Chucklefishは、2019年4月11日夜にタクティカルRPG『Pathway』をSteam等で配信する。対応プラットフォームはPC/Mac/Linuxで、参考までに米ドルでの価格は15ドル99セント。
なお発売時点では日本語に対応していないが、後日アップデートにより日本語サポートが追加される予定だ。
今回、パブリッシャーの厚意により先行して本作をプレイできたので、その内容と特徴をじっくりお伝えしよう。
秘宝をめぐる冒険をランダムマップ&イベントで展開
『Pathway』の舞台は1930年代中盤の北アフリカ。ナチスドイツの勢力範囲が拡大する中、そこに眠ると噂される秘宝と大いなる秘密に挑む冒険者たちの挑戦を描く……というわけで、大雑把に言えば大体インディ・ジョーンズ的な話だ。
ゲームの作りとしては、インディーゲームの名作『FTL』のランダムな探索と、タクティカルRPGの金字塔『XCOM』シリーズのシステムを組み合わせたような感じ。
キャンペーンは全5章で構成されており、それぞれがプレイするたびに毎回構成の異なる自動生成マップとして登場。各マスで起こるランダムイベントや戦闘を乗り越えつつ、ゴールを目指すことになる。
戦闘は昔ながらのターンベースのストラテジーコンバット。“移動”と“攻撃”などふたつのアクションを1ターンに実行可能で、『XCOM』シリーズのように遮蔽物の概念が存在する。遮蔽物や各キャラクターの位置関係によって命中率が変動するので、ポジション取りが重要になってくる。
繰り返しプレイしてクリアーへの道を切り拓け!
冒険の成功には、燃料・資金・弾薬という3種類の物資のマネージメントが関係してくる。
特に最初のうち苦労することになるのが燃料で、1マス進むごとにひとつ消費し、ゼロになるとギブアップするか続行かを聞かれる。続行の場合は徒歩で進めるのだが、1マス進むごとにダメージを食らうので、ゴール直前でもなければちょっと厳しい。
物資は道中のイベントで拾えたり、ゲットした他のアイテムやお宝を売り払って市場で取引できたりするのだが、なんせマップもイベントもランダムなため、マス目の“引き”が悪いとそうもいかない。
でも、うまく行かなくてもあなたの技量のせいと決まったわけではないので安心して欲しい。『FTL』を例に挙げた時に勘のいい人は察したかもしれないが、実は本作、ランダムな状況の中で何度もプレイしてプレイスキルを上げつつ、徐々に強化してクリアーへのワンチャンスを得る可能性を高めていくゲームになっているのだ。
クリアーへの道その1:キャラクターの強化
プレイを通じて良化させていける要素のひとつは、まずキャラクターだ。使用可能キャラクターは16人おり、それぞれ基本ステータスや得手不得手(ナチスが苦手など)、そして装備可能なアイテムやPerk(特殊能力)などが異なる。
しかし、冒険に出撃させるキャラ(初期キャンペーンでは2名)を選ぶ際に最初から選択可能なのは6キャラのみで、残り10名は「ナチを100人倒す」などのチャレンジをクリアーすることで解放されていく。
使用可能キャラクターを増やして好みのプレイスタイルに合ったキャラを見つけられれば、クリアーへの道も近くなる。
そして各キャラクターは冒険を通じて経験値を積むことで、レベルアップして能力強化を行える。武器の命中率やクリティカル率の向上、そしてベースとなる攻撃力の増強などの能力特化を選択していくことで、戦闘をより有利に進められるようになるはず。
クリアーへの道その2:資金やアイテムの持ち越し
本作ではギブアップを選んだり全滅した場合でも、資金や出撃したキャラの経験値はそのままで、ジープ内にしまっていたアイテムなども持ち越される。そうして貯めた資金を消費して、出撃時の燃料や弾薬の最大値を増やすことも可能だ。
持ち越しがアリだと、現在よりも“次”の冒険を見据えた選択肢なども可能になる。例えば今のキャラが使えないレアな武器などを手に入れた場合、手っ取り早く市場マスで売ってアイテム購入資金に変えてもいいが、どうせ大したお金にはならないので、ジープに残しておいて取っておくという手段も使える。
全5章のキャンペーンはそれこそインディ・ジョーンズ映画のごとく、次第にオカルティックな要素が増していき、アンデッドなども登場して盛り上がっていくのでお楽しみに。
情感のあるドット絵やサウンドも素晴らしい!
さて本作、何度もチャレンジするのを前提としているだけに、システムの基本そのものはシンプルにまとまっていて遊びやすく、じっくりと冒険に取り組めるだろう。
またドット絵をベースに今時のライティングやエフェクトを組み合わせたアートスタイルや、ゲームコンポーザーのギャビン・ハリソン氏による壮大なBGMも、決して派手ではないが、着実に冒険の気分を盛り上げてくれる。なおサントラはDLCまたは同氏のBandcampから入手可能だ。
ちなみにChucklefishは本作に先駆けてドット絵のターンベースのストラテジーゲーム『Wargroove』をリリースしており、雰囲気はかなり似ている。
……のだが、実は『Wargroove』が内製なのに対して本作はパブリッシングのみの担当で、開発はドイツのインディースタジオRobotalityによるもの。
とはいえ、変に奇をてらわずに地道でしっかりとした作りは共通しているので、『Wargroove』が気に入った人がチェックしてみるのも悪くないと思う。
とまぁそんな感じで、日本語実装を待つもよし、(現時点で発表されていないが)家庭用ゲーム機移植の可能性を期待してみるもよし、英語を読むのを苦にしないのなら英語PC版に特攻するもよし(ややこしい言い回しなどはあまりないが、イベントごとのテキスト量はそれなりに多い)。
幅広い人が楽しめる作品になっていると感じたので、ぜひチェックリストなどに入れておくのをオススメしたい。