2019年1月12日、SSJ品川ビルにて、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が3月20日にリリースするロボットトイ、“toio”のプレゼンテーション&メディア向け体験会が行われた。本記事ではその模様をお届けする。

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“toio”は”子どもの創意工夫を引き出す”をコンセプトに生まれたロボットトイ。内部にさまざまなセンサーが内蔵された“toioコア キューブ”、リング型のtoioコンソールを使用し、専用タイトルによるゲームプレイ、さらにはユーザーによるプログラミングでtoioコア キューブを動かすことができる。

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開発者&クリエイターがtoioの魅力をアピール

 プレゼンテーションにはSIEからtoio開発者である田中章愛氏と、シニアバイスプレジデントの西野秀明氏が登壇。田中氏からはtoioの機能や開発がスタートして完成、SIEで発売されるまでの経緯、西野氏からはtoio発売後の展開などが語られた。

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西野秀明氏(写真左)、田中章愛氏(写真右)。

 2017年にその存在が明らかになったtoioだが、toioのベースとなるプロジェクトそのものは、およそ7年前の2012年からスタート。田中氏を含めた3名のコアスタッフで開発、研究を進めていたという。
 開発の初期段階では田中氏いわく「天井にカメラがついていたり、運用には大型のPCが必要」な、煩雑なインターフェースだったそうだが、内臓センサーやキューブを小型化する技術開発、加えて「200人以上の子どもたちに遊んでもらう」という試行錯誤をくり返していくうちに、現状のtoioの形へと収束していったという。

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「子どもたちがふだん遊んでいるおもちゃや工作とtoioが結びつくことで、新しい遊びやひらめき、工夫のきっかけ、プラットフォームになってくれれば」と語る田中氏。
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toioコア キューブとコンソールの変遷。キューブに関してはプロトタイプの実物も展示されていた。

 西野氏は絶対位置センサーを搭載したことにより「空間を活用したプログラミングができる」ということと、「ユーザーがプログラミングに関われることで、新たなインタラクティブな体験が提供できる」点に魅力を感じているとコメント。ユーザーを含めたクリエイターや、SIEが作ったプログラムをネットワークを通じてシェアする試みや、親子で参加できるワークショップやコンテストの開催、YouTubeチャンネルの開設などで、toio発売後も積極的にユーザーをサポートしていきたい旨を明らかにした。

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toioコア キューブの基本構造。
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発売後も実物を手に取ってtoioを体感できるワークショップ、遊びやプログラミングの助けになる動画配信でユーザーをサポート。

 また、プレゼンテーションにはtoioと同時に発売される専用タイトルを開発した谷口恭介氏や佐藤匡氏、toioの開発に協力してきた筧康明氏といった“toioサポーター”も登場。toioの持つ可能性や、今後の展開への希望を口にした。

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『トイオ・コレクション』の企画やデザインに携わった谷口恭介氏。「子どものころの遊びの原体験、”作って、遊んで、ひらめいて”を回すサイクルにtoioがなってくれれば」とコメント。
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『工作生物 ゲズンロイド』を開発した、ユーフラテスの佐藤匡氏。「(toioは)すごいメディアが出てきな、という印象。『ゲズンロイド』は、うちが10年間”ピタゴラスイッチ”や認知科学の分野で勉強してきた成果が凝縮された作品になっていると思います」と語った。
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筧康明氏は、東京大学大学院情報学環の准教授。toioのコンセプトが自身の研究分野(HIC。ヒューマンコンピューターインタラクション)と近いということで、発売前からtoioの遊びかた(活用方法)を研究していたという。会場で流されたムービーでは、プログラミングしたtoioを使ったハンドベルの演奏や、光で文字を描く様子が紹介された。
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ローンチタイトル3つと今後の展開が垣間見られた体験会

 プレゼンテーション後に行われた体験会では、toio本体と同時に発売される専用タイトル、『トイオ・コレクション』、『工作生物 ゲズンロイド』、『Go Go ロボットプログラミング~ロジーボのひみつ~』に加え、第4弾として発売が予定されている『ドライブゲーム(仮)』の試遊が行えた。
 加えて、プログラミングによってさまざまな動きを実行するtoioも複数展示。テスターとしてtoioに触れていた子どもがプログラミングしたゲームや、3個以上のコアキューブを使った(専用タイトルで使用するコアキューブは現状ふたつまで)コンテンツに触れることもできた。

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5つの遊びとプレイヤーが自由にルールを作成できる”フリームーブ”が収録されている『トイオ・コレクション』。
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紙工作とプログラムを組み合わせることで19種類の”未知の生命体”を産み出せる『工作生物 ゲズンロイド』。
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『Go Go ロボットプログラミング~ロジーボのひみつ~』は絵本内にて指定されている動きを専用のシート上を走らせてコアキューブに覚えさせ、物語を読み進めつつプログラミングの基礎が学べるタイトル。
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toio専用タイトル第4弾としてリリースが予定されているドライブゲーム。コンソールをハンドルのように回してクルマ(コアキューブ)を制御し、レースやケードロといったルールで対戦が可能。
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コアキューブやコンソールに目がいきがちだが、同梱されているプレイマット、説明書などの紙素材にも多くの技術が注入されている。写真は『Go Go ロボットプログラミング~ロジーボのひみつ~』の”めいれいカード”。このカードの上にコアキューブを乗せると自動で走り出し、カードに書かれたプログラム(順次、分岐、反復)を指定された順に覚えていく。
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toioのテストプレイで協力していた、LITALICOワンダーの生徒がプログラミングしたゲーム。PCから流れる音楽に反応して動くコアキューブと、プレイマットの中央を奪い合う椅子取りゲームで競い合える。
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プレイステーション4のコントローラを使ってコアキューブを操作してゴールを決めあう、『ロケットリーグ』ライクなゲームが楽しめるプログラミング。ちなみにボールにもコアキューブが入っており、フィールド外に弾かれると自動にピッチ中央に戻ってくる。
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12個のコアキューブを制御、連動させてさまざまな動きを行わせるデモンストレーション。実演しているのはスタートアップから開発に携わるコアメンバー、アンドレ氏。