『ファイヤープロレスリングワールド』DLC第3弾として、須田剛一氏による“チャンピオンロード2(仮)”の開発が決定。

 マット界に激震だ。プレイステーション4/PC向けのプロレスゲーム『ファイヤープロレスリングワールド』に、あの男が帰ってくることが判明した。

 かつて1994年に発売されたスーパーファミコン用ソフト『スーパーファイヤープロレスリングSPECIAL』をディレクターとして手掛けた、グラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一氏が、本作のストーリーDLCを手掛けることになったというのだ。

 『スーパーファイヤープロレスリングSPECIAL』のストーリーモード“チャンピオンロード”は、若手レスラー“純須杜夫”(すみすもりお)の栄光と悲劇を描き、その衝撃のエンディングは大いに物議を醸した。

 しかも今回のDLCでは、まさにそのチャンピオンロードの続き“チャンピオンロード2(仮)”として、20年以上の時を経てレスラーへと成長した純須の遺児を主人公とする予定だという。

やはり血は争えないのか。純須杜夫の遺児がタッグ屋となっていた! 名前は母親の冴刃姓を名乗っているようだ。写真左はタッグパートナーのノトーリアス。

 発表が行われたのは、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで開催中のゲーム開発者向けの国際カンファレンス“GDC”(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)。奇しくも2年前に本作が発表され、須田氏がOBとしてメッセージビデオを寄せた地である。本誌取材班はGDC会場で須田氏を直撃した。

須田剛一(すだ ごういち)

グラスホッパー・マニファクチュア代表取締役。『killer7』、『ノーモア★ヒーローズ』シリーズなどで知られる。ファイプロシリーズでは、『スーパーファイヤープロレスリングSPECIAL』でシリーズ初となるストーリーモードを手掛けている。

――ついにファイプロ復帰と聞きました。しかもあの続きが始まると。

SUDA51 ええ、久々にファイプロに帰ってくることになりまして。『スーパーファイヤープロレスリングSPECIAL』から丁度24年経過して、あのとき冴刃麗子が純須杜夫との間の子供を生んでいるとすれば24歳なんですよ。となればそこそこいい年齢で、「もしプロレスラーになっていたらどんな姿形になっているのか?」と想像したのが右側の彼です。

――純須杜夫を継ぐものがいたと。

SUDA51 いましたね。姓はお母さんの冴刃なんですけども。

――どういう話になるのかは?

SUDA51 なんとなく構想はできつつあるんですけども、まだまだこれからです。年明けぐらいに決まったばかりで、スパイク・チュンソフトさんがGDCで発表しましょうと。

――では、これから昔の試合などを見返してインプットしたり?

SUDA51 いや、見返したりはしませんね。今のプロレスというものを、この時代のプロレスラーというものを書かないといけないなと考えているので。今のレスラーの人に話を聞いてみたいなとは思っていますが。

――この24年の間に、プロレスを取り巻く状況も、ファイプロを取り巻く状況も大きく変わったと思うのですが、そのあたりは。昔はファイプロは仮名レスラーですが、今はもう新日本の選手がこう(出ている)じゃないですか。

SUDA51 まさに。そこはすごく変わりましたね。でも僕が書くファイプロは、あくまでファイプロの世界のものにしたいので、やっぱり“サンダー龍”とか、当時の名前で出したいと思っています。

――前回はいわゆる“U”好き、リングス好きの情熱が爆裂していたわけですけども、今はそちらも結構状況が違います。それに関してはどうでしょうか?

SUDA51 そこに関しては相当フラットでしょうね。「これだ」っていう団体じゃなくて、いますごく引いた視点でプロレスを見ているので、今の僕のこの立ち位置からプロレスっていうものに近付いて見てみようかなという気はしているんですよ。

――“彼”はタッグ屋のようですね? そしてこの“The Vanishing”(バニシング)というのがチーム名と。

SUDA51 多分、インディー団体からスタートしているはずなんです。海外経験として南部の方の団体からスタートしているという。だから左の相棒のノトーリアスも外国人です。

――あぁ、それで日本人レスラーの修行中ということでやっぱり顔に……

SUDA51 隈取りを入れられてると、まさにそうです。アジアンギミックをつけられちゃう。

――純須杜夫は哀しい最期を遂げたわけですけど、時代が追いついてきてしまったというか、この24年間に亡くなったレスラーもいろいろといらっしゃって。

SUDA51 やっぱりレスラーの人たちの生き様も、そして時に死に様も壮絶じゃないですか。でもそこにプロレスラーの凄みをリングの上の姿以外でも感じてしまう。それをもしかするとファイプロSPECIALで書けてたのかな、という気がしないでもないんですけど。

 でも、そういった僕が大好きだった、憧れだったレスラーたちが亡くなってきた中で、その思いもこの物語に入ってくることもあるんじゃないかなと。センチメンタルなものにもなるかもしれないし、今の若者がサクセスしていく物語にもしたいと思っていたりもしますし。

――いずれにしても、ここまで重ねてきた時間を踏まえた続編になると。

SUDA51 そう思います。そんなものにしたいなと。

――逆に懐かしい要素は?

SUDA51 うまくシナリオが締め切りまでに上がれば、それに合わせて絵を書いてもらうことになるじゃないですか。これはなるべくドット絵にしてもらいたいなと思っていて。今の綺麗なイラストじゃなくて、当時のチャンピオンロードと同じようなドット絵で表現したいんですよね。

――では最後に、ファイプロという古巣の団体に帰ってきた男としてひと言お願いします。

SUDA51 (レスラー口調で)やっぱり今のファイプロは生ぬるいんでね、ここは俺が一回ぶっ壊して、橋本真也並みの破壊からの再生で、本当のファイプロってモノをこのチャンピオンロード2でブチ込んでやりたいなと思ってます。