『ラグナロクオンライン』スパノビ、拳聖、リンカー上位職の実装が見えてきた! 2019年のアップデート計画を運営チームに訊く

正式サービス16周年を迎えたPC用オンラインRPG『ラグナロクオンライン』。2019年のアップデート計画に関するインタビューを実施した。

 『RO』はまだ、じゅ、う、ろ、く(16)だーからー。

 そんな歌が聴こえてきそうなゲームがある。『RO』とはガンホー・オンライン・エンターテイメントが運営するPC用オンラインRPG『ラグナロクオンライン』のことだ。

 『RO』は2018年12月に正式サービス16周年を迎えた。古参のゲームではあるが、アップデートは堅調だ。「16歳(周年)なんて、まだまだ子どもです」と言わんばかりである。

 成長を続ける『RO』の2019年はどうなるのか、運営チームの主要スタッフにインタビューを実施した。

【インタビューのおもな話題】
・イグドラシル(ロビー)ワールドの活用
・メインストーリーのアップデートに加えて、生体工学研究所に新たな動きが
・スーパーノービスのレベル上限開放
・拳聖とリンカーの上位職がついに登場

文・取材:ミス・ユースケ

プロフィール

中村聡伸(なかむらあきのぶ)

ガンホー・オンライン・エンターテイメント 『ラグナロクオンライン』運営チーム所属。文中は中村。

山本兼寛(やまもとかずひろ)

ガンホー・オンライン・エンターテイメント 『ラグナロクオンライン』運営チーム所属。文中は山本。

ドラムとワールド倉庫の実装で大きく変化した2018年

――まずは2018年のおさらいからいきましょう。

中村2018年でいちばん大きかったのが“ドラム”の実装です。『RO』として初めての新種族。完全にイチから始めることを想定したアップデートでした。ゲーム内もにぎやかになりましたね。
 ドラム用のスターターパッケージを発売したり、BaseLv1から175までレベルアップを支援するクエストシステム“ドラム育成サポートプログラム”を実装したり。パッケージは好評で、“新規に遊ぶならドラム”という流れが定着したかな、と。
 友だちにも勧めやすいみたいですね。強さ的に3次職と遜色なくて、いっしょに遊べるので。

――強さに差を感じるなどの声はありますか?

中村攻城戦で強さの差は若干出ていますけど、耐性のある装備を出したことで、バランスは取れているかなという感じです。
 これを踏まえて、3次職版のサポートプログラムも実装していきます。2019年1月から順次追加していく予定です。
 ドラムで始めた人も2キャラ目、3キャラ目と作りたくなるでしょうから、ドラムと同じ流れでサポートを受けて3次職を育てられたほうがいいかと思いまして。

2018年4月3日に実装された獣人タイプの新種族ドラム。“大トロ”というスキルを使うので、ファミ通.comのリポート記事では大トロの写真を載せた。

※関連記事
『ラグナロクオンライン』新種族ドラム体験リポート。猫っぽい獣人がエビと大トロで仲間を救う

――ドラムのほかはどうでしたか?

中村9月のワールド倉庫の実装ですね。ワールド(サーバー)を越えてアイテムを移動できるので、実質的に別ワールドでも遊べるようになりました。ただ、実装直後に大混乱を招いてしまいました。

――ありましたね。原因は何だったのでしょうか。

中村おもな原因はサーバーの負荷でした。システム面はまったく問題なかったんですよ。ワールド間でアイテムが流通するようになったので、もともと人が多いワールドに、さらに人が集まってしまった。そこで取引も行うので露店の数が4倍くらいに膨れ上がってしまって。
 露店の負荷が大きかったので、サーバーを増強しつつ、露店専用ワールド“Noatun(ノアトゥーン)”を立てて負荷を分散しました。いまは障害が発生することもなく、大混雑していたBreidablikワールドからもうまく人が流れるように。

――露店専用ワールドだと取引が便利になったりするんですか?

中村為替の仕組みを導入しているんですよ。通常のワールドだと1小為替=1000zenyなんですけど、露店専用ワールドだと1小為替=1zeny。取引価格を1000倍まで設定できるようなものです。
 超レアなモンスターカードなんかを露店で取引できる点は好評ですね。インフレしがちではあるんですけど、チャットを介さなくても高額なレア取引ができるということで、だいぶ浸透してきました。

為替の概念図。

中村ワールド倉庫にも少し関連する話で、季節イベント用に“アカウントフラグ”という仕組みを入れました。
 いままでは1ワールドあたり13キャラでプレイして、さらに別ワールドでもプレイして、それぞれのキャラで報酬ゲットみたいな形でした。アイテム量がすごいことになりますし、ものすごく時間もかかっちゃいますよね。
 アカウントフラグを入れたことで、ゲームアカウント内で1キャラがクエストを達成すれば、全キャラが達成したことになるんです。

――最大で13キャラが達成したことになると。

中村そうです。1キャラだけクリアすればいい。プレイ時間を大幅に短縮できます。達成報酬は13キャラ全員ぶんというほどではないですけど、それでも10キャラぶんくらいはもらえます。
 これは季節イベント限定のフラグです。通常のクエストを何度もやるのはたいへんだという場合は、クエストスキップする“不思議な石片”を使っていただいて。

――いまは気軽にできる無料ゲームがたくさんあります。どこも自社タイトルの接触時間を増やしたいものだと思っていたのですが。

山本RO』を重荷に感じてほしくないんですよ。やろうと思えばたくさんアイテムが手に入るということは、人によっては「やらないと損をする」と感じてしまう。
 ワールド倉庫が入ったということは、全ワールド13キャラからアイテムを集められます。「全ワールドにキャラを作るのか」ってなりますよね。いままでの13倍の時間が必要。さすがに疲れるじゃないですか。

――精神的な負担と手間を減らしたいわけですね。

山本だからこそゲームアカウントに集約して。できた時間をほかのコンテンツに回したほうが、より楽しめると思うんです。
 たとえば、友だちに「メモリアルダンジョンに行こう」って誘われても、今日のイベントノルマが終わってないからといって断ったら溝ができてしまう。そういうのよくないですよね。

中村イベント期間中ってイベントしかできなくなるんですよね。イベントに全力を注がないと損をしちゃうから。ほかのゲームにも共通のあるあるだと思います。
 キャラクター数の平均値は1アカウントあたり10キャラほど。ですので、それくらいの報酬を1回でお渡しする流れを2018年の後半から作ってました。2019年のイベントにも導入する予定です。

――イベント自体のボリュームを落とすことなく、ほかのコンテンツも楽しんでもらいたいと。

中村“いまのプレイヤーの遊びかたに合わせる”のは毎年やっていることなので。その一環として開発側に依頼しました。
 プロモーションも充実した1年だったと思います。イラストコンテストのキャラクター部門では、オリジナルキャラを募集して、トップの作品を1月下旬の発表後にドットキャラクターで実装したりとか。
 2019年6月にはゲームタクトさんでオーケストラ楽曲を演奏していただきます。演奏する楽曲はユーザーアンケートを元に決定します。そろそろ結果を出せる頃かな。
 2018年は少し失敗もありましたけど、お約束していたものは実装できたので、自己評価でだいたい75点くらい。2019年も隠し企画を含めていろいろやっていきます。

イグドラシル(ロビーワールド)本格稼働でMMORPGらしい遊びを提案

中村2019年のテーマのひとつは“イグドラシルの本格稼働”です。ロビーワールドですね。ここを中心に、MMORPGらしいプレイを楽しんでいただく。

山本2018年には攻城戦YE(YggdrasillEdition)を4回実施しました。これまでは不定期開催だったんですけど、2019年2~3月からプレオープン。月イチペースで開催したいと思ってます。
 つぎから初めてユーザーさんが自分のレベルや装備を持ち込めるようになります。その環境下での確認したいことなどもあるので、プレオープンという形でしばらく様子を見させてほしいと思っています。
 プレオープン中に確認したいことについては、アンケート等の回答をお願いすることになると思います。それを元にした調整が完了しだい、2019年内の本オープンを目指します。本オープンしてからは毎週開催です。

中村PvEコンテンツとしてはモンスターハウス。通常ワールドで毎週水曜と金曜にやってるモンスターハウスをイグドラシルに移植します。

山本加えて、2018年の年末に深淵の回廊というイベントを開催していて、この中でティアマト攻城戦という大規模PvEを実施したんですね。これをイグドラシルに移植して、モンスターハウスと同様に、毎週定期開催したいと考えてます。
 モンスターハウスが水曜・金曜。攻城戦YEが日曜、そのトレーニングエディションが土曜。残り3日間のうち1日か2日がティアマト攻城戦になります。ほぼ毎日、何かしらがイグドラシルで開催されるイメージです。
 もちろん、イグドラシルのオリジナルコンテンツも考えてます。なるべく2019年内に新しいものを入れられるように調整しているところです。

中村通常のワールドで物語を楽しみつつキャラを強化して、そのキャラをイグドラシルに持ち込んで遊ぶ。そういう流れができればと考えてます。

――進んできていますね。

中村いまのところワールド倉庫に持ち込めるのは装備とカードだけなんですけど、2019年以降も対応アイテムは増やしていきます。収集品や消耗品なんかも。

山本収集品や消耗品はメモリアルダンジョンの報酬にもなっているので、全ワールドから集められるとなると、バランス調整が必要です。

――そうとうありますよね。

山本そうなんです。当然、アイテムを買い取る人もいますから、どうしてもバランスの確認に時間がかかってしまうんです。
 逆に、季節イベント関係のアイテムはアカウントフラグのおかげで物量を把握しやすいので、そういったものを優先して対応していくと思います。

中村RO』は古いエンジンでずっとやってきていて、チャンネル制にして負荷を分散させるのも難しい。その中で“人が集まるにはどうしたらいいか”という問いに対するひとつの答えだと思っています。
 イグドラシルの仕組みを成功させて、「いろんな人と遊べて楽しいね、MMORPGってこうだよね」と感じてもらいたい。ひとりで遊びたい人、ストーリーをじっくり遊びたい人はそれぞれのワールドで。ワールド倉庫で装備を持ち込めば、混雑状況に応じて別ワールドで遊べますから、多様なプレイスタイルも叶えられます。
 2018年である程度は準備ができました。これを2019年には完成させたいですね。

メインストーリーがアップデート。生体工学研究所を活かしたコンテンツも

――ストーリー面のアップデートはいかがでしょうか?

中村“EPISODE:TERRA GLORIA”に続くストーリーが入る予定です。韓国のナンバリングで言うと、エピソード17.1。
 これまでの展開をざっくり説明しますね。“Episode:Banquet For Heroes ~七王家とユミルの心臓~”で、“テラグローリア”というお宝が奪われました。これを追いかけて、シュバルツバルド共和国に潜入。リベリオンたちと協力して、悪の組織疑惑のあるレッケンベル社と戦うというのが大まかな流れ。
 韓国のイメージイラストがこちらです。

韓国版のイメージイラスト。

中村イラストを見るとリベリオンの重鎮が描かれてますね。レッケンベル社の連中も。でも、まだレッケンベル社が黒幕である確証はないんですよね。

――真の黒幕がレッケンベル社以外だったらおもしろいんですけど。

中村見たことないキャラも出てきますから。このタイガーマスクみたいなやつは何者なんでしょうね。いかにも暗躍しそう(注:しません)。

――背景にもキャラが描かれてますね。何者なんですか?

中村私たちもまだわからないんですよ。もともとレッケンベル社は怪しい研究をしてるので、そこで生まれたモンスターなのかもなぁとか。ある程度はイラストから情報が読み解けそうですよね。
 いまは翻訳作業中です。バランス調整もして、だいたい2019年の第2クォーター頃(4月~6月)には実装できると思います。

――エピソードの副題は決まっていますか?

中村韓国での副題はイルシオン。基本的にはそれを踏襲しようと思っていますけど、日本の描きおろしイラストは用意するつもりです。Banquet For HeroesとTERRA GLORIAでもお願いしたイラストレーターさんにお願いしたいなあと。

山本王家の人もそろそろ王位を継いでほしいですよね。王様、何年不在なんだよと。

中村リアルの時間で言うと10年以上王様不在ですから。ストーリーのアップデートはもうひとつ予定しています。生体工学研究所関連。韓国では2018年の12月に実装されたものなんですけど。これが参考資料です。

中村生体工学研究所:EDDA(仮称)の実装前に、韓国では生体工学研究所の登場人物をモチーフにしたWebコミックが公開されていたんですよ。全16話。このストーリーがゲームの中で展開していきます。

中村登場するのが、セイレン=ウィンザーをはじめとする生体工学研究所のキャラクターたち。セイレン=ウィンザーはテラグローリアのときにちょっと登場した因縁深いキャラだったりします。
 生体工学研究所というコンテンツ自体は、ユーザーさんから非常に人気を博していて。登場人物のバックグラウンドがわかる内容なので期待できますね。
 Webコミックはすでに翻訳を始めています。アップデートに合わせて公開予定です。時期はエピソードアップデートの後なので 秋口とかその辺りに。ちょっと遅くなるかもしれませんけど。

システムの改善でより遊びやすく

中村システムアップデートも予定があります。少し遅れていたドラムの結婚を入れたいんですよ。つぎのジューンブライドまでには間に合わせたいなと。
 なぜ遅れていたかと言いますと、結婚システムそのものに手を入れているからなんです。同性婚もできるようになりますし、ドラムを養子として迎え入れられるにもなります。
 結婚システムは初期の初期に作られたもので、改修による影響が大きいんです。ゲームのシステム面で、それぞれの入場制限(メモリアルダンジョンなど)の改修も必要で、そこの検証と改修で手間取っているんですね。せっかく結婚したのに夫婦や親子でダンジョンに入れないみたいな話があるのも困るので。

――ドラムと人間は結婚できますか?

中村できます。同性婚も異種族の結婚も、人によっては賛否が分かれるところかもしれませんが、これも多様性。制限をかけるよりはできたほうがいいだろうなという判断ですね。

ドラムも結婚システムの対象に。

中村イベント関連のシステムも遊びやすくなっていると思います。先ほど深淵の回廊の話題がありましたよね。前は開催期ごとにイベントポイントがリセットされていたんですけど、いまは次回に持ち越せるんです。使い切らなくてもいい。
 中身も変わっていますね。ボスに挑戦するまでいくつか討伐クエストを済ませる必要があった。2日くらいかかっていたのが、大幅に短縮して、いまは初日にボスのダンジョンまで行けるくらいにしちゃいました。

山本モンスターを7,800体倒す必要があったのが、ダンジョンに入るだけなら60体。

――ざっと130分の1ですね。

中村深淵の回廊の立ち位置を変えようと思ってるんです。前まで大きなイベントとして用意していたのが、2019年はイベントとイベントの間に1週間だけ開催するとか、小回りの利く形に改良してあるので。
 マメに通っていただきたいので、少しずつ貯めておける形に。少しずつ新要素を積み上げているなので、余裕があれば新しいコンテンツを増やしたいかなと。毎回アイテム自体はどんどん足しているんですけどね。

――新しいダンジョンの実装予定はありますか?

中村2018年から実装を始めている“イリュージョンダンジョン”というシリーズがあります。BaseLv170以上で入れるデスペナルティのないダンジョンが、いまは4つが実装済み。こちらも順次実装していきます。
 いちばん早いのは2019年2月の“イリュージョンオブテディベア”ですね。ベアドールというモンスターがいるんですね。可愛いくせしてハンマーをガシャンガシャン振り回すくまのぬいぐるみなんですけど、その系統のモンスターが出てきます。
 イリュージョンダンジョンシリーズは、マップ自体は既存のものと同じで、そこにストーリーと新モンスター、新カードが導入されたもの。狩りのモチベーションになればいいなと。

山本イリュージョンダンジョンはもともと8部作の予定で作っていて、つぎのイリュージョンオブテディベアが5つ目。これまでは2ヵ月にひとつくらいの実装ペースなので、開発が終わったら2019年に残りも全部入れられるかもしれませんね。

中村狩りのモチベーションと言えば、カードも追加されます。これはインタビュー掲載日に追加するぶん。決戦アップデートのときのモンスターですね。モロクとかその手下たち、途中のダンジョンに出てくる雑魚モンスター。
 実装待ちのカードはけっこうあるんですよ。『RO』にはいろいろな国をモチーフにしたマップがあって、それ関連のカードも少しずつ実装されていきます。つぎはブラジリスかな。2019年後半の予定です。

職業関連のアップデートも準備中

中村これだけ盛りだくさんに喋って本当に2019年に入れられるかという話ですね。がんばります。
 あとユーザーさんが気にしそうなのは職業の話。進捗は山本のほうから。

山本ずっと「レベルを拡張しないのか」と言われ続けてきたスーパーノービスの拡張を準備しています。BaseLvが160、JobLvが50だったのが、 BaseLv175、JobLv60に拡張されます。
 スーパーノービスはいろいろな職業のスキルを組み合わせて戦う職業でしたが、スーパーノービスの上位職には専用のスキルが追加される予定です。物理と魔法用のスキルがいくつか追加されるみたいな形で開発が進められています。
 日本での実装は韓国での実装後に内容を検証してからになるので、早ければ2019年の年末頃でしょうか。お待たせしてしまって申し訳ないですが、進んでいることは間違いありませんので。

中村スーパーノービス好きはこだわる方が多いですからね。

山本HPの少なさが改善されることも検討されています。そしてもうひとつ。拳聖とソウルリンカーですね。BaseLv99で止まってる彼らの上位職がとうとう見えてきました。その名も星帝とソウルリーパーです。

星帝(右中央)とソウルリーパー(右下)。狛犬のような動物は騎乗用手綱で乗れる騎乗生物。

中村星ですからね。サウザーじゃないですよ。

――びっくりしました。退かなくて媚びなくて省みないのかと思った。

山本太陽と月と星の力を合わせて宇宙から攻撃するみたいな職業コンセプトなんです。

――スケールがでかい。言葉だけ聞くとめちゃくちゃ強そう。

中村もともと各職業を強化できるのがソウルリンカー。かつて最強を誇ったソードマンの魂を宿して戦うみたいな設定です。そのキャラに魂をつなぐことで強化する。ソウルリーバーはその上位職ですからね。

――コンセプトがひたすらかっこいい。

山本2018年3月くらいから韓国でテストされて、6月頃に実装されています。開発元では実装後のスキルの調整も落ち着いてきました。日本ではスキルの仕様等を詰めているところです。
 実装時に既存の拳聖とソウルリンカーのスキルも調整されるようです。早くても2019年の年末。ちょっと2019年内は厳しいかもしれないんですが。

――実装順はどうなりますか?

中村要素のボリュームを考えると動きやすいとは思います。ただ、単純には決められないので、星帝とソウルリーパーが先になる可能性ももちろんあります。BaseLvで99で止まっちゃってますからね。レベル上限が上がれば行動範囲が広がります。

山本星帝とソウルリーパーはこれで転生していない3次職扱いになるんですよ。養子とかと同じカテゴリーですね。
 じつはもうひとつ大きなシステム調整があります。レベル上限解放です。175から185まで上限解放を考えているんですが、これが一筋縄ではいかなくて。
 解放とともに2次職のスキル調整も入っています。たとえば、マグヌスエクソシズムという悪魔にしかダメージを与えられないプリーストのスキルがあるんですが、 これがシンプルな範囲攻撃の聖属性魔法になったりとか。

――そうなると完全に別スキルですね。作業量がかなり多そう。

山本そうなんですよ。どこまで調整するのかまだ見えていないのに、レベル上限解放と同時に入れないといけない可能性もあるんです。
 185のレベルキャップ解放、スーパーノービス上限開放、星帝とソウルリーパー。この3つのうち、どれかは2019年内にやりたいんですが、いまのところは鋭意調査を進めていますとしか言えないんですよね。

――作業の難しさは横に置くとして、プレイヤーはどれを望んでいるんでしょうね。単純に考えて、関係するのがいちばん多いのはレベル上限の解放だとは思いますが。

中村たしかにそうなんですけど、スキル調整が入るということは、いままで遊んでいたものが遊べなくなる、好きな遊びかたが変わる可能性もあります。それをマイナスと捉える人もいるかもしれません。
 その辺を考慮して、前向きな意味で環境がまるっと変わるとなると、個人的には星帝とソウルリーパーなのかなと思っています、いまは。

山本2次職のスキル調整は日本に合わないからなしで、という可能性もあります。
 星帝とソウルリーパーに関しては、ドラムみたいに完全な新キャラとは違いますけど、新職業感は強いと思うんです。
 いままで拳聖とソウルリンカーは(レベルが途中で)止まる職業だからやったことない という人も多いと思うんですよね。

――そうか。「どうせ弱いからやらなくていいや」みたいな。

山本現時点での期待度はそうでもないかもしれないけど、強くなるんだったら試してみようという人は多いとは思います。

中村拳聖はもともと特殊な職業なんです。偶数、奇数の5の倍数の日とかマップだと力を発揮する。ロジカルな遊びを楽しんでいる人もいるんですけど、最大レベルが低いから最近は使われてない、と。
 レベルが上がれば行けるダンジョンも増えますし、ほかの人ともいっしょに遊びやすくなる。星帝とソウルリーパー以外の人の楽しみにも影響するでしょうね。

――話をまとめると、2019年はイグドラシルワールドを中心とした施策、ストーリーアップデート、キャラ育成関連のアップデートと、3つの軸があるわけですね。

中村16周年を迎えても新しいコンテンツを入れられるのはうれしいですよ。

――『RO』からは新しいものを提供しようという気概を感じます。

中村それは当然として、“すでにあるものを遊びやすくする”という部分にも手を入れていきたいんですよ。アカウントフラグはその最たる例ですね。
 ユーザーさんのプレイ状況には注意を払っていて、ご意見をいただいたらできるだけ早く対応するという部分を強化しているんです。

――たとえば、どのような対応を?

中村ティアマト攻城戦の難易度ですね。これくらいが妥当だろうと実装したら初日の反応が芳しくなった。難しすぎてモチベーションが下がると判断して、難易度の調整を週末をまたぐ前に臨時メンテナンスで対応しました。前までは翌週の定期メンテナンスで調整するくらいだったんですけど、フットワークを軽くして。
 アニバーサリーイベントの“モンスター大襲撃”もすぐに対応できた例ですね。定員1マップ200人で5マップ用意してたんですけど、Breidablikは人気が高くてすぐにいっぱいに。そうなる前に、臨時で2マップ開放しました。サーバーが不安定になるデメリットはありますけど、2マップくらいならなんとか耐えられるだろうと天秤にかけて。これはメンテなしで増やせるように準備していました。

――救急ドクター並みの判断の早さ。

中村あらかじめ想定できるトラブルには、すぐに対応する環境を用意したいんですよ。
 最近は生放送もオフラインイベントもやってないですけど、それでユーザーさんと距離が離れるのも嫌じゃないですか。であれば、期待に答える場はゲームの中身です。

――ある意味、いちばん正統派な対応ですね。

山本いつまで経ってもチャンレジが大切です。ティアマト攻城戦は難易度を下げましたけど、なるべくギリギリを狙っていきたい。あまり簡単にクリアできると拍子抜けだけど、難しすぎると諦めてしまう。
 そのギリギリのラインを狙って、つねにチャレンジングな調整をしたいですね。ダメだったときはすぐにリカバリーできる準備をしつつ。2019年もギリギリの難しさ、ギリギリのバランスを狙ってチャレンジを続けます。

いったん休憩を挟んで別の場所でインタビューを再開した。

中村こういうのができるのも、開発元と協力関係を築けているからだと思います。日本の事情に合わせて(仕様を)変えてもらえるのは大きいですよ。

――最終的に、オンラインゲームの主権は開発側が握っているものなので、運営会社に取材をしても答えてもらえないことはあります。運営からの意見が通りやすいのはいいですね。

中村インタビュー中にいいアイデアが出てきたら、掲載までに素早く(開発側の)許可を取ることもありますからね。

山本もうやるしかないでしょ、みたいな空気にしちゃう。

中村フットワークはすごく軽いし、そこに新しいアイデアを重ねてよりいいものにしてくれることもあります。仲もいいと思いますよ。そういう関係性があるから、キムチパーティーのスタンプ(※)も出せるわけです。

(※キムチパーティーのスタンプ:『RO』LINEスタンプ第2弾のラインナップのひとつ。元ネタは各自で検索してください)

――何でわざわざそういうことしちゃうの。

山本これもギリギリを攻めた結果ですよ。

中村ちなみに、第2弾の中でどれがいちばん好評だと思います? 『RO』のユーザー目線だと、これなんですよ。

中村これ使いやすいんですよ。いやー、入れてよかった。注目してほしいときに便利です。

――そうか。『RO』ファンはカードが出ると条件反射的に見ちゃうから。これだけドット絵風なのも『RO』っぽい。

中村個人的には、ホルグレン(鍛冶屋NPC)がカンカンやってるスタンプとSUCCESS・Failedをセットにしたのが気に入ってます。誰かが「カンカン」ってやったら好きなほうで返す。

――コミュニケーションツールだ。

中村今日はいい気分だからSUCCESSにしておいてやろう。ポチッみたいな。

――もちろん今回も上長の承認をもらってるんですよね(※)。

(※上長の承認:第1弾にも攻めたネタが含まれていており、僕は上長の承認が下りたのが不思議だった)

※関連リンク
なんで「しょうがないにゃあ・・」を選んだの? 『ラグナロクオンライン』LINEスタンプ制作秘話を訊いたらホロリときた

中村当たり前じゃないですか。スタンプのリストと仕上がったイラストをバーンと見せて「これでいきます!」って。

山本これ以上は聞かないでください。

――おい。

中村ユーザーさんから「攻めてるなー」と、ありがたいコメントをいただきました。見て笑っていただけるだけでも十分うれしい。もちろん、『RO』から離れていた人がLINEスタンプで思い出して、また遊んでくれたらいいなとは思いますけど。

山本久しぶりにつないでみようかなと思ってもらえたら幸いです。

中村「ちょっと遊ばない?」となったときに、キムチパーティーのスタンプをパッとね。



(C) Gravity Co., Ltd. & Lee MyoungJin(studio DTDS). All rights reserved.
(C) GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.