2019年2月17日、千葉県・幕張メッセにてポケモンカードゲームの大型公式大会“チャンピオンズリーグ2019 千葉”が開催された。以下では、その模様をリポートする。

 チャンピオンズリーグとは、世界一のポケモンカードゲーム(以下、ポケカ)プレイヤーを決める大会“ポケモンワールドチャンピオンシップス”への出場権をかけた大会で、年に4回行われる。ちなみに、千葉大会は2018年9月の東京、同年11月の新潟に続いて今シーズン3回目の開催となる。

 世界大会への切符がかかっているだけに、本大会には国内屈指の強豪選手が多数参加している。一方で、ポケカ人気が爆発した2018年以降に始めた新規プレイヤーたちも数多く見られ、ライバロリ氏を始めとする人気YouTuberたちの参戦もあり、より盛り上がりを見せている。

 また今回は、“ポケモンGX”よりもさらに強力な“タッグチームGX”が登場してから初めてのチャンピオンズリーグ開催ということで、どんなデッキが活躍するのか、注目が集まっていた。

笑顔で写真撮影に応じてくださったのは、とーしん選手。個性的かつ、しっかりとしたコンセプトのデッキで活躍した。
毎度恒例となっているイラストレーターさんによるサイン会。今回はしぶぞー先生と斉藤コーキ先生がおふたりでいらっしゃるという豪華仕様!

ラフレシアの前に伝説のポケモンたちがなす術なし!? ダークホースが大会をかき乱す

 プレイヤーたちのあいだで優勝候補と噂されていた“ピカチュウ&ゼクロムGX”デッキ、“ジラーチ・サンダー”デッキ、“ウルトラネクロズマGX”デッキが順当に活躍を見せるなか、ニコニコ生放送にて配信されるフィーチャー卓では、1回戦からいきなり異彩を放つデッキが登場!

 現環境でまず姿を見ることのなかった“ラフレシア”をメインに据えたデッキを披露したのは、WCS2016チャンピオンのとーしん選手だ。彼は先の新潟大会でもかなり尖ったコンセプトのデッキを披露し、視聴者および選手たちの度肝を抜いている。

 「デッキ名は“タマムシビリジオン”です」と語るとーしん選手。曰く、『ポケットモンスター 赤・緑』におけるタマムシシティのジムリーダー・エリカの手持ちポケモンである“ラフレシア”、そして“イーブイ&カビゴンGX”はタマムシシティのイベントで仲間にできる“イーブイ”、タマムシシティの西側・16番道路で寝ている“カビゴン”とすべてタマムシシティに関連するポケモンとのこと。ここまで尖ったデッキの中にこんなにも美しいコンセプトを潜ませるとは……あっぱれと言うほかない。

 さらに、世界大会常連のレジェンドプレイヤー・ヨネダタクヤ選手を始めとする一部の強豪たちは、相手の手札にあるトレーナーズカードの数によって技の威力が上がる“ゲンガー&ミミッキュGX”と、相手のグッズカード(トレーナーズカードの一種)の使用を封じる特性を持つ“オムスター”を組み合わせたデッキを使用していた。

 これらが収録された拡張パック“タッグボルト”が発売された2018年12月には、ちらほら見られたものの、当時はさほど研究が進まないまま、姿を消してしまっていたデッキタイプだ。しかし、この2か月で新たに登場したカードによって、このデッキを強化する方法を密かに研究、発見していたであろう彼らは、満を持してこの大舞台に持ち込んできたというわけだ。

 いつになく混沌としている本大会だが、そんな環境に必死で喰らいついているゲーム実況者たちの姿が……!

ライバロリ氏はゲームでもよくパーティーに入れている相棒“ルカリオGX”と“ルガルガンGX”、“ゾロアークGX”を組み合わせたデッキを使用。戦績は4勝3敗で見事勝ち越し。
WCS2015ゲーム部門のチャンピオンであるビエラ氏がカードゲーム部門に参戦! “ピカチュウ&ゼクロムGX”デッキを使って5勝3敗と、こちらも勝ち越し! 将来的にカードゲーム部門でWCS参加権を獲得する可能性も……?

 さらに、あゆみん氏は“カウンター型カプ・コケコ”デッキを使用し、なんと6勝2敗で予選73位と大健闘! 惜しくも決勝トーナメント進出は逃したものの、競技シーンにおいて十分すぎる結果を残した。

 なお、2019年3月1日発売の拡張パック“ダブルブレイズ”に収録される“ミュウ”の特性は、“味方のベンチポケモンが相手のワザのダメージを受けなくなる”というもの。あゆみん氏が使用した、相手全体にダメージを与える“カプ・コケコ”とは相性最悪であるため「次回の京都大会では、“カプ・コケコ”デッキではなく、“ベトベトン&アローラベトベトンGX”を使います!」とのコメントを本人からいただいた(実際に使うかどうかは、京都大会で確かめてほしい)。

勝利予想はたった1割! 圧倒的な不利マッチをひっくり返す激アツの決勝戦

 決勝戦のマッチアップは、ゆうゆう選手(“フェローチェ&マッシブーンGX”デッキ)対かわさきたかふみ選手(“ルカリオ&メルメタルGX”デッキ)。なんと、ともに予選ラウンドおよび決勝トーナメントのすべての対戦に勝利、13勝0敗どうしの決勝戦となった。

 準決勝でとーしん選手に勝利した、かわさきたかふみ選手の戦法は、“ルカリオ&メルメタルGX”の高耐久と、相手のエネルギーを破壊するカードを絡めての耐久戦。そうして相手の攻撃をしのいでいるあいだに手札を溜め、アンノーンの特性“HAND[ハンド](※)”によって特殊勝利を狙うもの。

※HAND[ハンド]……アンノーンの特性。自分の手札が35枚以上のときにバトル場で特性を使用すると、その対戦に勝利する。

 ニコニコ生放送では、デッキの相性的に、かわさきたかふみ選手側が9割有利なマッチアップだと、ヨネダタクヤ選手が解説。同時に行われた視聴者アンケートでも約9割がかわさきたかふみ選手の勝利を予想した。

 だが、試合が始まってみると、その予想は破られることに。ゆうゆう選手が序盤のペースを握ったのだ。かわさきたかふみ選手が守りを固める前に速攻を仕掛ける。そして、かわさきたかふみ選手のポケモンを1体2体と順調に倒していき、結局そのままペースを握ったまま逃げ切りに成功。試合開始から10分と経たず、ゆうゆう選手が勝利し、予想と反した結果に、会場は大いに盛り上がった。

 個性的なデッキがいくつも現れ、大きく荒れた大会となったが、最後は最新弾の“フルメタルウォール”で登場したタッグチームGX“フェローチェ&マッシブーンGX”が全勝優勝を達成。大きなリスクを補って、あまりある能力の高さを知らしめる結果となった。

 そんな中、2019年3月1日に新たに発売される拡張パック“ダブルブレイズ”では“フェローチェ&マッシブーンGX”の弱点である、ほのおタイプのタッグチームGX“レシラム&リザードンGX”が登場する。この影響で環境がどう変化するのか注目だ。

 さて、今シーズン最後のチャンピオンズリーグとなる次回は、2019年4月14日に京都で開催。そして2019年6月8日、9日には幕張メッセにて、ポケモンジャパンチャンピオンシップスが開催される。いよいよ今シーズンの日本代表選手が決定する重要な場だ。ぜひとも現地で……、生放送でも! いっしょに選手たちを応援しよう!