2019年1月24~28日まで台湾で行われた台北ゲームショウ 2019。先行してお伝えした『SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ』のスペシャルステージ後に、本作のプロデューサーの塚中健介氏、開発ディレクターの宮城嘉樹氏へのインタビューの機会を得たので、ショウに展示されていた試遊版のレビューと合わせてお届けしよう。
キャラクターの魅力をより感じてもらえる新システムが!
――なぜ今回の参戦作品を『新機動戦記ガンダムW』シリーズ、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ、『機動戦士ガンダム00』シリーズ、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』シリーズの4世界としたのですか?
塚中前作の『SDガンダム ジージェネレーション ジェネシス』は宇宙世紀100年の世界観を描くことを中心としましたが、今回は4つの新世紀という形で参戦ラインアップとさせてもらっています。
理由のひとつとしては、今回の『クロスレイズ』に参戦するユニットモデルは、新たに一から作り直しています。モビルスーツの頭身が高くなっているので、よりダイナミックな戦闘演出が見られます。その分各機体のモデル制作に大変時間がかかるので、より深く4シリーズを表現するためのラインアップとしています。加えて、現段階では明らかにできない新システムでは、キャラクターの魅力をより感じていただけるようなチャレンジもしています。
宮城『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は『ジージェネ』シリーズ初参戦ですし、『機動戦士ガンダム00』も物語が追体験できる形としては今回が初めてです。『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』も過去の『ジージェネレーション』シリーズで登場していますが、改めて物語のよさを引き出すため再構成をしています。当然、戦闘アニメーションもフルモーションで作り直しましたので、見応えあるものになっています。
――本作でのクロスオーバー要素はどうなりますか?
宮城原作ではありえないシチュエーションが楽しめ、ユーザーが予期せぬ遊びかたをできるのが、過去作のような“ブレイク型”だと思っています。今回のような“原作追体験型”は、4つの世界のテーマ性をじっくり味わってもらえるよう、視点を変えて構成しています。世界観を楽しみながら、その上でプレイヤーがほかの作品のモビルスーツを活躍させるといった感じです。そういった意味ではクロスオーバーの意味合いは持っているかと思います。
“ブレイク型”、“原作追体験型”にそれぞれのよさはありますが、今回のように4つの世界として“原作追体験型”にするのは初めてだったので、ぜひ挑戦してみたいと思いました。今回の4シリーズ以外にも、原作追体験の形で描けていない作品にも挑戦してみたいですし、それとは別に新しいクロスオーバーの形を表現できるよう、検討は続けていきたいです。具体的な計画はまだないです(笑)。
――STEAM版を用意した理由は?
塚中ゲームを発売するからには、できるだけ多くのユーザーに遊んでいただきたいと考えており、多数のプラットフォームに提供したい思いはありました。『クロスレイズ』は3つのプラットフォームのマルチとしたことで、より多くの人に楽しんでいただけるようになったと思います。STEAM版にも繁体字ローカライズを実施する予定で開発を続けています。
――STEAM版の開発で難しい点は?
塚中鋭意開発中ですので、いままさに難しくなってきているところです(笑)。ユーザーの皆さんが使っているPCのマシンスペックも、それぞれ異なるでしょうし、その中で快適に皆さんに遊んでいただくためには、どういったアプローチができるかを試しているところです。
――パイロットのカットインアニメーションは全員分が用意されていますか?
塚中スカウトキャラクターについては全員分のカットインを用意しています。
――『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』からも多数の機体が登場すると予想していますが、今回はどのような設計・開発となりますか?
宮城開発系統としては4つの世界それぞれの中でで行われます。
塚中『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』は続編を含めて参戦ラインアップとしているので、その中でも多彩な開発系統を用意しています。
宮城4つの世界をまたいだ中で、各ユニットの持つ能力をゲームとして調整するのが、難しくも楽しかったです。
――シナリオが存在する作品は、どの作品からでもスタートできるのでしょうか?
宮城もちろん、好きな作品を選んで楽しんでいただけるようにしています。
――ダウンロードコンテンツの予定はありますか?
塚中いまのところ計画は未定です。本編だけでもボリュームがありますので、それをまずやりきってから今後のことを考えていきたいです。
――4つの世界が中心ですが、隠しユニットはありますでしょうか?
塚中第1弾PVや台北ゲームショウ 2019のステージイベントで紹介したユニット以外にも、続報でお伝えする予定のユニットがたくさんあります。それ以外の隠しユニットは……なくはないです。これ以上はナイショです(笑)。
――ゲームシステム部分での新要素は?
塚中現状では、シリーズの特徴である開発や設計といった部分を中心に紹介しています。ただ、本作ならではの新システムをいくつか用意していますので、今後の情報にご期待ください。
宮城前作の遊びかたを引き継ぎつつ、ヒーローっぽい遊びの要旨を取り入れることを考えました。
――登場するユニット数はどれくらいですか?
塚中変形するモビルスーツや戦艦、その他のユニットなどもありますので、具体的なユニット数を換算するのは難しいですが、『ジェネシス』よりは多いです。
――発売時期を教えてください。
塚中あまり寒くならないうちには発売したいとは思っていますが……。引き続きがんばって開発していきます。
試遊台で『機動戦士ガンダムSEED』の世界観を追体験
バンダイナムコエンターテインメントブースにはプレイステーション4版の試遊台が4台設置され、約10分間の試遊が可能となっていた。試遊ができる機会は世界初とあって、台湾っ子たちが開場と同時に殺到。あっという間に整理券がなくなるほどの人気ぶりであった。
あくまで1ステージでの体験ということもあって、表面を舐める程度のプレイとなったが、基本的なプレイフィールは前作『ジェネシス』同様といった印象。ユニットの移動や戦闘のためのUIも、(今回の試遊版の限りでは)そう大きく違ってなさそうだ。
一方の戦闘シーンはと言えば、これがたいへんリッチ! すでに第1弾PVで明らかになっているように、従来よりも頭身の高くなった3Dモデルが縦横無尽に動きまわる表現は、モビルスーツ好きなら見ているだけで熱くなる出来栄え。ガーベラストレートで斬りつけるガンダムアストレイ レッドフレームやランチャーストライクガンダムといった、『ジェネシス』では見ることのできなかった“新世紀ガンダム”たちの、ケレン味たっぷりの勇姿を見られるだけで、十分に満足できそうだ。試遊版にはストライクダガーといった量産機の姿もあったので、機体の開発系譜がどのようになるか、予想をしながら発売を待とう。