2Kより発売中のGearbox開発によるプレイステーション4、Xbox One、PC用ソフト『ボーダーランズ ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション』のプレイレビューをお届けしよう。

 “パンク”と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか?ロックシンガーを想起する人もいるだろうし、破れた革ジャンにモヒカンという独特なファッションスタイルが浮かんだ人もいることだろうが、ゲームで“パンク”と言えば『ボーダーランズ』より他はない。

 本稿では、2019年4月4日に発売された『ボーダーランズ ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション』のプレイレビューをお届けする。今年9月にはシリーズ最新作も発売される本シリーズの魅力をおさらいしよう。

RPGとFPSのいいとこ取りなゲームシステム

 2009年に1作目『ボーダーランズ』の発売された『ボーダーランズ』シリーズは、FPSにRPGの要素を融合させた“FPSRPG”というジャンルの代表的な作品だ。

 本作ではつねに一人称視点でゲームが進行し、戦闘もすべて一人称視点でのシューティングで行われる。通常のFPSと違うのは、そこにRPGで用いられるレベルであったり、クエストといった要素がプラスされてくる点だ。

 発売時期の近い作品では『Fallout3』(2008年)が、同じくFPSとRPGを組み合わせたシステムで世界観も共通点が多い。だが両者のプレイフィールは大きく異なっており、端的に述べれば『ボーダーランズ』のほうが『Fallout3』よりもFPS色の濃いゲームに仕上がっている(逆に言えば『Fallout3』のほうがRPG色が濃いわけだが、これは『Fallout3』において戦闘の核となるV.A.T.S.システムがRPGのコマンド戦闘に近い体験をもたらすためだ)。

 ダレてしまいがちなRPGの戦闘部分が一人称シューティングに置き換わったFPSRPGは、まさにお互いの弱点を補い合うようなジャンルだ。そして、FPSRPGの中でも『ボーダーランズ』はとりわけFPSとRPGを見事に融合させている。『ボーダーランズ』にはレベル上げの醍醐味こそあれど、レベル上げのつまらなさはない。 

敵がドロップする武器の性能や見た目は多種多様。お気に入りの武器を求めていつまでも戦っていたくなる。

 今回のリマスターエディションでは10年前に発売されたオリジナルからグラフィックが大幅にグレードアップしているほか、全4編のダウンロードコンテンツもあらかじめ収録されている。

敵がドロップする武器の性能や見た目は多種多様。お気に入りの武器を求めていつまでも戦っていたくなる。

個性豊かな4種のクラス

 本作ではゲームを始めるにあたり、プレイヤーが操作するキャラを4種のクラスからひとつ選びキャラクターを作成する。この4クラスはそれぞれ独自の強みを持っており、一定時間毎に使える専用の能力が用意されている。各クラスの特徴を簡単に紹介すると以下の通り。

ソルジャー…銃火器を使いこなすスタンダードなキャラ。自動で敵を攻撃するタレットを設置できる。
バーサーカー…その名の通りの近接攻撃キャラ。バーサーク状態になって拳で敵をなぎ倒す快感は何にも代えがたい。
ハンター…スナイパーライフルの扱いはお手の物。お供の鷹に戦闘を支援させられる。
セイレーン…紅一点。フェイズウォークという透明化能力を持ち、隠密から緊急回避まで様々な用途に使用可能。

ソルジャーの固有スキルであるタレットは、攻めと守りの両方を兼ね備えている。

 それぞれのクラスは固有のスキルに加えパッシブスキルも持っており、レベルアップ時に得られるスキルポイントを消費して新たにスキルを習得できる。ステータスの振りかた次第ではシングルプレイ向きのキャラにしたり、マルチ向きのキャラクターにしたり。あるいは同じソルジャーでもタレット重視か自身の戦闘力重視か、など同じキャラクターでも戦いかたを大きく変えられるため、自身の得意なスタイルに合わせてスキルポイントを振っていこう。

セカンドウィンドが生む爽快感

 『ボーダーランズ』の基本システムは、現在のFPSRPGに受け継がれている点も多く『Destiny』、『ディビジョン』など同ジャンルの作品をプレイしたことのある方ならすんなりと理解できるはずだ。

 「じゃあ、『ボーダーランズ』だけのオリジナルなポイントはどこなの?」と思われた方もいるだろうが、『ボーダーランズ』にはストレスを減らし爽快感を生み出してくれる独自のシステムが存在する。

 そのシステムの名前は“セカンドウィンド”。本作では戦闘中にHPがゼロになってもすぐさまゲームオーバーとはならずに、一度瀕死状態になりその状態で戦闘が続行する。瀕死状態では動くことができず、銃も正確に打つことはできないが、瀕死状態で敵を1体でもキルできればそのまま復活できる。これがセカンドウィンドだ。

 雑魚戦では敵のHPが低いのでセカンドウィンドは簡単に発動できる。そのため敵の攻撃を避けるためにわざわざ物陰に身を隠す必要はない。大胆に敵のど真ん中に突っ込んでいって大暴れして、体力が尽きてもすぐにセカンドウィンドで復活、また大暴れ、と繰り返しているうちに敵が全滅しているなんてこともしばしば。

 また、本作ではセカンドウィンドで復活できず、そのまま死んでしまった場合でも巻き戻しは発生しないので、稼いだ経験値やクエストの進行状況はそのままだ(ただし、RPGらしくデスペナルティで一定額のお金をロスしてしまう。死んでしまうとはなさけない)

SF×世紀末な世界観

 『ボーダーランズ』の魅力として、忘れてはならないのがSFと世紀末ものをミックスしたような世界観だ。

 物語の舞台となる惑星Pandoraには口が四つに裂けるエイリアンや、肉体改造を受けた暴漢がウジャウジャしている。現実世界でこんな化け物たちと遭遇するのはまっぴらごめんだが、ことゲームのなかで戦うのならこんなに愉快な敵はいない。

すさまじいくびれ、なんというプロポーション。

 ショットガンで敵を吹き飛ばし、スナイパーライフルで華麗にヘッドショットを決め、素手で相手をぶっ飛ばし、思う存分宇宙の賞金稼ぎ気分を味わおう。

マルチプレイやオフラインでの画面分割にも対応

 『ボーダーランズ』は最初から最後まで1人でもプレイできるが、マルチプレイでも楽しめる。オンラインプレイはもちろんのこと、コントローラーを人数分用意すれば最大4人までの画面分割プレイも可能だ。

 前述の通り、マルチプレイ専用のスキルも存在するため、一度シングルプレイでゲームをクリアしていたとしてもマルチでは異なるスキル振りで二度三度と遊ぶことができるのだ。

 マルチプレイではクラスごとの特徴を生かした連携プレイも求められてくる。より派手でより奥深い戦いに身を投じよう。

 ちなみに、本作のマルチプレイは基本的には全て協力プレイだが、ドロップしたアイテムに関しては完全に早い者勝ちなのでお気をつけて。世紀末ならではの奪い合いを体験してみるのもまた一興だ。ただし、くれぐれも友達と喧嘩にならないように。 

最新作発売前の予習に、GW明けのストレス発散に

 『ボーダーランズ ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション』は、プレイステーション4、Xbox One、PCにて発売中。またファン待望のシリーズ最新作である『ボーダーランズ3』は9月13日に発売予定となっている。

 ゴールデンウィークは過ぎ去ってしまったが、最新作の発売まではまだ時間がある。9月に向けて、今のうちにSF×世紀末な世界に慣れておくのはいかがだろうか?パンクなFPSで暴れまくって、連休明けのストレスを解消しよう。