塚中健介(つかなかけんすけ)
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
倉知洋輝(くらちひろき)
バンダイナムコエンターテインメント
アシスタントプロデューサー
宮城嘉樹(みやぎよしき)
トムクリエイト
ディレクター
上瀧圭一郎(じょうたきけいいちろう)
トムクリエイト
アートディレクター

本作を手掛ける4人の『ジージェネ』マイスターが、ここに集結! 本作の魅力や注目点など、気になるアレコレを語ってくれたぞ。
収録セリフも多彩! 全種類、聞けるかな?
――本作の開発はいつごろから?
宮城前作『SDガンダム ジージェネレーション ジェネシス』(以下、『ジェネシス』)の開発中である、2016年夏には次作の構想はありました。
塚中最終的にプロジェクトとして立ち上がったのが、2017年の初めごろ。私はそのあとから、徐々に関わっていきました。
――『ジェネシス』のユーザーから届いた声で、多かったものや印象に残ったものは?
塚中やはり宇宙世紀以外の、ほかの作品も遊んでみたいという声は多かったですね。
上瀧ほかには、キャラクターカットインが少なかったという意見ですね。
塚中コクピットカットインは『ジェネシス』の魅力のひとつとして表現した部分はありますね。ただ、コクピットの設定が機体ごとに違うため、キャラクターと機体の組み合わせに関しては、限定的な演出になってしまいました。やはりそうした声は多かったですね。
宮城そこで本作ではスカウトキャラクターのカットインを、すべて用意しました! 機体を乗り換えるとコクピットも変わりますし、ボイスもプレイアブルキャラクター全員ぶんあります。ボイスはシチュエーションによっても変わりますし、因縁がある相手との掛け合いセリフや支援攻撃時に仲間にかけるセリフなど、いろいろ用意されています。条件が多彩なので、すべて聞けるということは、まずないのでは?
倉知このキャラクターがこの機体に乗ってこの武装を使ったらどんなことを言うのかなど、『ガンダム』ファンならニヤリとするような戦闘演出になっています。ぜひ、プレイヤーの方にはいろいろなキャラクターをさまざまな機体に乗せて、多彩なシチュエーションで戦ってほしい。キャラクターに魂を入れる声優さんたちからもご意見をいただきながら、いっしょに創り上げました。やられたときのセリフにも、けっこう長いセリフがあったりするので必聴です。
上瀧それに加え、今回の戦闘アニメーションはめちゃくちゃがんばっています(笑)。『ジェネシス』でもすべて新しいフォーマットにしてイチから作り起こしたんですけど、本作でもモデルからアニメーションまで、イチから作り起こしました。『ジェネシス』は、ハード的な制約のなか、フルアニメーションでどこまでできるかというチャレンジだったのですが、本作では『ジェネシス』以上のボリュームでフルアニメーションというチャレンジ。けっこう意欲的な作品になっています。『ジェネシス』では、ひとつのポーズで静止したアニメーションや、動画枚数が少ないカクついたアニメーションがありましたが、そういったもののすべてがなめらかに動きます。本作の参戦機体って、派手なものが多いんですよ。その表現をどこまでできるかという挑戦も、もりもりと盛り込んでます。
宮城“トランザム”や“阿頼耶識”など、宇宙世紀にはない動きというのが、本作ではいろいろ見せられると思います。『W 』、『SEED 』、『00』、『鉄血』の4作品、それぞれがまったく異なる動きやメカニズムの作品なので、見比べていただけたら、方向性もそれぞれ違うことに気づかれると思いますよ。
倉知ほかには、攻撃を回避したときのモーションをもっと入れてほしかったという声も多かったです。『ジージェネ』シリーズは機体数も非常に膨大で、どうやって物量をさばききるというのがいつもプロジェクトの大きな課題です。1機体にひとつのモーションを追加すると、当然それが全機体にのしかかる。とんでもない数字の掛け算になりますが、がんばって作っています。
塚中『ジージェネ』シリーズの変遷のひとつが、戦闘アニメーションの進化。『ジェネシス』でも新しい表現方法にチャレンジしましたが、本作でもまたひとつ進化したと思っています。2019年1月22日からプロモーションビデオの第1弾を公開していますが、それを観ていただければ戦闘アニメーションの進化が伝わると思います。



本作ではスカウトキャラクターのカットインを、すべて用意しました!
継承する原作追体験とシリーズの新たな顔ぶれ
――『ジェネシス』から継承している要素は?
塚中やはり、原作追体験の要素ですね。『ジージェネ』シリーズは、2018年に20周年を迎えました。それだけユーザーの皆様に愛していただいた息の長いシリーズですが、非常に多数のタイトルを発売し、それぞれがテイストも、扱っているテーマも違っていたりと特色があります。その中でも『ジェネシス』は、原作追体験を意識した作りです。もとのガンダム作品が持つストーリーやキャラクターの魅力をユーザーに体験してもらいつつ、自分で編成したオリジナル部隊で戦いながら世界に没入するというのが大きな特色でした。本作でもその部分を大きく押し出して、引き続き力を入れているところです。
――逆に、これまでのシリーズと違うところは?
宮城まずは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』シリーズの初参戦です。『機動戦士ガンダム00』シリーズも『SDガンダム ジージェネレーションウォーズ』には参戦しているのですが、しっかり原作追体験するのは初めてですね。宇宙世紀以外の『ガンダム』で、原作追体験をする『ジージェネ』って珍しいというか、あまりやったことがなかったので、挑戦してみたかった。
――本作における、そうした参戦作品の選定は、どのように行われたのでしょうか。
塚中いろいろな作品で『ジージェネ』を遊んでみたいというユーザーの声を受けて、我々もできるだけ機体、キャラクター、扱う作品数を多くしたいというのが第一の目標。『ジェネシス』でも外伝系の作品や設定のみ存在する機体など、細かく取り扱っていました。ですので、“宇宙世紀100年”と言いつつ、一年戦争まわりの作品も多数扱った結果、収録機体数が膨大になりました。本作では4シリーズが参戦ということで、「少ないんじゃないか」と思う方もいらっしゃるでしょうが、外伝作品も膨大な数を網羅していて、機体数に関しては『ジェネシス』と比べても遜色ないどころか、多いくらいです(笑)。我々も作りながら、この4シリーズでこんなに機体がいるんだと気づかされるくらい、途方もない数を作り続けました。この4シリーズはキャラクターの人気も高いシリーズですので、その魅力をユーザーに感じ取っていただきたい、アピールしたいという思いで選定しました。


『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』が『ジージェネ』シリーズ初参戦!
宇宙世紀では味わえない遊びかたも採り入れ!?
――本作参戦の4シリーズが、ゲーム内で交わることはあるのでしょうか。
倉知自分だけの部隊を編成してほかの作品に参入するというのが、『ジージェネ』シリーズのおもしろさだと思うので、どの機体でも別の作品の世界に参戦することができます。ブレイク型ではないので、4つの世界が交じりあったシナリオというのはありませんが。
宮城『ジェネシス』では、どうしても新旧MS対決という構図になりかねないんですけど、本作は4つの世界観がそれぞれ異なる形を持っているのがおもしろい。たとえば、『鉄血』の“ナノラミネートアーマー”というビームの威力を軽減する装甲を持つ機体と、『SEED』の“フェイズシフト装甲”という物理攻撃を軽減させる装甲を持つ機体が戦ったらどうなるのか。さらに『W』の“プラネイトディフェンサー”や『00』の“GNフィールド”などが入り乱れるので、単純に“新しい機体が強い”ではなくなっています。『ジェネシス』とは違う攻略のしかたや遊びかたができますよ。
――プレイヤーは、4つの世界をどの順番でプレイしてもいいのでしょうか。
塚中大丈夫です。好きな作品から始めても、表示された順番にプレイしてもかまいません。ある世界のステージをひとつクリアーしたら、ほかの世界のステージをプレイする、ということもできます。
――まだ開発中の段階ではありますが、苦労したところなどは?
上瀧本作でまた、新たに機体のモデルを起こしており、その制作でも細かいこだわりの表現をしています。手のひらや足裏、背面のノズルの中など、「ちゃんと見えるのかな?」というところまで作り込んでいます。機体ごとにビームサーベルが収納される位置も異なります。ウイングガンダムはシールドの中ですし、ウイングガンダムゼロは肩からという珍しいタイプ。戦闘シーンで、最初からサーベルを持たせて動かしてもいいのですが、本作ではこだわって、武器を取り出すところもちゃんと作り込んでいるため、モデリングはとくに苦労しているところです。
塚中苦労話と言いつつ、作れてうれしいというニュアンスにも聞こえる(笑)。
宮城『ジェネシス』を始めとする『ジージェネ』と言えば、機体を搭載した戦艦を出撃させ、そこから出撃させるという宇宙世紀寄りのシステムをイメージしますよね。今回は宇宙世紀ではない4つの世界を扱うということで、そうしたシステムとは違う別の遊びかた、見せかたをいかに採り入れるかというのが苦労したところです。パイロットは兵隊ではなくキャラクターなので、そうしたキャラクターでどんな過激なことや派手なことをして、宇宙世紀を超えた遊びかたができるかというのが、最初に苦労したところです。本作ではうまく採り入れられたと思いますよ。



すべてが新規モデル! すべてにこだわりをもって制作!!
あらゆる機体を網羅した『ジージェネ』の通過点
――最後に、ユーザーの皆様にメッセージを。
上瀧有名な機体、派手な機体、マニアックな機体、いろいろ見られると思います。さらにキャラクターの個性も相まって、自分なりの『ジージェネ』の遊びというものをかなり追及できると思います。戦闘アニメーションは、本当に気合い入れて作っています!
宮城『ジェネシス』からの正統進化ながら、宇宙世紀とは違う新しいガンダム観、4つの世界、これがじっくり楽しめるスタイルという形を目指して開発しています。『ジージェネ』も20周年を越え、そこで培ったノウハウを活かしながら、いい意味で『ジージェネ』らしさを追求しています。また、新しい要素を入れてボリューム感と忠実な原作再現、キャラクターの演出力というものをうまくまとめて、期待に応えるようにがんばっています。
倉知シミュレーションゲームとしてのやり応えも、4つの世界であるというのを踏まえたすごいボリュームなので、「クリアーしました」というのを、ぜひSNSでお知らせしてほしいです。ご報告をお待ちしています。
塚中いちユーザーとしては『ジージェネF』が好きでした。圧倒的なボリュームや作品の網羅感というものはいまだに追いかけているのですが、この膨大な物量をどうさばいていくかというのは、近年のゲーム開発の課題でもあるのです。出ていないキャラクターをもっとこういう形で参戦させてほしい、『ジージェネ』を大ボリュームで遊びたいというユーザーが多数いることは我々もわかっています。本作は、いずれあらゆる機体を網羅する『ジージェネ』を作るためのひとつの通過点。我々もその先の『ジージェネ』に向けて進化しなければならないと思っています。それでも本作は、相当なボリュームを持っていますので、まずは遊んでいただければ。まだ紹介していないシステムなども、今後の続報を楽しみにしてください!

SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ
対応機種:Nintendo Switch、プレイステーション4、PC(STEAM)
メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
発売日:2019年発売予定
価格:未定
本作の最新情報を掲載した、週刊ファミ通2019年3月7日号(2019年2月21日発売)の“先出し週刊ファミ通”もチェック!
『SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ』に参戦するモビルスーツやキャラクターをたっぷり公開!【先出し週刊ファミ通】(https://www.famitsu.com/news/201902/19172153.html)