スパイク・チュンソフトは、推理アドベンチャーゲーム『AI: ソムニウムファイル』を7月25日に発売する。

 スパイク・チュンソフトは、新作アドベンチャーゲーム『AI: ソムニウムファイル』を、2019年7月25日にプレイステーション4/Nintendo Switch/PCで世界発売することを発表した。

 サンフランシスコで開催中のゲーム開発者向けイベントGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)では、プレス向けに最新デモが披露されたほか、ディレクターを務める打越鋼太郎氏(トゥーキョーゲームス)とアシスタントディレクターの岡田昌氏への取材を行うことができた。

夢に入れる特殊な眼を持つ捜査官が連続殺人犯を追う

 昨年7月に発表されて以来、ゲーム自体の詳細な情報はあまり公開されてこなかった本作だが、今回プレイの様子を見ることができた序盤のストーリーは以下のような感じ。

 ある11月の雨の日の夜、廃業した遊園地で、メリーゴーラウンドに括り付けられた女性の遺体が発見される。その遺体には繰り返し刺された痕跡があり、さらに左目がえぐられているという特徴があった。

 警察の捜査官である伊達鍵(だてかなめ)は、現場に到着してすぐ遺体の顔に見覚えがあるのに気がついたが、今度はメリーゴーラウンドの中から不審な物音を耳にする。そして中央の柱部分をこじ開けてみると、そこには血まみれのアイスピックを手に呆然とする少女がいた……。

 というわけでプレイヤーは主人公の伊達として近未来の東京で奇妙な連続殺人事件を追っていくことになるのだが、ここでキーとなってくるのが彼の左目だ。

 伊達はAI“アイボゥ”が仕込まれた特殊な義眼をはめており、それによって通常の捜査時に特殊な能力を利用して捜査に役立てることができる。それだけでなく、アイボゥを他人の夢の世界に送り込み、その夢の主の記憶などを探って捜査に役立てることができるのだ。

伊達の左目はAI入りの義眼。見た目も左右で色が違うオッドアイのようになっている。

 この夢の世界の探索は“ソムニウムパート”と呼ばれ、6分間の時間制限がついている。プレイヤーはアイボゥを操作しながら探索していくが、仮に問題解決前に0秒になってしまうと「まだ詳しくは言えないところではありますが、もちろんよくないことが起きます」(岡田氏)。

 なお夢の世界は現実とは異なる論理で動いており、今回のデモでは“怪しいアイスピックを引き抜くとそれに合わせて別の場所の避雷針が伸び、雷を逃がすことに成功する”という現象が発生。果たしてこれがどう繋がっていくのやら検討もつかないが、夢の世界の謎を解けば現実でも手掛かりに近付いていくのは間違いない。

発表時に公開された素材だが、これはソムニウムパートのもの。事件現場と似ているが、メリーゴーラウンドの馬が逆さまに刺さっていたり、現実パートとは異なっている部分がある。

本作でもマルチエンド制を採用。A-set≒イリスを救えるか?

 ところで打越鋼太郎氏とスパイク・チュンソフトと言えば、突如“A-set”(通称あせとん)というネットアイドルの共同プロデュースを発表。彼女はYouTubeやTwitterでVtuber(バーチャルユーチューバー)的に活動を続けてきた。

 しかし、最近A-setの投稿には次第に不穏なものが混じってきていて、執筆段階で最新の映像ではついに、【閲覧注意】と動画タイトルに書かれた、事件に巻き込まれたとしか思えない凄絶な姿が残されている。短い間だったけど、さよなら、あせとん……。

 虚実が入り混じってややこしいが、このA-setは本作のキャラクター“イリス”のネットアイドルとしての姿でもある。GDCデモには登場しなかったが、公開された本作のPR素材にはイリスとしての彼女がバッチリ写っっている。

 それだけでなく、YouTubeに上がった映像でA-setがやられていたのと同じく、シロクマのような格好の何者かが機械で人物を切断しようとしているスクリーンショットもあり、あれがイメージ映像なんかではなく、ゲーム中の事件とはっきりとリンクしたものなのがわかる。

 あれがゲームでのこととなれば、ゲーム中で運命をひっくり返し、A-set≒イリスを救うこともできるのだろうか? 打越氏いわく「マルチエンディングなのでいろんな歴史があると考えて頂いて、プレイヤーの皆さんにイリスを救ってもらいたい」とのこと。

海外限定版にはA-setのアクリルスタンドが付属。パッケージでもアイボゥ(ソムニウム形態)と対になっていたり、メインヒロインっぽい扱いに。

 ついでながら気づいたことを書いておくと、イリス(Iris)を読み替えるとアイリス(虹彩)であり、他にもアイボゥは“相棒”とも読めるが“アイボール”なら眼球といったように、本作には眼に関する言葉に読み替えられそうな名称がたくさん出てくる。

 そもそもタイトルもAIはアイと読めて、ロゴも目の形。ティザーサイトに書かれていた言葉には“サイクロプス連続殺人”というものがあり、サイクロプスと言えば“ひとつ目の怪物”だ。もうひとつ別に書かれていた“ウジャトシステム”なら、エジプト神話ではホルスの左目を“ウジャトの目”と言い、失われたものを回復する力、すべてを見通す力があるとされる……と、段々オカルティックになってきてしまったのでこの辺で止めておこう。

 さて、いよいよ発売日も決まった本作、今後は発売に向けて情報をどんどん公開していくそうなのでお楽しみに。最後に打越・岡田両氏からコメントも頂いた。

打越氏:今回は本当にアドベンチャーゲームファンのために作ったいて、アドベンチャーゲームが好きな人は絶対に楽しいだろうと確信しているので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
岡田氏:アドベンチャーファン向けではあるんですけど、そうではない人もコザキユースケさんのビジュアルがかっこいいので、ジャケ買いしていいぐらいですね。それで買って遊べば、ストーリーが奥深いのできっとハマっちゃうと思います。