横スクロールシューティングゲームの金字塔『R-TYPE』シリーズの続編が、まさかの開発決定! 『R-TYPE FINAL2』の鍵を握る、九条一馬氏にインタビュー!

 2019年4月1日に、グランゼーラのエイプリルフール企画として突如発表された『R-TYPE FINAL2』。同社からの4月1日の発表だけに、まさか本当に出るとは思っていなかったその矢先、なんと本当に『R-TYPE FINAL2』が開発されることが発表。大きな話題となった。

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 本記事では、『R-TYPE FINAL2』の開発のキーマンとなる、チーフプロデューサー兼ゲームデザイナーの九条一馬氏に、開発の経緯や、詳しいゲームシステムの構想などをうかがった。

九条一馬氏(くじょう かずま)

株式会社グランゼーラ チーフプロデューサー兼ゲームデザイナー。代表作は、『絶体絶命都市』シリーズ、『マンガ・カ・ケール』、『巨影都市』、『R-TYPE』シリーズなど。『R-TYPE DELTA』、『R-TYPE FINAL』、『R-TYPE TACTICS』ではゲームデザインを手掛ける。

横シューと『R-TYPE』の革新を目指して

――2003年の週刊ファミ通本誌にて、『R-TYPE FINAL』に関する九条さんのインタビューが掲載されています。その中で、九条さんは「アイレムシューティング全体の“FINAL”という意味を込めて作った。シューティングゲームの『R-TYPE』は、もう出ることはない」と発言されていました。ですので、シリーズファンやシューティングファンの皆さんは、続編の登場を諦めていたのではないかと思います。なぜ今回、“R”が『R-TYPE FINAL2』として蘇ったのか、その経緯を教えてください。

九条 2003年の時点で、私としてはやり残すことなく終わったつもりでした。私自身も燃え尽きていましたし、その後、シューティングゲームを作るつもりはまったくなかったです。経緯と言ってもひとつの大きなきっかけがあったわけではなく、断続的にとっかかりとなるようなことがあり、それがあるところまで積もったときに、「えいやっ!」と、新作“R”の制作に踏み切りました。

――新作の開発に踏み切った、具体的なきっかけを教えてください。

九条 ひとつは、『R-TYPE FINAL』をリリースしてから5~6年経ったころ、『ダライアスバースト』のプロデューサーさん、『グラディウス』シリーズのプロデューサーさんと、たまたまご縁があり、打ち合わせをする機会がありました。私は、その時期『R-TYPE』のシミュレーション版である『R-TYPE TACTICS』を作っていたので、他人事のように“もしも自分がシューティングを作るならば他社さんのシューティングゲームの要素をどう組み込むかな……”と考えながら、他社さんに『R-TYPE』をお貸ししてご協力するつもりで話を聞いていました。その時に、少しシューティングの『R-TYPE』について意識したように思います。その直後に、エイプリルフールネタで“R-TYPE FINAL2 -グランドフィナーレの野望-”のゲーム画面の画像を作ったんです。この時は、本当にネタとして考えてはいたのですが、それでもどこか本気で“いまから本当に作るのなら、どんなものにすればいいだろうか?”と考えていたように思います。

――では、なぜそこから本気『R-TYPE FINAL2』を作ろうと思われたのでしょうか?

九条 本作を意識しだしたのは約2年前。それまでは、横スクロールシューティングにやり残したことはないし、いまから作っても新鮮味が感じられるものは出せないと思っていました。ですが、『巨影都市』や『絶体絶命都市4Plus -Summer Memories-』を作っている最中に、ときどきシューティングのネタを考えていることがありました。「16:9の画面だったら『FINAL』を作ったときと違うかな……」、「ゲームがネットにつながっていたらシューティングで何ができるかな……」と、もやもやと考えを巡らしているうちに、いまなら“新しいもの”が作れるのではないか? と考えるようになったのです。ただ、一度『R-TYPE FINAL』と言った以上、ファンの方々に怒られるのではないかと心配していたのですが、ファンの方々とTwitterで交流をした際に、続編を望む声が多くあがっていることを知り、ならば続編を作らねばと、決心したのです。

――なるほど。開発はクラウドファンディングを実施予定とのことですが、その理由は?

九条 私たちの力だけでは、新作『R-TYPE』は実現できないのが正直なところです。私たちにあるのは“R”の開発経験と、新作“R”を作る度胸だけです。さまざまな方面にご協力をお願いしましたが、どうしても経済的な面で実現が難しいところや、開発期間が長期化してしまう問題が残っています。これは決定事項ではありませんが、クラウドファンディングという形で“R”ファンの方々にもご協力いただき、ぜひいっしょに新作“R”を実現していただきたいのです。
 目標額は、現在いくつかの要素、範囲を作りこんでいますので、これができあがった段階で設定したいと思っています。今回お見せしている画像は一部『R-TYPE FINAL』当時に作ったものを流用していますが、これもすべて新しいものに置き換え、ゲーム映像も新しいものを用意して、ゲーム内容についてより詳しい内容をご覧いただいた上で、支援を決めていただけるようにしたいと考えています。

――では、タイトルを『R-TYPE FINAL2』にした経緯をお聞かせください。

九条 このプロジェクトでいちばん悩んだのはタイトルです。正直最初は、「さすがに『R-TYPE FINAL2』ないな」と思っていました。このタイトルを付けた時は、仮称というよりも、エイプリルフールのネタだったので『R-TYPE FINAL2』でいいと思っていました。ですが、実際世に出すとなると、ちゃんとカッコいいタイトルをつけないといけないと考えていたんです。
 たくさんのタイトル案を出しましたが、どれも“カッコいいけど見たことがある”という感じでした。“FINAL”のつぎであることに違いはないし、以前1度“FINAL”として出したことをうやむやにするのも、何だか引っかかるじゃないですか。ダメもとで、プロデューサーの松尾(松尾悟郎氏)に「タイトル、『R-TYPE FINAL2』だとだめだよね?」と、恐る恐る聞いてみたら、松尾が「いいじゃないですか。その方が“(グランゼーラ)らしい”ですよ」と返してくれて。そこでふっ切れて、『R-TYPE FINAL2』でいくことにしました。タイトルが決まったら、すっきりして一層やる気が湧きましたよ。

気になるゲーム内容について訊く!

――続いては、ゲーム内容について教えてください。本作のコンセプトは、どのようなテーマなのでしょうか?

九条 “『R-TYPE』の深化”と、“横スクロールシューティングの進化”を目指しています。“『R-TYPE』の深化”では、武器や破壊の表現、敵の表現、攻略しがいのあるステージをより深く追求し、『R-TYPE』の世界観をテキストではなく、ビジュアルやゲームの展開で伝えていくことです。『R-TYPE』シリーズは、初代の巨大戦艦ステージの印象が強く、以降のシリーズでは、私も含めあれを超えるほど印象に残るものが作れていないと思います。ですが、本作では今後もプレイした人の心に残るステージを作りたいのです。『R-TYPE』を超える『R-TYPE』を目指しています。
 “横スクロールシューティングの進化”についてですが、『R-TYPE FINAL』を製作した2003年当時、家庭用ゲーム機向けの横スクロールシューティングゲームや、残機制のゲームシステムについて、行き詰まりのようなものを感じていました。それを突破するのが、本作の目標です。それが実現できれば、このゲームの存在価値が出せると思っています。

――前作『R-TYPEFINAL』では101もの機体が登場しましたが、本作ではどのくらいになるのでしょうか?

九条 プレイヤー機体を、前作以上に出そうという考えはないです。むしろ『R-TYPE FINAL』での登場機体を、、より丁寧に表現して、プレイする人が機体に愛着がわくようにしたいと思っています。つぎつぎに新しい機体を作っていかなければならないような形ではなく、愛着のある機体をパワーアップして長く使えるようにする方向で考えています。

――システムやステージ構成などはどういったものを予定していますか?

九条 ゲームのルール、パワーアップの仕組みなどは、『R-TYPE DELTA』、『R-TYPE FINAL』で作ってきたものベースにしています。難易度については、細かく設定ができるようにして、初めて『R-TYPE』をプレイする人にも、以前やりこんでいた人もそれぞれが満足できるものにしたいと考えています。
 ステージについては、ステージひとつひとつの作り込みや、これまで以上にバリエーションを用意するところに力を入れます。ただやみくもに“数を増やす”のではなく、攻略しごたえがあるもの、何度もプレイしたくなるようなステージを作成していきます。また、継続的にステージを増やしていくことも考えています。なかには極端に難しいステージがあってもいいのではないか? と考えており、クリアーした人の名前が、クリアー順に記録されるような仕組みも用意するつもりです。『R-TYPE』は、ステージの流れよりも、ステージごとの違いを強く打ち出すことを大事にしているゲームなので、ステージごとの違いが大きく出るものを作っていきたいと思います。

――『R-TYPE』のストーリーといえば、衝撃的な展開なども特徴ですが、どのような物語を想定していますか?

九条 ストーリーは、シューティングの邪魔にならない形で、バリエーションを用意したいと思っています。ステージを進める過程で分岐があり、いくつかの最終ステージ、いくつかの展開を作って人類の未来の形を表現したい。その中には“バイド化”してしまう……というような展開も入れたいです。私の作風かもしれませんが、暗い気分になるような結末も用意することになると思います。

――読者と“R”ファンへ向けて、最後にメッセージをお願いいたします。

九条 本当に“R”を気に入っていた方には、“FINAL”にしてしまって申し訳ありませんでした。時間がずいぶん経ちましたが、プロジェクトを立ち上げられそうです。皆さんの後押しがあって、ここまで来れました。ここまでもご迷惑をおかけしておいて申し訳ありませんが、世に出すためにこれからもご協力いただければと思っております。よろしくお願いいたします。