2016年に結成されたゲーム実況グループ“ナポリの男たち”。主にニコニコ動画にて、“ゲームを実況しながらプレイする”というスタイルで動画を投稿している。結成こそ3年前であるが、メンバーはジャック・オ・蘭たん、すぎる、hacchi、shu3という、2007年~2013年にゲーム実況活動を始めた個人実況者たちの集まりだった。
個人で活動し、高い人気も博していた4人の集まりということには、「まさか、彼らがグループとして活動するとは」と、ゲーム実況を見ている視聴者たちからも、驚きの声が多々上がっていた。しかし、4人は持ち前のキャラクター、企画力などでクオリティの高い動画を上げ、ゲーム実況者グループとして、ファンの中で確立されてきている。ミュージシャンの米津玄師さんや、岡崎体育さんも彼らの熱いファンだという。
そんな彼らが、2019年6月14日から、 “ナポリテン”という“展示会”を開催する。ゲーム実況者が展示会という、一見不思議な組み合わせ。なぜこのような展示会を開催するに至ったのか、ナポリテンへの意気込みなどを訊く。
また、ナポリテンでは、『moon』や『UFO -A day in the life-』でキャラクターデザインを務める倉島一幸氏(オニオンゲームス)がイラストを担当。その経緯や、『moon』や『UFO -A day in the life-』を始めとするラブデリックという会社の遺伝子を持った“ラブデリック系”と呼ばれる作品に対する、ナポリの男たちからの“ラブ”を訊く対談を掲載する。開発当時の裏話なども満載だ。
そして、後半ではナポリの男たち4人による“ゲーム”をテーマにした対談を実施。好きなゲームへの想い、思い出などを伺った。ナポリの男たちファンでも、そうでない人も、“ゲーム好き”が楽しめる内容となっている。また、ナポリの男たちメンバー間の印象や、思い入れ深い“チャンネル配信企画”についてなど、ボリュームたっぷりな対談をお楽しみあれ。
※すぎるさんのお名前を、メンバーカラーとは異なる赤で記載しております。ご了承ください。
ナポリの男たちが倉島一幸氏にイラストを依頼したワケ
――まずは、展示会・ナポリテンを開催することになった経緯をお教えください。
蘭たん 2019年6月10日に、ナポリの男たちが3周年を迎えるんです。それで、なにかやりたいなと企画しました。いままではネット上のみで活動していたんですけど、リアルで視聴者の方が参加できるといいかなと。そういうイベントをやってほしいという視聴者の方の声もちらほら見かけてましたし、自分たちもそういうのを企画するのは楽しそうだと思いまして。
――ゲーム実況者が展示会を開催するというのは、珍しいと思うのですが、このような形にした理由は?
蘭たん ほかのゲーム実況者グループの方は、武道館とか……いろいろとやられていて、すごいなって思っていて。でも、我々は武道館でやるには色々と足りないので。
一同 (笑)。
蘭たん “ナポリ”らしくて、いままで誰もやってきていないことができたらなと。昔、ダウンタウンの松本さんの“一人ごっつ”という番組の展示会があったんですよね。番組内で使った小道具を展示したりとか。そういったことだったらナポリの男たちで、できるんじゃないかなと。
――たしかに、いままでチャンネル配信(※)で絵を描いていらっしゃったり、造形物を作られたりしていますもんね。
※チャンネル配信……ニコニコチャンネル“ナポリの男たちチャンネル”内で、毎週土曜日に行われている有料会員向け配信。4名が週代わりで企画を立てて生配信内で披露する。
蘭たん 皆さんに実物で見ていただけたらおもしろいんじゃないかと思って。
――そのようなナポリテンを開催するにあたって、倉島一幸さんにビジュアルを依頼した理由をお教えください。
蘭たん ゲーム実況者のイベントなので、ゲームに関わられていたイラストレーターさんにキービジュアル等のご依頼をしたいと思っていて。倉島さんに依頼したいと言い出したのは僕だったんです。昔、『moon』や『UFO -A day in the life-』を実況プレイして、動画として上げていたんですけど、僕自身、すごくお気に入りになったゲームでして。だから倉島さんという存在はずっと知っていて、どこかでなにかご一緒できないかなと、ずっと思っていたんです。
六畳一間のニンゲン観察バラエティ 【実況 UFO-A day in the life-】 part1
――やはり、倉島さんのイラストは、印象深いですよね。
蘭たん 視聴者の方にも倉島さんのイラストは大好評みたいで……。ありがとうございます!
倉島 こちらこそありがとうございます!
――倉島さんはご依頼を受けて、最初どのように感じましたか?
倉島 最初、じつはあんまりよくわかっていなかったですね。でも、お仕事はぜひ、と受けさせていただきました。その後、ファンアートなどを拝見したときに、プレッシャーを感じましたね。
――それはなぜでしょうか?
倉島 皆さんの中でイメージがある人たちを、何処の馬の骨かわからないヤツが描いたとなると……。
――みなさん、もちろんご存知だと思いますよ!
倉島 クレームとかがきたらどうしようって……。でも、暖かく受け入れていただけて、ちょっと泣きそうになりました(笑)。
蘭たん ファンの人が倉島さんの絵柄に似せたファンアートを描いていますよね。
倉島 描いていただけて、しかもうめーな! と。これは俺には書けないな、というものはTwitterでRTさせていただいたりもして。
すぎる あのイラストって、どうやって探しているんですか?
倉島 “ナポリテン”で検索してます!(笑)。蘭たんさんやすぎるさんの、ラブデリック系作品の実況動画も、その後見せていただいたのですが、じつは、ほかのゲームを開発しているときに、たまたま見ていたようなんですよね。参考にするべく。『チュウリップ』のあそこで花開くんだ、とか。今回、じっくりと見させていただき、愛を感じましたね。また泣きそうになりました。
――実況動画に関しては、上げることはOKなんでしょうか?
倉島 もちろんもちろん! ありがたい話です。初見でよくこの謎がとけるなとか、感心しながら見ています。
蘭たん あれは解けるまでやっているので……(笑)。
倉島 作ったほうとしては世に出たら忘れちゃうんですよね。なので、実況動画で久々にゲーム画面を見ると、当時のこととかを思い出して、がんばっていた自分に戻ります。
――倉島さんより、依頼を受けるという話があったとき、ナポリの男たちの皆さんのリアクションはどのような感じだったのでしょうか?
すぎる じつはちょうどそのとき、みんなでユニバーサルスタジオジャパンに遊びに行っていて。入る前やったんですけど、メールをみたときに、「信じられへんなぁ!」って感じで、盛り上がりすぎて、周りから見たら「コイツら、USJ入る前から盛り上がってるやん」みたいな。
――それはテンションが上がるのも仕方ないですよね! ナポリの男たちの皆さんは、イラストを最初に見たとき、どのように感じましたか?
蘭たん いくつか案はいただいていて。その中で今回選ばせていただいたイラストがこれですね。
蘭たん 僕は『エンドネシア』も遊んでいたのですが、このイラストはその主人公に似てるなと思ったんですよね。自分がゲームの主人公になったという感じがして、すごく嬉しかったです。
すぎる 僕は最初にいただいた案は、イケメンやなぁと思って、申し訳ない気持ちの方が強くて……。ファンアートもそうなんですけどね。
倉島 すぎるさんからはその後、アホっぽくして、という依頼をいただいたんです(笑)。
すぎる 一生に一度のことなんで、めちゃくちゃ欲張っちゃって!(笑)
倉島 皆さんはファンアートをご覧になったときって、どんな気分になるんですか?
すぎる 自分のことじゃないような気持ちで見ていますね。実感がなくて。画面上はめっちゃ華やかなんですけど、家でひとりでパソコンの前で見ていると、「……誰なんやろなぁ?」って。
一同(笑)
shu3 自分は、最初イラストをいただいたときに、自分がゲームの世界に入ったかのような気分になりました。自分はゲームをプレイしているだけなので、本当に人生ってわかんないなぁって思いましたね。すごい、と感無量でした。
hacchi 倉島さんが声の印象でイラストを描いてくださったとのことなんですが、まぁ最初にいただいた絵からしても、ツライ過去を背負っているような……。
一同 (爆笑)。
hacchi 自分のイメージ通りでしたね。
倉島 ツライ過去というわけでは……(笑)。
hacchi どういう印象でした?
倉島 シャープ、とかスマートな感じで。
――いい感じの陰がある感じ、ということですよね(笑)。
hacchi いい感じの陰で、自分にピッタリです!
――倉島さんがイラストを描かれたときに、気をつけた部分などはありますか?
倉島 それぞれのイメージカラーや、カボチャやパンダなどのキーアイテムは外さないように抑えつつ、あとは声の印象、ファンの方の印象などを守るように作っています。ねじねじとか、ねこちゃんとか。これは、ハト……ですか?
hacchi 実はペンギンなんです(笑)。
倉島 ペンギンだった!(笑)。あとは、やっぱり同じ人間が描いているので、過去のゲームに似てしまうのは、ご勘弁ということで。
蘭たん 僕は逆にそれが、めっちゃうれしかったです!
――今回のイラストの世界観はどのような感じなのでしょうか?
倉島 部室で男同士がゲームやっている感じを出せればなと。街みたいなのもありますが、これもゲームの中に入って、みんなが遊んじゃってるのかなって感じですね。
倉島一幸・ジャック・オ・蘭たん・すぎるの“ラブデリック”へのラブ
――続いては、いわゆる“ラブデリック系”と呼ばれる、ラブデリックという会社が生み出した遺伝子を引き継いでいる作品についてお話をお伺いします。主に倉島さん、そして“ラブデリック系”作品がお好きだという、蘭たんさん、すぎるさんにお話をお伺いします。まずは、倉島さんがゲームのグラフィックづくりを始めたきっかけをお教えください。
倉島 当時スクウェア(現:スクウェア・エニックス)という会社に就職することになったんですね。そこで、『スーパーマリオRPG』を作っているときに、ラブデリックの西さん(西健一氏)とか、工藤さん(工藤太郎氏)とか、上田さん(上田晃氏)、そして彼は同期入社なのですが、木村さん(木村祥朗氏)と知り合って。スクウェアを辞めるつもりはなかったのですが、工藤さんの誘いが相当しつこくて(笑)。
蘭たん 『スーパーマリオRPG』ではどこを担当されていたんですか?
倉島 キャラクターの全般と、モンスターデザインをやってました。そのときはめっちゃ働きました! これも工藤さんがキーマンでしたね。
蘭たん 『スーパーマリオRPG』は小学生のころ、めちゃくちゃプレイしてました。
――その後、ラブデリックに入り、『moon』を作っていたときの、印象的な思い出などはありますか?
倉島 ふつうのゲーム作りと違うと思ったのは、アイデア出しの中で、話が盛り上がったときに、熱が冷めないうちに作っちゃおうというところですね。餅つきのようなテンポ感を大切にしていました。
――そのときに本当におもしろいと感じたまま、作れるのは本当にいい環境ですよね。いまでこそ、ラブデリックの根強いファンがたくさんいらっしゃると思うのですが、当時、世間の反応はいかがだったのでしょうか。
倉島 やはり、ネットがそこまで普及していなかったので、お手紙などで知るくらいで、受けているのかどうかがわかりづらかったですね。当時のスクウェアにはちょっと目をつけられましたけど……(笑)。
――ネタ的にギリギリな部分もありましたもんね(苦笑)。
倉島 でも、発売後はアスキーさんも力を入れてくださっていて、原宿に『moon』のショップもあったんですよ。
――そうだったんですね! 蘭たんさんやすぎるさんは、どのようにラブデリック系作品を知ったのでしょうか?
蘭たん 僕はすぎるから教えてもらいました。当時は実況動画でどのゲームをあげようかと悩んでいたときで。『moon』のあらすじを聞いただけで、ぜったいにおもしろそうだと思ったんです。その後、視聴者の方からの反響も大きく、改めて調べて、ラブデリック系と呼ばれる作品があるということを知りました。
すぎる 僕のゲーム実況の2作目が『MOTHER2』だったんです。『MOTHER2』は個性的な作品じゃないですか。それで、視聴者の人からも、つぎの作品をすごい期待されているのを感じていたんです。そのときに初めて『チュウリップ』を知り合いから教えてもらって。まず設定からして、街の住人とチューできるし。「そんなゲームあんの!?」ってビックリして。キャラクターもかわいくて、「これやったら女子人気すごいやろな」って。
一同 (笑)
すぎる カルチャーショックでしたね。それ以前はメジャーなものしかやってこなかったので。こんなゲームを作る人たちがおるんやな、って衝撃がありましたね。
蘭たん 『moon』や『UFO -A day in the life-』にはゲームとして色々と挑戦的な部分を感じて。開発者の方々の価値観やメッセージをプレイしていて強く感じました。
すぎる キャラクターも、ただかわいいだけじゃないですよね。鼻水が垂れていたりとか。そういう部分ってあえてやっていらっしゃるんですか?
倉島 先にキャラクターの絵をいくつか描いて、企画の人がチョイスして設定をつけていきます。ゲームの上っ面じゃないところで、本当はこんな顔をしているんだよって。
――確かに、王道なだけではないキャラクターが多いと感じます。皆さんがとくに好きなキャラクターはいますか?
蘭たん 倉島さん覚えてるかなぁ。『エンドネシア』で“ダン(※)”ってキャラクターがいるんです。
※ダン……ダン・ヘニング。荒地ゾーンに住んでいる少年。戦争が起こる前の時代から来た。恥ずかしがり屋なため、人と会うときは丸い被り物をしている。
倉島 覚えていますよ! ダンボール被っているやつ。
蘭たん えっ! あれダンボールだったんですか!? 僕がダンの好きなところは……、ダンは戦前というシビアな時代に生きているので、ちょっとひねくれているんですよね。ダンボールの球体を被って、あまり人と接しないという。それとは別に、同じステージに“ロジャー”っていう警察官のキャラクターがいて、彼は現代から来ているんです。戦前の時代から来たダン、戦後の時代からきたロジャー。ふたりは故郷の時代背景や不器用な性格から、最初は険悪な雰囲気なんですが、そこに主人公が入って、ふたりの仲を取り持つんです。そこのシーンがすごく好きで。
ダンは大人嫌いな、思春期を表しているようなキャラで、僕も当時若かったので、すごい共感することがあって「大人なんか嫌いだ」って(笑)。
倉島 わりとダンやロジャーのファンは多く、サインなどでもよく描いてくれって言われます。最初の設定だと、その島が“あの世”っていう設定で。ちょっと冥界チックなところです。
蘭たん へぇ~!! ロジャーとダンがいっしょにシチュー食べるシーンとか大好きです。
ふしぎな孤島で くう ねる エモる 【実況 エンドネシア】 part19
該当箇所は11:00あたり~
――蘭たんさんの想いがお話からかなり伝わりましたね。すぎるさんはいかがですか?
すぎる 僕はやっぱり“タオ”ですね。タオは、ラブデリック関連のいろいろな作品に出るんですけど、出てくると、「また出てきたな!」って。あと、『ちびロボ!』ではタオと喋れるんですけど、意外にチャラいキャラで。
蘭たん そうなんだ(笑)。
すぎる たしか、西さんが考えられたキャラクターなんですよね?
倉島 西さんが飼っていた犬なんです。それで、西さんが関わっていない作品には、ぜったいに出さない(笑)。『moon』のときのタオは僕がデザインしていて、『ちびロボ!』のときのタオは僕のカミさん(イラストレーター・hikarin氏)がデザインしていたんです。
すぎる そうだったんですか!
倉島 僕は、今回実況を見直させていただいて、やっぱり頭に風車をつけたおかしいジジイ(※)が好きだと思いましたね。セリフといい間のとり方もすばらしくて。工藤さんがキレキレだった時代ですね。……ここ、書いておいてくださいね!
※頭に風車を付けたおかしいジジイ……風車庵に住んでいるおじさん
――書いておきます!(笑)。キャラクターへの愛はお伺いしましたので、蘭たんさんやすぎるさんから、ラブデリック作品へのラブを語っていただけますか?
蘭たん ラブデリック系作品の魅力を言葉にするのはすごく難しいんですけど、やっぱり開発者の方のゲームに対するこだわりやメッセージ性が強く出ているので、プレイしていて、いい意味でいろいろな刺激を受けるんですよね。『UNDER TALE』を作ったトビーフォックスさんも『moon』が好きだと仰っているらしいんですけど、そういう強烈なフォロワーを生み出す魅力を持っているものだと思います。
すぎる ふつうにゲームをされている人とは、感想が違うと思うんですけど、ラブデリック系作品の実況プレイをやっているときって、キャラクターについツッコミを入れちゃうんですよね。テキストにツッコむだけで、自然に漫才みたいになって。やっててすんごい楽しいんですよ。ゲーム実況をやっていない人も、ぜひ一回喋りながらやってみてほしいですね。
倉島 ツッコミどころが全部正解でしたね! 『チュウリップ』とかでも。
すぎる ホンマですか!
倉島 あと、蘭たんさんもそうだったんですけど、僕も『moon』のデバックをやっているとき、おばあちゃんのこと、ずっとババアって言ってましたからね(笑)。
一同 (笑)。
――倉島さんがラブデリック作品を作ってきて、こだわっていてよかった、と思う部分はありますか?
倉島 雰囲気作りというか、手触り感、細かいところを大切にしていたので、そういった部分を作り込んでいてよかったなと、改めて思いますね。少人数で、のべつ幕なしで作っていましたから。いまもがんばっていますが!(笑)。
――オニオンゲームスさんでの新作も先日発表されていましたよね。“チュウ”がキーワードとのことで。
倉島 いいんですか! そんな話までして。『moon』にジンギスカンというミニゲームがあるんですよ。
蘭たん あーありましたね!
倉島 それに、『チュウリップ』を足した感じですね。『Mon Amour(モナムール)』というタイトルなので、ぜひ楽しみにしていてください。『moon』をいっしょに作っていた木村さんと作っています。
蘭たん オニオンゲームスさんの『勇者ヤマダくん』と『Million Onion Hotel』も遊びましたよ。両方最後までやったんですけど、『Million Onion Hotel』はオチがすごい……(笑)。言えないですけど、ほかのゲームではできないなぁと。懐かしい気持ちになりました!
倉島 根底は“ラブアンドピース”なので、昔からそこは変わっていないね。
蘭たん こういうのがやりたいんだな、というのが伝わってくるんですよね。
――いまは、出したいものがあっても、トップダウンで仕事が降りてきて、好きなものが創れないクリエイターさんも少なくはないと思います。そんな中、そういった表現ができるのはいいですよね。
倉島 少人数で、全部自分たちでやらなければいけないので、たいへんでもありますが、やりがいはありますね。
ゲームクリエイターとゲーム実況者のつながり
蘭たん 今回、この機会に倉島さんとお話できて思ったんですが、ゲームクリエイターの方とゲームのお話できるのがやっぱり楽しいですね。ゲーム実況というジャンルの性質上、なかなか公に言っていいのか、とも思って。
倉島 厳しいところもありますもんねぇ。
蘭たん shu3は『聖剣伝説 LEGEND OF MANA』のやり込み動画を上げていて、亀岡さんと交流あるんだよね。
shu3 そうですね、ちょくちょく「がんばってるね」とツイートをいただけるんですけど、なんか、僕の方から反応すると、逆に迷惑掛けないかと思って……。
倉島 亀さんよろこびますよ! 僕も亀さんにはお世話になっています。男気のあるいい人で。ぜひ、みんなで吉祥寺でナポリタンを食べに行きましょうよ。
蘭たん ぜひ! クリエイターの方からポジティブな意見をいただけるのは、本当にありがたいですね。アングラでずっとやっていたので、僕らは……。
倉島 でも、うちの娘の小学校の友だちだったり、TOKYO SAND BOXというイベントに出展したときも、ナポリの男たちのファンだという方が来てくれたりして。まわりでいっぱい見ている人いますよ。
蘭たん えっ! そうなんですか! すぎるとかhacchiも、ゲームクリエイターさんとの交流ってあったりする?
すぎる 僕も『チュウリップ』の動画を投稿していたとき、ヒロインのお母さん役の方に「見てますよ」ってメールをいただきました。
倉島 そうなんだ!
hacchi 僕は海外ゲームばっかりやってるんで……。『アウターワールド』とかが大好きで。ひとりきりで作ったというのがすごすぎて。
倉島 海外ゲームは会社でみんなで遊んだりしたなぁ。『アウターワールド』おもしろいよねぇ。
hacchi あの、ゲームとは関係ないんですけど、倉島さんが仕事してて息詰まったとき、気分転換ってどうやっているんですか?
倉島 スーパー銭湯ですね。『エンドネシア』が終わった後は登山ブームで、ツーリングとかも行ったりしたなぁ。転々として、けっきょくはスーパー銭湯に落ち着いて。
hacchi 銭湯、行ってみます!
shu3 僕もお聞きしたいことがあるんですけど、昔からゲームを作られている方って何十年経っても、いまだに第一線でゲームを作られている方が多いじゃないですか。自分だったらできないな……と尊敬するんですけど。どこに元気の源があるんですか?
倉島 元気ないんですよ! 絵を描くのはぜんぜんいいんですけど、デバックが疲れて……。それなりに年を取って、もうそんなに長くゲームを作ってはいられないと思うので、燃え尽きるようなものをやらないといけないですね。
蘭たん ゲームクリエイターさんって、ずっとゲーム作りをやっているイメージがあります。やっぱり楽しいんだろうなって。
倉島 つらいことも多いんですけど、ゲーム実況をしてもらって、コメントいただいたりだとか、実際に遊んでもらった人から感想を直接聞いたりすることで、ギリギリを保ってますね。
――皆さんの声がパワーになるということで……。
倉島 キレイごとですけどね。最近、木村さんやラブデリックの元メンバーに言われるんです。「倉島ばっかりチヤホヤされている!」って! わたしはラブデリックヒエラルキーの最下層にいます。
――いまなお、注目度がドンドン上がっているということで!(笑)。最後に、ナポリテンについての意気込みをお教えください。
蘭たん 倉島さんのステキなイラストが浮かないような内容にしたいですね!(笑)