ファンフェスティバル 2018-2019 in Parisの初日ラストを飾ったピアノコンサートをリポート。

 2019年2月2日、3日(現地時間)の2日間、フランス・パリで開催される『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の大規模ファンイベント“ファンフェスティバル 2018-2019 in Paris”。初日のラストに行われたピアノコンサートの模様をお届けしよう。
※本記事にはセットリストが含まれています。ネタバレが気になる方はご注意ください。

 最初の開催地であるアメリカ・ラスベガスでのファンフェスでは、『From Astral to Umbral』や『Duality』といったアレンジアルバムでピアノアレンジを担当、演奏しているKeikoさんがステージを務めたが、ここパリでは植松伸夫氏と縁深いピアニスト、ベンヤミン・ヌスさんが登場。

 じつは、ベンヤミンさんは2017年2月に開催されたフランクフルトでのファンフェスでもピアノコンサートの奏者を務めており、再びファンフェスのステージに帰ってきた恰好だ。なお、植松さんとの関わりについては、以下のリンク先の記事で触れている。

 まず、ステージに『FFXIV』のサウンドディレクターである祖堅正慶氏が登場。その後、ベンヤミンさんが呼び込まれ、挨拶を行った。ここでのやり取りが、いきなりおもしろい。

 MCがベンヤミンさんに調子を聞くと、「very nervous...」と返答。それを聞いた祖堅氏が「Nervous?」とからかうように言うと、すかさずベンヤミンさんは「Nerveux」とフランス語で応戦。祖堅氏は「フランス語わかんねえんだよ」と悔しそうにしていた刹那、「一個知ってる!」と急に得意げに。会場全体が注目する中、披露されたフランス語はなんと「フレンチドレッシング(思いっきり日本語発音で)」。会場は爆笑に包まれるが、祖堅氏は続ける。「あ、一個知ってる。フレンチフライ」。またも、会場は爆笑。その流れに乗ずるように、MCが「フレンチキス?」と言うと、祖堅氏は「あ???」と態度が豹変。ベンヤミンさんも「フレンチトースト」と続く始末で、祖堅氏は「ピアノ弾けよ、いいから(笑)」と一蹴していた(自分が言い出しっぺなのに!)。

 そんな、とてもクラシックの厳かな雰囲気からは遠い、リラックスしたムードの中、歌手のスーザン・キャロウェイさんがステージ上に。先ほどの流れでスーザンさんにフランス語を教わった後は、今回の譜面の話題になった。「楽譜を見たと思うんですが、どうですか?」と祖堅氏。「前回も難しかったけど、今回はさらに難しい……。私を殺したいの?」とベンヤミンさん。祖堅氏はニヤリとしながら「イエェェェス」と回答し、またしても会場は大爆笑。

 ベンヤミンさんほどの名プレイヤーがひるむほどの譜面……それは、ラスベガスでKeikoさんが披露した超絶アレンジのものだったのだ。つまり、今回のステージでは、Keikoさんがアレンジをし、ラスベガスで演奏したものを、ベンヤミンさんが再現するという形になる。それはそれは真っ黒な譜面で、難儀したのだろう。

 会場が温まったところで、1曲目は『Revolution』。『紅蓮のリベレーター』のメインテーマだが、ふだんはトリを飾るような楽曲で、まさか1曲目とは……。これは、ラスベガスでのセットリストとも当然異なる。

 2曲目もスーザンさんがステージに残り、『忘却の彼方 Never Let it Go』を熱唱。これは蛮神シヴァ討滅戦の楽曲のバラード版で、スーザンさんがこのアレンジで歌うのは今回が初お披露目となる。

 3曲目は『紅の夜更け 〜クガネ:夜〜』。ラスベガスでは1曲目に演奏されていた曲だ。基本的にKeikoさんが披露したアレンジと同様なのだが、ベンヤミンさんは若干ハネ気味に演奏していたのが印象的だった。

 4曲目は祖堅氏が登場し、オタマトーンで『父の誇り 〜ヤンサ:昼〜』を披露。ラスベガスでのリポートでも書いたのだが、とにかく音程の外しかたが絶妙。音感が備わった人が、あえて音を外すのは存外難しいのである。

 5曲目は『古傷 〜ギラバニア湖畔地帯:夜〜』。ラスベガスでのKeikoさんの演奏は、流れるようなアルペジオが心地よかったのだが、一方のベンヤミンさんは男性のタッチを活かした力強い演奏となっていた。

 6曲目は『美の謀略 〜蛮神ラクシュミ討滅戦〜』。この曲はいろいろと仕掛けがあるのだが、今回もなかなか手が込んでいた。詳しくは写真を見てほしい。

 7曲目は『Dragonsong』。『蒼天のイシュガルド』のメインテーマだ。スーザンさんのボーカルも素晴らしいのだが、そこにあの映像が出てしまうと、溢れるものが抑えられなくなる。

 8曲目はラスベガスでKeikoさんがすさまじい演奏を披露した『龍の尾 〜神龍討滅戦〜』。原曲よりもかなり速いテンポ、半音階の激しい駆け下り、グリッサンド、コーラス部分のメリハリなど非常に難度が高いアレンジだが、ベンヤミンさんも魂の込もった演奏で再現していた。

 一度全員がステージから捌け、ベンヤミンさんと祖堅氏が再び登場。『万世の言葉 〜禁書回収 グブラ幻想図書館〜』の連弾をラストに披露した。

突然ふたりが立ち上がってみたり、途中でベンヤミンさんが倒れ込んだりと、サービス精神に溢れた演奏となっていた。

セットリスト
M1:Revolution
M2:忘却の彼方 Never Let it Go
M3:紅の夜更け 〜クガネ:夜〜
M4:父の誇り 〜ヤンサ:昼〜
M5:古傷 〜ギラバニア湖畔地帯:夜〜
M6:美の謀略 〜蛮神ラクシュミ討滅戦〜
M7:Dragonsong
M8:龍の尾 〜神龍討滅戦〜
M9:万世の言葉 〜禁書回収 グブラ幻想図書館〜