『FFXIV』ファンフェスティバル 2019 in 東京のラストに行われた、“THE PRIMALS”ライブリポート。

 2019年3月23日〜3月24日の2日間、千葉・幕張メッセにて開催された『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の大規模ファンイベント、“ファンフェスティバル 2019 in 東京”。イベントのトリを飾ったのはもちろん、『FFXIV』のサウンドディレクターである祖堅正慶氏を中心に結成されたオフィシャルバンド、THE PRIMALS(ザ・プライマルズ)のステージだ。

 2018年11月16日のラスベガスを皮切りに始まったファンフェスティバルは、言ってみれば“THE PRIMALSのワールドツアー”という側面もあっただろう。ファミ通ではラスベガス、パリとTHE PRIMALSを追いかけ、ファインダーを通して記録を残してきた。

幕張メッセに作られた巨大なステージ。

 日本の公演では、最多となる13曲を演奏。会場の幕張メッセでは、四方を客席に囲まれたアリーナセンターステージが設置されていたのだが、メンバーは時折ステージをグルっと回り、四方を意識したステージングを展開していた。注目のゲストヴォーカルは南條愛乃さん。ここまでは何となく予想できていたのだが、まさかの『月下彼岸花 〜蛮神ツクヨミ討滅戦〜』も披露。むしろ、自分にはこちらのほうが心に響いてしまった。

FAN FESTIVAL in TOKYO SETLIST / 2019年3月24日
1 混沌の渦動 〜蛮神リヴァイアサン討滅戦〜
2 忘却の彼方 〜蛮神シヴァ討滅戦〜(GUNN Ver.)
3 曲がらぬ刃〜蛮神ラーヴァナ討滅戦〜
4 エスケープ 〜次元の狭間オメガ:アルファ編〜
5 天つ風 〜白虎征魂戦〜(Guest Vo. 吉田直樹)
6 メタル 〜機工城アレキサンダー:起動編〜
7 魔神 〜魔神セフィロト討滅戦〜
8 千年の暁 〜朱雀征魂戦〜(Guest Vo. 南條愛乃)
9 月下彼岸花 〜蛮神ツクヨミ討滅戦〜(Guest Vo. 南條愛乃)
10 メタル:ブルートジャスティスモード 〜機工城アレキサンダー:律動編〜
11 ライズ 〜機工城アレキサンダー:天動編〜
12 過重圧殺! 〜蛮神タイタン討滅戦〜
13 ローカス 〜機工城アレキサンダー:起動編〜

 さて、あとは写真でライブの雰囲気をお届けすることにしよう。記事の最後にはTHE PRIMALSへのインタビューを掲載しているので、そちらもチェックしてほしい。

前説として、リードアイテムデザイナーの林洋介氏、コミュニティチームの望月一善氏(愛称もっちー)が登場。“もっちー”と“はやし”のふたりで“もやし”と名乗り、ウェーブやコール&レスポンスなど、ライブの作法を伝授していた。
祖堅正慶(そけんまさよし) スクウェア・エニックス所属。『FFXIV』のサウンドディレクター。THE PRIMALSではギターとヴォーカルを担当。
マイケル・クリストファー・コージ・フォックス スクウェア・エニックス所属。『FFXIV』ローカライズディレクター。THE PRIMALSではヴォーカルを担当。
GUNN(グン) ギターを担当。“THE PRIMALS”のバンドマスター。『FFXIV』実装楽曲のアレンジも手掛ける現役“光の戦士”。さまざまなレコーディングなどに参加するほか、バンド“DEPTH”としても活動中。
イワイエイキチ ベースを担当。ベースを担当。バンド“チリヌルヲワカ”のほか レコーディング プロデュース ライブサポートで活動中。
たちばな哲也(たちばなてつや) ドラムを担当。バンド“SPARKS GO GO”のほか、多数のアーティストのライブやバンドに参加している。GUNNとのソロユニット“ultraUB”としても活動中。
1曲目の『混沌の渦動 〜蛮神リヴァイアサン討滅戦〜』では、祖堅氏の合図で会場にウェーブならぬタイダルウェイブが発生。
『忘却の彼方 〜蛮神シヴァ討滅戦〜』で歌を披露したGUNN氏。サビの高域が美しい。
『曲がらぬ刃〜蛮神ラーヴァナ討滅戦〜』でフォックス氏が登場。ローボイスで歌い上げる!
『エスケープ 〜次元の狭間オメガ:アルファ編〜』のサビは、フォックス氏と祖堅氏の掛け合いが心地よい。
人力車に乗って登場した『FFXIV』プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏。
『天つ風 〜白虎征魂戦〜 』を歌い上げるプロデューサー兼ディレクター。
吉田氏の着物が特注品であることが明かされ、その価格に一同驚愕。
南條愛乃さんがゲストボーカルとして登場! ゲーム内でも歌唱を担当している『千年の暁 〜朱雀征魂戦〜』を情熱的に歌い上げた。
祖堅氏が「ツクヨミ、歌えます?」とリクエスト。南條さんは「無理って言ったら帰れるの?」と返しつつ、なんと本当に歌うことに!
フォックス氏が「忘れ物ですよ」とトランペットを祖堅氏に差し出すの図。
そして『メタル:ブルートジャスティスモード 〜機工城アレキサンダー:律動編〜』へ!
『ライズ 〜機工城アレキサンダー:天動編〜』では、15000人のオーディエンスとともに時間停止!
ラストは『ローカス 〜機工城アレキサンダー:起動編〜』。
ステージ終了後はメンバーのサイン入り“竜の眼”ボールを客席へ。じつはひとつだけ吉田直樹氏のサイン入りもあったとか。
バズーカを使うのが煩わしくなったのか、ふつうにボールを投げ込む祖堅氏。メンバーもそれに続く。
エンディングでは開発チームが登場。
ステージを1周して光の戦士たちに挨拶。
開発メンバーのコメントと、光の戦士の「よしだああああああ」の声に感極まる吉田氏。

公演直後にメンバーにインタビュー

 ライブ終了後、興奮冷めやらぬままTHE PRIMALSのメンバーにインタビューを実施。非常に短い時間だったが、今回のライブの感想や今後の意気込みについて聞いた。

ーー今回のライブの感想をおひとりずつお願いします。

GUNN 今回は曲数や演出も含め、ファンフェスの随分前からみんなで考えていました。よく話もしましたし、その中でできること、できないことを本当に吟味しながらやってきました。リハーサルを重ねていきながら、なかなかうまくいかないこともあったのですが、なんとか今日を迎えられて、そんなに事故もなくいけたかなと思って。ヒカセンたちの顔を見ていたら、楽しそうにしていたので、それがすべてだったなと。よかったと思っています。

たちばな哲也(以下、たちばな) THE PRIMALSに参加して長くなりますけど、今回のようなステージがセンターにある形は初だったので、音的に心配はありました。でも、けっこう評判がよくって。そういう意味では、来ていただいた方には喜んでいただけたかなと思って、一安心しております。個人的には、いろいろ反省がありますけど(笑)。

祖堅正慶(以下、祖堅) 俺もです(笑)。2日にわたってファンフェスティバルをやってきて、ステージイベントがたくさん行われた中、THE PRIMALSのステージはその中のたった1時間半なんですけど、テクニカル、音、映像、ライトなど、ものすごくいろいろな要素が凝縮されていて、とにかく時間をかけ、できることを積み上げてきてやっとできたステージというか。今回はセンターステージということで、そう簡単にできないぞというところからスタートして、なんとかできたかな……と、これから大反省会を始めるところではありますけど。みんなでアイデアを出して、いろいろな人たちと協力して、ゲストにウチのボス(吉田氏)と南條さんを呼べてやれたということが今回のうれしいポイントというか。他人の力を借りてなんとかする、みたいな(笑)。THE PRIMALSの違う形を見せられましたし、またこういうことをやっていきたいので、引き続きこのメンバーでがんばりたいと思います。

イワイエイキチ(以下、イワイ) いやあ、15000人でセンター(ステージ)って、こんなにも疲れるものかと(笑)。大成功だったと思いますし、なにより、やるたびにTHE PRIMALSがバンドらしくなっていくことを感じることができました。また、これからもがんばります。以上!

マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(以下、フォックス) ラスベガス、パリ、そして東京とやってきた中で、今回はいちばん曲数が多くて13曲あったんですけど、私は休みが4曲もあって。じつは、ラスベガスとパリのほうが出番は多かったのに、今日がいちばん疲れたのはなんでかなって(笑)。やっぱり、あれだけ人がいて、奥の奥まで人がいるのが見えると、がんばらなきゃと思って、もう6曲目くらいで声がやばい状態でした。

祖堅 それ、毎回言ってない?

フォックス ダメなんですよ。みんながワーとなっていると、ついつい……。

祖堅 勉強しないってこと?(笑)

フォックス 勉強できてないです。たぶん、次回も同じことを言いそうだなと(笑)。反省点もいっぱいあるんですけど、ファンの方に楽しんでいただけたので、それだけで大成功と言えると思います。

ーーラスベガス、パリ、東京とやってきて、それぞれで反応の違いは感じましたか?

祖堅 違うと言えば違うけど、けっきょく『FFXIV』が好きなんだなあと。楽しみかたは違えど、楽しんでいること自体は変わらないというか。盛り上がるポイントもだいたい同じですよね。

たちばな ひとりひとりのマンパワーは違いますよ。外国の方、すごいので(笑)。でも、熱量はみんないっしょかなと感じましたね。

祖堅 だいたいどこの会場も、お客さんが盛り上がりすぎて会場が揺れる(笑)。

ーー日本はお膝元ということで、いちばん妥協なく演奏できたのでしょうか?

祖堅 センターステージなんで、どう積み上げていけばいいか僕らも未知数だったので。これが最善か否か、これから大反省会といったところですかね。

たちばな ウチのマネージャーが、思っていたよりもすごくいい音をしていたと言っていましたね。じゃあ、これからもセンターステージがいいのか? 俺ら?(笑)

祖堅 2時間もたないっスよ(笑)。

たちばな お腹下したりしたら、センターだとすぐ帰れないからね(笑)。

祖堅 センターステージは、ふつうのステージングでは成り立たないことが多々あったので、テクニカルなことの積み上げは相当ありましたね。一般的なステージ以上にやらなきゃいけないことがたくさんあったり、演出もただ出てくるわけにはいかないので、いろいろ考えましたね。でも、THE PRIMALSという形にはなっていたかなと。お客さんがあれだけ喜んでくれたら本望ですね。

ーー今回のセットリストは、休憩ありのパターンと、ヒカセンをブッ倒すパターンのふたつを検討していたようですが、ブッ倒すパターンにした決め手は?

祖堅 じつは、曲数を減らせというオーダーがチーム側から来ていたんですよ。それはネガティブな要因ではなくて、たとえば北米や欧州との曲数の差ができてしまうとか、お客さんの帰宅時間の都合だとか、リハーサル時間の確保とか、そういった部分を検討した結果です。ただ、一方で曲数を少なくすることによって、ゲストの入退場をあの花道でスムーズにできるのかという問題があって、ステージの流れが悪くなるので、休憩をはさむセットリストというのが提案されたんですよ。

ーー休憩ありだと何曲だったんですか?

祖堅 9曲くらいですね。ただ、最終的に「THE PRIMALSとしては13曲でいきたい」というセットリストを提示してみて、あとはチームに任せます、と。そうしたら、チーム側が決断してくれて13曲でいこうと。

たちばな ただ、最初の2曲は、聴いている人を倒す前に俺らがやられていたけどね(笑)。

祖堅 サウナスーツを着て全力疾走で2曲みたいな。今回はGUNNさんがめちゃくちゃ嫌がっていたんですよ。

GUNN ステージに着いたら脱ぎたかったですね(笑)。

祖堅 リハーサルをやっていたら、新生からの熟成した匂いが柔道着のように……。イワイさんが「くせェ」って。

イワイ (祖堅氏を見て)先に言ったんじゃん(笑)。

祖堅 ガハハハハ。俺か(笑)。我々の血と涙と汗の、まあ汗の部分ですか。でも、本番前に消臭してもらったので、いい匂いの中やれました。

ーー夏用の衣装は作らないんですか?

祖堅 まぁ、ほかにもお金をかけるものがたくさんありますから……。

フォックス 着物作ったりね(笑)。

ーー公式アレンジアルバムの第3弾『Journeys: FINAL FANTASY XIV Arrangement Album』が2019年6月19日に発売されますが、これについて情報はありませんか?

祖堅 今回、吉田直樹も南條さんも歌いましたし、せっかくならこのバージョンをレコーディングして出したいなと思っているんですけど、果たして……? 乞うご期待!

ーー最後に読者にメッセージをお願いします。

フォックス いつになるかわからないけど、次回に向けてがんばります。曲数も増えて、楽しい曲ばっかりなんですよ。そろそろバラード的な曲、休める曲を作ってほしいなあと思いつつも、それじゃ楽しくないなと(笑)。全力疾走のバンドでこれからもがんばりたいと思います。

イワイ 曲数を増やして、またツアーをやりたいなあと思っておりますので、よろしくお願いします。

たちばな ZeppツアーのBlu-ray、オリコン1位、ありがとうございます! ラスベガス、パリ、東京とファンフェスをやらせていただいて、どこも盛り上がってTHE PRIMALSの評価がどんどん上がっていくことが本当にうれしいですね。ギャラもたぶん上がるんだろうなあと(笑)。……ということを期待しまして、つぎもがんばります。

一同 (爆笑)

GUNN ZeppツアーのBlu-rayも出まして、ファンフェスもありまして、アレンジアルバムの発売も決まっている中で、またライブで皆さんとお会いできるように僕らも仕掛けていきますので、ぜひ期待していただけるといいなと思います。

祖堅 Zeppなり、ファンフェスなりでTHE PRIMALSをお披露目するときに思うことは、とにかくお客さんの熱量がすごいわけです。今日も、ライブが始まる前、客席の柵を外したときに人がグワーーーって。モーセの十戒の逆現象が起きて。それをモニター越しに見ていてゾワっとしてですね、光の戦士たちの火力に圧倒されて、すごくありがたいというか。それはきっとゲーム体験に結びついていると思うので、皆さんに愛されるバンドになれるよう、『漆黒のヴィランズ』のサウンドもがんばっていきたいと思います。引き続き、THE PRIMALSをよろしくお願いします。またツアーやりてーなー!