海外のインディー作家によるドット絵のオープンワールドアクション『Shakedown Hawaii』を紹介。

 Vblank Enteratainmentが、新作オープンワールドアクション『Shakedown Hawaii』のPC版をEpic Games Storeで配信中。海外ではプレイステーション4/PS Vita/Nintendo Switch版も同時に配信され、ニンテンドー3DS版も予定されている。

見下ろし型のドット絵オープンワールドクライムアクション

 本作の対応言語は英語のみなのだが、縁があってPC版とNintendo Switch版のレビューキーを貰ってたっぷり遊んだので、その内容を詳しく紹介していこう。

 『Shakedown Hawaii』は、同スタジオのオープンワールドアクション『Retro City Rampage』の続編にあたる作品。ドット絵の見下ろし型の画面で、『グランド・セフト・オート』シリーズのようなクライムアクションを手軽に楽しめるというのが特徴だ。

 なお前作ではファミコンなど8ビット世代のゲームにオマージュした画面とサウンドだったが、今作ではその続編ということで、スーパーファミコンなど16ビット世代をイメージした表現にアップグレードされている。

 一方、世界観などは一応共有しているものの、本作をプレイするにあたって『Retro City Rampage』の知識が必要な部分はなく、新規に始めてまったく問題なく遊べる。

テーマはインチキビジネス。あらゆる手で金を巻き上げろ!

 さて、今作のテーマは“インチキビジネス”。ハワイの悪徳企業のCEOとしてあらゆる手を使って金をかすめ取りまくり、島全体を支配するのだ!

 ストーリーモードはマルチ主人公制度を導入しており、メイン主人公である“CEO”(前作の“Player”がオッサンになった姿)と、汚れ仕事を押し付けられる仕事人の男、そしてDJ志望のCEOのドラ息子の3人が登場(恐らく『グランド・セフト・オートV』のオマージュ)。

 話としては、完全に時代に取り残された“CEO”が「なんでチケット買うのにいちいちよくわかんねぇ手数料取りやがるんだ! 俺もやる!」とか、「ネットのインチキターゲット広告でカモを誘導できるって最高じゃねぇか!」と、今時の(ダークな)ビジネススキームを取り込もうとして、倫理観ゼロの3人が盛大に犯罪をおかしながら実行に移していく……というのが基本的な流れ。

ミッションを通じて習得したインチキスキームは、後述する不動産運営パートで収益をブーストするのに使える。なおこの記事はSponsored Content(記事風広告)ではありません。

 もちろん、ゲーム業界もパロディで皮肉られまくり。「うちの売れてねぇコーラ、あれゲーミングコーラってことにするぞ! 味なんか適当で構わん!」と宣言して見事にトホホな失敗をしたり、“ドラ息子が新作ゲームを遊ぼうとしてもパッチダウンロードが延々終わらない上、ガチャをしないとロクに遊べない”といった描写のたびにニヤニヤしてしまう。

ゲーミングコーラ! ありそう!

悪徳不動産投資でメイクマネーだぜ

 そんな感じのストーリーミッションが次々と進むので最初は見落としてしまいがちなのだが、実はそれと同じぐらい重要なのが任意のタイミングでプレイする経営パート。

 本作では不動産所有が可能になっており、CEOの野望実現のためにはそこからのアガリが欠かせない。まずは中立の店に殴り込んで「守ってくれるヤツが必要なんじゃないかい?」と用心棒代を要求し、やがて物件そのものを購入して傘下におさめてからが本番だ(うーん、完全に反社会的)。

衣料品店に殴り込んで用心棒代を要求したら「ウチはもう頼んでるんだよなぁ」と迎撃されるの図。

 物件を傘下に収めたら、ミッション中に覚えた悪のビジネススキームを仕込むお時間。お得なようで規約をよく読むと全然お得じゃないクレジットカードの押し付け、よくわからない手数料の加算、中身のないオーガニック志向(少々高くても客が納得する)などのテクをフルに適用して収入の倍率を上げていけば、毎日巨万の富が転がり込むようになる。

 食料品店やレストランならともかく、どうやったら住宅や駐車場にまでオーガニック志向の概念を導入して料金値上げを納得させられるのかわからないが、まぁカネが入ればいいのである。インチキ万歳!

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いくつか弱い部分も

 そのほか『Retro City Rampage』同様、スカッと暴れまくれるミニゲーム集や、自由に散策できるフリーロームモードなども存在。若干ストーリーの尺が短いものの、あまり気負わずにジョークを楽しみつつサクッと遊べるゲームになっていると思う。

 ただし、現状ではちょっとした英語力が必要なのに加え、主にアメリカの現代ビジネスを皮肉った作品なので、日本と事情が異なる部分がピンと来なかったりすることもあるかもしれない。

 個人的に少し残念なのは、『Retro City Rampage』では1980~90年代のカルチャーネタが非常に豊富で、有名ゲームをネタにしたパロディミニゲームなども多かったのだが、今回はいまいちその辺が弱いこと。

『Retro City Rampage』の、どう見ても『魂○羅』オマージュなステージ。今回はこういうのはあまりないので、ゲームパロディが好きな人は前作のほうがオススメ。

 このあたりは前作が“もしファミコンでGTAが出ていたら……”というパロディ的コンセプトから始まっているのに対しての方向性の違いだろうとは思うのだが、もうちょっと16ビットなパロディミニゲームとかあってもよかったんじゃないかなぁという感じだ。