い組み合わせになると思う。ただ建物が必要になってくるし、逆に開けた場所では厳しくなる。

 これはその組み方をした場合のトレードオフとも言えるね。フェンスを抜けてきたらどう対処するか、安全地帯がディフェンスに向いていない所に寄っていったらどうするか、いろいろと考えなければいけない。

シーズン2ではレジェンドと武器に調整が

――ワットソンの発表映像でアルティメットを防がれていたジブラルタルですが、彼に救いはないんですか? 当たり判定は大きいし……。

ドリュー 彼はデカい男だからねぇ。

リー でもシーズン2ではジブラルタルに調整が入るよ。

ドリュー 実際、さまざまな変更を予定している。武器とレジェンド双方にね。

 いま話せるのはおおまかな概要になってしまうけど、武器は弱いとされているものをもうちょっと役立つものにしようと考えていて、ホップアップに対応させようかとかあれこれやっている。

 キャラクターについては試合のデータを分析しつつ、すべてのキャラクターが有効な選択になるよう目指している。

 その点で行くとコースティックとジブラルタルは勝率がよろしくないので、彼らを上げてやりたい。一方でレイスとパスファインダーは非常に成功している部類に入るけど、彼らのアビリティを台無しにすることなくいい具合に収めるにはどうするか? そんなようなことを検討している。

――ブラッドハウンドはどうでしょう。自分が使っているだけですが。

リー ブラッドハウンド使いには嬉しいことがあると思うよ(ニヤリ)。

――発表映像で見えた巨大生物はなんなんでしょう?

リー なんでしょうねぇ。

ドリュー それがわかる時をお楽しみに、と言いたいところだけども、ここから何週間か出てくる情報をよーくチェックしてもらえば手がかりがつかめるはずだ。

――これは何百回も聞かれていると思いますが……新マップはどうでしょう? 新ギミックは? シーズン固有のユニークなモードとかは?

ドリュー シーズン2が始まるのを待ってもらえれば。

――ではシーズン2はワトソンとか新武器のL-スターだけではないということでいいですか?

ドリュー ランクマッチも始まるし、さっき言った武器とレジェンドの調整も待っている。バトルパスも変わるし、マップイベントもある。スタッツページもあるし、快適性をあげる細かな変更もいろいろ用意している。

――ランクマッチはアカウント売買を誘引することがあります。そしてアカウント売買はチートを誘引することがあります。どのように対処しますか?

ドリュー チートに関しては厳しいアプローチで臨んでいく。EAのグループ内の他のチームにも関わってもらっていて、どう対処するかの情報交換も行っている。例えばFIFAでもチーターは避けては通れない問題だからね。

 Originの運営チームともプラットフォームレベルとアカウントレベルの双方で協力して対処に当たっている。機械学習を利用したプレイヤースタッツの分析と普段のチート対策を組み合わせることで、プレイヤーたちが正しくプレイしているのかを検出できるよう模索したりもしているんだ。

 ここからさらに質を高めてチート対策チームを率いていける人がいないか求人もやっているし、非常に真剣な課題として捉えているよ。そしてこれは終わりなき戦いでもある。戦い続けるしかないというのは理解しているし、そうするつもりもある。

――プライベートサーバーはどうでしょう。

ドリュー コミュニティからの要望が多いのは認識している。我々にとってはちょっと大きなタスクなので、今言えるのは要望はちゃんと聞いていますという所かな。

――「ソロとかデュオモードは?」って、これは同僚からの質問なんですが、まぁレジェンドの中には明らかに単独プレイに向いていないのがいますから、難しいというのはわかります。

リー いや本当に。

ドリュー 3人チームのゲームとして設計してきたものだから、今のところはそれを踏襲していくことになる。未来のことはまだわからないけども。

――ローンチについて聞いてみたかったんですけども、予想以上にヒットしたことで予定よりもペースが狂ったといったこともあるのでは?

ドリュー 正直に言えばイエスだ。ここまでの反応が得られるとは予測していなかった。本当に想定よりもはるかに良くて、本当にたくさんの人がやってきてゲームを試してくれた。EAは株式公開をしているので具体的なことは不用意に出せないけども、今でも非常にポピュラーなゲームだ。それに関してはとてもハッピーだね。

 けれども巨大なサービス型のゲームとして生き残るために何をやらなければいけないか、非常に高速に学習しなければならなかった。これは本当に目を見開かされた。これまでは数年かけてゲームを作ってリリースしたらひと区切りという感じだったけども、常にアクティブに計画を進めるチームに移行しなければならなかった。日々が学習の毎日だけども、その点において着実に良くなってきているのは感じている。

――チームにとっての優先度は?

ドリュー 現時点での最重要なものはプレイヤーとの繋がりだ。プレイヤーは何を求めているのか? どうすればプレイし続けてもらえるか? 何が影響が大きいか?

 どうすれば一番稼げるかとか、いかに新ユーザーを獲得するかが一番ではない。だってもう我々には何百万人ものアクティブなプレイヤーがいるからね。毎日・毎週プレイしてくれる皆さんのためにどうすればいいかが大事だ。

――シーズン2で一番興奮していることはなんですか?

ドリュー ランクマッチだね。僕はワットソンをうまくプレイできるほど賢くはないから、そんなプレイしないかな?(※冗談) いや、自分は20年前に『Quake』や『Unreal』をバチバチにプレイしていたから楽しみなんだ。

リー 自分もランクマッチなんだ。『カウンターストライク』プレイヤーだったから、今の自分が『Apex Legends』で実際どれだけうまくやれてるのか知りたいんだよ。

 ランクマッチはスキルベースのマッチメイキングになるから、トッププレイヤーだけでなく、より幅広い人が適切なバランスの試合を楽しめるのではないかと思う。

ドリュー 今のマッチメイキングにもスキルベースのチェックは入っているけども、それは主に新規プレイヤーを分けるために使っているものだ。

 ローンチのタイミングでちょっと触ってそれっきりの人、単にあまりうまくはない人、いろいろいると思うけど、スキルベースのマッチメイキングとランクマッチの組み合わせはいろんな人に役立てると思っているよ。

左が公式記事などにも登場するホーン氏。右が本作の発表時のインタビューにも登場してもらったマッコイ氏。