スパイク・チュンソフトより2019年2月15日にプレイステーション4とXbox Oneで発売予定のFPS『メトロ エクソダス』。海外試遊イベントで最新デモを遊んできたので、リポートをお届けしよう。
列車による旅とセミオープンワールドなフィールド
メトロシリーズは、ドミトリー・グルホフスキーによる小説を原作とする、核戦争後の荒廃したロシアを舞台としたFPSシリーズ。これまではメトロの名の通りモスクワの地下鉄網を中心に展開されてきたが、今作ではモスクワの地下生活を飛び出し、蒸気機関車“オーロラ号”による主人公アルチョムたちの脱出行(エクソダス)が描かれる。
今回プレイできたのはカスピ海(※世界最大の湖)が干上がった“カスピ砂漠”エリアで、冬のモスクワから四季をまたいで続く旅の夏パートにあたる。アルチョムたちは“バロン”なる人物が率いるらしい現地勢力との接触をきっかけに、情報収集と物資回収を兼ねて停車することになる。
広めのエリアを探索するために乗り物要素も
このようにストーリーは各停車地でのミッションを通じて展開していく形になっているのだが、一方でそれぞれのフィールドは一種の小さなオープンワールド的な作りになっており、目的地まで複数のルートが取れたり、寄り道的な探索要素が存在したりする。
またカスピ砂漠は特にオープンな開けたエリアになっていて、かなり広い。そこで、点在する建物などをクルマを使ってめぐるといったことも可能になっている。
探索による物資回収とクラフティング
セミオープンワールド化と関連し、もうひとつのゲームプレイを大きく変える新しい要素がクラフティング(アイテム作成)だ。これまでのシリーズでは人々が生活を送るメトロの駅にある商店でアイテムを売買したり、装備のカスタマイズを行っていた。
しかし今回は旅先なのでそういった場所が基本的にない。そのかわりに探索で手に入れた素材やパーツを使い、作業台やフィールド上でのクラフティングで必要なものを作るのだ。クラフティング画面では、回復アイテムや各種弾薬の作成、武器の整備やパーツ交換などができる。
なお各地にある作業台ではフルの機能を利用可能で、フィールド上でのクラフティングは作れるものに少し制限があるといった違いがある。例えば作業台ではすべての弾を作れるが、フィールド上では空気圧搾銃“ティハール”に使うベアリングの通常弾ぐらいしか作れない。
一方で銃のパーツの組み換えはフィールド上のどこでも可能なので、敵がいそうな建物などに入る前に、ステルスや中近接戦をイメージした構成に変えるといったこともできる。
廃墟探索→物資回収→強化&補給→もっと探索というプレイループ
というわけで本作では、クラフティング要素の存在とそのための物資回収が、大きく寄り道してまで探索することのメリットとなっている。もちろんいろんな所に行けばそれだけ敵と遭遇する可能性も高くなるし、戦闘で回復や弾などを消費したのにそれに見合った収穫が得られないこともあるかもしれないが……。
不要な戦闘や消耗を避けるには、双眼鏡などで先の様子を探りつつ進むのが有効だ。人間の敵を背後から一撃で倒すステルスキルなども駆使しつつ、いざという時にフィールドでのクラフティングでできることとできないことを考慮しながら弾やアイテムをやりくりすれば、サバイバルの可能性も上がるだろう。
モスクワの外での新たな出会いがプレイヤーを待つ
さて今回のカスピ砂漠エリアでのデモでは、灯台でバロンの配下に襲撃されていた女性“Giul”(ジュール)を助け、後半では彼女の協力により灯台の下にある通信施設に潜る……という形で進行。恐らくこのあと、新たな状況の判明やバロンとの対決へと繋がっていくのではないだろうか。
またこのエリアでは人間系の敵以外に、ミュータント化した人類の“Humanimal”(ヒューマニマル)や、前作に登場したクモ型クリーチャーなども登場。ちなみにコイツらには、カスピ砂漠のスタート時にもらえるティハールの燃焼性の特殊弾が有効だ。
プレイ後の雑感としては、最近のFPSではシングルプレイのストーリーモードがなくなったり、マルチプレイ前提の作りだったりすることが多いなかで、きっちりストーリーを描きつつ、新たな要素によってチャレンジしていく確かな意思が感じられて好感を持った。
建物内などでは従来のようにちゃんと仕込まれたイベントが発生する一方、オープンな屋外で敵兵士と交戦状態になったところ、たまたま近くにいて銃声を聞きつけた獣系クリーチャーの群れが押し寄せて兵士とこちらに襲いかかってくるというシチュエーションも遭遇。そんなあたりにも本作のポテンシャルを実感してニンマリした次第だ。