もっと教えて! 開発陣に直撃インタビュー!
待望の『サクラ大戦』シリーズ新作、『新サクラ大戦』がついに本格始動!
プレイステーション4で今冬発売に向けて開発中であることが明らかになった本作。メインキャラクターデザインに『BLEACH』の久保帯人氏など新たな才能を迎えた一方で、シリーズの“柱”のひとつである音楽面では引き続き田中公平氏が担当。さらに、開発チームではかつてのメインスタッフが顔を揃える。しかも、技術面ではセガゲームス内のほかの開発チームによる大きな協力があるという。
新しい血を取り入れつつも、シリーズの魂はそのままに、そしていまできる全力を投入するというセガゲームスの“本気”が感じられる本作。はたしてどんな作品になるのか……? 開発陣へのインタビューを最速でお届けしよう!
なお2019年4月4日発売の週刊ファミ通2019年4月18日号では、『新サクラ大戦』を16ページで大特集! キャラクターの情報やキャストからのコメント、ストーリーやゲームシステムといった詳細情報のほか、本インタビューのロングバージョン、さらにはシリーズの歩みを振り返る読み物も掲載している。ぜひそちらもチェックしていただきたい。
現時点で判明している『新サクラ大戦』のゲーム情報は、以下の記事を参照してほしい。
新たな挑戦は愛ゆえに……!
開発チームの3トップを直撃! “新”の名にふさわしい、思い切った変革を行った経緯や現状、そしてセガゲームスの社内に溢れる『サクラ大戦』へのこだわりなど、さまざまな熱い思いが語られた。
片野 徹氏(かたの てつ)
プロデューサーとして人員や予算の管理、宣伝施策や情報発表のコントロールなどを行う。元プログラマーで、代表作に『ソニックアドベンチャー』など多数。
寺田 貴治氏(てらだ たかはる)
ファンには“T隊長”としておなじみのシリーズディレクター。設定面やシナリオの統括を担当。代表作に『サクラ大戦』シリーズや『ファンタシースターポータブル』シリーズなど。
大坪 鉄弥氏(おおつぼ てつや)
開発ディレクターとして、寺田氏と二人三脚で開発現場の統括に携わる。代表作に『サクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~』、『初音ミク -Project DIVA- X』など。
スタッフの悲願だった新作がファンの後押しでついに実現
――まずは『新サクラ大戦』のプロジェクトが立ち上がった経緯について教えてください。
寺田最終的なきっかけは2016年の“セガフェス”でのファン投票で1位を取った(※)からです。ただ、じつはそれ以前から、新作の企画は、毎年のように提出していました。内容は京都編とか未来編とか、さまざまなものがありましたね。だいたい夏になると話があがるので、まわりの人間からは“夏の風物詩”なんて言われていたみたいです(笑)。
※ 2016年11月19~20日に開催された“セガフェス”での“第一回セガフェス総選挙”で、“作品部門”と“復活期待部門”で2冠を達成した。
片野つまり、毎年のように不採用が続いてきたということでもあるのですが、セガフェスでの結果を受けて、社内の風向きが変わりまして……。
大坪今回のプロジェクト自体はその少し前から動き出していたのですが、ファンの皆さんのおかげでかなりの追い風を受けた状態で新作の開発を進められたので、感謝してもしきれません。
――そして今回、タイトルを『サクラ大戦6』ではなく、『新サクラ大戦』としたのは、どんな理由からなのでしょうか。
大坪前作から10年以上も空いてしまったこともあって、今回はチームとしても“続き”ではなく“リブート”という意識を強く持っていました。それに加え、スタッフなども大きく様変わりしていますし、プラットフォームもプレイステーション4になった。それらすべてをひっくるめて、“新”という言葉に集約した結果、このタイトルになったわけです。
――メインスタッフも顔ぶれが大きく変わりました。それぞれの起用理由、そして開発を進めてきての感触などを教えてください。まずは久保帯人先生からお願いします。
大坪久保先生については、セガフェスより前の、私がプロジェクトに参加した段階で、すでに名前が挙がっていました。
寺田真宮寺さくらもそうですし、今回のヒロインである天宮さくらの姿を見ていただいてもわかると思うのですが、『サクラ大戦』のメインヒロインと言えば“和装と刀”ですよね。その組み合わせで真っ先に思い浮かんだのが久保先生だったんです。
大坪それで今回、プロジェクトが本格始動するにあたって、集英社さんを通して打診をしてみたんです。すると、興味を持っていただけて、キャラクターデザインを担当していただけるという話になりました。本当に運がよかったな、と。
寺田しかも、キャラクターデザインだけでなく、各キャラクターが持っている刀のデザインなども手掛けてくれているんです。
片野そのほかにも、久保先生からいろいろと提案いただいたアイデアを採用しています。
花組隊員との“信頼度”や個別エンディングも、もちろんアリ!
――続いて、ゲーム内容について詳しくお聞きします。まず、舞台設定について、これまでと変わった点を教えてください。
大坪作中でも10年の月日が流れていますが、“蒸気文明”ですとか、“太正浪漫”といった作品の根幹を成す時代設計は変わっていません。一方で、これまで作中では“裏”の存在だった華撃団が広く知られるようになったのが、過去作品ともっとも異なるところですね。
――そんな中行われる“世界華撃団大戦”とは、どんな大会なのでしょうか?
大坪もともとは世界規模のスポーツの祭典のようなもので、本作ではその第3回大会が行われるところです。帝都に世界各地の華撃団が集まり、トーナメント形式で技を競うことになるのですが、平和なはずの大会がシリアスな方向に向かっていき……。というのが、全体の話の流れですね。
――体育会系な流れですが、恋愛要素はどうなるのでしょうか?
大坪今回も、花組隊員たちとの“信頼度”が存在し、その増減で、バトルのパラメーターに影響を与えたり、合体技が使えるようになったりします。もちろん個別エンディングも用意してあります。あと、次回予告などゲームとしての基本的な枠組みは変えていません。
――グラフィックはフル3Dなのでしょうか。
大坪ハードがプレイステーション4になり、グラフィックもすべて3Dで表現することにしました。大帝国劇場を始めとしたマップはすべて新たに描き起こし、建物内も自由に歩き回れるようにしています。
――キャラクターによる会話シーンも3Dマップ上で行われるのでしょうか?
大坪アドベンチャーパートでの移動、イベントや会話は、すべて同じ3Dマップ上で行われるようにしました。
――シリーズおなじみのLIPSや、通称“おさわりモード”とも呼ばれたクリックモードなどは、本作でも登場するのでしょうか?
大坪3Dならではの要素を盛り込み、形を変えつつも用意はしています。たとえば、アナログLIPSでカメラワークを連動させて、下からなめるような視点で何かをのぞき込む……みたいなことができるようになっていたり。クリックモードも新しい仕掛けがあります。
片野CEROの審査に大きな影響が出ない範囲でがんばっています(笑)。
――ムービーもすべて3Dなのでしょうか?
大坪アニメムービーも用意しています。いま勢いのある“サンジゲン”さんが手掛けていて、総計で40分以上になります。それ以外のシーンは、基本的に3Dですね。
――セガフェスの映像では、かつての『檄!帝国華撃団』と同じようなフレーズが印象的でしたが、『檄!帝国華撃団<新章>』はどんな曲に仕上がっているのでしょうか?
寺田じつはあの映像では、新曲のおいしいところがカットされているんですよ。イントロからサビが流れるのですが、実際はAメロでファンを驚かせる仕掛けになっています。
大坪 『ゲキテイ』のあの流れが入ってきたな……というところで思わぬ変化があるんです。私も初めて聴いたときには驚きました。
片野そう遠くない日にフルでお披露目するつもりですので、いまのところは楽しみに待っていていただければと思います。
――現在、開発進行度を%で示すとしたらどのくらいでしょうか。
大坪40~50%というところです。キャラクターや背景のモデリングやシナリオ、音楽といった基本的な部分はできていますし、ボイス収録も終盤に差し掛かっていて、あとはゲームとして組み上げていく作業に入る段階に来ています。今冬発売という予定は守っていくつもりですので、期待していてください。
寺田次の情報もなるべくあいだを空けずに出していきたいと思っています。ユーザーの皆さんの後押しで動き出せたプロジェクトですし、期待を裏切らないようにこれからも鋭意開発を続けたいですね。
冒頭でお伝えした通り、週刊ファミ通2019年4月18日号(2019年4月4日発売)の『新サクラ大戦』特集では、本インタビューのロングバージョンを掲載している。今回発表された主要キャラクターたちについての詳細なコメントや、気になる過去作のキャラクターとの関係についても言及が……? 要チェック!