2019年4月18日発売予定の『オーバーライド 巨大メカ大乱闘』の制作陣にインタビューを実施!

 3gooより、2019年4月18日に『オーバーライド 巨大メカ大乱闘 スーパーチャージエディション』がプレイステーション4向けに発売される。同作は、巨大メカを操り東京やエジプトなどをモデルにした“アリーナ”と呼ばれる10のロケーションを舞台に、大乱闘をくり広げる巨大メカ対戦アクションゲーム。協力や対戦、乱闘など、多彩なゲームモードが特徴の1作だ。ゲームの詳細に関しては、以下の記事をご確認されたし。

 本作を海外でパブリッシングするのは、アメリカに本社を構えるModus Games。そして開発を担当するのは、ブラジルのデベロッパーであるBalanceだ。この、見るからに日本のロボットアニメの影響を受けたとおぼしい本作は、どのような経緯で生まれたのか? ふと気になってしまった筆者は発売元であるModus Gamesと開発元のBalanceにメールインタビューを敢行した……。ところ、開発会社のBalanceからは、ほぼ全メンバーから順番にお答えをいただいた。それは、スタジオの方針である「各自が意見を出し合い、全員が意思決定に関わります。スタジオが作り出す作品は私たち全員と共鳴し合うことが重要」を地でいくかのような対応。

 というわけで、ほっこりしつつインタビューをどうぞ!

Rafael Gatti(ラファエル・ガッテイ)

Balance デザイナー

Lucas Neves(ルーカス・ネヴィス)

Balance プログラマー

Pedro Cataldi(ペドロ・カタルディ)

Balance デザイナー

Catharina Baltar(カタリナ・バルタール)

Balance コンセプト・アーティスト

Vitor Coimbra(ビトー・コインブラ)

Balance プログラマー

Luciano Santos(ルチアーノ・サントス)

Balance プログラマー

Andrew D. Nguyen(アンドリュー・D・グェン)

Modus Games プロデューサー

巨大メカに憧れていた当時の感覚に立ち返りながら……

――まずは、日本のゲームファンのために、Balanceがどのような会社なのかを教えてください。代表作やスタジオの方針などをお教えいただけるとうれしいです。

ラファエル開発スタジオのBalanceは、いまから7年前、私たちが大学在学中に始動しました。Unityを使った3Dゲーム制作に取り組み、iOS/Android用アプリ『Goat'em Up』というソーシャルゲームがデビュー作です。その後、PCやプレイステーション4、X Box One向けソフトを手掛けるにあたり、Unreal Engineでの開発を始めました。『オーバーライド 巨大メカ大乱闘』は、僕たちにとって初の商用にして、初のオンライン&コンソールのタイトルとなります。
 スタジオの方針は……そうですね、僕たちはたった7名の小さなスタジオですから、各自が意見を出し合い、全員が意思決定に関わります。スタジオが作り出す作品は私たち全員と共鳴し合うことが重要なので、全員の思いや個性が反映されていることが一番大切だと考えています。

アンドリューMaximum Gamesは2009年に設立され、パブリッシャーおよびディストリビューターとして急速に成長しました。 そして昨年、私たちは優れたインディーゲームを世に送り出すためのブランドとしてModus Gamesを立ち上げました。『オーバーライド 巨大メカ大乱闘』はこのブランドが放つ第1弾タイトルです。組織として、私たちは想像力豊かな開発者と仕事をするのが本当に大好きなので、Balanceの開発者が本来的な業務であるゲーム制作に集中できるように、パブリッシングを始めとする業務はMaximum Gamesが巻き取る形で展開しています。

――本作を開発するに至った経緯をお教えください。

ルーカス『オーバーライド 巨大メカ大乱闘』は、ゲーム開発のハッカソン“Global Game Jam”で制作したプロトタイプが始まりです。Young Horsesさんの『オクトダッド -タコと呼ばないで-』の巨大メカバージョンを作るようなノリでした。巨大なメカを複数名でプレイするというアイデアは、『パシフィック・リム』などからもインスピレーションを受けていて、それは本作の核を成す部分でもあります。ゲーム制作にあたり、パブリッシャーや投資家を募っていく段階で、今日のようにアリーナを舞台に格闘するというスタイルにシフトしていきました。

ラファエルスタジオのメンバーはみんなマルチプレイでのCO-OPが好きなんです。その点を念頭に置いて、プロトタイプの作成に取り組みました。基本的なコンセプトは、ルーカスの言うとおりGame Jamに参加したときに生まれた、“巨大ロボの一部を制御して、みんなで遊ぼう”という発想を出発点にしています。『パワーレンジャー』や『パシフィック・リム』からの影響を受けて、それらに触発された形です。

――日本のロボットアニメやゲームへのリスペクトが随所に感じられますが、とくに好きな作品はありますか?

ペドロはい! 私たちは日本のゲームやアニメーションの大ファンです。なぜなら、それらを見て育った世代だから。『ZONE OF THE ENDERS』のような巨大なロボットものはとくに大好きでした。『オーバーライド 巨大メカ大乱闘』の開発中も、巨大メカに憧れていた当時の感覚に立ち返りながら、愛すべきジャンルへの忠誠心を失わないよう心掛けていました。

ルーカス実際のところ、僕たちはゲームはもちろんのこと、アニメーションや映画からより多くのインスピレーションを得ています。『マジンガーZ』、『天元突破グレンラガン』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『機動警察パトレイバー』のようなクラシックアニメはもちろん、『仮面ライダー』、『巨獣特捜ジャスピオン』、『パワーレンジャー』、『ウルトラマン』のような特撮シリーズの存在も、本作の開発に大きな影響を与えてくれました。

――破壊するのが楽しくもあるステージは、制作する際にいろいろと案が出たと思いますが、今回の10ステージを採用した理由はなんですか?

カタリナ各パイロットのコンセプトアートを制作するにあたり、かなり初期の段階で、パイロットは外観やメカのデザインにもとづいてバラバラの国籍にしたほうがいいんじゃないかと思っていました。 そして、キャラクターの国籍が決まったことで、それぞれのステージが自然な流れで決まっていきました。

――正統派ロボットや恐竜タイプ、女性型、猫忍者、魚プロレスラー(?)、老師みたいなロボットなど、登場キャラがかなり個性的ですが、これらはどうやって生み出していったのですか?

ペドロメカをデザインするとき、私たちはできるだけ多くの異なるスタイルにアプローチしようとしました。そして、表情豊かでカリスマ性に溢れる多様なキャラクターのセットを制作しました。

――それぞれが派手な必殺技を持っていますが、キャラが出来てから決めていったのですか?

ペドロ特殊攻撃やそれぞれの挙動は、各メカのクリエイティブを作成した後に設計していますが、メカのデザインが完成した段階で、それぞれに実施してほしいゲームプレイ像やアイデアというのは大筋で見えていました。そこからブレインストーミングを重ねて、各メカのゲームプレイを特定のスキルに割り当てたり、いかに派手な究極の攻撃を生み出せるかを決めていきました。

――4人で1体のロボットを操るのがとてもユニークですが、どういう発想から本作に取り入れることになったのですか? やはり合体ロボットを意識しての操作方法なのですか?

ラファエルもちろん! プレイヤーがどのようにコントローラーを操作するのかというアイデアについては、合体ロボットをモチーフにした作品からの影響が大きいですね。たとえば『グレンラガン』などの存在は大きいです。

――ひとり用の操作もLRボタンが左右の手足に割り振られていて、すべてにタメ攻撃があるのが変わっていますね。どういった意図でこうしたのですか?

ビトー膨大な量のアクションをコントローラにマッピングする作業は私たちにとって最大の課題であり挑戦でした。実際、簡単な作業ではありませんでした(笑)。パンチやキックなどの動きを別々に制御できるようにしたことで、いくつかの操作は思い描いていた最終形には至りませんでした。でも、直感的な操作を実現するためには必要な判断だったと思います。

――1対1の対戦アクションではなく、乱闘タイプにしたのはなぜですか?

ルーカスみんなアリーナ型の対戦ゲームが好きなので、メカをどうコントロールするかを考えたときに、多人数のモードやチーム戦を取り入れたらさらにおもしろくなるんじゃないかと思ったからです。

――アーケードモードはストーリー仕立てになっていて、違うゲームみたいに仕上がっていますね! そのようにした理由を教えてください。

ルーカス本作の開発に影響を与えてくれたあらゆる作品たちがそうだったように、古きよき時代の「地球を救え!」というストーリーなしに巨大ロボットを語ることはできないですよね! 存在意義でもあるというか……。また、プレイヤーがCO-OPプレイを楽しむうえでもストーリーは大切な存在ですから。

――パイロットの姿がアーケードモードで見られたのがうれしかったのですが、猫忍者の中身がマスクのおじさんでショックを受けました……。

カタリナ私たちはパイロットを可能な限り多様にして、さまざまな肌の色、年齢、性別でデザインすることにこだわりました。 ほとんどのパイロットはメカのビジュアル的な特徴にリンクしていますが、ステレオタイプを破ってみたいという願望もあって、一部のメカとパイロットはギャップを重視したりしています。実際、予期せぬタッチを加えてみたりもして。マイア(猫忍者)のパイロットを男性にしたのもそんな経緯からです。

アンドリューこういったアプローチはキャラクターに限りません。たとえば、マイアのパイロットを中東系のキャラクターにしたのは、中東の子どもたちが日本のアニメの大ファンだからなんです。日本のアニメを愛する中東の子どもたちに少しでも光を当てたいという思いでこのような組み合わせもクールではないかなと判断しました。

――アクセサリーにはおもしろいものも多いですが、これらはどうやって決めていったのですか?

カタリナアクセサリーはゲームにちょっぴりのユーモアを加えるために思いついた選択肢のひとつでした。 こういうちょっとおバカなアイデアはつねに考えています。その一方で、スキンをデザインするときの私たちの目標は、それぞれのメカに異なる人間性というか、感情をもたらすことでした。 一部のスキンはおふざけが過ぎた内容に設計されていますが、相手に脅威を与えるような、恐ろしい見た目のスキンも存在しています。ギリシャ神話からピザの配達人、女子高校生に至るまで、さまざまな題材にインスピレーションを得て創り上げたものです。

アクセサリーの一例。

――日本のロボットファンに、「ここに注目して欲しい!」というポイントありますか?

ラファエル各ステージには、ゲーム本編には直接影響のないイースターエッグ(小ネタ)を散りばめています。一番多いのは日本のステージなんですよ。日本のステージは僕たちが一番時間を費やしたところでもあるんです。東京の街並みをベースに作っていますが、ひとつひとつのディテールにこだわっているので、日本のみなさんが実際にプレイしてみて、東京の雰囲気を感じ取ってくれたらうれしいですし、どれぐらいの小ネタに気づいてもらえるのか、僕たちも楽しみにしています。ぜひ探してみてください!

ルチアーノMinna-san, hope you have fun playing Override!(みなさん、「オーバーライド」をぜひ楽しんでください!)

Balanceの皆さん。左からラファエル・ガッテイ氏(デザイナー)、ペドロ・カタルディ氏(デザイナー)、ビトー・コインブラ氏(プログラマー)、ルーカス・ネヴィス氏(プログラマー)、カタリナ・バルタール氏(コンセプト・アーティスト)、ルチアーノ・サントス氏(プログラマー)。※右から二番目(カタリナさんの後ろ)のスタッフさんは今回のインタビューには登場しておりません。
Balanceのオフィス。

 以下、今回のインタビューに合わせてご提供いただいたコンセプトアートをお届けする。

マイア(忍者猫)のパイロット。 
クリスタル
メタゲコン
モンスターのコンセプトアート
攻撃方法
サンフランシスコ
ロシア