新キャラクター“呉瑞香”と“鞍馬夜叉丸”を初披露!
2019年4月5日、東京都内・神田明神ホールにて、SNKのPlayStation4/Xbox One向け剣戟対戦格闘ゲーム『SAMURAI SPIRITS』の発表会が開催された。
発表会の総合MCは声優の駒田航さんと天崎滉平さん。駒田さんは『SAMURAI SPIRITS』でガルフォードのキャラクターボイスを担当している。一方の天崎さんについては、発表会の途中で本作との関わりが明かされた。
『SAMURAI SPIRITS』開発陣からは、プロデューサー、ディレクター、キャラクターデザイナー、サウンドディレクターの4名がステージに登壇した。
発表会は最新のトレーラーの上映から始まった。トレーラーには全16キャラクターが登場し、中には見たことがないキャラクターの姿もあった。
今回の発表会では、鞍馬夜叉丸と呉瑞香というふたりの新キャラクターがお披露目。すでに参戦が発表されている“ダーリィ・ダガー”とともに、壇上ではそのコンセプトや特徴について解説された。
鞍馬夜叉丸(くらま やしゃまる)
CV:天崎滉平
3名の新キャラクターの中では、メインに位置するという夜叉丸。CVを担当するのは本発表会のMCを務める天崎滉平さんだ。
キャラクターデザイナーの佐治氏いわく、“鎧武者”をコンセプトにしつつも、陰のあるダークヒーローとしてデザインしたという。女性も含む広いユーザー層に刺さるように、美形のキャラクターになっている。
声を演じた天崎さんによれば、すごく真面目で寡黙、かつ正義に対し熱い想いを持つ人物であり、仮面を取ることで人格や攻撃方法などが変わる部分も演じ分けたとのこと。
呉瑞香(ウー レイシャン)
CV:劉セイラ
初公開となったもうひとりの新キャラクターが呉瑞香だ。イメージは“風水師”。中国ドラマなどから衣装のパーツを取り込みつつ、スリットを入れるなど、ゲーム的なアレンジを加えたキャラクターだという。
頭はいいがドジっ子気質で、戦闘中も転んだり、ふわっとしていたりすることが多いとのこと。使用する技では、華やかな氷や炎のエフェクトが楽しめる模様だ。
ダーリィ・ダガー
CV:小林ゆう
すでに発表済みのダーリィ・ダガーについても、そのコンセプトが改めて説明された。
コンセプトは“大工”であり、本作ではいちばん“和”から遠いイメージのキャラクターになっている。初期案はもっとファンタジー色が強かったこともあり、本作の雰囲気にいかに馴染ませていくかに苦労したそうだ。
開発陣が“リブート”の内容を具体的に語る!
新キャラクターの発表だけでなく、発表会では開発陣による『SAMURAI SPIRITS』の基礎的な解説も行なわれた。
最初に語られたのは本作のコンセプト。小田氏いわく、コンセプトはずばり『サムライスピリッツ』の“リブート”。前作から11年というブランクを挟む中、古きよきテイストを継承しつつも、新しいものにもしていくとのことだ。
グラフィック面では最新のUNREAL ENGINE 4を導入。美麗なグラフィックになっただけでなく、開発もしやすくなったとのこと。
シリーズファンのイメージを崩さないビジュアルに仕上げつつも、「2019年の『サムライスピリッツ』であると一目で分かる作品」になっているという。
続いてはゲーム性。「ほぼコンボが存在しない、一撃必殺性」を重視していると解説された。
シリーズ2作目の『真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変』をベースとし、シリーズ各作品のいいとこ取り。2019年3月にアメリカとイギリスで実機でプレイしてもらったところ、多くの人から「遊びやすい」と好評価を得られたという。
このゲーム性ゆえの苦労として、黒木氏からは「攻撃力が高いと大味になるため、防御力とのバランスを取ること」が挙げられた。
強力な“秘奥義”が当たれば7割の体力が減り、覇王丸などの主要キャラクターの場合は“大斬り”を3回当てれば勝利できる。全体の攻撃力は、絶妙なバランスに保たれているようだ。
さらに、SNK初の試みとして“ゴースト”機能を導入している。プレイヤーの対戦時の動きを学習し、AIを自動生成する機能だ。
リーダーボードにアップロードすることで、ゴーストのデータをプレイヤー間で共有できる。
16人のキャラクターを選ぶにあたり、重視したのは人気と見た目、さらに遊びだという。
新キャラクター3名のコンセプトのうち、企画当初のダーリィ・ダガーには“火消し”という案もあったのだが、海外で分かりにくいということで没になったらしい。
音楽のコンセプトにも“リブート”の軸が存在する。サウンドディレクターの山添氏によると、基本的なイメージはシリーズ初期作品。そこに、最低限の音の間に波の音を加えるような独特な音楽やハードロック系のサウンドなどによる、ごった煮をイメージしていると語った。
日本・アジア地域での発売日は2019年6月27日。表会当日の2019年4月5日12:00より予約受付がスタートしている。
発売日とともに、販売形態と商品概要、各種特典も公開された。DLCキャラクターは計4名で、2019年8月、10月、12月、2020年2月にそれぞれ1名ずつ配信予定だ。
また、発売後の展開についても発表された。
eスポーツ関連においては、世界的な格闘ゲームの祭典“EVO”でメイン種目に採用されることが決定しているという。
ほかに、SNKとして大会に出場する選手を支援するプログラムを実施することや、SNK格闘ゲームの世界大会“SNK WORLD CHAMPIONSHIP”の競技種目になっていることが発表された。
ステージの最後には、本作のアーケード版、Nintendo Switch版、PC版の発売もそれぞれ発表された。
2019年6月以降の『SAMURAI SPIRITS』の展開からは、どこまでも目が離せないようだ。
体験会で懐かしい『サムスピ』の感覚に感動!
発表会の壇上では、ゲームの解説だけでなく、さまざまな催しが実施された。
オープニングアクトは和楽器ユニット“HIDE×HIDE”による尺八と三味線の演奏だ。HIDE×HIDEは本作のゲーム内にも楽曲を提供しているという。
サウンドディレクターの山添氏によると、ゲームが好きなだけにキャラクターの特徴などをしっかりとつかんでおり、見事なサウンドを提供してくれたとのこと。
続けて、迫力ある殺陣のステージを“SAMURAI PERFORMERS syn”の皆さんが披露した。複数人が入り乱れるパートと、金属製の刀で1対1の殺陣を披露するパートの2部構成で、いずれも目にも止まらぬほどの大迫力。
金属の刀を用いた剣戟は、『サムライスピリッツ』シリーズの対戦を現実で観ているかのような迫力を放っていた。
また、音楽と殺陣で場が温まったところで、MCであり夜叉丸の担当声優でもある天崎滉平さんが実際に本作をプレイしてみることに。
対戦相手として登壇したのは、プロゲーマー夫婦、ももち選手とチョコブランカ選手だ。
プロ相手に勝ち目は薄いと思われていた天崎さんだが、「これだけは決めたい!」と力説していた“怒り爆発”からの“一閃”を両方のプロゲーマーに決め、それぞれから1ラウンド目勝利をもぎ取る快挙を達成! 会場を大いに湧かせた。
多種多様なイベントで気分も盛り上がったところで、我々プレス関係者も本作を実機で体験できた。
プレイアブルだったのは、覇王丸、ナコルル、ガルフォード、十兵衛、幻十郎、アースクエイク、シャルロットの計7キャラクターだ。
筆者もまた、学生時代にゲーセンで『サムライスピリッツ』初代作品に触れ、ほかのゲームにはない要素にカルチャーショックを受けた身だ。そんな筆者が『SAMURAI SPIRITS』を遊んでみた感想としては、
「あの頃の『サムスピ』が帰ってきた!」
この一言に尽きる。
『サムスピ』と言えば、何といっても“大斬り”。
ボタンひとつ、あるいはレバーを前に入れてボタンひとつを押すだけで出る基本技なのに、カウンターで決まれば3割どころか4割以上の体力を奪う。
その分、出かかりや出終わった後の隙も大きく、決まった瞬間の気持ちよさは筆舌に尽くし難い。
さらに、大斬り以外でも、“秘奥義”を当てれば体力が7割減るのが当たり前。怒り爆発からの一閃に至っては、条件しだいで秘奥義以上の威力になることもある。
何か攻撃を当てたら体力が4割以上は減る、そんな展開が始終続く。
懐かしさと同時に、初代『サムスピ』の頃と比べると、格段に操作しやすいという違いも感じた。当時あった、操作レスポンスが悪くテンポが強制的にゆっくりになっていた感覚が、本作では感じられない。思った通りに軽快に操作できる中で、それでもなお慎重に立ち回っていくわけだ。
いまと昔で同じ緊張感の中でも、操作にストレスがないことがとても励みになり、緊迫した状況を楽しむ余裕につながった。
昨今のほかの対戦格ゲーのように、コンボや起き攻めなどで有利な状況を作り出していくのではなく、お互いに大きな一撃を狙い、下手を打たず、じりじりと間合いを詰めていく。初代『サムスピ』をゲーセンで遊んでいた頃の場面そのままだ。
それなのに、いまどきのゲームらしく、非常に遊びやすい。言葉にすると簡単だが、すごいことが実現しているのではないだろうか?
個人的には、お互い1本ずつ取って迎えた最終ラウンドで、自分も対戦相手も怒り爆発を発動した状態の立ち合いが最高すぎた。お互い一手間違えれば一閃で倒されるという、息を飲む緊張感が病みつきになりそうだった。
原点回帰しつつも、新しい時代の要素や遊びやすさも『SAMURAI SPIRITS』にはしっかりと盛り込まれている。開発陣の発表や、体験プレイでそれが実感できたのはうれしい限りだ。
あとは6月の発売と、以降の展開にさらに期待が膨らむばかり!