紹介するには乗り遅れた感があるものの、過去数週間にわたり英語圏、とくにInstagramやFacebookといったSNSを賑わせたハッシュタグとして #10yearChallenge がある。日本でもこの1週間ほどのあいだ、にわかに盛り上がりを見せており、見たことがある人もいるのではないだろうか。
誰が始めたのかは(往々にしてSNSのトレンドがそうであるように)不透明なところがあるが、古い写真を再投稿するFacebookの機能が発端ではないかという説もあるこのハッシュタグは、10年前と現在の写真を2枚並べ、いかに変わったか(あるいは変わらなかったか)を示す内容につけられるもので、当初は著名人などを筆頭に10年前の自分といまの自分を並べて投稿するという気楽なものだった。しかしハッシュタグが盛り上がるにつれ、この10年で起きた気候変動や中東の内戦前後といったシリアスなものも登場。そしてそういったフェーズを迎えた後は世界共通の動きが加速する。大喜利大会だ。
英語圏の大型掲示板Redditでは(ニッチながらも)“ゲームの10年”を扱ったスレッドがいくつか立ち上がっているので、今回はそれらを紹介してみたい。
ゲームをプレイするということ
こちらはご覧の通り、無邪気にゲーム対戦を遊んでいた子どもたちが大きくなっても競技シーンで本気で対戦しているよ、というネタだ(文脈情報が乏しいため確証はないが、左の子どもたちはおそらく右の写真に写るプレイヤーの子ども時代ではないだろう)。
ちなみに寄せられたコメントの中には、大喜利らしく「ついにゲーマーが立ち上がる時代が来たな」「何言ってんだよ、プレイヤーは座ってるだろ」といったやりとりもあった。
『アンチャーテッド』のネイサン・ドレイクの10年
続いては『アンチャーテッド』シリーズよりネイサン・ドレイクさん。
グラフィックの陳腐化について言及するユーザーはおらず、皆「むしろ10年で若返っている」「鼻整形した?」「この若返り能力がほしい」「しかし名作シリーズだった。『4』が一番好きだったな」など和気あいあいとしたスレッドとなっていた。
『ゴッド・オブ・ウォー』クレイトスさん
こちらは『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズよりみんな大好きクレイトスさん。
こちらもビジュアルの進化というよりも「タトゥーの位置が変わってる」というコメントや「オリジナルの髭とタトゥーはホント合ってた」といったコメントが並び、ほかには「10年のあいだに目の傷跡が徐々に薄くなっていくのがスゲー好き」といったキャラクターへの愛を感じるコメントもあった。
なお、タトゥーの位置の変化については「タトゥー入れた友だちがしばらくして太ったら位置変わったからクレイトスさんも年取って微妙にずれたのかも。タトゥーの位置はパンゲア大陸みたいなもんなのかもね」「結局どう加齢に向き合うかで決まるんだよ」といった返信もあり、本記事を書きながら謎の雑学を仕入れることができたことを補足しておこう。
『グランド・セフト・オート』シリーズ
『グランド・セフト・オート』シリーズのグラフィック比較ということで、もっと「いやー時代は進化したよね」といったコメントで埋め尽くされているかと思ったが、英語圏での人気のせいか、「あのころは○○ミッションで苦労したよ」や「CJの家ってこんなに大きかったっけ?」、など当時を懐かしむ声が非常に大きかったのが印象的だった。
もうひとつ印象的だったのは「当時の自分には、下のグラフィックみたいに見えていた」や「現世代みたいなリアルさを追求したグラフィックじゃないけど、結局ゲーム内で何が起きているか、どこに何があるかがしっかりと提示されていたからね」といった、同シリーズがゲームの没入感とプレイ体験の質の高さを通じて「人間は見たいものを見る」特性を活かしていたのだな、と思わせるコメントたちだった。
オチ担当
最後はオチ担当となってしまうが、この10年間シリーズが『2』で止まっていることをネタにされてしまった『Half-Life』シリーズ。長年のPCゲームファンには「ガッポイ」や「バールのようなもの」といったフレーズを懐かしむ向きもあるのではないだろうか。
「待った、『Half-Life 2』のリリースは2004年だ」→「もっと悪いだろ」「15年チャレンジかよ」といったコメントが並ぶ中、「初代が出たとき僕は高校生で、以来全シリーズを愛し続けてきた。そして十数年前に大学で学位を得て安定した職につき、可処分所得もしっかりある。頼むよValve、最高のエンディングを見せてくれよ、カネを払わせてくれ」といった懇願も混じっていた。私自身これを書いていて、『HL2』のエンディングを思い出し、まったく同じ気持ちになったことをここに付け加えておこう…。
以上で、変わるものもあれば変わらないものもあるゲームの10yearchallengeの簡単な紹介を終えたい。興味を持った方はぜひTwitterやRedditなどで探してみてほしい。